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2025年6月27日 市場インサイト|ドル3年ぶり安値、株高継続と原油小反発でリスクオン

2025年6月27日 市場インサイト|ドル3年ぶり安値、株高継続と原油小反発でリスクオン市場分析

このマクロ市場分析は、私(@mifsee)が米国市場への投資判断に際し、日々のマクロ環境を俯瞰的に捉えるための個人的な学習記録としてアウトプットしているものです。内容には誤りや実際の状況と異なる点を含む可能性があります。あらかじめご了承のうえ、ご覧ください。

市場インサイト

全体ムード

イスラエル・イラン停戦維持と米連邦準備制度理事会(FRB)の独立性低下懸念が交錯しつつも、世界市場はリスクオン継続。S&P500は6,141.02と史上高値目前、ナスダック総合は2万ポイント台を突破し、米長期金利は4.25%台へ低下した。ドル指数は97台と3年ぶり安値圏に沈み、原油安と相まってインフレ懸念が後退する一方、金と暗号資産にも買いが波及する複合的相場である。

エクイティ

地域指数終値前日比背景
米国S&P5006,141.02+0.80%AI関連と金融主導で高値圏
米国ナスダック総合20,167.91+0.97%半導体ラリー継続で2万台定着
米国ダウ平均43,386.84+0.94%旧来型大型株も追随
欧州ストックス欧州600538.75+0.30%旅行・公益が原油安を好感
日本日経225(26日終値)38,790.56+1.14%半導体・金融が買い牽引

資金は生成AIサプライチェーンと米国大型テックに集中し、相対的にエネルギー株が出遅れ。

債券

10年利回り前日比評価
米国4.245%–4bpインフレ鈍化観測で買い優勢
ドイツ2.55%–1bp景気減速懸念で安全資産選好
日本1.43%+1bp日銀の超長期ゾーン警戒で上昇余地限定

金利低下と株高の共存が続き、イールドハント型フローが強まる構図。

為替

  • ドル/円:144円前後で推移、米金利低下と円買いが拮抗
  • ユーロ/ドル:1.17台に乗せ、ドル安とECBハト派後退が支援
  • ドル指数(DXY):97.3と3年ぶり安値圏

コモディティ

商品終値前日比ドライバー
WTI原油$65.24/bbl▲0.3%需給均衡観測と停戦でプレミアム縮小
ブレント原油$67.73/bbl▲0.3%同上
$3,348/oz+0.2%ドル安と実質金利低下で底堅い
銅 (LME3M)$10,115/t+3.1%在庫逼迫と米関税緩和観測

クリプト

  • ビットコイン:$107,372(+1.3%)—機関投資家の買いが続き年初来高値圏
  • イーサリアム:$2,426(+1.4%)—レイヤー2採用拡大で需給改善

暗号資産はリスク許容度の指標として機能し、株高と歩調を合わせる。

マクロイベント焦点

  • 6/27(金)米5月PCEデフレーター:コアPCE予想2.5%。下振れなら追加ドル安の可能性
  • 6/28(土)ユーロ圏HICP速報値:インフレ1.9%維持ならECB追加緩和観測後退
  • 6/28(土)東京CPI(6月):ヘッドライン3.1%、基調強さが日銀10月利上げ思惑を左右
  • 7/1(火)OPEC+合同閣僚監視委員会(JMMC):7月増産可否が焦点、原油ボラティリティ要因

インサイトまとめ

  • インフレ見通しの軟化と地政学的緊張緩和で株式>債券>現金のリスク選好が優勢。
  • 生成AIおよび半導体関連の押し目買い—ナスダック高値更新局面でのコア戦略。
  • 米・独10年債の段階的組み入れ—利回り確保とポートフォリオ安定。
  • 原油関連はウェイト中立へ引き上げ—OPEC+イベント後のリバランスを狙う。
  • 金をポートフォリオ5%程度で維持、ビットコインはサテライト1–2%—ドル安ヘッジとオルタナ分散。

市場インサイトのインフォグラフィック

【分析日】2025/06/27

主要マーケット指標

S&P 500

6,141.02 (+0.80%)

AI・金融主導で史上高値に迫る

米10年債利回り

4.245% (-4 bp)

インフレ鈍化観測で低下

ドル指数 (DXY)

97.3

3年ぶりの安値圏でドル安進行

アセットクラス詳細分析

株式

世界的に株高が進行。特に米国のAI・半導体セクターが市場を牽引しています。

債券

インフレ圧力の後退を受け、主要国の長期金利は低下(債券価格は上昇)基調です。

商品 & 暗号資産

ドル安を背景に金や暗号資産が堅調。中国の需要期待から銅も大幅に上昇しています。

マクロ展望:注目の経済イベント

6/27 (金)

米5月PCEデフレーター

最重要インフレ指標。コア指数の下振れは追加的なドル安と株高を後押しする可能性。

6/28 (土)

ユーロ圏・東京 CPI

ECBと日銀の金融政策の方向性を占う上で重要。

7/1 (火)

OPEC+ JMMC

7月以降の生産方針が焦点。原油価格の変動要因。

インサイトと投資戦略

1. 株式: AI・半導体を中核に

ナスダック高値更新局面では、生成AIと半導体関連が引き続きコア戦略。調整局面は押し目買いの好機。

2. 債券: 米・独債を段階的に

金利低下(価格上昇)を狙いつつ、安定した利回りを確保。ポートフォリオの安定化に寄与。

3. 原油: 中立へ引き上げ

OPEC+の動向を見極めた後、リバランスを検討。現在の価格水準は長期的な妙味も。

4. ヘッジ: 金と暗号資産

金(5%程度)とビットコイン(1-2%)でドル安へのヘッジとオルタナティブ分散を図る。

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