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米銀与信不安再燃でリスク回避下で、金は史上高値、TSMC好決算で半導体回復 実需主導の一日(2025/10/16)

米銀与信不安再燃でリスク回避下で、金は史上高値、TSMC好決算で半導体回復 実需主導の一日(2025/10/16)市場分析

このマクロ市場分析は、私(@mifsee)が米国市場への投資判断に際し、日々のマクロ環境を俯瞰的に捉えるための個人的な学習記録としてアウトプットしているものです。内容には誤りや実際の状況と異なる点を含む可能性があります。あらかじめご了承のうえ、ご覧ください。

注目の上昇銘柄(ウォッチリストから)

ウォッチリスト(2025/10/16 終値ベース)

名柄終値変動率テーマインサイト
JBHT(J.B.ハント)169.57+22.14%陸運・インターモーダル物流Q3利益大幅改善・コスト最適化評価
AXTI(エーエックスティ)4.93+7.41%化合物半導体基板(GaAs/InP)TSMC好決算起点の半導体物色波及
EXK(エンデバー・シルバー)10.15+6.95%銀・金鉱山テロネラ鉱山の商業生産開始発表
GFI(ゴールド・フィールズ)46.62+6.46%金鉱山金相場続伸・見通し上方報道追い風
SBSW(シバニー・スティルウォーター)12.82+6.04%金・PGM鉱山金堅調・PGM高止まり思惑
MU(マイクロン・テクノロジー)202.53+5.52%メモリ(DRAM/NAND)AI需要強気見通し・目標引き上げ報道
ASX(ASEテクノロジー)12.58+5.45%半導体後工程(OSAT)TSMC強気ガイダンス連想買い
SLI(スタンダード・リチウム)5.39+5.27%リチウム・DLE南西アーカンソーDFS公表の余韻
ON(オン・セミコンダクター)52.97+5.18%パワー半導体・SiC半導体セクター上昇・AI設備投資期待
BELFA(ベル・フューズA)125.25+5.12%産業用電子部品・電源上場来高値更新観測・決算期待

個人的所感

米銀の与信不安再燃によるリスクオフムードが市場全体を包む中、連日賑わいを見せていた量子やレアメタル資源系は一服感を見せ、代わってエネルギー・素材・半導体・貴金属関連への流れが明確に出た印象。

金相場は、米中摩擦や利下げ観測を背景に加え、与信再燃のリスク避難先とした上昇基調が続き、
ゴールド・フィールズ(GFI)PGMを手掛けるシバニー(SBSW)が素直に反応。
安全資産の見出しが市場心理を支え、金鉱株全体に資金流入が広がった。
一方、銀のエンデバー・シルバー(EXK)はメキシコ・テロネラ鉱山での商業生産入りを発表し、
明確な材料性が株価上昇を後押しした。

半導体では、TSMCの好決算と強気見通しセクター全体のムードを改善
マイクロン(MU)はAI需要の追い風目標引き上げ報道が重なり上昇。
波及は後工程のASE(ASX)やパワー半導体のオン・セミ(ON)
化合物基板のAXTIにまで及び、広範な物色の流れが形成された。

物流では、J.B.ハント(JBHT)が荷動き低迷下でも利益改善を示す決算を発表し、
個別好材料による大幅高
また、ベル・フューズ(BELFA)は上場来高値の更新観測と決算期待が支えとなり、堅調さを維持。
対照的に、スタンダード・リチウム(SLI)はDFS公表後の期待で日中は強含んだが、
引け後の公募計画発表で短期的には値動きの荒さが意識される展開

いつもと顔ぶれが異なり、このままセクターローテーションされるか見極めつつ対応したいと思います。

市場インサイト

【分析日】2025/10/16

全体ムード

米銀の与信不安再燃と、米10年利回りの4%割れが同時進行。
金の史上高値更新原油の安値圏推移が対照的に進み、資産選好が二極化する展開。
米国市場では、地方銀行株の急落金利低下を背景に、ディフェンシブ銘柄優位の地合い。
欧州市場は好決算銘柄やラグジュアリー関連の堅調さが支えとなり、指数全体は底堅い推移
アジア市場では、日経平均の自律反発人民元の底堅さが目立つ一日。
総じて、地方銀下落・主要指数の終値・金利・金・原油相場の動きが示すのは、リスク回避と実需資産への資金分散という構図。

エクイティ

指数終値前日比背景
ダウ45,952.24−301.07 (−0.65%)地方銀急落と景気減速懸念の重石
S&P5006,629.07−41.99 (−0.63%)金利低下でディフェンシブ選好も金融安が指数押し下げ
ナスダック22,562.54−107.54 (−0.47%)大型テックはまちまち、金融安の地合い優勢
日経22548,277.74+605.07 (+1.27%)円の一服と自律反発の買い戻し
STOXX600571.66+3.89 (+0.69%)ラグジュアリーと一部好決算の支え

債券

10年利回り前日比(bp)コメント
米国3.98 %−74%割れで安全資産選好強まる流れ
ドイツ2.57 %+1株高下でも小幅反発のレンジ推移
日本1.65 %+0政策思惑の様子見と需給均衡の継続

為替

  • USD/JPY 151.03(−0.46%):米利下げ観測とドル軟化の地合い、介入警戒で下押し限定感
  • EUR/USD 1.1688(+0.36%):米金利低下と欧州株堅調の追い風
  • USD/CNY 7.1240(−0.04%):当局の強めの仲値設定で元サポート

コモディティ

品目終値前日比ドライバー
WTI原油$57.46/bbl−1.39%米在庫増と需給緩み観測の重石
Brent原油$61.29/bbl−1.00%供給過剰観測と景気不安の綱引き
天然ガス$3.05/MMBtu+0.43%冬場手前の需給見直しとテクニカルの買い戻し
金(現物)$4,325.91/oz+2.78%利下げ観測×地政学の安全資産需要加速
$54.09/oz+1.86%金高追随と工業用需要テーマの継続
$4.93000/lb+0.13%在庫低位とエネルギー転換関連の買い戻し

クリプト

  • ビットコイン $110,558.00(−2.20%)リスク回避と銀行セクターヘッドラインで上値抑制
  • イーサリアム $4,004.66(+0.43%):個別材料乏しく相対強弱は中立圏の保ち合い

マクロイベント焦点(今後3–4営業日)

  • 2025/10/17(金)米・ミシガン大学消費者信頼感(速報):期待インフレと家計マインドの確認
  • 2025/10/20(月)中国・Q3 GDP/鉱工業生産/小売売上高:成長モメンタムの底確認
  • 2025/10/21(火)欧・ZEW景況感:欧州の景況改善度合いの点検
  • 2025/10/22(水)米・住宅関連指標(既存住宅販売など):金利低下の実需波及の度合い

インサイトまとめ

  • クリプト:BTCは110kサポート帯の攻防注視、ETHはイベント待ちの軽量スタンスが良さげ
  • 株式:米は金融不安ヘッドラインに敏感、大型ディフェンシブとクオリティ成長の比重増が無難
  • 債券:米10年は4%割れ定着を見極めつつデュレーションやや長めが妥当
  • 為替ドル軟化基調継続観、USD/JPYは150近傍の値固め待ちが良さげ
  • 原油:需給緩み観測優勢で戻り売りが妥当
  • 貴金属:金は押し目待ちの段階買い、銀は短期回転が無難

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