このマクロ市場分析は、私(@mifsee)が米国市場への投資判断に際し、日々のマクロ環境を俯瞰的に捉えるための個人的な学習記録としてアウトプットしているものです。内容には誤りや実際の状況と異なる点を含む可能性があります。あらかじめご了承のうえ、ご覧ください。
市場インサイト
全体ムード
イスラエル・イラン停戦継続と米インフレ鈍化観測が同時進行し、世界市場はリスクオン維持。S&P500とナスダックは史上最高値を更新し、米10年債利回りは4.26%へ低下。ドル指数は97台前半と3年ぶり安値圏に沈み、資金はハイテクとコモディティ関連へ再配分されている。
エクイティ
地域 | 指数 | 終値 | 前日比 | 背景 |
---|---|---|---|---|
米国 | S&P500 | 6,141.02 | +0.80% | AI・金融主導の高値追い |
米国 | ナスダック総合 | 20,167.91 | +0.97% | 半導体買い継続で2万台定着 |
米国 | ダウ平均 | 43,386.84 | +0.94% | 旧来型大型株も追随 |
欧州 | ストックス欧州600 | 543.63 | +0.16% | 原油安で消費関連に買い |
日本 | 日経225(27日終値) | 40,018.65* | +3.2% | 半導体と自動車が牽引 |
資金は生成AIサプライチェーンと米大型テックに集中し、エネルギー株は出遅れ気味。
債券
国 | 10年利回り | 前日比 | 評価 |
---|---|---|---|
米国 | 4.26% | –3bp | コアPCE控えヘッジ買い優勢 |
ドイツ | 2.59% | +3bp | 景気懸念後退で利回り上昇 |
日本 | 1.44% | +1bp | 超長期ゾーン警戒で上値限定 |
金利低下と株高の共存が続き、クレジットスプレッドは安定圏。
為替
- ドル/円:144.3近辺で膠着、米金利低下と円買いが拮抗
- ユーロ/ドル:1.1740台へ上昇、ドル安と欧州景気底打ち期待が支援
- ドル指数(DXY):97.3と3年ぶり安値
コモディティ
商品 | 終値 | 前日比 | ドライバー |
---|---|---|---|
WTI原油 | $65.52/bbl | –0.6% | 中東リスクプレミアム縮小 |
ブレント原油 | $67.73/bbl | –0.5% | 同上 |
天然ガス (HH) | $3.739/MMBtu | +6% | 暑波需要で反発 |
金 | $3,348/oz | +0.2% | ドル安と実質金利低下 |
銅(LME現金) | $10,051/t | –0.6% | 中国需要鈍化懸念 |
クリプト
- ビットコイン:$107,367(+1.2%)—機関投資家の押し目買い継続
- イーサリアム:$2,442(+0.8%)—レイヤー2採用拡大が下支え
リスク許容度改善を映し暗号資産も高値圏推移。
マクロイベント焦点
- 6/28(土)ユーロ圏HICP速報値:前年比1.9%予想—インフレ再加速ならユーロ買い
- 6/28(土)東京CPI(6月):ヘッドライン3.1%観測—日銀10月利上げ思惑を左右
- 7/1(火)OPEC+ JMMC:8月増産の是非—原油ボラティリティ要因
- 7/1(火)米ISM製造業:50回復なら景気心理改善
- 7/2(水)FOMC議事要旨(6月):利下げ議論の深度を確認
- 7/3(木)米6月雇用統計:NFP+115k予想—ドル・金利の方向性を決定
インサイトまとめ
インフレ鈍化とドル安基調が続く環境下、株式>債券>現金のリスク選好を維持したい。
- 生成AIおよび半導体関連への押し目買い—米・日での資金集中を核心戦略とする。
- 米・独10年債の段階的組み入れ—利回り確保とポートフォリオ安定を両立。
- エネルギー株を中立→やや強気へリバランス—OPEC+後の需給改善を見据える。
- 金を5%程度、ビットコインを1〜2%で保持—ドル安リスクとボラティリティ対策を両立。