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SGMLがリチウム価格回復思惑で+32%、JKS・SQMも素材系が上位、逆風下でも資源・量子・直販が強含み(2025.11.17)

SGMLがリチウム価格回復思惑で+32%、JKS・SQMも素材系が上位、逆風下でも資源・量子・直販が強含み(2025.11.17)市場分析

このマクロ市場分析は、私(@mifsee)が米国市場への投資判断に際し、日々のマクロ環境を俯瞰的に捉えるための個人的な学習記録としてアウトプットしているものです。内容には誤りや実際の状況と異なる点を含む可能性があります。あらかじめご了承のうえ、ご覧ください。

注目の上昇銘柄(ウォッチリストから)

上昇銘柄ウォッチリスト(2025/11/17 終値ベース)

名柄終値変動率テーマインサイト
SGML(シグマ・リチウム)8.02 USD+32.34%リチウム採掘・EV電池素材リチウム価格回復期待で急動意(推測です)
JKS(ジンコソーラー)30.58 USD+13.09%太陽光モジュール製造第3四半期の粗利率改善を材料に上昇
SQM(ソシエダ・キミカ・イ・ミネラ)59.47 USD+9.02%鉱業・リチウム・ヨウ素決算内容では逆風も出ており、上昇理由明確でない
QUBT(クアンタム・コンピューティング)11.50 USD+8.49%量子コンピューティング技術資金調達好調の報道を材料視
NHTC(ナチュラル・ヘルス・トレンド)3.85 USD+6.94%健康サプリ・直販事業決算・配当宣言を一因に株価反応
BIOA(バイオエイジ・ラボ)8.31 USD+6.54%バイオ医薬・老化制御研究プログラム進展・目標格上げを背景に期待先行

下落銘柄

名柄終値変動率テーマインサイト
FLUX(フラックス・パワー)1.52-17.39%産業用リチウム電池システムS-1更新と既存株3.6百万株の再売出し開示による希薄化懸念
WEYS(ウェイコ・グループ)28.97-16.66%革靴・フットウェア通常配当と1株2ドル特別配当の権利落ちに伴う配当落ち調整
ONDS(オンダス・ホールディングス)6.26-12.88%ドローン・無線通信ソリューションQ3決算や大型受注発表後の急騰の反動で利益確定売りとボラティリティ拡大
CTEV(クラリテブ)38.13-11.86%ヘルスケアIT・診断支援既存株主による150万株の追加売出し実施に伴う需給悪化懸念継続
AISP(エアシップAI)2.97-11.08%AI監視・映像解析プラットフォームQ3決算で売上伸び悩みと政府調達遅延など短期逆風が意識された成長失望売り

個人的所感

アヴァデル(AVDL)は買収劇の深掘り観測で思惑主導。モビリコム(MOB)は米国防需向けの売上加速と新フレーム発表で再評価。バージン・ギャラクティック(SPCE)は費用削減と開発マイルストーンの明示で先行き不透明感の緩和。チップモス(IMOS)は増収・稼働率改善で半導体後工程の底打ち感。オンダス(ONDS)は最高売上と強気見通しの継続材料。ブルーム・エナジー(BE)は前週の急落後の戻り局面。フルーエンス(FLNC)は明確材料に乏しく、セクター連れ高の可能性が高い状況。

下落銘柄の方では、フラックス・パワー(FLUX)はナスダック適合回復という前向き材料がある一方で、S-1再売出しによる潜在的な売り圧力が意識され、需給悪化懸念が一気に織り込まれた形。ウェイコ・グループ(WEYS)は通常配当と特別配当の権利落ち日に当たり、配当相当額の理論下落と短期筋の利益確定が重なった典型的な配当落ちパターン。

オンダス・ホールディングス(ONDS)は、直前までアナリスト格上げや大型受注で急騰していた反動が出た局面であり、好材料出尽くし感とQ3決算評価のばらつきがボラティリティを増幅させた構図と考えられる。クラリテブ(CTEV)は既存株主による売出しを伴う公募によってフリーフロートが増加し、需給悪化懸念が連日の価格調整として表面化した典型的なセカンダリーオファリング後の動き。エアシップAI(AISP)はQ3決算自体は黒字計上ながら売上規模の小ささと政府調達遅延などの逆風が明示され、ストーリー株として期待されていた成長速度への失望が顕在化した形。

市場インサイト

【分析日】2025/11/17

全体ムード

週明け11月17日の市場は、世界経済の減速懸念がセンチメントを圧迫する展開。米国の主要経済指標(NY連銀製造業景気指数など)が市場予想を下回ったことに加え、欧州委員会がユーロ圏の成長見通しを下方修正したことが嫌気された。景気後退への警戒感から安全資産への逃避が強まり、米長期金利は低下(債券価格は上昇)。株式市場は金利低下の恩恵を受けられず、景気減速をストレートに反映してダウ、S&P500、ナスダックが揃って下落した。為替市場では、米国の景気減速懸念によるドル売り圧力よりも、欧州や日本の相対的な経済の弱さ(特に日銀の緩和継続観測)が意識され、ドルが対円・対ユーロで買われるドル高が進行。ドル円は155円台に乗せた。コモディティは、世界的な需要減退懸念から原油や銅が下落。暗号資産もリスクオフムードの中で売られ、ビットコイン、イーサリアムともに下落した。

エクイティ

指数終値前日比背景
ダウ46,574.16-573.32 (-1.22%)米国の景気指標悪化を受け、景気後退懸念から全面安。
S&P5006,673.54-60.57 (-0.90%)景気敏感株や一般消費財セクターを中心に売りが優勢。
ナスダック22,711.58-189.01 (-0.83%)金利低下にもかかわらず、リスクオフムードに押され下落。
日経22550,247.32-76.59 (-0.15%)欧米の株安と円安進行が交錯し、小幅な下落に留まる。
STOXX600571.68-3.13 (-0.54%)欧州委員会の経済見通し下方修正を嫌気し、続落した。

債券

10年利回り前日比(bp)コメント
米国4.08 %-6景気減速懸念と株安を背景に、安全資産として債券買いが優勢。
ドイツ2.71 %-1欧州経済の先行き不安から利回りが小幅に低下(価格は上昇)。
日本1.70 %-1海外金利の低下に連動し、買いがやや優勢となった。

為替

  • USD/JPY 155.24(+0.42%):米金利低下にもかかわらず、日銀の緩和継続観測との対比で円売り・ドル買いが加速。
  • EUR/USD 1.1590(-0.21%):欧州の景気懸念がユーロの重しとなり、ドル高・ユーロ安が進行。
  • USD/CNY 7.1078(+0.12%):中国経済の減速懸念もくすぶり、人民元も対ドルで小幅下落。

コモディティ

品目終値前日比ドライバー
WTI原油$59.91/bbl-0.30%世界経済の減速懸念による需要減退観測から反落。
Brent原油$63.96/bbl-0.67%WTI原油と同様に、需要の先行き不安から売られた。
天然ガス$4.36/MMBtu-4.49%週末までの上昇を受けた利益確定売りと暖冬予測が圧迫。
金(現物)$4,075.50/oz-0.30%ドル高の進行が重しとなり、金利低下の恩恵を受けられず反落。
$50.64/oz+0.10%金の下落に反し、工業需要期待から小幅に上昇。
$4.97/lb-1.21%世界的な景気減速と中国の需要懸念から大幅に下落。

クリプト

  • ビットコイン $92,022(-2.72%):全般的なリスクオフムードとドル高を受け、安全資産とは見なされず下落。
  • イーサリアム $3,021(-2.86%):ビットコインに連動し、主要なサポートラインを下回る下落。

マクロイベント焦点(今後3–4営業日)

  • 11/19(水)米FOMC議事録(10月28-29日分):景気減速懸念に対するFRB内の議論のトーンに注目。
  • 11/20(木)日 全国消費者物価指数 (CPI)(10月):日銀の政策判断に影響するインフレ動向。
  • 11/21(金)米 S&PグローバルPMI(11月速報):11月の景況感の先行指標として焦点。
  • 11/21(金)ユーロ圏 PMI(11月速報):欧州の景気後退の深刻度を測る上で重要。

インサイトまとめ

  • 市場は「景気減速(株安・金利安)」と「ドル高」が併存する複雑な局面に移行した印象。
  • 米国の景気指標の悪化が続けば、FRBの利下げ期待が再燃するが、それ以上に日欧の景気後退が深刻であればドル高は継続する可能性。
  • 米国株は金利低下を素直に好感できなくなっており、**業績相場(悪化方向)**への移行が鮮明。ディフェンシブ・セクターへのシフトが無難。
  • ドル円は米金利低下にもかかわらず円安が進んでおり、日米金利差以外の要因(日欧の相対的な弱さ)がドライバーとなっている。155円台が定着するかどうかの節目。
  • クリプトはリスク資産としての側面が強く出ており、金利低下の恩恵よりもリスクオフとドル高が重しとなっている。下値模索の展開が良さげ。
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