このマクロ市場分析は、私(@mifsee)が米国市場への投資判断に際し、日々のマクロ環境を俯瞰的に捉えるための個人的な学習記録としてアウトプットしているものです。内容には誤りや実際の状況と異なる点を含む可能性があります。あらかじめご了承のうえ、ご覧ください。
市場インサイト
全体ムード
米国株は関税リスクと高値警戒で反落し、S&P500 6,259.75(-0.3%)・ナスダック 20,585.53(-0.2%)・ダウ 44,371.51(-0.6%)。長期金利は4.36%へ1bp上昇し、株の上値を抑制。ドル円は147円台前半へ続伸し、ユーロは1.169付近で軟調。エネルギー相場はWTI 68.75(+3.33,354/oz(+0.9%)へ堅調推移。「株小幅調整+ドル高+エネルギー高」が同時進行する選別的リスクオフ局面。
エクイティ
指数 | 終値 | 前日比 | 背景 |
---|---|---|---|
NYダウ | 44,371.51 | ▼279.13 pt (-0.63 %) | 工業株に関税警戒売り |
S&P500 | 6,259.75 | ▼20.71 pt (-0.33 %) | 金利上昇でバリュー株軟調 |
ナスダック総合 | 20,585.53 | ▼45.14 pt (-0.22 %) | 半導体に利確売り |
日経225 | 39,569.68 | ▼76.68 pt (-0.19 %) | 円高と外需警戒 |
ストックス欧州600 | 547.34 | ▼5.59 pt (-1.01 %) | 鉱業以外に幅広い売り |
資金フロー:米ハイテクから一部資源株へ分散しつつ、欧州株に売り圧力。
債券
- 米10年債:4.36 %(+1 bp)—CPI発表前のポジション調整
- 独10年債:2.72 %(+4 bp)—インフレ高止まり懸念
- 日本10年債:1.51 %(+0.2 bp)—日銀タカ派観測継続
為替
通貨ペア | 終値 | 前日比 | コメント |
---|---|---|---|
USD/JPY | 147.39 | +0.82 % | 金利差と関税回避の円売り |
EUR/USD | 1.1690 | -0.09 % | 欧州景気懸念でユーロ軟調 |
USD/CNY | 7.1686 | -0.09 % | 人民銀の元防衛が下支え |
コモディティ(終値・前日比)
品目 | 終値 | 前日比 | ドライバー |
---|---|---|---|
WTI原油 | $68.75/bbl | +3.27 % | 在庫減とOPEC+減産遵守期待 |
Brent原油 | $70.69/bbl | +2.99 % | 欧州制裁強化報道で買い |
天然ガス(HH) | $3.36/MMBtu | +0.58 % | 米熱波再来観測 |
金 | $3,354/oz | +0.92 % | ドル高でも安全買い続く |
銀 | $38.37/oz | +3.65 % | インフレヘッジ需要 |
銅 | $5.54/lb | -0.94 % | 関税高騰後の利益確定 |
クリプト
- ビットコイン:$116,000 周辺(+4.2 %)—ETF資金流入で史上高値圏
- イーサリアム:$2,988(+7.9 %)—L2拡大とETF期待
マクロイベント焦点
- 7/12(土) 中国 6月貿易収支
- 7/15(火) 米6月CPI、NY連銀製造業景況指数
- 7/15(火) ドイツ ZEW景況感調査
- 7/16(水) 米企業決算シーズン開幕(JPM・Cなど大手金融)
- 7/17(木) 米住宅着工・建設許可
インサイトまとめ
- 株式調整も下値限定:S&P500は短期サポート6,200付近で押し目買い意欲。
- エネルギー高とドル高の共存:インフレ再燃リスクを意識し資源株・ゴールドETFでヘッジを強化。
- 長期金利4.4%接近に注意:債券デュレーションは4–6年帯で調整。
- 為替はドル優位続く:円・ユーロ安地合いで輸出関連に追い風。
- クリプトは分散先として定着:BTC高値圏だがETF流入継続なら押し目限定。
市場インサイトのインフォグラフィック
【分析日】2025年7月11日
選別的リスクオフの一日
米国株は関税リスクと高値警戒感から反落。ドル高とエネルギー価格の急伸が同時に進行し、投資家がリスク選好の姿勢を後退させる中、市場は複雑な様相を呈しました。
S&P 500
-0.33%
米10年債金利
4.36%
WTI原油
+3.27%
金
+0.92%
株式市場:警戒感から主要指数は下落
金利上昇と関税への懸念が重しとなり、世界の主要株式市場は軒並み下落しました。特に欧州市場の下げが目立ち、ハイテク株から資源株へ一部資金が移動する動きも見られました。
商品市場:エネルギー高騰、産業金属は調整
地政学リスクと在庫減を背景に原油が急伸し、インフレヘッジ需要から貴金属も堅調でした。一方で、世界経済への懸念から銅は利益確定売りに押され、明暗が分かれました。
金利・為替・暗号資産
米長期金利は小幅に上昇。為替市場ではドルが優位性を保ち、暗号資産はETFへの資金流入を背景に力強い上昇を見せました。
主要国10年債利回り
🇺🇸 米国: 4.36% (+1bp)
🇩🇪 ドイツ: 2.72% (+4bp)
🇯🇵 日本: 1.51% (+0.2bp)
主要通貨ペア
USD/JPY: 147.39 (+0.82%)
EUR/USD: 1.1690 (-0.09%)
USD/CNY: 7.1686 (-0.09%)
ビットコイン
$116,000
+4.2%
イーサリアム
$2,988
+7.9%
5つのキーインサイト
株式調整も下値限定: S&P500の6,200付近がサポートラインとして意識され、押し目買い意欲は健在。
インフレ再燃リスク: エネルギー高とドル高の共存はインフレ懸念を再燃させ、資源株や金でのヘッジが有効。
金利の壁: 米長期金利が4.4%に近づくと、株式市場への圧力が一層強まる可能性に注意が必要。
ドル優位の継続: 円やユーロに対するドルの強さが続き、日本の輸出関連企業には追い風となる展開。
クリプトの地位確立: ビットコインは高値圏ながらもETF経由の資金流入が続き、新たな分散投資先として定着。
今後のマクロイベント
7/12(土)中国 6月貿易収支
7/15(火)米6月CPI、ドイツ ZEW景況感調査
7/16(水)米企業決算シーズン開幕
7/17(木)米住宅着工・建設許可