このマクロ市場分析は、私(@mifsee)が米国市場への投資判断に際し、日々のマクロ環境を俯瞰的に捉えるための個人的な学習記録としてアウトプットしているものです。内容には誤りや実際の状況と異なる点を含む可能性があります。あらかじめご了承のうえ、ご覧ください。
注目の上昇銘柄(ウォッチリストから)
ウォッチリスト概況(2025/07/17終値ベース)
銘柄 | テーマ | 騰落率 | 個人メモ・インサイト |
---|---|---|---|
ALAB | AI半導体 | +23.26 % | 格上げ・新本社報道で買い集中 |
ABCL | 抗体創薬 | +14.96 % | 複数格上げで年初来高値更新 |
S | サイバーセキュリティ | +9.83 % | パロアルト買収観測で急騰 |
RXRX | AI創薬 | +9.59 % | AI創薬期待と高出来高継続 |
PL | 衛星データ | +3.53 % | 独政府向け2.4億€契約報道 |
ARM | 半導体IP | +3.30 % | AIインフラ需要期待で続伸 |
BYND | 代替肉 | +17.14 % | 機関買いと高出来高で急伸 |
XYZ | デジタル決済 | +7.22 % | S&P500組入決定報道 指数連動買い |
市場インサイト
全体ムード
米S&P500とナスダックが連日で最高値を塗り替えた一方、ダウは小幅反落。長期金利の低下でバリュエーション負担が和らぎ、ハイテク主導のリスク選好が継続。原油軟調・金属高のコントラストは、インフレ減速観測と景気底堅さを同時に映す。債券買いと貴金属買いが並存し、ポートフォリオは“バランス型リスクオン”の様相。
エクイティ
指数 | 終値 | 前日比 | 一言背景 | 資金フロー |
---|---|---|---|---|
NYダウ | 44,323.07 | -19.12 pt (-0.04%) | ディフェンシブ株売り | 小幅資金流出 |
S&P500 | 6,305.60 | +8.81 pt (+0.14%) | ハイテク・通信サービス買い | 資金流入 |
ナスダック | 20,974.17 | +78.51 pt (+0.38%) | アルファベット決算期待 | 資金流入 |
日経225 | 39,790.50 | -28.61 pt (-0.07%) | 円高警戒 | 資金調整 |
ストックス欧州600 | 547.15 | +0.03% | 決算発表前の様子見 | 中立 |
債券
米10年債利回りは4.38%へ低下、安全資産需要が勝る。独10年ブントは2.62%と利回り急低下、ECB会合前のポジション調整。日本10年JGBは1.52%台、政策修正観測後退が支え。利回り低下は株式PER拡大を後押し。
為替
- ドル/円 147.40(-0.71%)—米金利低下でドル売り優勢。
- ユーロ/ドル 1.1695(+0.56%)—ECB会合控えタカ派思惑。
- ドル/元 7.1764(-0.02%)—人民銀の中間値安定策でレンジ推移。
ドル安・ユーロ高の地合いがリスク資産に追い風。
コモディティ
銘柄 | 終値 | 前日比 | ドライバー |
---|---|---|---|
WTI原油 | $65.83 | -0.53% | 中国輸入指標の弱さ |
ブレント | $69.21 | -0.23% | 供給見通し緩和 |
天然ガス(HH) | $3.330 | -1.80% | 高在庫 |
金 | $3,410.92 | +1.66% | 米利回り低下 |
銀 | $39.295 | +2.16% | 工業需要期待 |
銅 | $5.6293 | +0.94% | インフラ需要回復 |
クリプト
- ビットコイン 117,388 ドル(+0.08%)—安定推移、上値は12万ドル手前で重い。
- イーサリアム 3,761 ドル(+0.11%)—L2関連アップグレード期待で底堅い。
リスク許容度は維持されるも、新規資金流入は限定的。
マクロイベント焦点(7/22–7/25)
- 7/23 米・ユーロ圏・英・日 PMI速報値—製造業回復の広がりを検証。
- 7/23–24 ECB理事会—7月戦略改定後初、0.25%利下げ観測と据え置き観測が拮抗。
- 7/24 米 新築住宅販売(6月)—住宅指標の減速が続くか。
- 7/24 米 週間新規失業保険申請件数—労働市場ひっ迫度合いを測定。
- 7/25 米 耐久財受注—企業設備投資の勢い確認。
想定シナリオ:PMIが分岐点、弱ければ利下げ期待再燃で金利低下・グロース株追い風/強ければコモディティと景気敏感株が優位。
インサイトまとめ
- 株式:金利低下とAI関連決算期待で米ハイテク優位続く。S&P500のPER上振れリスクを意識しつつも、成長株比率維持が妥当。
- 債券:米4.4%前後の10年利回りは中期レンジ下限。デュレーション中立を基本とし、独債・JGBをヘッジ的に組み合わせたい。
- 為替:ドルインデックス軟調。短期はユーロロング/ドルショートが優位。ドル/円は147円を割り込むとCTA売りが加速しやすい。
- コモディティ:原油は需給緩和で弱含み。金・銀は実質金利低下局面で押し目買い妙味。
- クリプト:現物ETF資金フローが停滞、ビットコインは12万ドルの上値抵抗を確認。イーサは上海アップグレード期待で相対強。
戦略示唆:株式6割(うち米グロース4割)、債券3割(米中長期7:欧2:日1)、コモディティ1割(金・銅中心)とする分散型リスクオンポジションが有効。