2026:Q2 2026/08/05 発表(引け後)
- 発表翌営業日-14.85%寄付 -17.48%
- 5営業日-15.63%
FIG 2026年Q2決算:売上成長率48%と3四半期連続の加速、AI課金が本格的に利益を押し上げ
本決算のポイント
Figmaの2026年第2四半期は、売上高が前年同期比48%増の3.70億ドルとなり、3四半期連続で成長率が加速するという珍しい軌道を描いた。会社が事前に示していたガイダンスも上回っている。GAAP・非GAAPともに粗利益の伸び率が40%まで加速しており、単なる契約数の増加ではなく収益構造そのものが強くなっていることが読み取れる。
一方でGAAP営業損失は1.17億ドル(営業利益率マイナス32%)となったが、これは年次カンファレンス「Config」関連の販管費が膨らんだ影響が大きい。非GAAP営業利益は3610万ドル、非GAAP営業利益率は10%と黒字を確保し、非GAAP純利益も4260万ドルに達した。フリーキャッシュフローは5320万ドル、マージンは14%で、前年の24%からは低下したものの、年間賞与プログラムの一括支払いなど一時的要因も影響している。
会社は通期売上ガイダンスを14.63億〜14.67億ドルへ引き上げ、従来予想からの上乗せ額は4000万ドルとなった。AIクレジットの課金が初めてフル四半期にわたり寄与し、既存顧客のシート拡大と合わせて成長を底上げしたことが、今回の上方修正の背景にある。
抑えておくべきKPI
- 売上高: 3.70億ドル(前年同期比48%増、3四半期連続で成長率が加速)
- 非GAAP粗利益率: 85%(GAAP粗利益率は84%、いずれも前年同期比で伸び率40%に加速)
- Net Dollar Retention Rate: 136%(既存顧客のシート拡大とAIクレジット追加購入が寄与)
- ARR1万ドル超の有料顧客数: 15,964社(前年同期比34%増)、うちARR10万ドル超は1,635社(同46%増)
インサイト
今回の決算で最も注目すべきは、AI課金が一時的な話題づくりではなく実際の収益に転換し始めた点だ。ARR1万ドル超の有料顧客のうち80%超が週次でAIクレジットを消費しており、さらにFigma agentも7月末時点で同顧客層の50%超が週次利用しているという。これは単なる機能追加ではなく、既存の設計プラットフォームの上に新しい課金レイヤーが積み上がっている状態と言える。
収益性の面では、GAAP営業損失が拡大した点をローライトとして見ておく必要がある。Configというカンファレンス費用が主因とされているが、研究開発費・販管費ともに前年同期から大きく膨らんでおり、株式報酬費用の増加が損益計算書全体を圧迫している構図は変わらない。非GAAPベースでの黒字転換は評価できるものの、GAAPベースの赤字幅そのものは投資家として注視すべき水準だ。
キャッシュ創出力についても、営業キャッシュフローマージンが前年の25%から16%へ低下しており、年次賞与の一括支払いという特殊要因を差し引いても、コスト構造の重さは意識しておきたい。
今後の見どころ
次四半期のガイダンスは売上3.73億〜3.75億ドル、前年比36%成長(中央値)とされており、今期の48%成長からは減速する見通しだが、これは保守的な織り込みなのか実際の需要変化なのか、次回決算での実績確認が焦点になる。通期でも39%成長(中央値)を見込んでおり、AI課金の継続的な拡大がこのペースを維持できるかが鍵となる。
また、GAAPベースの赤字が今後も続くのか、それとも株式報酬費用の一巡とともに縮小に向かうのかも、今後の四半期で見極めたいポイントだ。非GAAP営業利益率は通期で9%(中央値)とされており、Configのような一過性費用が剥落した後の収益性の実態が見えてくるはずだ。
出典
2026:Q1 2026/05/14 発表(引け後)
- 発表翌営業日+13.24%寄付 +10.08%
- 5営業日+6.67%
FIG 2026年Q1決算:売上成長46%へ再加速、AI採用が牽引し通期ガイダンスを増額
本決算のポイント
Figmaの2026年第1四半期は、売上高が前年同期比46%増の3.334億ドルとなり、前四半期の40%増からさらに成長率が加速した。この加速は2四半期連続となり、会社が示していたガイダンス上限も上回る結果となった。
収益性の面では、GAAP営業損益は1.374億ドルの赤字(営業利益率マイナス41%)となったが、これは主に株式報酬費用の急増によるもので、非GAAP営業利益は5,213万ドル、非GAAP営業利益率16%と黒字を確保している。GAAP純損失は1.424億ドルだった一方、非GAAP純利益は5,650万ドルとプラスを維持した。営業キャッシュフローは9,731万ドル、フリーキャッシュフローは8,861万ドルで、フリーキャッシュフローマージンは27%に達している。
好調な実績を受けて、会社は通期売上ガイダンスを14.22億〜14.28億ドル(前年比35%成長)へ引き上げ、従来ガイダンスから5,500万ドルの増額となった。非GAAP営業利益ガイダンスも1.25億〜1.35億ドル(利益率9%)としている。第2四半期の売上ガイダンスは3.48億〜3.50億ドル(前年比40%成長)である。
抑えておくべきKPI
- 売上高: 3.334億ドル(前年同期比46%増、前四半期の40%増から成長率加速)
- Net Dollar Retention Rate: 139%(前四半期から3ポイント上昇、過去2年で最高水準)
- 10,000ドル超ARRの有料顧客数: 15,218社(前年同期比37%増)
- 10万ドル超ARRの有料顧客数: 1,525社(前年同期比48%増)
- 非GAAP営業利益率: 16%(GAAP営業利益率はマイナス41%)
投資家目線のインサイト
今回の成長加速は一時的な押し上げというより、組織全体でのシート拡大とAI製品の採用が同時に進んだ構造的な変化と捉えられる。Figma Make、MCP、Figma Weaveといった複数のAI関連機能が顧客のエンゲージメントを押し上げており、10万ドル超ARR顧客のうち約60%がFigma Makeを週次利用している点や、MCP週間アクティブユーザーが四半期で5倍に増えた点は、単なる機能追加ではなく利用の定着を示している。
一方でローライトとしては、GAAP営業損失とGAAP純損失が前年同期の黒字から大幅な赤字に転じている点は見過ごせない。株式報酬費用が前年同期のほぼゼロから1.69億ドルへ急増したことが主因であり、上場後のインセンティブ構造の変化を反映したものと見られるが、GAAPベースの収益性回復ペースは今後の注視点となる。
AI利用の拡大に対応してAIクレジット上限を3月18日から全シートに導入した点も注目される。上限超過ユーザーの75%超が翌月もクレジットを使い続け、95%超がプラットフォームに残留したというデータは、AI機能への依存度の高さと今後の収益化余地を示唆している。
今後の見どころ
次の四半期以降は、AIクレジットのアドオン購入がARR拡大にどこまで寄与するかが焦点になる。本文では、AIクレジットアドオンを購入したProチームは非購入チームに比べシート数が多く、平均ARRが3倍超という結果が示されており、この差がさらに広がるかが注目される。
また、GAAP営業損益とGAAP純損益が赤字に転じた状態が続くのか、それとも株式報酬費用の増加が一過性の要因として落ち着くのかも重要な判断材料となる。通期ガイダンスは引き上げられたが、非GAAP営業利益率9%という水準が今後どこまで改善するか、成長投資とのバランスを継続的に確認したい。
出典
2025:Q4 2026/02/18 発表(引け後)
- 発表翌営業日+6.90%寄付 +7.48%
- 5営業日+29.14%
フィグマ(FIG)の2025年度Q4決算サマリー
フィグマ(FIG)は2026年2月18日、2025年度第4四半期(Q4)および通期の決算を発表しました。上場後初の通期決算であり、年間売上高10億ドル突破という節目の報告となっています。
売上高と収益
- 売上高: 3億380万ドル(前年同期比+40.1%)
- 市場予想を上回る結果
- GAAP EPS: ▲0.44ドル
- Non-GAAP EPS: 0.08ドル
- 通期売上高: 10億5,600万ドル(前年比+41%)で、初の年間売上高10億ドル超えを達成
営業費用と利益
- Non-GAAP営業利益: 4,400万ドル(Non-GAAPオペレーティングマージン14%)
- GAAP営業損失: ▲1億9,550万ドル(GAAPオペレーティングマージン▲64%)
- 通期Non-GAAP営業利益: 1億2,950万ドル(12%マージン)
- 通期GAAP営業損失: ▲12億9,000万ドル
- IPOに伴う株式報酬費用(SBC)9億7,570万ドルが一時的に計上されたことが、GAAP損失拡大の主因
- Non-GAAPベースでは、売上成長に伴い着実に利益率が改善しつつある
キャッシュと財務状況
- 現金及び現金同等物: 17億ドル(2025年12月末時点)
- 通期営業キャッシュフロー: 2億5,070万ドル(マージン24%)
- 通期調整済みフリーキャッシュフロー: 2億4,270万ドル
- IPO調達資金と堅調なキャッシュ創出力により、財務基盤は極めて健全
顧客指標・事業ハイライト
- ネットドルリテンション率(NDR): 136%(前四半期比+5ポイント、$10k+ARR顧客ベース)
- $10k+ ARR顧客数: 13,861社
- 国際売上高: 前年同期比+45%の成長
- AnthropicおよびOpenAIとのAI連携を拡大し、大口顧客の75%がAIクレジットを毎週利用
- インドのベンガルール拠点をオープンし、グローバル展開を加速
2026年度ガイダンス
- Q1 2026売上高ガイダンス: 3億1,500万〜3億1,700万ドル
- 通期2026売上高ガイダンス: 約13億7,000万ドル(前年比+約30%成長)
- Non-GAAPオペレーティングマージン: 約8%(AI基盤投資と株式報酬増により前年の12%から低下見込み)
決算まとめ
良い点:
- 年間売上高10億ドルの大台を突破し、40%超の成長率を維持
- NDR 136%は既存顧客の高いエンゲージメントを実証
- Non-GAAPベースで黒字化を達成し、営業キャッシュフローも堅調
- 国際展開とAI機能の浸透が次なる成長の柱として機能
懸念点:
- GAAP営業損失が大きい(ただし、主因はIPO関連の一時的SBC)
- 2026年度はAI投資拡大によりマージンが一時的に低下する見込み
- IPO後の株価は大幅に調整しており、市場の期待値コントロールが課題
- ショート比率が急増(2026年2月時点で6.5%)しており、市場の懐疑的な見方も存在
総合評価: 上場後初の通期決算として、売上高10億ドル突破とNon-GAAPベースの黒字化は力強い実績です。AI投資によるマージン低下は短期的な痛みを伴うものの、従量課金モデルの導入やMCP連携による新たなプラットフォーム価値の創出は、中長期的な成長の布石として評価できます。
出典
Figma Announces Fourth Quarter and Fiscal Year 2025 Financial Results, 2026/02/18
