2026:Q2 2026/08/06 発表(引け後)
- 発表翌営業日+26.87%寄付 +35.23%
- 5営業日+32.03%
FIGS 2026年Q2決算:売上28.8%増、ただし利益の上振れには関税還付の一時要因が含まれる
本決算のポイント
フィグスの2026年Q2は、売上高が1億9,660万ドルで前年同期比28.8%増となった。3四半期連続で25%超の成長を維持し、スクラブ(医療用ユニフォーム)の主力部門に加えて非スクラブ部門や海外も伸びた。
ボトムラインは大きく改善した。純利益は2,840万ドル(希薄化後EPS 0.15ドル)で、前年同期の710万ドル(同0.04ドル)から増え、純利益率は14.4%(前年同期4.7%)だった。ただし粗利益率75.2%には、IEEPA関税の還付による780bpの一時的な押し上げが含まれる。調整後EBITDAは3,660万ドル、調整後EBITDAマージンは18.6%(前年同期12.9%)で、こちらは還付分の790万ドルを除いた値である。
通期見通しは引き上げられ、売上成長率は前年比で約20%、調整後EBITDAマージンは14.8%〜15.0%とされた。自社株買いの授権枠も1億ドル増額された。
抑えておくべきKPI
- 売上高: 1億9,660万ドル(前年同期比28.8%増)。スクラブ部門は1億6,120万ドルで26.5%増、非スクラブ部門は3,540万ドルで40.3%増
- 粗利益率: 75.2%(前年同期比820bp上昇)。うち780bpはIEEPA関税の還付による押し上げ
- 調整後EBITDAマージン(非GAAP): 18.6%(前年同期12.9%)。調整後EBITDAは3,660万ドルで、前年同期比1,690万ドル増
- アクティブ顧客数: 310万人(前年同期比13.2%増)。顧客1人あたり売上高は229ドルで10.1%増
重要なインサイト
今回の利益改善は、一時要因と構造的な要因が混在している。粗利益率の改善幅820bpのうち780bpは、前年に支払った関税の還付によるもので、この一時要因を除くと粗利益率の改善は40bp程度にとどまる。値上げと効率化は追い風だった一方、関税の増加は押し下げ要因だった。純利益と純利益率(GAAP)にも還付の効果が入っている点には注意が必要である。
一方、営業費用比率は前年同期の60.5%から57.3%へ低下した。会社は固定費の効率化と株式報酬費用の減少を理由に挙げており、還付を除いた調整後EBITDAでも利益率が改善していることから、費用面の改善には構造的な部分があるといえる。
売上の中身も広がりがある。注文数の増加と平均注文額の上昇(127ドル、8.5%増)が成長を支え、米国は1億5,870万ドルで22.2%増、海外は3,790万ドルで67.0%増となった。顧客1人あたり売上高がコロナ期の高水準を上回ったと経営陣は述べている。
今後の見どころ
通期の調整後EBITDAマージンは14.8%〜15.0%という見通しで、上期実績(14.2%)との関係で下期の利益率がどう推移するかが確認点になる。会社はQ2の上振れを織り込んだうえで、下期の期待も上積みしたと説明している。
リスクとして、会社は関税などの貿易政策、顧客の獲得・維持、海外展開などを挙げている。成長の持続性を見るうえでは、アクティブ顧客数、顧客1人あたり売上高、平均注文額の伸びが続くかが指標になる。自社株買いは、6月30日時点の残枠が約1,920万ドルで、そこに1億ドルが追加された。
出典
2026:Q1 2026/05/07 発表(引け後)
- 発表翌営業日-24.33%寄付 -20.95%
- 5営業日-22.12%
FIGS 2026年Q1決算:売上28.0%増で黒字転換、通期見通しを引き上げ
本決算のポイント
フィグスの2026年Q1は、売上高が1億5,990万ドルで前年同期比28.0%増となった。増収の主因は、新規・既存顧客からの注文増と平均注文額(AOV)の上昇である。会社は売上高と利益の双方で市場予想を上回ったと説明している(予想値は本文に記載なし)。
利益面では、純利益が630万ドル(希薄化後EPS 0.03ドル)となり、前年同期の約10万ドルの純損失から黒字に転換した。調整後EBITDAは1,390万ドルで前年同期から470万ドル増え、同マージンは8.7%(前年同期7.3%)に改善した。
通期見通しは引き上げられた。売上高成長率は前年比14〜16%増、調整後EBITDAマージンは13.0〜13.2%とし、第2四半期の売上成長は20%台前半を見込む。
抑えておくべきKPI
- 売上高: 1億5,990万ドル(前年同期比28.0%増)。スクラブウェアは1億2,660万ドル(27.2%増)、スクラブ以外は3,330万ドル(31.3%増)
- 粗利益率・営業費用率: 粗利益率は67.7%(前年同期比10bp上昇)。営業費用は1億380万ドルで、売上比64.9%(前年同期は67.8%)に低下
- 調整後EBITDA(非GAAP): 1,390万ドル、マージン8.7%(前年同期7.3%)。GAAPの純利益率は3.9%(前年同期は(0.1)%)
- アクティブ顧客数: 302万人(前年同期比12.2%増)。顧客1人あたり売上高は220ドル(5.8%増)、AOVは124ドル(4.2%増)
投資家目線のインサイト
今回の決算で目を引くのは、成長の中身が広い点である。地域別では米国が24.1%増、米国外が49.9%増(2,830万ドル)と海外の伸びが大きい。顧客数、顧客単価、AOVがそろって前年を上回っており、単価の押し上げだけに頼らない需要の拡大といえる。粗利益率は関税や商品構成の変化を価格設定と効率化がほぼ相殺し、小幅な上昇にとどまった。
費用面では、売上が増えたことで固定費の負担が軽くなり、株式報酬費用や物流費の減少も営業費用率を押し下げた。一方でマーケティング費用は2,949万ドル(前年同期は1,816万ドル)に増えており、冬季五輪のキャンペーンが含まれる。黒字転換には広告費の増加を吸収した面があるため、一時的な要因の影響を見極める必要がある。
ローライトはキャッシュフローである。営業キャッシュフローは320万ドルのマイナス(前年同期は920万ドルのプラス)、フリーキャッシュフローは約560万ドルのマイナスだった。本文では在庫増や未払報酬の減少などの運転資本の動きが内訳に見える。期末の現金は7,430万ドル、短期投資は2億270万ドルで、自社株買いは880万ドルだった。
今後の見どころ
まず確認したいのは、会社が見込む第2四半期の20%台前半の増収が達成できるかどうかである。通期の売上高14〜16%増という見通しは、Q1の28.0%増から成長が鈍化することを織り込んでいる。アクティブ顧客数、AOV、購入頻度のどれが成長を支えるかを追いたい。
もう一つは、調整後EBITDAマージンが13.0〜13.2%に届くかどうかである。CFOは、運賃の追加料金(freight surcharges)が高い状況でも成長投資を続ける方針を示している。Q1に悪化した営業キャッシュフローの動きと、関税・運賃などのコスト要因が利益率に与える影響も注目点になる。
