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- はじめに
- メタネックスとは?何の会社?
- メタネックスの主な事業は?
- 取引市場は?
- メタネックスのセクター、業種、属するテーマは?
- メタネックスの会社設立と上場したのはいつ?
- メタネックスの配当は?
- グリーンメタノールとは?
- なぜ今グリーンメタノールが注目されている?
- メタネックスがグリーンメタノールの本命とされているのはなぜ?
- メタネックスが属する業界の規模と成長性は?
- メタネックスの競合企業は?
- メタネックスの競合との差別化要素と優位性は?
- メタネックスの今後の展開と将来性は?
- メタネックス(MEOH)の業績について
- メタネックス(MEOH)の株価
- MEOH 2026年Q2決算:中東情勢による供給ショックが価格急騰を招き、四半期最高益を記録
- MEOH 2026年Q1決算:中東情勢が価格を急騰させ、第2四半期は大幅増益を予告
- MEOH 2025年Q4決算:通期は増収増産も、第4四半期は純損失8900万ドルに拡大
- MEOH 2025年Q3決算:買収2拠点のフル稼働で増産も、純損失700万ドルに転落
- まとめ
はじめに
エネルギー分野では、気候変動に対応し、環境に配慮した持続可能なエネルギーへの需要が高まっています。その中で、新たな核融合発電技術や、燃焼してもCO2を排出しない高火力のアンモニアなど、様々な革新的な技術が注目を集めています。
特に、船舶用燃料としての利用が進むメタノールは、再生可能エネルギーを活用してCO2を排出しない「グリーンメタノール」として重要視されています。
この分野でリーダー的存在であるグローバル企業「メタネックス」に焦点を当て、そのビジネスモデル、市場での立ち位置、独自の特性、および将来性について詳しく分析します。
本記事では、グリーンメタノール市場におけるメタネックスの役割と事業戦略を掘り下げ、投資家が知るべきポイントと今後の株価見通しについて考察します。
メタネックスとは?何の会社?
- メタネックス(Methanex Corporation)は、1968年に設立されたカナダに本拠を置く世界最大のメタノール生産および供給会社。
- メタネックスは、北米、アジア太平洋、ヨーロッパ、南米などの主要国際市場で、世界最大のメタノール生産者および供給者として位置づけられている。
- メタノールの生産に関しては、トリニダード・トバゴ、エジプト、カナダ、チリ、ニュージーランド、アメリカ合衆国に生産施設を持ち、グローバルに事業を展開している。
- メタネックスは、「Power of Agility(機動力の力)」というブランドの約束のもと、全世界の従業員とともに事業を運営しており、そのキーポイントは、市場での変化に対する迅速な対応能力にある。
- メタネックスは、持続可能な方法でメタノールを供給し、多岐にわたる産業に対して重要な役割を果たしている。
メタネックスの主な事業は?
- メタネックスの主な事業はメタノールの生産、販売、供給。
この会社は、世界最大のメタノール生産者およびサプライヤーとして知られており、広範なグローバルネットワークを通じてメタノールを供給している。 - メタノールは、エネルギー効率が良く、環境に優しい燃料の一種であり、多くの産業で利用されている。その用途は非常に多岐にわたり、建材、プラスチック、ペイント、発泡剤、ポリエステル、医薬品の製造に至るまで、広範な分野で使用されている。
- メタネックスはメタノールを海上輸送燃料としても提供し、SOx(硫黄酸化物)やPM(粒子状物質)の排出を削減する環境に優しい燃料としての利用を推進している。
- メタネックスは持続可能性を重視し、安全で責任ある方法でメタノールを輸送することにも注力している。
これには、船舶や備蓄施設を通じたメタノールのグローバルな物流ネットワークの管理が含まれる。
このように、メタネックスは化学業界において重要な役割を担っており、その事業は広範囲に及んでいる
取引市場は?
メタネックス(Methanex Corporation)は、カナダのトロント証券取引所(TSE)およびアメリカのナスダック(NASDAQ)で取引されている。
この二重の上場は、メタネックスが北米の大きな市場に広くアクセスし、グローバルな規模での事業展開を支える資本調達など、企業の成長戦略を推進するための重要な要素となっています。
メタネックスのセクター、業種、属するテーマは?
セクター
- 化学業界: 化学物質の製造、販売、研究を行う企業を含むこのセクターは、日常生活の多くの側面に欠かせない製品を提供し、医薬品、建材、エネルギー源など、多岐にわたる産業で重要な役割を果たしている。
業種
- メタノール生産・供給: メタネックスは、メタノールの生産と国際市場への供給に特化している。メタノールはエネルギー源としての用途のほか、溶剤や冷却剤としても使用され、化学業界における環境に優しい製品として位置付けられている。
属するテーマ
- 持続可能なエネルギー: メタネックスは、メタノールを通じて持続可能なエネルギー源を提供している。メタノールは、化石燃料に代わるクリーンな燃料として注目されており、二酸化炭素の排出削減に貢献している。
- グリーンケミストリー: メタノールの生産において、メタネックスは環境への影響を最小限に抑える技術とプロセスを導入している。これにより、化学業界における持続可能な製造プラクティスの推進者としての役割を担っている。
メタネックスの会社設立と上場したのはいつ?
メタネックス(Methanex Corporation)は1968年に設立され、1992年5月29日にナスダック市場で上場した。
この会社は、その後数十年にわたってグローバルなメタノール市場でリーダーシップを維持し続けている。
メタネックスの配当は?
メタネックスの最近の配当内容は以下の通りです。
- 配当利回り: 1.56%
- 配当性向(直近12ヶ月): 約28.79%
- 配当支払いの頻度: 四半期ごと(年4回)
- 配当支払い月: 3月、6月、9月、12月(具体的な日付は異なる場合がある)
グリーンメタノールとは?
グリーンメタノールは、化石燃料を使用せずに再生可能エネルギー源から生産されるメタノールのこと。
従来のメタノールが主に天然ガスや石炭から製造されるのに対し、グリーンメタノールは二酸化炭素(CO2)と、再生可能エネルギーを利用して水から抽出された水素(H2)を原料として使用する。
このプロセスでは、持続可能な方法でエネルギー供給を行うことが可能となる。
この生産プロセスは、二酸化炭素の再利用を可能にするため、気候変動対策として注目されている。
具体的には、大気中や産業プロセスから排出される二酸化炭素を捕捉し、再生可能エネルギーを用いて水電解により生成された水素と反応させてメタノールを生成。この方法で製造されるメタノールは、化石燃料に依存しないため、カーボンニュートラルな化学品としての利用が可能。
グリーンメタノールは、燃料や化学原料としての用途に加え、エネルギー貯蔵媒体としても有用で、再生可能エネルギー源の不安定な供給を安定化する手段として期待されている。
関連記事:【株テーマ】グリーンメタノールの詳細と関連銘柄(米国&日本株)
なぜ今グリーンメタノールが注目されている?
グリーンメタノールが注目されている理由は、その環境に優しい特性と持続可能なエネルギーへの移行に対する増加する要求による。
以下は、グリーンメタノールが特に重要視されているポイント。
- 環境への配慮:グリーンメタノールは、再生可能エネルギーを使用して製造され、化石燃料に比べて温室効果ガスの排出を大幅に削減できるため、多くの国や企業にとって魅力的である。
- 循環経済への適合性:二酸化炭素を有効利用し、その排出量を減らすことができるため、循環経済の概念と一致する。工業プロセスや発電所などから排出される二酸化炭素を捕捉してメタノールを生産することで、廃棄物を価値ある資源に変換することが可能となる。
- エネルギー貯蔵としての利点:再生可能エネルギーの発電は天候に依存するため、供給が不安定になりがちです。グリーンメタノールは、生成されたエネルギーを長期間保存し、需要の高い時に利用することができるため、エネルギー供給の安定化に貢献する。
- 幅広い用途:メタノールは燃料だけでなく、化学原料としても広く用いられている。グリーンメタノールを使用することで、プラスチック、塗料、接着剤などの日常製品をより持続可能な方法で生産することが可能になる。
これらの理由から、エネルギー政策や環境規制が厳しくなる中で、グリーンメタノールは今後ますます重要な役割を担うと考えられています。
メタネックスがグリーンメタノールの本命とされているのはなぜ?
メタネックスがグリーンメタノールの本命とされている理由は、同社がメタノール生産の大手でありながら、持続可能なプロジェクトへの積極的な取り組みと革新的なアプローチを進めている点にある
メタネックスは、グリーンメタノールの生産能力を高めるため、再生可能な天然ガスを利用したメタノールの生産を目指しており、これにより市場が成長するにつれて供給を拡大していく計画です。
また、メタネックスはその子会社である「ウォーターフロント・シッピング」を通じて、低排出のメタノール燃料を使用した船舶の運用を進めており、船舶からの排出削減に貢献し、持続可能な海運業への移行をリードしている。
このような背景から、メタネックスはグリーンメタノール市場において重要な役割を果たしており、その技術開発と市場への影響力が高く評価されている。
特に、環境への配慮を重視する現代において、メタネックスのような企業の活動は、エネルギー遷移を支える基盤となっている。
メタネックスが属する業界の規模と成長性は?
メタネックスが属するメタノール産業は、現在と将来の成長の見通しで注目されている
2023年には約30.8億ドルの市場規模を持ち、2030年までには43.05億ドルに達すると予測されており、この市場は、年平均成長率(CAGR)で約4.9%の成長が見込まれている。
特に、アジア太平洋地域はこの業界の最大の市場であり、中国やインドなどの国々でメタノールの需要が高まっている。これは、メタノールがクリーンな燃料としての利用が増えていることや、自動車や建設業界での利用が拡大しているため。
メタノールは建設材料、自動車部品、電子機器など、幅広い産業で使用されており、これらの産業の成長がメタノール市場の拡大を後押ししている。また、環境に優しい燃料としての特性から、持続可能な製品への需要が高まる中で、メタノールは重要な役割を果たしてる。
このように、メタネックスが属するメタノール産業は、持続的な成長が期待される市場であり、その中でも特にアジア太平洋地域の影響力は大きいと言える。
メタネックスの競合企業は?
メタネックスの主な競合企業としては、以下の会社が挙げられます:
- OCI N.V.(OCI):オランダに本拠を置き、天然ガスを基にした肥料や工業化学品を生産している。
- Baotailong New Materials : 中国の化学品メーカーで、主に化学製品の製造に関与している。
- LCY Group:台湾に本拠を置く石油化学製品の生産者で、ポリプロピレン、メタノール、溶剤、熱可塑性エラストマーを生産している。
- Sipchem(SIPCHEM): サウジアラビアの化学品およびポリマーの製造会社。
これらの企業は、メタネックスと同様にメタノール市場で活動しており、各社ともグローバルな展開を見せている。
メタネックスの競合との差別化要素と優位性は?
メタネックスは世界最大のメタノール生産者であり、その競争力の源泉として「アジリティの力(The Power of Agility)」を掲げている。
これは、市場の変動に迅速に対応し、顧客のニーズに柔軟に応える企業文化を意味する。
メタネックスの主な差別化要素と優位性には以下の点が挙げられます:
- グローバルなプレゼンスと統合供給網:メタネックスは北米、アジア太平洋地域、ヨーロッパ、南アメリカの主要市場に製品を供給しており、世界中の生産施設から効率的にメタノールを配送する強固なロジスティクスとサプライチェーンを持っている。
- コストリーダーシップ:同社は、業界内で最も低コストの生産体制を誇り、自社の生産施設は天然ガス供給契約によって支えられている。これにより、メタノール価格の変動に対しても競争力を維持することができる。
- 持続可能性と安全性への取り組み:メタネックスは、持続可能なソリューションの推進、環境と人々の保護、安全なメタノール輸送に注力しており、社会的責任を果たすとともに、業界内での信頼と評価を確立している。
これらの特性がメタネックスを市場で際立たせ、競合他社との差別化を図っている。
メタネックスの今後の展開と将来性は?
メタネックスは今後の展開として、主にルイジアナ州のジーマーに位置するGeismar 3プロジェクトの再開と拡張を計画している。
このプロジェクトは約13億ドルの投資で進行中で、2023年末または2024年初頭に商業運用を開始する予定。
Geismar 3プラントはメタネックスの主要な成長戦略であり、完成すれば業界内で最も低いCO2排出強度を持つ施設の一つとなる見込みとなる。
この拡張により、メタネックスはそのコスト構造をさらに最適化し、長期的に株主に対して顕著な価値を創出すると見込まれている。また、同社は戦略的パートナーを探求することにより、このプロジェクトのリスクを分散し、資本効率を向上させる計画。
さらに、メタネックスはカナダのアルバータ州メディスンハットに新しいメタノールプラントの建設を検討している。このプロジェクトは、地域の競争力のあるガス価格と既存の施設の利点を活かすことで、資本コストと運用コストを低減することが期待されている。
これらの展開は、メタネックスがグローバルなメタノール市場でのリーダーシップを強化し、持続可能な成長を追求する戦略の一環となる。
メタネックス(MEOH)の業績について
まずは、最低限の業績分析を行なうための、以下の4つの指標を確認していきます。
- 売上(売上高): 企業が商品やサービスを提供して得た「収入の総額」。
- 営業利益: 売上から必要経費を差し引いた、本業で稼いだ純粋な「儲け」。
- キャッシュフロー: 帳簿上の数字ではなく、実際に企業の手元で動いた「現金の出入り」。
- EPS(1株当たり純利益): 企業が発行している株1株あたり、どれだけの「最終的な利益」を出したかを示す数値。
メタネックス(MEOH)の2026年Q2決算(2026/07/28 発表)は、売上1,380.0百万ドル(アナリストコンセンサス1,430.0百万ドルに対し-3.5%)、EPS 3.84ドル(同3.95ドルに対し-0.11ドル)でした。
売上の前年同期比は+70.5%です。
直近8四半期では、売上が1回、EPSが3回コンセンサスを上回っています。
四半期:売上高の推移

四半期:営業利益の推移
- 営業利益: 本業で稼ぐチカラを示す最重要の利益。

四半期:EPSの推移
- EPS: 1株あたりの純利益。この数値が毎年右肩上がりかどうかが、企業の成長性を判断する最大の指標。

四半期:業績サマリー
| 四半期 | 売上 | 前年同期比 | 予想比 | EPS | 予想差 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2024:Q3 | 958.12 | +14.5% | +10.8% | 1.24 | +0.67 | 4.3% |
| 2024:Q4 | 950.32 | +1.8% | -2.4% | 1.24 | +0.15 | 12.7% |
| 2025:Q1 | 861.55 | -7.0% | -12.2% | 1.25 | 0.00 | 24.3% |
| 2025:Q2 | 809.34 | -12.8% | -3.7% | 0.99 | +0.70 | 14.3% |
| 2025:Q3 | 930.66 | -2.9% | -4.0% | 0.06 | -0.31 | 7.3% |
| 2025:Q4 | 961.26 | +1.2% | -6.7% | -0.14 | -0.81 | 7.6% |
| 2026:Q1 | 953.08 | +10.6% | -1.2% | 0.29 | -0.09 | 8.6% |
| 2026:Q2 | 1,380.00 | +70.5% | -3.5% | 3.84 | -0.11 | 36.5% |
| 2026:Q3(予想) | 1,300.00 | +39.7% | – | 2.86 | – | – |
| 2026:Q4(予想) | 1,190.00 | +23.8% | – | 2.03 | – | – |
| 単位:百万ドル(売上)、ドル(EPS) ※予想はTradingView掲載のアナリストコンセンサス(2026-08-16 取得時点)。 | ||||||
通期:売上高の推移

通期:営業利益の推移
- 営業利益: 本業で稼ぐチカラを示す最重要の利益。

通期:キャッシュフローの推移
- 営業CF: 本業で稼いだ現金の総額。
- フリーCF: 企業が自由に使えるお金。事業維持に必要な投資を差し引いた、企業の本当の稼ぐ力。
- 営業CFマージン:稼ぐ効率を示す指標。売上の何%が現金として残るか。(通期15%以上で優良)

通期:EPSの推移
- EPS: 1株あたりの純利益。この数値が毎年右肩上がりかどうかが、企業の成長性を判断する最大の指標。

通期:業績サマリー
| 年度 | 売上 | 前年比 | EPS | 営業利益率 | 営業CFマージン | フリーCF |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2021年 | 4,440.00 | +66.9% | 6.06 | 15.9% | 18.5% | 578.74 |
| 2022年 | 4,250.00 | -4.3% | 4.72 | 11.1% | 18.6% | 238.32 |
| 2023年 | 3,770.00 | -11.3% | 2.28 | 7.1% | 13.3% | 43.97 |
| 2024年 | 3,730.00 | -1.1% | 3.73 | 8.3% | 14.5% | 444.73 |
| 2025年 | 3,560.00 | -4.6% | 2.01 | 13.2% | 23.4% | 731.56 |
| 2026年(予想) | 4,920.00 | +38.2% | 9.19 | – | – | – |
| 2027年(予想) | 4,040.00 | -17.9% | 5.72 | – | – | – |
| 2028年(予想) | 3,910.00 | -3.2% | 4.23 | – | – | – |
| 単位:百万ドル(売上・フリーCF)、ドル(EPS) ※予想はTradingView掲載のアナリストコンセンサス(2026-08-16 取得時点)。 | ||||||
メタネックス(MEOH)の株価
メタネックス(MEOH)の現在株価がわかるリアルタイム株価チャート(TradingView)を表示しています。
チャートには、RSI(Relative Strength Index)を表示しています。相場の過熱感の指標として参考。
※RSIが70%~80%を超えると買われ過ぎ、反対に20%~30%を割り込むと売られ過ぎの目安。
MEOH 2026年Q2決算:中東情勢による供給ショックが価格急騰を招き、四半期最高益を記録
発表日:2026年7月28日
MEOHの決算ハイライト
メタネックスの2026年第2四半期は、中東での紛争によるメタノール業界の供給ショックを背景に平均実現価格が急騰し、純利益1.98億ドル、調整後EBITDA5.77億ドルという記録的な決算となった。前四半期の純損失1400万ドルから一転しての大幅な黒字転換であり、平均実現価格は1トンあたり529ドルと、前四半期の351ドルから大きく上昇したことが最大の要因だ。
一方で、トリニダード・トバゴのTitanプラントを無期限停止する決定を下し、税引後1.15億ドルの非現金資産減損と、会社負担分1200万ドルのリストラ費用(調整後EBITDAからの控除として計上)を記録した。ガス供給契約が経済的に成立しなくなったことがTitan停止の直接的な要因であり、関連するAtlas合弁施設でも減損が生じ、同施設への投資の帳簿価額はゼロとなった。
生産面ではジースマー拠点が四半期として過去最高の102.7万トンを記録し、北米事業の底堅さを裏付けた。営業活動によるキャッシュフローは4.39億ドルに達し、Term Loan Aの残高2.9億ドルを完済したほか、四半期配当として1400万ドルを株主に還元した。通期の生産見通しはメタノール約900万トン、アンモニア約30万トンを想定している。
抑えておくべきKPI
- 売上高: 13.95億ドル(前四半期9.74億ドルから増加、前年同期7.97億ドルから75%増)
- 調整後EBITDA: 5.77億ドル(前四半期2.2億ドルから162%増、前年同期1.83億ドルから215%増)
- 平均実現価格: 1トンあたり529ドル(前四半期351ドル、前年同期374ドル)
- 調整後フリーキャッシュフロー: 2.98億ドル(前四半期3100万ドルから大幅増)
投資家目線のインサイト
今回の急回復は、中東情勢の悪化がメタノール国際貿易量の1500万〜2000万トンに影響を与えたことによる一時的な供給ショックが主因であり、構造的な需要拡大とは異なる性質を持つ。会社自身も、7月・8月の指標価格を基に想定した平均実現価格レンジを1トンあたり460〜485ドルとしており、第2四半期の529ドルからの下落を前提に、第3四半期の調整後EBITDAは前四半期より低下する見通しを示している点は見逃せない。
Titanの無期限停止とAtlasの減損は、トリニダードのガス調達環境の悪化という構造的な課題を浮き彫りにした。北米の新規資産(ジースマー、ボーモント、Natgasoline)が生産の柱として機能している一方、チリ・ニュージーランド・トリニダードといった既存拠点は季節性やガス制約の影響を受けやすく、地域ごとの生産安定性に差が出ている構図が明確になっている。
Term Loan Aの完済によりバランスシートは強化され、キャッシュ残高3.83億ドルと4億ドルのリボルビング信用枠を確保している。デレバレッジを優先する資本配分方針は継続されている。
今後の見どころ
第3四半期は平均実現価格の下落を前提に調整後EBITDAが前四半期比で縮小する見通しが示されており、今回の記録的決算がどの程度持続するかが次の焦点になる。中東情勢の帰趨とそれに伴う供給回復のタイミングは、価格環境を左右する最大の不確実要因として残る。
生産面では、ボーモントの冷却塔修理からの復帰(7月に安全に再稼働)、ニュージーランドの減産運転からの回復ペース、チリの季節的なガス制約の緩和動向を確認したい。Titan停止後のトリニダード事業の再構築計画の進捗も、今後のコスト構造に影響する重要なポイントとなる。
出典
SECURITIES AND EXCHANGE COMMISSION
MEOH 2026年Q1決算:中東情勢が価格を急騰させ、第2四半期は大幅増益を予告
発表日:2026年4月29日
MEOHの決算ハイライト
メタネックスの2026年第1四半期は、株主帰属純損失1400万ドル(希薄化後1株当たり0.18ドルの損失)となり、前四半期の8900万ドルの損失から大きく縮小した。損失縮小の主因は、平均実現価格の上昇と減価償却費の減少、そして前四半期に発生した資産減損費用の反動によるもので、株価上昇に伴う株式報酬のmark-to-market費用が一部相殺要因となっている。
Adjusted EBITDAは2.2億ドル、Adjusted net incomeは2300万ドル(1株当たり0.30ドル)と、いずれも前四半期のAdjusted EBITDA1.86億ドル、Adjusted net loss1100万ドルから改善した。平均実現価格は1トン当たり351ドルで、前四半期の331ドルから上昇し、メタノール生産量も239.1万トンと前四半期の236.4万トンからわずかに伸びている。
会社は2026年通期の生産見通しとしてメタノール900万トン、アンモニア30万トンを据え置き、四半期を通じて安定した操業を続けた格好だ。第1四半期末の現金残高は3.79億ドルで、Term Loan Aを6000万ドル返済し、株主には配当として1400万ドルを還元している。
抑えておくべきKPI
- 売上高: 9.74億ドル(前年同期の8.96億ドルから増加、前四半期の9.69億ドルからほぼ横ばい)
- Adjusted EBITDA: 2.2億ドル(前四半期の1.86億ドルから増加、前年同期の2.48億ドルからは減少)
- 平均実現価格: 1トン当たり351ドル(前四半期の331ドルから上昇、前年同期の404ドルからは低下)
- メタノール生産量: 239.1万トン(前四半期の236.4万トンから増加、前年同期の161.9万トンからは大幅増)
投資家目線のインサイト
今回の決算そのものは前四半期からの改善という位置づけだが、本当の注目点は4月・5月の価格急騰にある。中東の紛争がペルシャ湾周辺の生産者からのメタノール輸送、さらには生産そのものを制約し始めたことで、世界のメタノール価格が急速かつ大幅に上昇している。北米の非ディスカウント公表価格は3月の941ドルから4月には1247ドル、5月には1480ドルまで跳ね上がっており、これは供給ショックによる一時的な価格上昇という色合いが強い。
会社側も4月・5月の平均実現価格を1トン当たり500〜525ドルと見込み、第2四半期のAdjusted EBITDAは「著しく高くなる」と明言している点は重要だ。ただし、この価格上昇が紛争の長期化や供給網の恒久的な混乱によるものか、短期的な物流の目詰まりに過ぎないのかは、本文からは判断できない。
ローライトとしては、キャッシュフローの弱さが挙げられる。営業活動によるキャッシュフローは1.32億ドルで、前年同期の3.15億ドルから大きく減少し、Adjusted free cash flowも3100万ドルと前年同期の1.95億ドルから縮小した。売掛金の増加を中心とした営業資本の変動が主因で、価格上昇局面での一時的な資金の目減りと見られる。
今後の見どころ
次の四半期で最も注視すべきは、中東情勢に起因する価格急騰が第2四半期の実際の業績にどこまで反映されるかである。会社は4月・5月の実現価格レンジを示しており、これが実際のAdjusted EBITDAにどの程度結びつくかが焦点となる。
一方で、トリニダードのガス供給契約は2026年9月に期限を迎え、更新交渉が進行中だが商業的に受け入れ可能な条件で契約できる保証はないとされている。エジプトでも夏場のガス供給制約の可能性が指摘されており、供給網の地域リスクは依然として複数残っている点も確認しておきたい。
出典
SECURITIES AND EXCHANGE COMMISSION
MEOH 2025年Q4決算:通期は増収増産も、第4四半期は純損失8900万ドルに拡大
発表日:2026/03/06
MEOHの決算ハイライト
2025年第4四半期(10〜12月)の売上高は9.69億ドルで、前四半期の9.27億ドル、前年同期の9.49億ドルをいずれも上回った。一方で損益面は悪化し、メタネックス株主に帰属する純損失は8900万ドルとなり、前四半期の700万ドルの損失、前年同期の4500万ドルの純利益から大きく悪化した。調整後EBITDAは1.86億ドルで、前四半期の1.91億ドル、前年同期の2.24億ドルをいずれも下回った。
通期(2025年12月期)では、売上高35.89億ドル、純利益8000万ドル、調整後EBITDA8.08億ドル、営業活動によるキャッシュフロー10.16億ドルを計上した。前期(2024年12月期)の売上高37.20億ドル、純利益1.64億ドル、調整後EBITDA7.64億ドル、営業キャッシュフロー7.37億ドルと比べ、調整後EBITDAとキャッシュフローは増加した一方で純利益は減少した。買収したBeaumont・Natgasolineの寄与でメタノール生産量は通期781.6万トンと前期の635.8万トンから大きく伸びた。
抑えておくべきKPI
- 第4四半期売上高: 9.69億ドル(前四半期9.27億ドル、前年同期9.49億ドル)
- 第4四半期調整後EBITDA: 1.86億ドル(前四半期1.91億ドル、前年同期2.24億ドル)
- 通期純利益: 8000万ドル(前期1.64億ドル)
- 通期営業キャッシュフロー: 10.16億ドル(前期7.37億ドル)
重要なインサイト
第4四半期の純損失拡大は、調整後EBITDAの落ち込みに加え、非現金項目の影響が大きいとみられる。同社は2025年通期で、ニュージーランド事業についてガス調達見通しの悪化を理由に7100万ドルの資産減損(税引前・非現金)を計上し、同資産の帳簿価額をゼロまで切り下げた。この減損は調整後EBITDAには含まれないため、実質的な収益力の悪化度合いは純利益の数値ほど大きくない可能性がある。
一方、通期の生産量は買収効果でメタノール781.6万トン(前期635.8万トン)に伸びたが、販売数量は951.5万トン(前期1046.9万トン)と減少しており、生産増と販売減のギャップが生じている。現金残高は4億2500万ドルを確保し、6億ドルの与信枠にも引き続きアクセス可能で、財務の柔軟性は維持されている。
今後の見どころ
会社は2026年の生産量をメタネックス持分で約900万トンのメタノールと30万トンのアンモニアと見込んでおり、買収した設備のフル稼働を前提とした計画になっている。
四半期配当は1株0.185ドルで据え置かれ、通期配当総額は5400万ドル(前期5000万ドル)に増加した。今後はニュージーランド事業の減損のような一時的な非現金項目の有無や、生産・販売数量のバランスが焦点になる。
出典
MEOH 2025年Q3決算:買収2拠点のフル稼働で増産も、純損失700万ドルに転落
発表日:2025/10/30
MEOHの決算ハイライト
2025年第3四半期の売上高は9.27億ドルで、前四半期の7.97億ドルからは増加したものの、前年同期の9.35億ドルからはわずかに減少した。新たに買収したBeaumontとNatgasolineの2拠点がフル四半期稼働したことで、生産量は221万2千トンと前四半期の162万1千トン、前年同期の134万7千トンを大きく上回った。
一方で損益面は悪化し、平均実現価格が1トンあたり345ドルと前四半期の374ドルから低下したことに加え、株式報酬の時価評価影響、ニュージーランドのガス売却純収入の減少、減価償却費・金利費用の増加が重なり、メタネックス株主に帰属する純損失は700万ドルとなった。前四半期は6400万ドルの純利益、前年同期は3100万ドルの純利益だった。調整後EBITDAは1.91億ドルで前四半期の1.83億ドルから増加したが、前年同期の2.16億ドルは下回った。
抑えておくべきKPI
- 売上高: 9.27億ドル(前四半期7.97億ドル、前年同期9.35億ドル)
- 調整後EBITDA: 1.91億ドル(前四半期1.83億ドル、前年同期2.16億ドル)
- 生産量: 221万2千トン(前四半期162万1千トン、前年同期134万7千トン)
- 営業活動によるキャッシュフロー: 1.84億ドル(前四半期2.77億ドル、前年同期2.10億ドル)
重要なインサイト
今回の増産は主に買収効果によるもので、需要拡大というより非有機的な成長の反映といえる。Beaumontは23万9千トンのメタノールと8万8千トンのアンモニアを生産し、Natgasolineも22万2千トン(メタネックス持分)を生産するなど、両拠点はフル稼働で買収後の統合が計画通り進んでいることを示した。
一方、平均実現価格は前四半期の374ドルから345ドルへ低下しており、収益性は生産量の伸びほど改善していない。現金残高は4億1300万ドルを確保しつつ、四半期配当1株0.185ドル(総額1430万ドル)を継続し、Term Loan Aを1億2500万ドル返済するなど、財務健全化も並行して進めている。
今後の見どころ
会社は2025年通期の生産量を約800万トン(メタネックス持分、うちメタノール780万トン、アンモニア20万トン)と見込んでおり、第4四半期は第3四半期からの増産を受けて調整後EBITDAが大きく改善するとの見通しを示した。
一方で10月・11月の平均実現価格は1トンあたり335~345ドルとやや低下する見込みで、価格と生産量のどちらが利益を左右するかが今後の焦点になる。
出典
SECURITIES AND EXCHANGE COMMISSION
まとめ
持続可能なエネルギー解決策としてのグリーンメタノールと、その分野でリーダーであるメタネックスに焦点を当てました。
グリーンメタノールは、環境に優しい代替エネルギーとして注目され、需要の高まりを背景に、グローバル市場でのポジションを確固たるものとしています。
メタネックスの業績は、2023年以降、EPSが持続的に上昇する見込みで、期待される成長の可能性が見られます。
今後、メタノールが環境に配慮した市場でどのように発展していくかが重要なポイントです。グリーンメタノール市場の拡大は、メタネックスの株価にも肯定的な影響を与える可能性があります。
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