このマクロ市場分析は、私(@mifsee)が米国市場への投資判断に際し、日々のマクロ環境を俯瞰的に捉えるための個人的な学習記録としてアウトプットしているものです。内容には誤りや実際の状況と異なる点を含む可能性があります。あらかじめご了承のうえ、ご覧ください。
注目の上昇銘柄(ウォッチリストから)
ウォッチリスト(2025/09/30 終値ベース)
名柄 | 終値 | 変動率 | テーマ | インサイト |
---|---|---|---|---|
SMTC(セムテック) | 71.45 | +15.28% | 半導体・データセンターI/O | オッペンハイマー格上げとAI向けACC/LPO期待 |
BE(ブルーム・エナジー) | 84.57 | +14.90% | 燃料電池・データセンター電源 | ワイオミング900MW計画報道で需給期待 |
CRWV(コアウィーブ) | 136.85 | +11.70% | AIクラウド・GPUレンタル | Metaと最大$142億のAIインフラ契約 |
DNA(ジンコ・バイオワークス) | 14.58 | +10.20% | 合成生物学 | 製薬セクター高の流れ |
ARQQ(アーキット・クオンタム) | 38.75 | +9.77% | 量子暗号 | B. Riley目標引き上げの余韻 |
TATT(TATテクノロジーズ) | 44.03 | +9.28% | 航空整備・MRO | 特に材料なし。トレンド継続 |
BIOA(バイオ医薬) | 5.88 | +7.92% | バイオ医薬 | 製薬セクター高の流れ |
PFE(ファイザー) | 25.48 | +6.83% | 大手製薬 | TrumpRx合意報道で薬価不透明感後退 |
MRK(メルク) | 83.93 | +6.81% | 大手製薬 | 製薬セクター高の連想買い |
DHR(ダナハー) | 198.26 | +6.56% | ライフサイエンス機器 | 製薬セクター高の流れ |
PATH(ユイパス) | 13.38 | +6.53% | RPA・エージェント自動化 | OpenAI・NVIDIA・Snowflakeとの提携発表 |
PBYI(プーマ・バイオテク) | 5.31 | +5.15% | バイオ医薬 | Nerlynx販売好調観測の継続 |
個人的所感
CoreWeave×Metaの大型契約でAIクラウド関連が押し上げられ、セムテックの格上げやブルーム・エナジーの大型電源計画に資金波及。ウオッチ名型の常連銘柄の強さは継続の印象です。
ヘルスケアではTrumpRx合意を材料に製薬全体が反発、ディフェンシブ回帰の側面が見られる。出遅れ感もあり、このままテーマ性維持できるか注視。
RPAのUiPathは大手AIとの提携でテーマ性を再強化。
総じて、AI関連とヘルケアセクターの牽引の地合いの様子。
個人的には、DNAが長らくマイナスポジションでしたが、ここからトレンド形成されるか様子見です。
市場インサイト
【分析日】2025/09/30
全体ムード
米政府機関一部閉鎖リスクの月末再燃と暫定予算を巡る協議難航の不確実性高止まりの様子。米コンファレンスボード消費者信頼感の低下とJOLTS求人の強さのコントラストによる景気減速と雇用粘りのねじれ。
ユーロ圏HICP速報のコア減速確認による欧州金利見通しは緩和方向。
初回利下げ通過後の要人発言サイレンス期間と四半期・月末のリバランス需要の交錯。
金利は米独やや低下のデュレーション回帰。為替はドル小反発の低ボラレンジ。商品は原油軟調と金の高値圏もみ合いの綱引き。
政府閉鎖時の統計公表遅延リスクを意識したイベント前の質への回帰。
エクイティ
指数 | 終値 | 前日比 | 背景 |
---|---|---|---|
ダウ | 46,397.89 | +217.39 (+0.47%) | 政府閉鎖リスク下でもディフェンシブとメガキャップの買い需要 |
S&P500 | 6,688.46 | +26.75 (+0.40%) | 消費者信頼感低下と金利小緩和のバリュエーション許容 |
ナスダック | 22,660.01 | +68.86 (+0.30%) | 半導体・AI主力への押し目買い |
日経225 | 45,712.34 | +152.13 (+0.33%) | 円安気味と外需グロース再評価 |
STOXX600 | 558.18 | +2.66 (+0.48%) | HICPコア減速と金利低下期待の支援 |
債券
国 | 10年利回り | 前日比(bp) | コメント |
---|---|---|---|
米国 | 4.11 % | -1 | 消費者マインド鈍化の受け止めと月末リバランス需要 |
ドイツ | 2.74 % | -1 | HICPコア減速の確認によるタームプレミア後退 |
日本 | 1.64 % | 0 | 会合通過後の需給均衡と物価指標待ち |
為替
- USD/JPY 146.70(+0.27%):米長期金利高止まりと月末フローのドル買い戻し。
- EUR/USD 1.1780(-0.09%):HICP後の金利低下観測も月末のドル需要に押される往来。
- USD/CNY 7.1060(-0.03%):中間値ガイダンス下のボラ抑制。
コモディティ
品目 | 終値 | 前日比 | ドライバー |
---|---|---|---|
WTI原油 | $61.98/bbl | -0.19% | 需要不透明感と在庫観測の上値抑制 |
Brent原油 | $66.80/bbl | -0.07% | ドル動向と需給均衡観の相殺 |
天然ガス | $3.09/MMBtu | -0.32% | 近月需給の一服と気温見通し |
金(現物) | $3,728.00/oz | -0.05% | 実質金利横ばいの高値圏もみ合い |
銀 | $43.95/oz | -0.34% | 金連動のベータ調整 |
銅 | $4.70000/lb | -0.04% | 中国指標待ちのレンジ推移 |
クリプト
- ビットコイン $114,800.00(+0.25%):シャットダウン不確実性下の分散需要とショートカバーの交錯。
- イーサリアム $4,230.00(+0.48%):大型材料待ちのレンジ上限試し。
マクロイベント焦点(今後3–4営業日)
- 2025/10/01(水)米・ISM製造業/中国・PMI(9月):製造業循環の転機と価格指数の粘着度
- 2025/10/01(水)日本・日銀金融政策決定会合議事要旨要点:ガイダンスのニュアンスと需給運営の示唆
- 2025/10/02(木)米・失業保険新規申請:労働需給のひび割れ度合い
- 2025/10/02(木)米政府閉鎖(会計年度切替):統計公表遅延とマクロ不確実性の波及
インサイトまとめ
- クリプト軽めのイベント・ヘッドライン対応の機動運用
- 政府閉鎖リスク顕在化下の質への回帰とヘッジ厚めの継続
- 米大型グロース偏重維持も決算前の段階利食いの併用が無難
- デュレーションやや長めの逢い場拾いとベータ抑制の組み合わせ
- ドル小反発レンジでのEUR段階買い・USD/JPY逆張りの短期回転
- 原油戻り売り・金押し目買いのクロスアセット分散