2026:Q3 2026/11/03 発表(引け後)
- 発表翌営業日+9.00%寄付 +9.40%
NVTS 2026年Q3決算:高電力市場への転換が実り、売上高が前年比38%増で成長再加速
NVTSの決算ハイライト
ナビタス・セミコンダクターの2026年第3四半期は、売上高が1,399万ドルとなり、前四半期比33%増・前年同期比38%増を記録した。前年同期比でのプラス成長は2024年以来初めてで、モバイル・低価格コンシューマー向け事業からの撤退と入れ替わる形で、高電力市場が成長を牽引した。
収益性面でも改善が進み、GAAP粗利益率は21.5%(前四半期0.4%、前年同期は-2.0%)、非GAAP粗利益率は40.0%とガイダンス中央値を上回る水準に達した。GAAP営業損失は3,440万ドルに拡大した一方、非GAAP営業損失は1,090万ドルと前四半期・前年同期からほぼ横ばいで、コスト構造の悪化ではなく一時的費用の増加が主因とみられる。GAAP純損失は3,710万ドルで、前四半期にあったアーンアウト負債の再評価に伴う2.03億ドルの非現金費用が無いぶん、前四半期の2.28億ドルの純損失からは大きく縮小した。
第4四半期ガイダンスでは売上高1,600万ドル(プラスマイナス50万ドル)を見込み、中央値で前四半期比14%増・前年同期比119%増となる。会社は通期で7%の売上成長を見込みつつ、高電力市場単体では125%の成長を見込むとコメントしており、モバイル・低価格コンシューマー事業の消失を高電力事業の急拡大が吸収する構図が鮮明になっている。
抑えておくべきKPI
- 売上高: 1,399万ドル(前年同期比38%増、前四半期比33%増)
- 非GAAP粗利益率: 40.0%(前四半期39.5%、前年同期38.7%から改善)
- GAAP粗利益率: 21.5%(前四半期0.4%、前年同期-2.0%から大幅改善)
- 現金及び現金同等物: 5.31億ドル(2025年12月末の2.37億ドルから増加)
インサイト
今回の決算で最も注目すべきは、「Navitas 2.0」と呼ぶ事業転換が数字として形になり始めた点だ。高電力市場向け売上が前四半期比50%超の伸びを示し、粗利益率の改善を牽引した。GAAP粗利益率の改善には無形資産償却費の減少(一部の開発技術無形資産が償却完了)という会計要因も寄与しており、純粋な事業改善と区別して見る必要がある。
キャッシュポジションは5.31億ドルへと大きく積み上がったが、これは本文に明記された事業からのキャッシュ創出というより、増資や関連取引の影響を含む可能性がある。一方で非GAAP営業損失・非GAAP純損失はともに前年同期・前四半期から横ばいもしくは縮小傾向にあり、赤字幅の急拡大は見られない。GAAP純損失が前年同期の1,920万ドルから3,710万ドルへ拡大した点はローライトだが、その他費用(716万ドル)の計上が影響しており、一過性の要素を含む可能性がある。
今後の見どころ
会社は第4四半期に売上高で過去7四半期で最高水準に達する見通しを示しており、年末時点でAIインフラ関連(AIデータセンターおよびグリッド・エネルギーインフラ)が総売上の40%超を占めるとの見方を示している。これが2027年の成長持続につながるかが次の焦点になる。
直近で完了したClarosの買収は、GaN・SiC・IVR技術を組み合わせたグリッドからxPUまでの電力供給戦略を完成させるものと位置づけられている。統合コストや新規市場でのデザインウィン獲得状況が今後の業績を左右する要素であり、ブックトゥビル比率や2027年半ばまで伸びるとされる受注残高の推移も注視したい。
出典
Navitas Semiconductor Announces Third Quarter 2026 Financial Results
2026:Q2 2026/07/27 発表(引け後)
- 発表翌営業日-12.27%寄付 -10.56%
- 5営業日+0.96%
NVTS 2026年Q2決算:高出力市場が牽引し売上高が前四半期比22%増、Navitas 2.0への転換が加速
本決算のポイント
ナビタス・セミコンダクターの2026年第2四半期は、売上高が前四半期比22%増の1,053万ドルとなり、高出力市場が前年同期比50%超の伸びを見せて成長を牽引した。前年同期の1,449万ドルとの比較ではまだ届いていないものの、モバイル・低価格帯コンシューマー市場からの撤退を進めながらの成長という点で意味合いが異なる。
収益性面では、non-GAAPベースの粗利率が39.5%と前四半期の39.0%、前年同期の38.5%から着実に改善した。一方でGAAP純損失は2.282億ドルと大きく膨らんだが、これはアーンアウト負債の最終再測定に伴う2.031億ドルの非現金評価損が主因であり、事業実態を示すnon-GAAP純損失は930万ドルと前四半期の980万ドルからほぼ横ばいだった。
会社側は第3四半期の売上高を1,350万ドル前後(前四半期比28%増、年間比でも成長回帰)と見込み、通期では一桁台半ばの増収を見込む。AIデータセンターや電力網インフラといった高出力市場が年末までに全売上の3分の1超を占める見通しで、事業構造の転換が数字にも表れ始めている。
抑えておくべきKPI
- 売上高: 1,053万ドル(前四半期比22%増、前年同期比27%減)
- non-GAAP粗利率: 39.5%(前四半期39.0%、前年同期38.5%から改善)
- non-GAAP営業損失: 1,140万ドル(前四半期1,170万ドル、前年同期1,060万ドル)
- 現金及び現金同等物: 5.574億ドル(2025年12月末の2.369億ドルから大幅増)
投資家目線のインサイト
今回の決算で目を引くのは、売上高そのものよりも「Navitas 2.0」と呼ぶ高出力特化戦略への転換が数字で裏付けられ始めた点だ。モバイル・コンシューマー向けからの実質的な撤退を進めながら、AIデータセンターや電力網インフラといった高出力分野が前年同期比50%超で伸びており、単なる縮小均衡ではなく事業ポートフォリオの入れ替えが進行していることが読み取れる。
GAAP純損失2.282億ドルは一見大きなローライトに映るが、その大半はアーンアウト負債の再測定という非現金・非経常的な会計処理によるもので、事業のキャッシュ創出力を測るnon-GAAP純損失は930万ドルと前四半期からほぼ横ばいにとどまっている。現金残高が5.574億ドルまで積み上がったことで、設備投資や戦略投資に動ける財務的余地が広がった点は評価できる材料だろう。
一方で、前年同期比では依然として減収基調にあり、市場が期待する成長軌道への「回帰」はまだ第3四半期以降を待つ必要がある。会社が示す通期一桁台半ばの増収見通しが実現するかどうかが、転換の成否を測る次の分岐点になる。
今後の見どころ
会社は第3四半期の売上高を1,350万ドル前後、non-GAAP粗利率39.7%前後と見込んでおり、これが実現すれば前年同期比での成長回帰となる点が最大の注目点だ。第4四半期も二桁成長が続くとの見通しが示されており、通期でのモバイル撤退完了とAI関連売上比率の拡大が両立できるかが焦点になる。
加えて、NVIDIA MGXエコシステムとの連携拡大や、1.2kV JFET製品ラインなど新製品の投入計画も示されており、2027年に見込まれるハイパースケーラーやXPUプラットフォームでの量産立ち上げが今後の成長ドライバーとして意識される。バックログの拡大やbook-to-billの水準が、これらの見通しの信頼度を測る材料になるだろう。
出典
Navitas Semiconductor Announces Second Quarter 2026 Financial Results
2025:Q3 2025/11/03 発表(引け後)
- 発表翌営業日-11.26%寄付 -11.83%
- 5営業日-10.47%
NVTS 2025年Q3決算:売上高は1,011万ドルと半減、高出力市場への転換のなか赤字が続く
本決算のポイント
ナビタス・セミコンダクターの2025年第3四半期は、売上高が1,011万ドルと前年同期の2,168万ドルから53%減少した。会社は主因を、中国地域のモバイル・コンシューマー向け販売の減少としている。9カ月累計の売上高も3,862万ドルで、前年同期(6,532万ドル)から41%減った。
純損失は1,923万ドルで、前年同期の1,873万ドルから拡大した。1株当たり損失は0.09ドル(前年同期は0.10ドル)である。営業費用は2,325万ドルと前年同期の3,759万ドルから38%減ったが、売上減を補うには至っていない。なお本書類は10-Qで、業績ガイダンスの記載はない。
抑えておくべきKPI
- 売上高: 1,011万ドル(前年同期は2,168万ドル、53%減)
- 純損失: 1,923万ドル(前年同期は1,873万ドル)。営業損失は1,941万ドル(前年同期は2,897万ドル)
- 営業費用: 2,325万ドル(前年同期は3,759万ドル)。うち研究開発費は1,328万ドル、SG&Aは523万ドル
- 現金及び現金同等物: 1.506億ドル(2025年9月30日時点)
投資家目線のインサイト
営業損失が縮小した背景には、一時的な要因が含まれている点に注意したい。SG&Aは前年同期比65%減の523万ドルだが、原文によれば、CEOの退任に伴い株式報酬が850万ドル戻し入れられた効果が大きい。一方でCEO移行費用250万ドルが計上されており、コスト構造が恒常的に軽くなったとは言い切れない。
売上高は半減しており、前年同期との比較では事業の縮小が目立つ。売上原価(無形資産償却を除く)は628万ドル(前年同期は1,307万ドル)だった。純損失には、アーンアウト負債の公正価値変動による損失84万ドルも含まれる(前年同期は917万ドルの利益)。
今後の見どころ
会社は高出力市場への転換を進めており、原文はこれに伴い販売網の集約を進めていると説明している。この転換の実行にはさらに資金が必要になる可能性があるとして、追加の資金調達を検討する場合があると記している。
現金及び現金同等物は1.506億ドルで、会社は当面の事業資金には十分としている。9カ月累計の営業活動によるキャッシュフローは3,478万ドルの支出であり、第2四半期に完了した約1.00億ドルのATMによる資金調達が現金を支えた。新規の高出力製品がどこまで売上高の落ち込みを埋められるかが確認点になる。
