このサイトは、私(@mifsee)が個人的に学びながら企業分析や銘柄分析を進め、その過程を記録としてまとめているものです。
あくまで個人の調査・整理を目的とした内容であり、誤りや実際と異なる情報が含まれる可能性があります。
また、MifseeではAI技術を活用した運用や、技術習得を目的とした実験的な取り組みも行っています。ご覧いただく際には、その点をご理解のうえご利用ください。
- はじめに
- コアウィーブ(CRWV)の株価
- コアウィーブ(CRWV)とは何の会社?
- どのような事業をしている?
- ビジネスモデルは?:借りて、買って、貸す
- なぜ今注目されている?
- 売上は2倍超、受注残は約1,040億ドル
- 借入れは1年半で4倍超に
- なぜ債券市場が先に動いたのか
- ネビウス(NBIS)との違い:同じ週に同じだけ下げたが
- 内部関係者の売却とNVIDIAの立場
- 取引市場は?
- コアウィーブ(CRWV)のセクター、業種、属するテーマは?
- 配当は?
- コアウィーブ(CRWV)の競合企業は?
- 競合との差別化要素と優位性は?
- コアウィーブ(CRWV)のリアルタイム株価チャート
- コアウィーブ(CRWV)の業績について
- コアウィーブ(CRWV)の将来性と今後の見通しは?
- CRWV 2026年Q2決算:売上高は前年同期比2倍超も、受注残高1,040億ドル規模が示す需要の厚み
- CRWV 2026年Q1決算:受注残高が過去最高の994億ドルに達し、需要の強さが数字に表れた四半期
- まとめ
はじめに
コアウィーブ(CoreWeave、CRWV)は、AIの開発に欠かせないGPU(画像処理用の半導体)を大量にそろえ、クラウドで貸し出している会社です。2025年3月に1株40ドルで上場し、3か月後の6月には183.58ドルまで上げました。
その株価が、2026年10月に大きく崩れました。10月14日に1日で−15.5%、10月9日から16日までの1週間で−25%。同じ週に、同じAIクラウドのネビウス(NBIS)やアイレン(IREN)もそろって2割超下げ、「コアウィーブショック」「ネオクラウドの暴落」と報じられました。10月20日の終値は62.13ドルで、上場来高値から66%下げています。
ただ、この急落の前後で、会社から悪い知らせは出ていません。4〜6月期の売上は前年同期の2倍を超え、契約済みでまだ売上になっていない受注残は約1,040億ドルあります。それでも売られたのは、事業ではなく、お金の借り方のほうに市場の目が向いたためです。社債の利回りは15%近くまで上がり、倒産に備える保険料(CDS)も「信用不安の目安」とされる水準を超えました。
本記事では、年次報告書(10-K)・四半期報告書(10-Q)・決算資料と、急落を伝えた報道から、コアウィーブで何が起きているのかを、需要とお金の両面から確かめていきます。
コアウィーブ(CRWV)の株価
※チャートは毎週更新しています。数値は画像右下の更新日時点のものです。長期推移は過去5年で、株価データが5年に満たない場合はデータのある期間すべてです。
直近1年(日足)

長期推移(週足・5年)

コアウィーブ(CRWV)とは何の会社?
コアウィーブは、AIの学習や推論(AIが答えを出す処理)に使うGPUを大量に持ち、データセンターごとクラウドで貸し出す会社である。アマゾン(AWS)やマイクロソフト(Azure)のような何でも扱うクラウドではなく、AI向けの計算に絞っていることから、「ネオクラウド」と呼ばれる会社の代表格になっている。
顧客は、AIを開発する大手のテック企業である。2025年の売上の67%はマイクロソフト1社だったが、2026年にはメタとの最大約210億ドルの契約、OpenAIとの契約の拡大などで、顧客の幅が広がってきた。
コアウィーブの企業情報は以下
- 会社名: コアウィーブ(CoreWeave, Inc.)
- 設立: 2017年9月
- 本社所在地: 米国ニュージャージー州リビングストン
- 代表者: マイケル・イントレーター(Michael Intrator、共同創業者・CEO)
- 上場: 2025年3月28日(米ナスダック、公開価格40ドル)
どのような事業をしている?
事業の中身は、大きく3つの層に分けられる。
- データセンターと電力: AI向けの計算には大量の電力が要る。稼働中の電力は2025年末の850MW超から、2026年6月末には約1.5GWまで増えた。契約済みの電力は約3.7GWで、2030年までに8GW超を目指している
- GPUのクラウド: NVIDIAの最新のGPUを、どのクラウドより早くそろえることを強みにしてきた。2026年4〜6月期には、次の世代の「Vera Rubin」の立ち上げと検証を終えたと発表している
- ソフトウェア: GPUを効率よく動かすための管理ソフトに加え、2025年にAI開発ツールの Weights & Biases を約10億ドルで買収した
売上の98%は、あらかじめ期間と量を決めた長期契約から来ている(10-Q)。必要な分だけ使う従量課金はごく一部である。
ビジネスモデルは?:借りて、買って、貸す
コアウィーブのビジネスモデルは、ひと言でいえば「お金を借りてGPUを買い、長期契約で貸し出す」形である。
- 顧客と、数年分の利用を約束する契約(使わなくても払う「テイク・オア・ペイ」型)を結ぶ
- その契約を裏付けに、銀行や投資家からお金を借りる
- 借りたお金でGPUとデータセンターをそろえる
- 顧客から受け取る利用料で、利息と元本を返していく
このため、儲けはおおまかに「契約の利回り − 借入れの金利 − GPUの価値の目減り(減価償却)」で決まる。GPUの減価償却の期間は6年で、受注残(RPO 1,037億ドル)は、41%が2年以内、39%が2〜4年、残りが4〜6.5年で売上になる予定である(10-Q)。契約の長さと減価償却の期間は、おおむね釣り合っている。
この形は、借入れの金利が上がると一気に苦しくなる。 新しく借りるお金が高くなれば、これから始める案件の儲けが消えてしまうからだ。10月の急落で、株より先に社債が売られたのは、この構造による。
なぜ今注目されている?
10月14日:社債の利回りが15%に迫り、株は−15.5%
急落の起点は、10月14日の社債の売りだった。2032年満期の社債(表面利率9.625%)の利回りは14.8%、2031年満期(9.75%)は約14.9%まで上がった(CNBC、2026年10月14日)。社債の値段が下がると利回りは上がる。表面利率9%台の社債が15%近い利回りで取引されているということは、市場がそれだけの上乗せを求めているということである。
同じ日に、いくつかの材料が重なった。
- 物価: 9月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比3.7%と予想(3.6%)を上回り、10月末の会合での利上げの確率が24%から44%に上がった(ChartMill、2026年10月14日)
- 業界の見通し: 調査会社ガートナーが、「2030年までにネオクラウドの8割超が独立した事業を続けられなくなる」との予測を出した(Yahoo Finance、2026年10月14日)
- SNS: 投資家のチャマス・パリハピティヤ氏が「AIの設備競争は民間の信用バブルを生んでいるのか」と社債の利回りのチャートを投稿し、イーロン・マスク氏が「Yikes(うわっ)」と返信した(CNBC、2026年10月14日)
この日、オプション市場では、株価が12月までに4割超下がらないと利益が出ないプット(売る権利)が大量に買われた。ただし、専門家は「破綻に賭けたものというより、AI関連株全体の下げに備えた保険だろう」とみている(CNBC、2026年10月14日)。
10月15〜16日:CDSが1,000bpを超え、週間で−25%
翌15日には、コアウィーブの5年物CDSが一時1,140bp(11.4%)を超え、約1,038bpで引けた。S&Pグローバルの担当者は、1,000bp以上は一般に信用不安の目安だと説明している(CNBC、2026年10月15日)。
会社とNVIDIAは火消しに動いた。CEOのイントレーター氏は社員向けのメモで「新しい種類の会社を作るとき、市場が誤解し、非合理に動く時期がある。受注残は、すべての借入れを十分に支える」と書いた(CNBC、2026年10月14日)。約9%を持つ株主でもあるNVIDIAのジェンスン・フアンCEOは「コアウィーブは日々強くなっている。私は楽観的だ」と述べた(Bloomberg、2026年10月15日。Yahoo Finance による)。
それでも16日に株価は−11.9%と下げ、10月9日から16日までの1週間で−25%となった。
10月19日以降:アナリストの見方は真っ二つ
翌週には、アナリストの見方が大きく割れた。
- ゴールドマン・サックス(買いに引き上げ、目標139ドル): 市場は将来の借入れコストを高く見積もりすぎ、AIの計算資産のリターンを低く見すぎている。「すべてのネオクラウドが同じではない。コアウィーブは上位1割に入る」(CNBC、2026年10月21日ほか)
- HSBC(売り、目標39ドル): 2026〜2030年の平均の投資利益率(ROIC)は8.9%で、借入れのコストを下回る。投資するほど価値が減る構造だ(CNBC、2026年10月20日)
- バーンスタイン(市場平均を下回る、目標74ドル→51ドル): 破綻はしないが、契約の条件は魅力的ではない(Yahoo Finance、2026年10月15日)
売上は2倍超、受注残は約1,040億ドル
需要の側から見ると、コアウィーブの数字は強い。
| 四半期 | 売上 | 前年同期比 | 受注残 |
|---|---|---|---|
| 2025年1〜3月 | 9.82億ドル | +420% | 259億ドル |
| 2025年4〜6月 | 12.12億ドル | +207% | 301億ドル |
| 2025年7〜9月 | 13.65億ドル | +134% | 556億ドル |
| 2025年10〜12月 | 15.72億ドル | +110% | 668億ドル |
| 2026年1〜3月 | 20.78億ドル | +112% | 994億ドル |
| 2026年4〜6月 | 25.75億ドル | +112% | 約1,040億ドル |
(売上は10-Qと10-K、受注残は各四半期の決算資料)
受注残は1年で3倍以上になった。会社によると、7〜9月期の初めにも、純増で250億ドルを超える新しい契約を結んでいる。
顧客の偏りも和らいでいる。2025年は売上の67%をマイクロソフトが占めていたが、2026年4〜6月期は上位3社が36%・26%・10%になった(10-Q。社名は伏せられている)。2026年には、メタと最大約210億ドル、金融のジェーン・ストリートと約60億ドルの契約を結び、OpenAIとの契約も2025年に約65億ドル積み増している。
借入れは1年半で4倍超に
一方で、お金の側は重い。
借入れの元本は、2024年末の80億ドルから、2025年末に216億ドル、2026年6月末には356億ドルになった(10-Q)。データセンターの賃借(リース)の債務163億ドルを加えると、約520億ドルになる(Fortune、2026年10月16日)。手元の現金は約55億ドルである。
借入れの多くは、金利の高い借入れである。
- GPUを担保にした借入れ(DDTL): 金利は7〜15%。2026年3月と5月にも、計116億ドルを新たに借りた
- 社債: 表面利率8.5〜9.75%。2030年から2032年に満期を迎える
- 転換社債: 将来株式に変わりうる社債。表面利率は1.75〜2.875%と低いが、株式に変われば1株あたりの価値は薄まる。2026年9月にも42億ドルを発行した
その結果、利息の負担が急に増えている。4〜6月期の正味の支払利息は6.40億ドルで、前年同期の2.67億ドルの2倍を超えた。同じ期の調整後の営業利益(株式報酬などを除いた会社独自の数字)は1.28億ドルで、利息の5分の1しか稼げていない。会計基準どおり(GAAP)の純損失は6.26億ドルだった。
設備投資も膨らんでいる。4〜6月期の設備投資は64億ドルで、営業キャッシュフロー(6.8億ドル)を大きく上回った。この差を、新しい借入れで埋め続けている状態である。
返済の予定は、2026年の残りが44億ドル、2027年が62億ドル、2028年が44億ドルである(10-Q)。
なぜ債券市場が先に動いたのか
ここまでの数字を並べると、10月の急落の性格が見えてくる。
コアウィーブの受注残は、顧客が「使わなくても払う」と約束した契約である。需要が急に消えたわけではない。問題は、その契約を設備に変えるためのお金を、これからも妥当な金利で借りられるかどうかにある。
社債の利回りが9%台から15%近くに上がるということは、これから借りるお金の値段が5〜6ポイント上がるということだ。HSBCの「投資利益率8.9%が借入れのコストを下回る」という指摘は、まさにこの点を突いている。一方のゴールドマンは、今の利回りは一時的な恐れで、実際の借入れコストはそこまで上がらないとみている。
つまり、強気と弱気が争っているのは「AIの需要があるか」ではなく、「借入れのコストと投資のリターンの差が、どれだけ残るか」である。そして、その答えを最初に値段で示すのは債券市場である。10月の株価は、それに引きずられて動いた。
ネビウス(NBIS)との違い:同じ週に同じだけ下げたが
同じ週に、ネビウス(NBIS)も−25%と、コアウィーブと同じだけ下げた。ただ、2026年の年初から10月20日までで見ると、ネビウスは+105%、コアウィーブは−13%と、大きく差がついている。
違いの一つは、お金の集め方にある(いずれも2026年6月末)。
- コアウィーブ: 現金約55億ドルに対し、借入れは356億ドル。担保付きの借入れと、表面利率9%前後の社債が中心
- ネビウス: 現金80.4億ドルに対し、長期の借入れは85.0億ドル。金利の低い転換社債と、株式の発行が中心
ネビウスは株式を発行するたびに1株あたりの価値が薄まるが、その分、金利の上昇には強い。コアウィーブは株式の希薄化を抑えてきた代わりに、債券市場の動きに強く左右される。同じ「ネオクラウド」でも、どちらの痛みを選んできたかが違う。
内部関係者の売却とNVIDIAの立場
経営陣と初期の投資家は、上場後に株を売り続けている。2025年8月から2026年10月中旬までに Form 4(役員などの売買の届け出)で報告された売却は、筆者の集計で約95億ドルにのぼり、買いは1件もない。最大は初期の投資家のマグネター(約59億ドル)で、共同創業者3人の売却は計約32億ドルである。
一方、NVIDIAは2026年1月に1株87.20ドルで20億ドルを出資し、約4,720万株(発行済み株式の約9%)を持つ大株主である(CNBC、2026年10月21日ほか)。フアンCEOは「後ろ盾(バックストップ)は必要ない」と述べたが、コアウィーブはNVIDIAのGPUの大口の買い手でもある。バンク・オブ・アメリカのアナリストは、両社の利害は双方向にあると指摘している(Yahoo Finance、2026年10月15日)。
議決権の構造にも触れておきたい。コアウィーブのクラスB株は1株10票、上場しているクラスA株は1株1票で、創業者らが議決権の多くを持つ(10-K)。
取引市場は?
コアウィーブの株式は、米ナスダック市場に上場している。ティッカーは「CRWV」。
コアウィーブ(CRWV)のセクター、業種、属するテーマは?
セクター
情報技術(Information Technology): AI向けの計算資源を、クラウドで提供している。
業種
AI向けクラウド(ネオクラウド): GPUとデータセンターを自前でそろえ、AIの計算に特化して貸し出す業種である。同じ業種に、ネビウス・グループ(NBIS)がいる。
属するテーマ
- 生成AI → AIの学習と推論に使う計算資源を提供する。AIへの投資が続くかどうかの影響を最も直接受ける
- AIデータセンターと電力 → GPUを動かす電力とデータセンターの確保が、成長の上限を決める
- NVIDIA関連 → NVIDIA(NVDA)の最新のGPUを大量に買う、主要な顧客の一つである。NVIDIAに関係する銘柄は「NVIDIA関連の米国株」にまとめている
配当は?
コアウィーブは、配当を支払っていない。稼いだお金と借りたお金は、データセンターとGPUへの投資に回している。
コアウィーブ(CRWV)の競合企業は?
競合は、大きく2つに分かれる。
- 大手のクラウド: アマゾン(AWS)、マイクロソフト(Azure)、グーグル(Google Cloud)、オラクル。自社でもGPUを大量にそろえている。マイクロソフトは最大の顧客でもある
- ほかのネオクラウド: ネビウス、ラムダ、クルーソーなど。AI向けの計算に絞った新しいクラウドの会社
競合との差別化要素と優位性は?
1. 規模と立ち上げの速さ
稼働中の電力は1.5GW、受注残は約1,040億ドルと、ネオクラウドの中では最大の規模を持つ。NVIDIAの新しい世代のGPUを、大手のクラウドより早く立ち上げてきた実績がある。
2. 大口の長期契約
売上の98%が長期契約で、受注残の8割が4年以内に売上になる予定である。需要の見通しが立てやすいことが、巨額の借入れを可能にしてきた。
弱みも裏表の関係にある
長期契約を裏付けに借りる形は、金利が安いうちは強いが、金利が上がると重くなる。また、大口の顧客の多くは、自社でもデータセンターを持つ大手のテック企業である。自前の設備がそろえば、コアウィーブに頼る量は減りうる。
コアウィーブ(CRWV)のリアルタイム株価チャート
期間を変えて詳しく見たい場合は、以下のチャート(TradingView)を使ってください。RSI(Relative Strength Index)も表示しています。相場の過熱感を見る指標です。
※RSIが70%~80%を超えると買われ過ぎ、20%~30%を割り込むと売られ過ぎの目安とされます。
コアウィーブ(CRWV)の業績について
コアウィーブの会計年度は、1月から12月まで。四半期決算は、近年は次の時期に発表されている。
- 第1四半期(1〜3月): 5月中旬
- 第2四半期(4〜6月): 8月中旬
- 第3四半期(7〜9月): 11月中旬
- 第4四半期・通期: 2月下旬〜3月上旬
まずは、最低限の業績分析を行なうための、以下の4つの指標を確認していきます。
- 売上(売上高): 企業が商品やサービスを提供して得た「収入の総額」。
- 営業利益: 売上から必要経費を差し引いた、本業で稼いだ純粋な「儲け」。
- キャッシュフロー: 帳簿上の数字ではなく、実際に企業の手元で動いた「現金の出入り」。
- EPS(1株当たり純利益): 企業が発行している株1株あたり、どれだけの「最終的な利益」を出したかを示す数値。
コアウィーブ(CRWV)の2026年Q2決算(2026/08/11 発表)は、売上2,575.0百万ドル(アナリストコンセンサス2,550.0百万ドルに対し+1.0%)、EPS -1.03ドル(同-1.21ドルに対し+0.18ドル)でした。
売上の前年同期比は+112.5%です。
直近6四半期では、売上が6回、EPSが2回コンセンサスを上回っています。
四半期:売上高の推移

四半期:営業利益の推移
- 営業利益: 本業で稼ぐチカラを示す最重要の利益。

四半期:EPSの推移
- EPS: 1株あたりの純利益。この数値が毎年右肩上がりかどうかが、企業の成長性を判断する最大の指標。

四半期:業績サマリー
| 四半期 | 売上 | 前年同期比 | 予想比 | EPS | 予想差 | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2024:Q4 | 747.00 | – | – | -0.08 | – | 15.0% |
| 2025:Q1 | 982.00 | – | +14.6% | -0.60 | -0.48 | -2.7% |
| 2025:Q2 | 1,212.00 | – | +12.2% | -0.27 | -0.04 | 1.6% |
| 2025:Q3 | 1,364.68 | – | +5.8% | -0.08 | +0.32 | 3.8% |
| 2025:Q4 | 1,572.32 | +110.5% | +1.4% | -0.56 | -0.06 | -5.7% |
| 2026:Q1 | 2,078.00 | +111.6% | +5.5% | -1.11 | -0.19 | -6.9% |
| 2026:Q2 | 2,575.00 | +112.5% | +1.0% | -1.03 | +0.18 | -1.9% |
| 2026:Q3(予想) | 3,530.00 | +158.7% | – | -1.20 | – | – |
| 2026:Q4(予想) | 4,670.00 | +197.0% | – | -0.64 | – | – |
| 単位:百万ドル(売上)、ドル(EPS) ※予想はTradingView掲載のアナリストコンセンサス(2026-08-16 取得時点)。 | ||||||
通期:売上高の推移

通期:営業利益の推移
- 営業利益: 本業で稼ぐチカラを示す最重要の利益。

通期:キャッシュフローの推移
- 営業CF: 本業で稼いだ現金の総額。
- フリーCF: 企業が自由に使えるお金。事業維持に必要な投資を差し引いた、企業の本当の稼ぐ力。
- 営業CFマージン:稼ぐ効率を示す指標。売上の何%が現金として残るか。(通期15%以上で優良)

通期:EPSの推移
- EPS: 1株あたりの純利益。この数値が毎年右肩上がりかどうかが、企業の成長性を判断する最大の指標。

通期:業績サマリー
| 年度 | 売上 | 前年比 | EPS | 営業利益率 | 営業CFマージン | フリーCF |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2024年 | 1,915.00 | – | -0.27 | 16.9% | 143.6% | -5,953.00 |
| 2025年 | 5,131.00 | +167.9% | -1.52 | -0.9% | 59.6% | -7,251.00 |
| 2026年(予想) | 12,830.00 | +150.0% | -4.00 | – | – | – |
| 2027年(予想) | 26,060.00 | +103.1% | -1.66 | – | – | – |
| 2028年(予想) | 41,380.00 | +58.8% | 1.01 | – | – | – |
| 単位:百万ドル(売上・フリーCF)、ドル(EPS) ※予想はTradingView掲載のアナリストコンセンサス(2026-08-16 取得時点)。 | ||||||
コアウィーブ(CRWV)の将来性と今後の見通しは?
コアウィーブの将来性を考えるうえでは、「受注残を予定どおり売上に変えられるか」と「その設備のお金を、儲けが残る金利で借り続けられるか」の2つを分けて見ていきたい。10月の急落で問われたのは、後者である。
株価の水準を、10月20日の終値(62.13ドル)と7月末の株式数(5億5,154万株)から求めた時価総額約343億ドルで測ってみる。借入れ(356億ドル)とリース債務(163億ドル)を足し、現金(55億ドル)を引いた企業価値は約807億ドルになる(筆者の計算)。株式の価値より、借入れのほうが大きい会社である。株価の上下に比べて、借入れの条件の変化が会社の価値に与える影響が大きいのはこのためだ。
注目したい点
- 7〜9月期の決算(11月中旬の見込み): 受注残の伸びと、7〜9月期の初めに加わった250億ドル超の契約が、どう数字に表れるか
- 借入れの条件: 新しい借入れや社債の金利が、9%前後で収まるか、15%に近づくか。株式や転換社債に頼る割合が増えるか
- 利息と営業利益の差: 調整後の営業利益が、利息の負担に追いつくか
- 2027年の返済(62億ドル): 借り換えが、どの条件で進むか
- 社債の利回りとCDS: 15%前後、1,000bp前後から下がるか。株価の先行きを読むうえで、最初に動く指標になる
リスク
- 金利と資金調達: 借入れが356億ドルあり、そのほとんどが金利の高い借入れである。金利の上昇や信用不安が続けば、新しい設備の儲けが消え、借り換えの条件も悪くなる
- 顧客の集中: 上位3社で売上の7割を占める。大口の顧客が自前の設備に切り替えれば、契約の更新は難しくなる
- GPUの陳腐化: NVIDIAは毎年のように新しい世代を出す。6年の減価償却の間に、古いGPUの貸し出し料金が下がるおそれがある
- 株式の希薄化: 転換社債が株式に変われば、1株あたりの価値は薄まる。内部関係者の売却も続いている
- 電力とデータセンターの遅れ: 電力の確保や建設が遅れれば、売上になる時期が後ろにずれ、その間も利息はかかる
CRWV 2026年Q2決算:売上高は前年同期比2倍超も、受注残高1,040億ドル規模が示す需要の厚み
発表日:2026/08/11
CRWVの決算ハイライト
コアウィーブの2026年第2四半期は、売上高が前年同期比で2倍以上となる25.75億ドルに達し、四半期として過去最高の水準を記録した。一方でGAAP営業損失は4900万ドル(営業利益率マイナス2%)、GAAP純損失は6.26億ドルとなり、前年同期の純損失2.9億ドルから拡大している。
利益面ではAdjusted EBITDAが15.1億ドル(マージン59%)と規模拡大に沿って積み上がった一方、Adjusted operating incomeは1.28億ドル(マージン5%)にとどまり、前年同期の2億ドル・マージン16%からは低下した。金利負担の重さも目立ち、純利息費用は6.4億ドルと前年同期の2.67億ドルから大きく増加している。
会社が最も強調したのは受注残高(revenue backlog)が約1,040億ドルに達したことで、これは第3四半期序盤に追加された250億ドル超の新規顧客契約を含まない数字だという。旺盛な需要を裏付ける材料として位置づけられている。
抑えておくべきKPI
- 売上高: 25.75億ドル(前年同期12.12億ドルから2倍以上に増加)
- Adjusted EBITDA: 15.1億ドル、マージン59%(前年同期7.53億ドル、マージン62%)
- GAAP純損失: 6.26億ドル(前年同期2.9億ドルから拡大)
- 受注残高(revenue backlog): 約1,040億ドル(第3四半期序盤の新規契約250億ドル超は含まない)
インサイト
売上高の伸びは力強いが、利益率面では成長の裏で負担が増している構図が見える。GAAP営業損益は前年同期の1900万ドルの黒字から4900万ドルの損失に転じ、Adjusted operating incomeマージンも16%から5%へ大幅に低下した。技術・インフラ関連コストの膨張と、急速な設備投資拡大に伴う金利負担の増加が背景にあるとみられる。
そのうえで純利息費用が6.4億ドルと前年同期の2.67億ドルから2倍以上に膨らんだ点は無視できない。同四半期に31億ドルのターム・ローンや100億ドル超の無担保債・転換債を調達するなど、積極的な資金調達を続けていることと表裏一体であり、成長投資の規模がそのまま財務コストとして表面化している状況だ。
一方で、パワー容量は約500MW拡大して1.5GWに達し、契約済み電力容量も約3.7GWに拡大するなど、インフラ拡張のペースは落ちていない。Jane Streetからの10億ドルの戦略的投資やNasdaq-100指数への組み入れも、事業基盤の広がりを示す材料といえる。
今後の見どころ
今回のプレスリリースでは通期の業績見通しが示されておらず、具体的なガイダンスは決算説明会で発表されるとされている。次の焦点は、その場で示される数値と、1,040億ドルの受注残高がどのペースで実際の売上に転換されていくかだ。
また、営業利益率・Adjusted operating incomeマージンの低下傾向が一時的な投資先行によるものか、構造的な変化なのかも注視したい点となる。旺盛な需要と裏腹に膨らむ金利負担のバランスが、今後の収益性を左右する鍵になりそうだ。
出典
CoreWeave Reports Strong Second Quarter 2026 Results
CRWV 2026年Q1決算:受注残高が過去最高の994億ドルに達し、需要の強さが数字に表れた四半期
発表日:2026/05/07
本決算のポイント
CoreWeaveの2026年第1四半期は、売上高が前年同期比112%増の20.78億ドルとなり、四半期として過去最高の水準を記録した。一方でGAAPベースでは営業損失1.44億ドル、純損失7.4億ドルと赤字は前年から拡大しており、成長投資の重さがそのまま損益に表れている。
収益性の指標としてよく使われる調整後EBITDAは11.57億ドル、マージンは56%と高水準を維持したが、前年同期の62%からは低下した。調整後営業利益も2100万ドルにとどまり、前年同期の1.63億ドルから大きく縮小しており、利益率の面では成長スピードに費用増加が追いついてしまっている構図が見える。
会社が最も強調したのは受注残高で、revenue backlog(受注残高)は994億ドルに達し、過去最強のブッキング四半期だったとCEOのマイケル・イントレーターは述べている。今回のプレスリリースでは通期ガイダンスの数値そのものは開示されておらず、詳細は決算説明会で示すとされている点も押さえておきたい。
抑えておくべきKPI
- 売上高: 20.78億ドル(前年同期比112%増)
- 調整後EBITDAマージン: 56%(前年同期62%から低下)
- 受注残高(revenue backlog): 994億ドル(2026年3月31日時点)
- 稼働電力: 1GWを突破、契約済み電力は400MW超拡大し3.5GW超に
重要なインサイト
今回の決算で目を引くのは、売上とバックログという「需要の強さ」を示す指標と、利益率という「収益性」を示す指標が逆方向に動いている点だ。売上は倍増以上のペースで伸びている一方、調整後営業利益マージンは17%から1%へ急低下しており、インフラ投資の先行負担が重くのしかかっていることがうかがえる。
個別の大型契約では、Metaとの新規21億ドルのコミットメントや、Anthropicとの複数年契約締結が明らかにされており、AIラボ・ハイパースケーラー双方からの引き合いが継続している様子が見える。Cohere、Jane Street、Mistralといった既存顧客との関係拡大も進んでおり、顧客基盤の厚みが増していることも見逃せない。
財務面では、85億ドル規模の非リコース型DDTL 4.0ファシリティ組成やエヌビディアからの20億ドルのクラスA普通株出資など、成長投資を支える資金調達が相次いだ。裏を返せば、それだけ巨額の資金を必要とする事業モデルであるという点は、投資判断上のリスクとして意識しておく必要がある。
今後の見どころ
会社は本プレスリリースでは通期ガイダンスの具体的数値を示しておらず、決算説明会で開示されるフォワードルッキングな見通しが今後の焦点になる。994億ドルという受注残高がどのペースで売上に転化していくか、進捗を追う価値がある。
また、1GWを超えた稼働電力を2030年までに8GW超へ拡大するという目標に向けて、契約済み電力の積み増しやデータセンター供給網の多様化がどう進むかも注目点だ。利益率の低下傾向が一時的な先行投資によるものか、構造的な変化かを見極めるためにも、次四半期以降の調整後営業利益の推移を継続的に確認したい。
出典
CoreWeave Reports Strong First Quarter 2026 Results
それより前の決算と、発表後の株価の動きは「コアウィーブ(CRWV)の決算まとめ」にまとめています。
まとめ
コアウィーブ(CRWV)は、AI向けのGPUを大量にそろえてクラウドで貸し出す、ネオクラウドの代表格です。2026年10月の急落は、需要が消えたからではありません。4〜6月期の売上は前年同期の2倍を超え、受注残は約1,040億ドルまで積み上がっています。
売られたのは、お金の借り方のほうでした。借入れは1年半で4倍超の356億ドルになり、利息の負担は調整後の営業利益の5倍に達しています。物価の上振れで金利の上昇が意識されたところに、業界への厳しい予測や著名人の一言が重なり、社債の利回りは15%近く、CDSは1,000bpを超えました。株価はそれに引きずられて下げています。
「受注という需要はある。問題は、それを設備に変えるお金を、儲けが残る金利で借り続けられるか」というのが、今の私の見方です。同じネオクラウドでも、株式で資金を集めてきたネビウスとは、痛みの出方が違います。
次の決算は11月中旬の見込みです。受注残の伸びに加えて、新しい借入れの金利、利息と営業利益の差、そして社債の利回りとCDSが落ち着くかを見ていきたいと思います。
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