このマクロ市場分析は、私(@mifsee)が米国市場への投資判断に際し、日々のマクロ環境を俯瞰的に捉えるための個人的な学習記録としてアウトプットしているものです。内容には誤りや実際の状況と異なる点を含む可能性があります。あらかじめご了承のうえ、ご覧ください。
注目の上昇銘柄(ウォッチリストから)
ウォッチリスト概況(2025/07/17終値ベース)
銘柄 | テーマ | 騰落率 | 個人メモ・インサイト |
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KSCP | セキュリティロボット | +23.05 % | 7/18に最大5,000万ドルの株式発行計画を発表、ロボット導入拡大に向けた資金調達期待 |
CRSP | ゲノム編集 | +18.22 % | インサイダー買いと約6.45億ドルの出来高を伴い52週高値を更新、遺伝子編集治療の商用化期待が再燃 |
MOB | ドローン・サイバーセキュリティ | +12.74 % | 戻り高値更新。Blue UAS承認も重なり注目度高 |
APLD | AIデータセンター | +9.35 % | 7/18の寄り付きでギャップアップし出来高急増。AIデータセンター需要が背景。 |
ASPI | 医療アイソトープ | +8.70 % | 52週高値に迫る中、800万株超の商いを伴って上昇、短期過熱感も。 |
QS | 固体電池 | +7.65 % | 7/23の決算発表を控えて史上最高値を更新中、固体電池量産ロードマップ進展への期待が強まる。 |
SMR | 小型原子炉 | +7.30 % | 年初来で株価が2倍超に、原子力への再評価と政策支援が追い風。 |
OUST | 3D LiDARセンサー | +7.02 % | OS1 LiDARが国防総省のBlue UAS枠組みに採用され、防衛向け需要拡大期待 |
DAVE | フィンテック | +6.90 % | 強気レーティング継続、さらにQ1収益47%増が評価され上昇しています。 |
DELL | AIサーバー/PC | +5.94 % | AIサーバー受注残拡大を背景に株価は続伸。 |
市場インサイト
全体ムード
米国主要株はまちまち。前日の最高値更新を受けてS&P500は‐0.01%で小休止、ナスダックはわずかに高値更新。ダウは金融決算のまちまちさを映して‐0.3%と調整。欧州はエネルギー・産業株に支えられSTOXX600がほぼ横ばい。日本株は週末選挙を控え‐0.21%へ反落。債券市場では米10年利回りが4.42%へ小幅低下し、独・日も安全資金流入で軟化。ドルは小幅安、リスク資産は全般に選別的な“静かなリスクオン継続”の地合い。
エクイティ
指数 | 終値 | 前日比 | 背景 |
---|---|---|---|
ダウ | 44,342.19 | ‐142.30 (‑0.3%) | 金融株に利益確定売り |
S&P500 | 6,296.79 | ‐0.57 (‑0.01%) | 高値圏で様子見 |
ナスダック | 20,895.66 | +10.01 (+0.05%) | 半導体主導で最高値 |
日経225 | 39,819.11 | ‐82.08 (‑0.21%) | 選挙前の警戒 |
STOXX600 | 547.00 | ‐0.03 (‑0.01%) | エネルギー株高とヘルスケア安が相殺 |
資金は米大型テックと欧州エネルギーに向かい、アジアは選挙要因で防御的姿勢。
債券
国 | 10年利回り | 前日比(㌽) | 評価 |
---|---|---|---|
米国 | 4.42% | ‑0.03 | インフレ鈍化観測で利回り低下 |
ドイツ | 2.70% | +0.02 | ECB会合前の調整 |
日本 | 1.53% | ‑0.03 | 日銀長期国債買い入れ期待 |
リスク警戒後退ながら、長期ゾーンは強含み。
為替
- USD/JPY 148.73(+0.19%):選挙不透明感で円売り優勢
- EUR/USD 1.1618(+0.03%):ECB会合への思惑でユーロ底堅い
- USD/CNY 7.1842(+0.01%):人民元は狭いレンジで推移。
コモディティ
品目 | 終値(USD) | 前日比 | ドライバー |
---|---|---|---|
WTI原油 | 67.93 | +0.57% | 中東供給懸念・EU対ロ制裁強化 |
Brent原油 | 69.92 | +0.57% | 同上 |
天然ガス(Henry Hub) | 3.55 | +0.12% | 在庫減少 |
金 | 3,337.45 | ‑0.04% | 米利回り低下でも小動き |
銀 | 38.17 | +0.05% | 工業需要思惑 |
銅 | 5.50 | +0.46% | 中国インフラ期待 |
クリプト
- ビットコイン:約118,000ドル(‑0.3%):法整備進展への織り込み一服
- イーサリアム:3,600ドル前後(+6%):規制追い風で相対強さ鮮明。
リスク許容度は維持されつつも、資金は大型アルト主体に循環。
マクロイベント焦点(7/21〜7/24)
- 7/22(火)米リッチモンド連銀製造業指数・M2統計:減速幅注視
- 7/23(水)各国7月PMI速報(米・ユーロ圏・英・日):製造業底打ちの有無がポイント
- 7/23–24(水‐木)ECB理事会:新戦略初回会合、タカ派シグナル有無に注目
- 7/24(木)ECB政策金利・ラガルド総裁会見:利下げ示唆ならユーロ軟化リスク
インサイトまとめ
株・コモディティとも高値圏もみ合いで推移し、債券利回りは低下基調。短期的には
- 米大型テック+欧州エネルギーを軸としたバランス型リスクオン
- ドル安‐円安環境下で米輸出関連・日本内需ディフェンシブを選好
- 債券は米・独10年でキャピタルゲイン狙いのトレード余地
- コモディティは原油の押し目買い継続、金はヘッジ枠維持
ECB会合とPMIが今週の分水嶺。ポートフォリオは「株:債券:現金=6:3:1」を維持しつつ、ユーロ圏イベントヘッジとしてユーロコールオプションを検討。