このマクロ市場分析は、私(@mifsee)が米国市場への投資判断に際し、日々のマクロ環境を俯瞰的に捉えるための個人的な学習記録としてアウトプットしているものです。内容には誤りや実際の状況と異なる点を含む可能性があります。あらかじめご了承のうえ、ご覧ください。
市場インサイト
全体ムード
米インフレ再加速(CPI +2.7 %)で利下げ観測が後退し、ダウ 44,023.29(‑1.0 %)・S&P500 6,243.76(‑0.4 %)が反落。一方、生成AI関連が買いを支え ナスダック 20,677.80(+0.2 %)は終値ベースで最高値更新。米10年債利回りは 4.49 %へ5 bp上昇し金利負担が強まる。ドル円は 148.88 円で年初来高値圏へ、ユーロドルは 1.1598 と続落。原油は66ドル台で反落、金は3,361ドルと高値圏を維持。「インフレ警戒のドル高+原油軟調でもハイテク強含み」が市場の基調。
エクイティ
指数 | 終値 | 前日比 | 背景 |
---|---|---|---|
NYダウ | 44,023.29 | ▼443.22 (‑1.0 %) | 金融・資本財中心に売り |
S&P500 | 6,243.76 | ▼25.99 (‑0.4 %) | 銀行株軟調で指数押し下げ |
ナスダック総合 | 20,677.80 | ▲40.00 (+0.2 %) | NVIDIAなどAI半導体が牽引 |
日経225 | 39,678.02 | ▲218.40 (+0.55 %) | 円安と半導体買い戻し |
ストックス欧州600 | 547.93 | ▲0.95 (+0.17 %) | メディア・テック株が支援 |
資金フロー:米大型ハイテクに集中しつつ、アジア株も追随。欧州は小幅高で様子見。
債券
- 米10年債 4.49 %(+5 bp)—インフレ再加速で利回り続伸
- 独10年債 2.71 %(‑0.02 bp)—景気懸念で相対的に底堅い
- 日本10年債 1.59 %(+2 bp)—日銀タカ派観測が継続
安全資産選好は限定的で実質金利が上昇基調。
為替
通貨ペア | 終値 | 前日比 | コメント |
---|---|---|---|
USD/JPY | 148.88 | +0.79 % | 金利差と関税警戒で円売り |
EUR/USD | 1.1598 | ‑0.57 % | インフレ格差でユーロ安 |
USD/CNY | 7.17 | +0.01 % | 人民銀の元安抑制でレンジ内 |
コモディティ
品目 | 終値 | 前日比 | ドライバー |
---|---|---|---|
WTI原油 | $66.66/bbl | ‑0.32 (‑0.48 %) | 追加関税案が需要懸念 |
Brent原油 | $68.85/bbl | ‑0.37 (‑0.53 %) | 同上 |
天然ガス | $3.51/MMBtu | +1.17 % | 米酷暑予報で冷房需要 |
金 | $3,361/oz | +0.3 % | インフレヘッジ需要続く |
銀 | $38.12/oz | ‑0.31 (‑0.8 %) | 利確優勢で調整 |
銅 | $5.495/lb | ‑0.020 (‑0.36 %) | 高値警戒の利益確定 |
クリプト
- ビットコイン:$120,325(+0.9 %)—政策期待で最高値圏を維持
- イーサリアム:$3,047.94(+1.1 %)—ETH ETF期待が支え
リスク許容度は依然高く、クリプト市場は選別的に上昇。
マクロイベント焦点
- 7/16(水) 米6月PPI・FOMC議事要旨、英CPI
- 7/17(木) 米住宅着工・新規失業保険申請件数
- 7/18(金) 中国Q2 GDP、米6月中古住宅販売
- 7/19(土) G20財務相・中銀総裁会議(リオデジャネイロ)
インサイトまとめ
- クリプトは高値波乱:BTC12万ドル台でトレーリングストップ設定しつつ中長期保有を維持。
- AIテック堅調:インフレ再燃でもハイテクへの資金流入継続。指数ETF押し目狙い。
- ドル高・円安進行:148円台後半は輸出企業に追い風、為替ヘッジを見直す好機。
- 原油調整は押し目機会:需要鈍化懸念もOPEC+供給制約で下値限定。資源株分散を検討。
- 債券は中期ゾーン:米10年4.5%接近で3‑6年デュレーションへシフトしリスク管理。
セクター・個別銘柄考察
セクター概況
- 上昇寄与トップは コミュニケーション・サービス(+0.6%)。映画『スーパーマン・リボーン』の週末興収が想定を上回り、NetflixとWarner Bros. Discoveryが揃って年初来高値を更新したことが指数を押し上げた。
- ワーストは 金融(‑1.45%)。JPMorganやWells Fargoの決算後売りに加え、10年債利回りが4.49%へ上昇し銀行株が幅広く下押しした。
注目の上昇銘柄(ウォッチリスト)
ウォッチリスト概況 (2025/07/15 終値ベース)
銘柄 | 騰落率 | 個人メモ・インサイト |
---|---|---|
Ouster (OUST) | +14.48% | 欧州向けスマートシティ契約報道を手がかりに出来高伴う急伸。29ドル台目前で利食いも散見 |
CoreWeave (CRWV) | +6.21% | ペンシルベニアにAI特化データセンターを6 billion $投資と発表し続伸。NVIDIA協業が需給期待を後押し |
QuantumScape (QS) | +7.96% | 固体電池量産プロセス「Cobra Separator」が基準工程へ格上げ。量産フェーズ移行期待が買いを集めた |
Joby Aviation (JOBY) | +10.45% | ドバイ実証飛行成功後、生産能力倍増計画を公表し連日の年初来高値更新 |
Telesat (TSAT) | +7.03% | Lightspeed LEO向け資金調達進展観測。26ドル台乗せでテクニカルブレイク |
BlackSky (BKSY) | +6.72% | 米政府向け追加イメージング契約の噂が浮上し小型宇宙関連に思惑買い拡大 |
Planet Labs (PL) | +3.71% | NASA地球観測データ拡充プログラム参加報道が追い風 |
Super Micro Computer (SMCI) | +6.92% | AMD最新GPU向けAIサーバー受注報道を材料視 |
AMD (AMD) | +6.41% | MI400シリーズ量産リークでAI関連物色続く。出来高急増 |
Jumia Technologies (JMIA) | +5.16% | 上昇後の値固め。出来高は平常水準 |
セクター/銘柄インサイト
- ポートフォリオは 「大型テック主軸+AI関連中小型の押し目拾い」 を維持し、金融の比率は再考余地。
- ハイベータ小型株の物色が再開。AIインフラ(CRWV, SMCI)と次世代モビリティ(JOBY, OUST)が循環物色の中心。
- 10年債利回り4.5%接近で金融が調整入り。利回り感応度の高い公益・不動産も軟調。
- エネルギーは原油小反発ながら関税リスクで戻り鈍く、ディフェンシブに資金回帰。
市場インサイトのインフォグラフィック
全体ムード
米インフレ再加速で利下げ観測が後退し主要株価指数が反落する一方、AI関連への期待は根強くナスダックは最高値を更新。「インフレ警戒のドル高」と「ハイテクの底堅さ」が交錯する市場環境です。
エクイティ(株式)
指数 | 終値 | 前日比 |
---|
資金フロー
米大型ハイテクに集中しつつ、アジア株も追随。欧州は小幅高で様子見。
債券
市場概況
安全資産選好は限定的で実質金利が上昇基調。
為替
通貨ペア | 終値 | 前日比 |
---|
コモディティ
品目 | 終値 | 前日比 |
---|
クリプト(暗号資産)
市場概況
リスク許容度は依然高く、クリプト市場は選別的に上昇。
マクロイベント焦点
インサイトまとめ
セクター・個別銘柄考察
セクター概況
上昇寄与トップは **コミュニケーション・サービス(+0.6%)**。映画『スーパーマン・リボーン』の週末興収が想定を上回り、NetflixとWarner Bros. Discoveryが揃って年初来高値を更新したことが指数を押し上げました。
ワーストは **金融(‑1.45%)**。JPMorganやWells Fargoの決算後売りに加え、10年債利回りが4.49%へ上昇し銀行株が幅広く下押ししました。
注目の上昇銘柄(ウォッチリスト)
銘柄 | 騰落率 | 個人メモ・インサイト |
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セクター/銘柄インサイト
- ハイベータ小型株の物色が再開。AIインフラ(CRWV, SMCI)と次世代モビリティ(JOBY, OUST)が循環物色の中心。
- 10年債利回り4.5%接近で金融が調整入り。利回り感応度の高い公益・不動産も軟調。
- エネルギーは原油小反発ながら関税リスクで戻り鈍く、ディフェンシブに資金回帰。
- ポートフォリオは 「大型テック主軸+AI関連中小型の押し目拾い」 を維持し、金融の比率は再考余地。