2026:Q2 2026/08/05 発表(引け後)
- 発表翌営業日+5.51%寄付 +4.49%
- 5営業日+2.05%
JOBY 2026年Q2決算:商用化前夜、Blade好調で通期売上高見通しを115〜125百万ドルへ上方修正
本決算のポイント
ジョビー・アビエーションの2026年第2四半期は、傘下のBlade事業が3620万ドルの四半期売上を稼ぎ出し、通期の総売上高見通しを1.15億〜1.25億ドルへ引き上げたことが最大のトピックだ。エアタクシー本体はまだ商業運航前の段階だが、収益を生む既存事業が着実に会社の財務基盤を支えている構図が見える。
一方で本業であるeVTOL開発は、FAA Type Certification(機体認証)の最終段階である第5ステージで四半期として最も大きな進展があったとされ、9月にはテキサス州でeIPP(White House-backed Innovate program)を通じた最初の飛行を予定し、2026年内の初の乗客搭乗を目指す局面に入っている。
資金面では、2026年6月30日時点で現金および短期投資が23億ドルと厚みを保っており、下半期の現金等の使用額は3.85億〜4.15億ドルと見込まれている。商用化に向けた投資フェーズを継続しながら、資金の減り方も会社側がガイダンスとして明示している点は、投資家が今後の資金繰りを追ううえでの重要な基準線になる。
抑えておくべきKPI
- Blade事業のQ2売上高: 3620万ドル
- 2026年通期総売上高見通し: 1.15億〜1.25億ドル(今回上方修正)
- 現金・短期投資残高: 23億ドル(2026年6月30日時点)
- 2026年下半期の現金等使用見込み: 3.85億〜4.15億ドル
投資家目線のインサイト
今回の売上ガイダンス引き上げは、エアタクシー本体の商用収益ではなく、既存のBlade事業の好調さが主因である点に注意したい。航空機の量産・型式証明という本業の進捗と、財務上の売上成長は現時点で別軸にあり、投資家はこの区別を意識する必要がある。
機体については5機が飛行中、さらに12機が生産中と製造ランプの継続が確認できる。トヨタとの合弁については「戦略的な製造提携と高volume生産への地盤づくり」という表現にとどまり、具体的な生産数量や契約条件は本文に示されていないため、進展の実態はまだ抽象的な段階と見るべきだろう。
Travis Kalanick氏が設立したAtomsとの提携も、複数交通モードのハブ整備という将来構想であり、収益化のタイミングは明示されていない。期待先行の材料が多い一方、Blade経由の実収益とキャッシュ残高が下支えする構図は、資金枯渇リスクを議論するうえで一定の安心感を与える。
今後の見どころ
次の焦点は9月にテキサス州で予定されるeIPPの初飛行が計画どおり実施されるか、そしてそれが2026年内の初乗客搭乗にどうつながるかである。FAA Type Certificationの第5ステージがどこまで完了に近づくかも、商用運航開始の実質的な前提条件として注目したい。
また、下半期の現金等使用額が3.85億〜4.15億ドルという会社側の見通しどおりに推移するか、23億ドルの手元資金がどのペースで減っていくかも、資本市場からの追加資金調達の必要性を判断する材料になる。トヨタとの合弁やAtomsとの提携が、具体的な数量・契約という形に進展するかも継続確認事項だ。
出典
2025:Q2 2025/08/06 発表(引け後)
- 発表翌営業日-8.87%寄付 -4.54%
- 5営業日-6.02%
ジョビー・アビエーション(JOBY)の2025年Q2決算サマリー
売上高と収益
- 四半期売上高: 1.5万ドル(前年同期:2.8万ドル)
- GAAP純損失: ▲3億2,467万ドル(前年同期:▲1億2,329万ドル)
- 調整後EBITDA: ▲1億3,155万ドル(前年同期:▲1億722万ドル)
- その他損失: ワラント・アーンアウト再評価損1億2,630万ドル+私募発行損4,030万ドル
営業費用と利益
- GAAP営業費用: 1億6,788万ドル(前年同期比+16%)
- 研究開発費: 1億3,639万ドル(前年同期:1億1,300万ドル)
- 販売・一般管理費: 3,148万ドル
- 営業損失: ▲1億6,786万ドル(前年同期:▲1億4,429万ドル)
契約と受注(Bookings)
- Bladeの旅客事業を買収予定: ニューヨークおよび南欧の都市交通網へ即時アクセス獲得へ
- L3Harrisと国防向けVTOL共同開発: ガスタービンハイブリッド型、2026年の演習実証へ
- Abdul Latif JameelおよびANAとの提携: 中東と日本で合計約300機の配備検討中
キャッシュと財務状況
- 現金・短期投資残高: 9億9,100万ドル(前四半期末:9億3,285万ドル)
- 年間キャッシュ使用見通し: 5億〜5億4,000万ドル(Blade買収費用除く)
- 設備投資: Marina工場の拡張完了(年間24機の製造能力へ)、Dayton工場は年500機規模を視野に稼働開始
技術・事業ハイライト
- FAA型式認証の進捗: Joby側はステージ4の70%完了、FAA側も50%超へ進捗(Q1より10ポイント改善)
- ドバイでの商用飛行実証: 過酷な暑熱環境下で21回の飛行を成功させ、垂直離着陸から巡航への移行を実証
- Blade買収の効果: 都市内空中輸送のインフラ即時利用、ElevateOS(自社開発ソフト)による運行最適化
- 国際的な規制連携: 米・英・加・豪・NZによるeVTOL共通承認体制「NAAネットワーク」進展
2025年ガイダンス(または翌期ガイダンス)
- 量産体制: Marinaで年24機、Daytonで将来的に年500機の生産体制へスケール予定
- 乗客輸送開始: 2026年にドバイでの商業運航開始を予定
- Blade買収: 都市型旅客ビジネスへの即時アクセスと顧客基盤の獲得を通じ、商業化加速
- 国防・医療領域への拡張: 輸送以外へのユースケース拡大も戦略の一環
ジョビーはFAA認証と国際展開における圧倒的な先行優位を固めつつあり、規制整備・商業化・製造スケールの三位一体戦略が動き出した。売上こそまだ微小だが、2026年の商業飛行・2027年以降の黒字化を見据えた準備は着実に進行中。競合他社を一歩リードするeVTOLセクターの本命として注目される決算である。
2025:Q1 2025/05/07 発表(引け後)
- 発表翌営業日+3.58%寄付 +5.76%
- 5営業日+11.68%
ジョビー・アビエーション(JOBY)の2025年度Q1決算サマリー
売上高と収益
- 年間売上高: 第1四半期売上は計上なし(フライトサービス売上も実質ゼロ)
- GAAP純利益: ▲8,240.6万ドル(前年同期は▲9,458.7万ドル)
- 調整後純利益(Non-GAAP): 非開示
- 調整後EBITDA: ▲1億2,713.3万ドル(前年同期は▲1億1,037.3万ドル)
- その他指標: ワラント・アーンアウトの公正価値見直しによる利益7,102万ドルを計上
営業費用と利益
- GAAP営業費用: 1億6,328.4万ドル(うちR&D費用1億3,428.7万ドル、前年同期比+16%)
- Non-GAAP営業費用: 非開示(ただしストックベース報酬は2,701.9万ドル)
- EBITDA損失(ある場合): 上記参照
- 調整後純損失: 非開示
契約と受注(Bookings)
- 年間受注高: 非開示
- 第1四半期受注: 非開示(ただしVirgin AtlanticやUAE向けで事業契約進行中)
- 契約顧客数: 非開示
- 大口顧客構成: 米国国防総省(DoD)、Virgin Atlantic(英)、ドバイ政府など
キャッシュと財務状況
- 現金残高(年末): 8億1,252.4万ドル(短期投資含む)
- 借入・返済などの動き: トヨタから5億ドルの出資確約あり(1億2,500万ドルはQ2反映予定)
- 自由キャッシュフロー(FCF): ▲1億1,097万ドル(前年同期比拡大)
技術・事業ハイライト
- 製品開発や技術的成果:
有人での垂直離陸→水平飛行のトランジションフライトを複数回成功
認証第4ステージでFAA側43%、自社側62%進行(前年より進捗)
– パートナーシップや採用事例:
Virgin Atlanticと提携し英国でeVTOL展開へ(Heathrow・Manchester起点)
UAEドバイでも有人試験飛行・インフラ建設を推進
– 市場でのポジション:
世界初のeVTOL定期運航に向けた先行企業として認証・製造・商用準備を加速中
2025年ガイダンス(または翌期ガイダンス)
- 売上見通し: 非開示(商用サービス開始は2026年初頭を目標)
- EBITDA見通し: キャッシュ消費は年間5億〜5.4億ドルを想定
- その他の注目点:
トヨタ出資第一弾2.5億ドルの着金予定あり(Q2に計上)
製造拠点・訓練施設の拡張完了目前(Marina, CA)
ジョビーは2025年Q1において、FAA認証プロセスの大幅進捗と有人飛行成功を達成し、商用運航へのステップを確実に踏んでいる。売上はまだ発生していないが、トヨタやVirgin Atlanticなど大手との提携が進み、製造能力や資金面でも盤石な体制を整えつつある。キャッシュ消費は依然大きいが、eVTOL市場の本命企業としての地位は固まりつつあり、2026年以降の黒字化と事業立ち上げに向けて注目が集まる。
