このマクロ市場分析は、私(@mifsee)が米国市場への投資判断に際し、日々のマクロ環境を俯瞰的に捉えるための個人的な学習記録としてアウトプットしているものです。内容には誤りや実際の状況と異なる点を含む可能性があります。あらかじめご了承のうえ、ご覧ください。
市場インサイト
全体ムード
中東停戦報道で地政学リスクが後退し、リスク資産に資金回帰。米債利回りは高止まりながらも落ち着き、ドルは小幅安。原油急落でインフレ圧力が和らぎ、早期利下げ観測再燃。ハイテク主導の米株高とビットコインの10万ドル台回復がセンチメントを押し上げる一方、安全資産の金は上げ一服。
エクイティ
地域 | 指数・終値 | 騰落率 | 背景 | 資金フロー |
---|---|---|---|---|
米国 | S&P500 6,092 / ナスダック総合 19,913 | +1.1% / +1.4% | 原油急落と停戦期待でハイテク全面高 | メガテック・半導体に買い集中 |
日本 | 日経225 38,791 | +1.14% | 米株高追随。円高でも半導体関連がけん引 | 海外短期筋の買い戻し |
香港 | ハンセン 24,177 | +2.06% | 中国景気対策期待でテック主導高 | 中国本土資金の流入加速 |
欧州 | STOXX欧州600 541 | +1.1% | 停戦報道と景気刺激策観測でリスク選好 | 景気敏感株へのローテーション |
債券
- 米10年債 4.34%(▲4bp)—インフレ低下観測で買戻し
- 独10年債 2.55%(▲3bp)—ユーロ圏CPI鈍化期待
- 日10年債 1.42%(+1bp)—日銀オペ減額を警戒
- 安全資産選好は緩和したが、利回り低下余地を引き続き意識。期国債へ分散、米債への一極集中は後退。
為替
- ドル円 145.07(▼0.8%)—米金利低下でドル軟調、原油急落が円の買戻しを誘発
- ユーロドル 1.1627(▲1%)—欧州政治リスク後退でユーロ反騰
- ドル人民元 7.1725(▼0.2%)—PBoCの資金供給で元底堅い
コモディティ
品目 | 現値 | 前日比 | ドライバー |
---|---|---|---|
ブレント原油 | $67.70/bbl | ▼6.1% | 中東停戦+中国需要鈍化 |
WTI原油 | $63台/ bbl | ▼6%程度 | 米在庫増加 |
金 | $3,384/oz | ▼0.7% | リスクオンで逃避需要縮小 |
銅 | $4.89/lb | ▲0.3% | 中国インフラ期待で買い |
天然ガス(Henry Hub) | $2.90/MMBtu | ▲9.4% | 気温上昇見通しと供給調整 |
クリプト
- ビットコイン 105,417 USD(▲4.3%)—停戦報道でリスク選好復活、ETF流入継続
- イーサリアム 2,444 USD(▲1.3%)—L2採用拡大とShanghai以降の供給圧縮期待
高βアルトコインも5–10%高となり、リスク許容度が顕著に改善。
マクロイベント焦点
- 6/26 米Q1 GDP確定値:改定▲→横ばい見通し。下振れなら利下げ期待加速。
- 6/27 米PCEデフレーター:ヘッドライン3.0%台半ばへ鈍化予想。コア低下がポイント。
- 6/27 ユーロ圏6月CPI速報:前年比2.4%予想。エネルギー下落が押し下げ要因。
- 6/27 OPEC+閣僚会合:追加減産協議も、供給維持の公算。
- 6/28 日本5月失業率 & 日銀議事要旨:賃金動向と政策正常化の温度感を探る。
インサイトまとめ
- ハイテク・質の高い成長株シフト:米ナスダック高値圏維持で勢い継続。
- 原油急落×金軟調=インフレ低下シナリオが優勢となり、米長期債価格の押し目拾いは妙味。
- 一方、ドル軟調が進む場合はユーロ・円キャリー巻き戻しを想定。
- コモディティは原油下落 vs ベースメタル底堅さのミスマッチを活用し、銅ロング/原油ショートのペア戦略が機能。
- クリプトはビットコインが10万ドル台を定着できるかが指標。短期的には押し目買いスタンスだが、PCE次第で変動余地。