2026:Q2 2026/08/24 発表(引け後)
- 発表翌営業日-11.31%寄付 -12.07%
- 5営業日-10.99%
GRRR 2026年Q2決算:売上高が前年同期比99%増、通期見通しを2億ドル超に引き上げ
本決算のポイント
ゴリラ・テクノロジーの2026年上半期は、売上高が前年同期比99.3%増の7,836万ドルとなり、AIインフラとデータセンター案件の拡大が成長を牽引した。第2四半期単体の売上高は前年同期比138%増、前四半期比78%増の5,010万ドルに達し、複数の契約済み顧客プログラムで前倒しの納入が実現したことが押し上げ要因となっている。
一方でIFRSベースの営業損失は4,720万ドル(前年同期は910万ドル)に拡大し、純損失も4,690万ドル(同850万ドル)に膨らんだ。この損失には2,543万ドルの株式報酬費用や400万ドルの公正価値評価による下落影響、200万ドルの負債関連取引費用などが含まれており、調整後EBITDAは1,460万ドルの損失で、前年同期の620万ドルの黒字から悪化している。ただし営業活動によるキャッシュ使用額は430万ドルまで減少し、前年同期の1,250万ドルから65.3%改善した。
会社は現金残高を1億7,936万ドルまで積み増した上で、2026年通期の売上高見通しを従来の1.6億〜2億ドルから、少なくとも2億ドルへと引き上げ、第3四半期の計画レンジも4,800万〜5,000万ドルへ拡大した。2027年には4.5億〜5億ドルの売上高を目標として掲げている。
抑えておくべきKPI
- 売上高: 7,836万ドル(前年同期比99.3%増、Q2単体は5,010万ドルで前年同期比138%増・前四半期比78%増)
- 調整後EBITDA: 1,460万ドルの損失(前年同期は620万ドルの黒字)
- 営業活動によるキャッシュ使用額: 430万ドル(前年同期の1,250万ドルから65.3%減少、売上高比率は31.8%から5.5%に改善)
- 現金残高: 1億7,936万ドル(期初の9,953万ドルから7,983万ドル増加)
投資家目線のインサイト
売上高がほぼ倍増した一方で、営業損失と純損失は前年同期の5倍前後に拡大しており、収益性の悪化が同時進行している点は見過ごせない。株式報酬費用や公正価値評価、負債関連費用といった一時的・非現金的な要因が損失拡大の大半を占めるとはいえ、粗利益は前年同期の1,345万ドルから384万ドルへと大きく縮小しており、原価率の上昇そのものは構造的な要素を含む可能性がある。
キャッシュ創出力の面では明るい材料もある。営業キャッシュ使用額が売上高比で31.8%から5.5%へ大幅に改善しており、事業規模拡大に伴う資金効率の向上がうかがえる。ただし今回の現金積み増し7,983万ドルは主に財務活動(金融調達)によるもので、営業活動自体はなお現金を消費している状態にある点は留意したい。
インフラ投資は加速局面にあり、上半期に有形固定資産取得へ1,410万ドルを投じ、期末の設備残高(建設仮勘定含む)は2,944万ドルに達した。会社側は「収益化前の先行投資」と位置づけており、利用率の向上と定常状態への移行が今後の収益性回復の鍵となる。
今後の見どころ
会社は2026年通期売上高見通しを「少なくとも2億ドル」、第3四半期は4,800万〜5,000万ドルの計画レンジへと引き上げており、足元の受注執行ペースが計画を上回っている点が今後も続くかが焦点となる。2027年には4.5億〜5億ドルへの拡大と粗利益率の大幅改善を目標に掲げており、その実現には設備の稼働率向上と顧客ワークロードの拡大が前提となる。
一方で、今回拡大した営業損失や調整後EBITDAの赤字が今後どこまで縮小するかも重要な確認ポイントだ。会社は第1四半期比で報告営業損失が約85%縮小したとしており、先行投資が一巡した後の利益率の推移が、成長の質を判断する材料になるだろう。
出典
2026:Q1 2026/05/27 発表(寄り前)
- 発表翌営業日-0.79%寄付 -4.56%
- 5営業日+32.32%
GRRR 2026年Q1決算:売上55%増と営業キャッシュフロー黒字化で、成長を現金に変える転換点
本決算のポイント
ゴリラ・テクノロジーの2026年第1四半期は、売上高が前年同期比55%増の2,823万ドルとなり、成長が加速していることを示した。それに加えて注目すべきは、営業活動によるキャッシュフローが前年同期の1,066万ドルの流出から664万ドルの流入へと転じ、1,730万ドルの改善を記録した点だ。
会社は期末時点で9,840万ドルの現金及び現金同等物を保有し、前年同期の2,081万ドルから約373%増加した。エジプトのプロジェクトで重要な節目を達成し、前払い保証の解除とともに大きな現金回収があったことが、この改善を後押ししている。
一方でIFRS基準の営業損失は4,106万ドルとなったが、これは2,091万ドルの非現金の株式報酬費用と1,893万ドルの外貨換算損失が主因であり、会社は事業の実態的なキャッシュ創出力を反映していないと説明している。こうした背景を踏まえ、会社は2026年通期の売上ガイダンスを1.6億〜2億ドルの範囲へ引き上げた。
抑えておくべきKPI
- 売上高: 2,823万ドル(前年同期の1,826万ドルから55%増)
- 営業活動によるキャッシュフロー: 664万ドルの流入(前年同期は1,066万ドルの流出、1,730万ドルの改善)
- 現金及び現金同等物: 9,840万ドル(前年同期の2,081万ドルから約373%増)
- 通期売上ガイダンス: 1.6億〜2億ドルへ引き上げ
インサイト
今回の決算で最も目を引くのは、売上成長がついに現金創出へとつながった点だ。CFOのブルース・バウワー氏も、回収力の強化とプロジェクト遂行、運営規律の改善が営業キャッシュフローの転換を支えたと説明しており、単なる一時的な変動ではなく、事業運営の質的な変化を示している可能性がある。
一方でIFRS純損失は3,696万ドルに拡大し、前年同期の456万ドルの損失から大きく悪化している。これは株式報酬費用と外貨換算損失という非現金項目が主因であり、特に外貨換算損失はエジプトポンドの下落など地政学的な要因に起因すると説明されている。損益計算書上の損失拡大とキャッシュフローの改善という対照的な動きをどう捉えるかが、この四半期の読み解きの核心になる。
調整後EBITDAは前年同期の516万ドルの利益から、今四半期は827万ドルの損失へと悪化した。株式報酬費用や外貨変動の影響を除いても損益面では課題が残っており、成長投資のフェーズにあることがうかがえる。
今後の見どころ
会社はエジプトのプロジェクトが最終実装フェーズへ進んでいることを明らかにしており、今後の四半期でこの案件からの追加的な現金回収が継続するかが、キャッシュフロー改善の持続性を測る鍵になる。あわせて、タイのコラート200MWデータセンターやYottaとの提携など、AIインフラ投資の進捗が売上ガイダンス達成にどう結びつくかも注視したい。
また、非現金の株式報酬費用は開示済みの事象が今回計上されたものとされており、今後同規模の費用が続くのか一過性なのかも確認すべき点だ。外貨換算損失についても、通貨環境の変化次第で今後の損益に再び影響する可能性がある。
出典
2025:Q4 2026/03/02 発表(引け後)
- 発表翌営業日-7.78%寄付 -6.90%
- 5営業日-3.13%
GRRR 2025年Q4決算:通期売上高が初めて1億ドルを突破
GRRRの決算ハイライト
ゴリラ・テクノロジーの2025年通期決算は、売上高が初めて1億ドルを超える1億140万ドル(前年比35.7%増)となり、過去最高を更新した。AIインフラや公共安全、エンタープライズ案件の執行拡大が主要市場で成長を牽引した。
損益面でも改善が進み、IFRS営業損失は前年の6,690万ドルから1,370万ドルへ縮小(79.6%改善)、純損失も6,480万ドルから1,130万ドルへ縮小(82.6%改善)した。総営業費用は前年比54.4%減の4,750万ドルに圧縮された。
調整後EBITDAは1,910万ドル、非IFRSベースの純利益は1,990万ドルを確保し、投資を継続しながら黒字水準を維持した。基本EPSの損失幅も前年比91.7%縮小した。
抑えておくべきKPI
- 売上高: 1億140万ドル(前年比35.7%増、過去最高)
- IFRS営業損失: 1,370万ドル(前年の6,690万ドルから79.6%改善)
- 調整後EBITDA: 1,910万ドル
- 総現金: 1億480万ドル(うち制限付き預金530万ドル)
投資家目線のインサイト
財務基盤も強化された。総負債は1,380万ドルと前年の2,140万ドルから35.6%減少し、担保として差し入れていた預金530万ドルの解放も進んだ。会社は2025年に自社株買いに350万ドルを投じたほか、2026年に入ってからも300万ドルを追加投入している。
2026年最初の2カ月間で、2025年に納品・請求した案件から2,200万ドル超を回収したと明らかにした。2026年2月26日時点の無制限使用可能現金は1億840万ドル、総現金は1億1,660万ドルに積み上がっており、回収の進捗がキャッシュポジションを下支えしている。一方、AI・GPUインフラ関連のパイプラインは70億ドルを超える規模を維持している。
今後の見どころ
会社は、シンガポール・マレーシア・タイ・インド・インドネシアでのAIインフラ・データセンター案件を拡大中で、サウジアラビアの大手不動産事業者とのMoU締結など新規案件も進む。独立系調査によれば、アジア太平洋のデータセンター市場は2026年に約358億ドル規模に達し、2031年には約941億ドルへ拡大する見通しとされる。
台湾の特殊警察部隊向け案件の獲得やAPAC投査局向け合法的傍受プロジェクトの初期フェーズ納品など、案件の実行状況が引き続き注目点となる。
出典
2025:Q3 2025/11/17 発表(引け後)
- 発表翌営業日+9.43%寄付 +14.34%
- 5営業日+3.57%
GRRR 2025年Q3決算:増収32%で最高売上、営業黒字に転換
本決算のポイント
ゴリラ・テクノロジーの2025年第3四半期は、売上高が過去最高となる2,650万ドル(前年同期比32%増)を記録した。AIインフラ、公共安全、エンタープライズ案件がアジア・中東・欧州・米州で伸び、成長を牽引した。営業損益は前年同期の600万ドルの赤字から40万ドルの黒字に転換し、規律ある費用管理と契約・調達体制の改善が寄与した。
EBITDAも前年同期の560万ドルの赤字から80万ドルの黒字に転換し、純損失はほぼ収支均衡の3万ドル(前年同期は780万ドルの損失)まで縮小した。調整後EBITDAは前年同期比21%増の680万ドル、調整後純利益は72%増の600万ドルとなった。
会社は2025年通期ガイダンス(売上高1.00億〜1.10億ドル、調整後EBITDA2,000万〜2,500万ドル)を据え置く一方、2026年通期ガイダンスとして売上高1.37億〜2.00億ドルを新たに示した。
抑えておくべきKPI
- 売上高: 2,650万ドル(前年同期比32%増、過去最高)
- 調整後EBITDA: 680万ドル(前年同期比21%増)
- 調整後純利益: 600万ドル(前年同期比72%増)
- 無制限使用可能現金: 1億1,020万ドル(2024年末の2,170万ドルから約408%増)
投資家目線のインサイト
財務体質の改善も鮮明で、総負債は1,510万ドルと2024年末の2,140万ドルから30%減少した。総現金は1億2,140万ドルに達し、無制限使用可能現金は前四半期末の1,010万ドルから約990%増加した。バランスシートの改善は、大型AIデータセンター案件への資金供給余力にもつながっている。
会社は東南アジアで14億ドル規模のAIデータセンター案件を確保しており、AI・GPUインフラ関連のパイプラインは70億ドルを超える規模に拡大した。2026年からこのデータセンター案件だけで年1億ドルの売上貢献が見込まれており、今回の黒字転換が一時的なコスト改善にとどまらない可能性を示唆する。
今後の見どころ
会社は2026年通期ガイダンスとして売上高1.37億〜2.00億ドルを提示した。このうち東南アジアのAIデータセンター案件が2026年第1四半期に初期フェーズを完了し、2026〜2028年にかけて年1億ドルの売上貢献を見込む点が土台となっている。加えて2025年9月に発表したアジアの法執行機関向け大型契約2件の寄与も注視点だ。
会社側は、確定済みの契約残高に基づくガイダンスであり、未確定フェーズの案件は含まれていないと説明しており、追加受注の有無が今後の上振れ余地を左右する。
出典
これより前の決算を表示(2期分)
2025:Q2 2025/08/14 発表(寄り前)
- 発表翌営業日-4.55%寄付 +2.67%
- 5営業日-1.65%
ゴリラ・テクノロジー(GRRR)の2025年Q2決算サマリー
売上高と収益
- 四半期売上高(GAAP):1,740万ドル(前年同期 970万ドル、前年比+79.4%)
- 純損失(GAAP):▲390万ドル(前年同期 ▲620万ドル)
- 希薄化後EPS(GAAP):▲0.09ドル(前年同期 ▲0.16ドル)
- 調整後EBITDA(Non-GAAP, 会社定義):▲120万ドル(前年同期 ▲380万ドル)
営業費用と利益
- 売上総利益(GAAP):690万ドル(前年同期 330万ドル、+109.1%)
- 売上総利益率(GAAP):39.7%(前年同期 34.0%)
- 研究開発費:250万ドル(前年同期 220万ドル、+13.6%)
- 販管費:780万ドル(前年同期 690万ドル、+13.0%)
- 営業損失(GAAP):▲340万ドル(前年同期 ▲580万ドル)
キャッシュと財務状況
- 現金及び現金同等物:3,420万ドル(前年末 3,980万ドル)
- 営業キャッシュフロー:▲280万ドル(前年同期 ▲460万ドル)
技術・事業ハイライト
- AI映像解析ソリューションの需要拡大が続き、特に公共安全・スマートシティ案件で受注増
- 通信事業者向けソフトウェア・プラットフォームのライセンス売上が拡大
- ASEAN地域における新規契約締結を報告
- コスト削減プログラム継続で損失幅を縮小
2025年度ガイダンス
- 通期売上高見通し:6,800万〜7,200万ドル(据え置き)
- 調整後EBITDA(会社定義):▲500万〜▲300万ドル(据え置き)
決算まとめ
売上は前年同期比8割増と急成長し、粗利益率も改善。研究開発や販管費の増加は成長投資によるものだが、営業赤字とキャッシュバーンは縮小傾向。AI映像解析やスマートシティ関連が成長ドライバーであり、通期見通し据え置きにより業績回復への自信を示した。
出典(一次情報)
2025:Q1 2025/06/18 発表(引け後)
- 発表翌営業日+34.13%寄付 +17.49%
- 5営業日+13.34%
ゴリラ・テクノロジー(GRRR)の2025年Q1決算サマリー
売上高と収益
- 四半期売上高: 1,826万ドル(前年比+109%)
- 調整後EBITDA: 516万ドル(前年比+47.5%)
- 調整後純利益(Non-IFRS): 447万ドル(前年比+46.7%)
- 調整後EPS: 0.23ドル(前年:▲1.47ドルから大幅改善)
営業費用と利益
- 営業損失(IFRSベース): ▲417万ドル(前年同期:▲1,143万ドル)
- 調整後営業利益(Non-IFRS): 486万ドル(為替損・公正価値評価損を除外後)
- 純損失(IFRS): ▲455万ドル(前年同期:▲1,152万ドル)
- 研究開発費: 57万ドル(前年同期:85万ドル)
- 販売・管理費: 345.8万ドル(前年同期:312.2万ドル)
契約と受注(Bookings)
- 受注パイプライン総額: 50億ドル超(今後12ヶ月で成約可能と見込まれる案件ベース)
- 地域別展開: 米国、MENA(中東・北アフリカ)、東南アジア、南米、英国へと急拡大
- 主力導入領域:
スマートシティ
気候インフラ(例:アマゾン熱帯雨林のIoT監視網)
キャッシュと財務状況
- 現金および現金等価物: 2,081万ドル(前年末:2,169万ドル)
- 総現金資産(含む預金): 3,380万ドル
- 負債総額: 1,840万ドル(前年末:2,140万ドル)と減少
- 営業キャッシュフロー: ▲1,066万ドル
- フリーキャッシュフロー: ▲885万ドル
- 資金調達: 優先株+ワラント発行により1,150万ドルを調達
技術・事業ハイライト
- AI活用領域:
映像監視・顔認証・ナンバープレート認識・エッジAIなど、セキュリティ×AIを中核としたソリューション提供
– 注目案件:
アマゾン熱帯雨林向けIoTインフラを構築
タイのエネルギーインフラ変革にも関与
– One Amazonとの提携: 気候インテリジェンス領域での持続可能性パートナーとして戦略的出資を実施
2025年見通し・ガイダンス
- 利益体質への転換明言: 「利益はもはや目標ではなく、定着した成果」
- 契約獲得の転換点: パイプライン構築段階から「実契約への転換」フェーズへ移行
- 拡大フェーズ強調: 「次は加速・実行・価値創出のフェーズ」とCEOが発言
ゴリラ・テクノロジーは、AI×IoTソリューションに特化したテクノロジー企業として、初の四半期ベースで収益性・成長性を両立。
過去の赤字体質からの脱却を示しつつ、気候インフラやスマートシティなどグローバル案件の獲得を進める。
50億ドルを超えるパイプラインと強固な資金基盤を背景に、2025年は本格的な商業成長フェーズに突入すると見られる。
