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米陸軍「Janus」計画報道で原子力バリューチェーンが再評価、引き続きAI電源×原子力が主導(2025/10/15)

米陸軍「Janus」計画報道で原子力バリューチェーンが再評価、引き続きAI電源×原子力が主導(2025/10/15)市場分析

このマクロ市場分析は、私(@mifsee)が米国市場への投資判断に際し、日々のマクロ環境を俯瞰的に捉えるための個人的な学習記録としてアウトプットしているものです。内容には誤りや実際の状況と異なる点を含む可能性があります。あらかじめご了承のうえ、ご覧ください。

注目の上昇銘柄(ウォッチリストから)

ウォッチリスト(2025/10/15 終値ベース)

名柄終値変動率テーマインサイト
NVTS(ナビタス・セミコンダクタ)15.16+20.60%GaN/SiCパワー半導体Nvidia対応の新製品発表報道で物色
SMR(ヌースケール・パワー)53.43+16.68%小型原子炉(SMR)米陸軍「Janus」計画報道の連想買い
FLNC(フルーエンス・エナジー)21.44+16.21%蓄電システム(BESS)Torch Clean Energyと160MW/640MWh案件発表
HIMS(ヒムズ・アンド・ハーズ)62.76+16.18%テレヘルス・D2C医療更年期ケア新領域発表
AAOI(アプライド・オプトエレクトロニクス)32.95+15.70%データセンター向け光通信ECOCで800G短距離トランシーバー披露の思惑継続
RXRX(リカーション・ファーマ)6.79+15.28%AI創薬コール活況・思惑買い
ICHR(アイコア・ホールディングス)23.30+14.10%半導体製造装置サブシステム11/3決算発表予定のIRで思惑
DNA(ギンコ・バイオワークス)15.83+12.35%合成生物学特になし
SES(エスイーエスAI)3.54+11.67%リチウム金属電池JV検討リリースの余韻
LEU(セントラス・エナジー)436.00+10.06%濃縮ウラン・原子力燃料米陸軍「Janus」計画報道への連想
INOD(イノデータ)82.98+9.43%生成AI向けデータ/アノテーションWedbushが目標株価90ドルに引き上げ
FSLR(ファースト・ソーラー)244.40+8.90%太陽光パネルBofAが目標株価254ドルに引き上げ

個人的所感

今日は、エネルギーとAIの二つの流れが鮮明に強まった印象。

原子力分野では、米陸軍が小型炉導入を進める「Janus」計画が報じられ、ニュースケール(SMR)濃縮ウランのセントラス(LEU)が素直に反応。国防 × 電力という分かりやすい見出しが、関連バリューチェーンに資金が波及。

再エネでは、フルーエンス(FLNC)がアリゾナの大容量蓄電案件を正式発表し、実需ニュースが株価を押し上げ
また、ファースト・ソーラー(FSLR)はBofAによる目標引き上げが追い風となり、セクター全体のトーンは明るめ。

AI関連では、ナビタス(NVTS)が「Nvidia対応」ヘッドラインで大幅高。
地味な電源半導体領域ながら、生成AIサーバー増設ニーズがストーリーを支える。
アプライド・オプト(AAOI)の800G製品披露も引き続き材料視され、データセンター配線需要を背景に買いが続いた。
サービス関連では、ヒムズ(HIMS)が更年期ケア分野への参入発表で注目を集め、イノデータ(INOD)はアナリストの目標引き上げが強い買い手がかり。

一方で、リカージョン(RXRX)やギンコバイオ(DNA)は上昇こそ見られるものの、新材料は乏しく、短期資金やオプション需給による動きの色合い。

VIXが少し上がり気味ですね。指数のボラティリティも高くなってきたので、少し利確を多めにするなど気を引き締めて望みたいところ。

市場インサイト

【分析日】2025/10/15

全体ムード

ゴールド史上高値更新原油5カ月安値圏のコントラスト鮮明、米銀決算の堅調さとパウエル発言の緩和期待がリスク資産の下支え、一方で米中貿易摩擦再燃が景気敏感セクターの上値抑制の綱引き。
米国は大手行の好決算とAI関連の物色回帰で主力株続伸、金利は長短で強弱対照、為替はドル軟化で外需・素材に資金回帰の兆し。
欧州はラグジュアリー主導の上昇、日本は政局不透明感一服と円安一服の組み合わせで自律反発、コモディティは供給過剰観測の原油安×安全資産選好の貴金属高という分岐。
暗号資産は金の独走に対し踊り場、金利低下期待の下支えも政策・地政学ノイズで方向感乏しの展開。

エクイティ

指数終値前日比背景
ダウ46,253.31−17.15 (−0.04%)大手行堅調でも景気敏感を中心に高安まちまち
S&P5006,671.06+26.75 (+0.40%)金利低下観測と銀行・半導体高
ナスダック22,670.08+148.38 (+0.66%)AI関連物色継続
日経22547,672.67+825.35 (+1.76%)円の反落一服と自律反発
STOXX600567.78+3.24 (+0.57%)ラグジュアリー急伸と半導体堅調

債券

10年利回り前日比(bp)コメント
米国4.02 %+1緩和期待と供給懸念の綱引き
ドイツ2.56 %−5米利下げ観測波及と景気指標鈍化
日本1.66 %−1リスクオン回帰と需給の落ち着き

為替

  • USD/JPY 150.99(−0.47%):米利下げ観測でドル軟化、円は介入警戒感も上値抑制
  • EUR/USD 1.1646(+0.34%):欧州株高と米金利低下観測でユーロ高進行
  • USD/CNY 7.1267(−0.17%):政策スタンス安定と当局のレンジ意識で人民元堅調

コモディティ

品目終値前日比ドライバー
WTI原油$58.66/bbl−0.07%供給過剰観測と米中対立で需要懸念
Brent原油$62.28/bbl−0.18%OPEC+増産観測とマクロ減速警戒
天然ガス$3.03/MMBtu+0.16%生産計画と在庫見通しの微調整
金(現物)$4,209.60/oz+1.60%利下げ観測×地政学の安全資産需要
$53.00/oz+3.09%金連れ高と工業需要テーマ
$4.9704/lb−0.04%供給要因強いが中国需要不確実で伸び悩み

クリプト

  • ビットコイン $110,767.40(−2.00%)金の独走と政策ノイズで相対劣後のリスク回避
  • イーサリアム $3,985.52(−3.32%):金利低下期待の支えもボラ上昇で戻り売り優勢

マクロイベント焦点(今後3–4営業日)

  • 2025/10/16(木)米・小売売上高/生産者物価/フィラデルフィア連銀指数:インフレと実需の同時確認
  • 2025/10/17(金)米・ミシガン大学消費者信頼感(速報):期待インフレの変化点
  • 2025/10/20(月)中国・Q3 GDP/鉱工業生産/小売売上高需要減速か底打ちかの分岐点
  • 2025/10/21(火)欧・ZEW景況感欧州景気の持ち直し度の検証

インサイトまとめ

  • クリプト:BTCは110k近辺の下値固め観察、ETHはイベント通過まで軽めのスタンスが良さげ
  • 株式:米大型テックと金融の相対強さ継続、日本は押し目拾いが無難
  • 債券:米10年は4%前後のレンジ想定、デュレーションは段階的に中立へ戻すのが妥当
  • 為替ドル軟化トレンド再開の兆し、USD/JPYは151台前半で戻り売りが良さげ
  • 原油:供給過剰観測優勢で戻り売りが妥当
  • 貴金属:金は押し目待ちの段階買い、銀はボラ高ゆえ短期回転が無難

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