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利下げ観測と決算ビートが交差、CPI後のドル安追い風に、中小型グロースのテーマ循環が加速(2025.08.13)

利下げ観測と決算ビートが交差、CPI後のドル安追い風に、中小型グロースのテーマ循環が加速(2025.08.13)市場分析

このマクロ市場分析は、私(@mifsee)が米国市場への投資判断に際し、日々のマクロ環境を俯瞰的に捉えるための個人的な学習記録としてアウトプットしているものです。内容には誤りや実際の状況と異なる点を含む可能性があります。あらかじめご了承のうえ、ご覧ください。

注目の上昇銘柄(ウォッチリストから)

ウォッチリスト(2025/08/13 終値ベース)

ティッカー(銘柄名カナ表記)テーマ終値騰落率個人メモ・インサイト
MNTS(モーメンタス)宇宙輸送・軌道サービス1.91+72.07%NASAと契約報告
CRNC(セレンス)音声認識・車載AI13.52+24.15%Q2売上$70M・黒字転換報告、通期見通し引き上げ
OUST(アウスター)LiDARセンサー33.11+15.37%Q2決算好調後の上昇続く
DNA(ギンコ・バイオワークス)合成生物学・バイオ製造13.26+14.71%Q2決算後の下落からの浮上
AREC(アメリカン・リソーシズ)石炭・レアアース回収1.80+12.50%レアアース分離施設稼働報道で思惑買い
CPRI(カプリ・ホールディングス)高級アパレル(マイケルコース等)22.03+12.28%JPMによる格上げ報道
IDR(アイデリア)物流・港湾運営26.06+9.68%Q2売上$410M(予想超過)、上昇続く
LMND(レモネード)AI保険59.70+9.36%Q2決算後の上昇続く

全体として決算発表を契機にした産業AI・自動化関連の上昇が目立ち、CRNCやOUSTなど業績裏付けのある中小型グロースが強い動き。加えて、MNTSのようなテーマ性先行の宇宙関連や、DNA・ARECといった素材・バイオ関連も一部動きがあり、ニュースや規制動向への反応が早い銘柄が多い印象。市場は大型テック依存から部分的にシフトし、テーマ循環色が強まっている。

テーマ別の手掛かり

  • 決算ビート+ガイダンス上方修正
    CRNC、OUST。産業AIや自動化分野での需要増加と粗利改善が明確。ギャップアップ後の出来高維持が今後の焦点。
  • テーマ思惑型の急騰
    MNTS。小型宇宙関連として短期資金が集中。値幅調整リスクが高く、鮮度管理が必要。
  • 素材・バイオサイド
    DNA、AREC。事業進捗や設備稼働ニュースが材料。規制・市況の影響を強く受けるためヘッドライン追跡が重要。
  • その他の循環物色
    CPRI、IDR、LMND。決算後の需給整理や外部要因による相対的割安感から上昇。

いま注目したい確認ポイント

  • ガイダンスの質:売上ビートに加え、粗利率や営業レバレッジの改善が伴っているか。CRNC、OUSTは特に注視。
  • 継続性:MNTSのような急騰は連続陽線と出来高維持が重要。鮮度切れで急反落の可能性あり。
  • 政策・規制リスク:AREC、DNAは許認可や規制変更のニュースで大きく振れるため注意。
  • 需給:ギャップアップ銘柄が高値圏を維持できるか。出来高減速や長い上髭連発は警戒信号。

個人的な所感

  • 本日は決算裏付けのある産業AI・自動化関連が引き続き強く、テーマの中期化が期待できる展開。
  • 一方、思惑型の小型宇宙・素材銘柄は値動きが荒く、ヘッドライン依存度が高いため短期トレード前提での対応が望ましいかも。
  • 全体的には、決算とテーマ性の両面を備えた銘柄を中心に据えつつ、ニュース主導型は鮮度と出来高の変化を常に監視する姿勢で望む。

市場インサイト

全体ムード

米市場は7月のインフレデータが予想通りであったことを受け、9月の利下げ観測が鮮明となり、S&P 500・ナスダックともに史上最高値を更新。ダウは +1.04 %、ラッセル2000は小型株主導で +2 % 上昇し、市場の幅広さを象徴した。

為替市場ではドルが2週ぶり安値に沈み、金価格が上昇。債券利回りは低下し、ボラティリティ指標も低水準へ。こうした動きは、投資家が金利緩和をほぼ確実視していることを示している。

また、この日最大の話題は、暗号資産取引所「Bullish」のNYSE上場で株価が倍以上に急騰し、暗号セクターに熱視線。さらに、医療・ヘルスケア株やIPO関連にも資金が流入するなど、市場の関心は「テーマ・循環物色」にシフトしていた。

エクイティ

指数終値前日比背景
ダウ44,458.61+483.52 (+1.10%)CPI前の利下げ観測とメガテック堅調。
S&P5006,445.76+72.31 (+1.13%)幅広く買い、最高値更新。
ナスダック21,681.90+296.50 (+1.39%)AI・大型テック主導で上昇。
日経22539,672.22+233.20 (+0.59%)休場明け、半導体・自動車に買い。
STOXX600547.89+1.13 (+0.21%)薄商い、素材はリチウム連想高。

債券

10年利回り前日比(bp)コメント
米国4.24 %-5CPI後の利下げ観測強まり利回り低下。
ドイツ2.69 %-5欧州株高でも安全資産需要が強まり買い優勢。
日本1.50 %-1金利安定、円安傾向で需給変化なし。

為替

  • USD/JPY 146.85(-0.52%):米金利低下とリスクオンでドル売り・円買い優勢。
  • EUR/USD 1.1752(+0.31%):ドル安を背景にユーロ反発。
  • USD/CNY 7.1654(-0.31%):人民元買い戻しと当局の安定化姿勢で小幅高。

コモディティ

品目終値前日比ドライバー
WTI原油$62.79/bbl-0.61%需給均衡感と在庫前の調整売り。
Brent原油$65.81/bbl+0.27%中東供給懸念と需要安定が下支え。
天然ガス$2.74/MMBtu-1.79%気温予想下方修正と在庫厚で下落。
金(現物)$3,355.68/oz+0.23%ドル安で上昇、CPI後の利下げ期待継続。
$38.17/oz+0.80%工業需要期待で買い優勢。
$4.5160/lb+0.21%中国景気期待とリスクオンで堅調。

クリプト

  • ビットコイン $118,950.25(-0.97%):前日の高値圏から利確優勢、米金利低下で下げ渋り。
    イーサリアム $4,582.40(+0.41%):DeFi関連の資金流入継続で堅調推移。

マクロイベント焦点(今後3–4営業日)

  • 8/14(米)PPI・新規失業保険申請件数:企業の価格転嫁動向と雇用需給の強さを確認、インフレ持続性の評価材料。
  • 8/15(中)7月鉱工業生産・小売売上高:内需と製造業活動の回復度合いを測る指標、商品市況への影響も注視。
  • 8/15(米)ミシガン大学消費者信頼感(速報):家計のインフレ期待と支出意欲を確認。
  • 8/16–19(米・欧)企業決算集中:中小型グロースや素材株のガイダンス更新が焦点。

インサイトまとめ

  • CPI想定内着地と米財務長官の0.5%利下げ容認発言が重なり、金利低下・ドル安で広範なリスクオンが加速。
  • 指数は最高値圏維持のまま、主役は小型株・テーマ株(Bullish上場による暗号関連、医療、IPOセクター)にシフトし、市場の幅広さが拡大。
  • 長期金利低下とボラティリティ低水準が継続する中、大型株でのポジション利益確定→テーマ循環への資金移動が鮮明化。
  • 短期はテーマ株のモメンタム狙いが有効だが、イベント通過後の急速な資金逆流に備え、段階的利確と損切り基準の明確化が必要。
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