このマクロ市場分析は、私(@mifsee)が米国市場への投資判断に際し、日々のマクロ環境を俯瞰的に捉えるための個人的な学習記録としてアウトプットしているものです。内容には誤りや実際の状況と異なる点を含む可能性があります。あらかじめご了承のうえ、ご覧ください。
市場インサイト
全体ムード
今週(6月24日〜28日)のグローバル市場は、イスラエル・イラン停戦報道が引き金となり、原油安・金利低下・ドル安という追い風の下で「株高+安全資産シフト」が同時進行した。
S&P500は終値ベースで史上最高値を更新し、ナスダック総合も2万ポイント台を固めた一方、日経平均は4万円台を回復。原油急落でインフレ懸念が後退したことで米10年債利回りは約4.30%→4.26%へ低下し、ドル指数(DXY)は年初来▲10%超の水準まで下落した。
生成AI関連・半導体・銅といった“AIサプライチェーン銘柄”への資金集中が続く一方、金・ビットコインなどオルタナティブ資産も堅調で、リスクオンと分散投資が共存する独特の相場地合いが浮き彫りになった。
エクイティ
- 米国: S&P500は6,101.76→6,173.07(+1.2%)、ナスダック総合は19,912.53→20,273.46(+1.8%)。生成AI関連と半導体が牽引し、週末にそろって過去最高値を更新。
- 日本: 日経平均は38,790.56→40,150.79(+3.5%)で1月以来の4万円台回復。半導体とメガバンクが上昇を主導。
- 欧州: STOXX600はエネルギー株下落を公益・旅行株が相殺し、ほぼ横ばい。マクロ不透明感が重石。
- 中国・香港: ハンセン指数は政策期待で+4%超。国有資金流入がテック株を押し上げた。
債券
米10年債利回りは週初4.30%→週末4.26%へ低下し、実質金利も低下基調。ドイツ10年は2.58%→2.55%へ下落。イールドカーブはフラット化が進み、デュレーション長めへの資金シフトが散見された。日本10年債は1.41%→1.43%で小動き。
為替
ドル/円は146円台から144円台前半へ下落。ユーロ/ドルは1.154→1.17台と年初来高値を更新し、ドル全面安の流れが強まった。ただし円は他通貨に対しては弱含みで、クロス円は総じて円安基調が残った。
コモディティ
Brent原油は70.52→66.80ドルで週間▲5.3%。銅は4.87→5.07ドル/lb(+4.1%)と逆行高。金は3,320→3,288ドルで小幅安ながらドル安で下値は限定的。
クリプト
ビットコインは106,078→107,044ドル(+0.9%)と年初来高値圏を維持し、ETF経由の資金流入が続く。イーサリアムも2,245→2,426ドルへ続伸。
マクロイベント焦点
- 米5月PCEデフレーター(6/27):コア前年比2.5%予想。下振れなら利下げ観測再燃。
- ユーロ圏6月HICP速報(6/28):2%割れならECBハト派期待。
- OPEC+ JMMC(7/1):8月増産判断が原油ボラティリティを左右。
インサイトまとめ
- 株式: 生成AI・半導体を軸に押し目買い優勢。欧州・中国は政策不透明感を織り込み選別投資。
- 債券: 米独10年を中心に段階的に組み入れ、実質利回り確保と価格上昇余地を両取り。
- コモディティ: 原油ショート/銅ロングのペアが機能。OPEC+後の反発に備えつつベータ抑制。
- FX: ドル安トレンドを前提にユーロ・資源国通貨の押し目買い。円は介入ライン意識で短期取引に留める。
- オルタナ: 金5%・BTC2%の比率維持で多元ヘッジを確保。