2026:Q2 2026/08/13 発表(寄り前)
- 発表翌営業日+3.60%寄付 -15.69%
LUNR 2026年Q2決算:売上高が4倍超に急拡大、受注残高は1年で8倍の18億ドルへ
本決算のポイント
インテュイティブ・マシーンズの2026年第2四半期は、売上高が2.06億ドルとなり、前年同期の0.5億ドルから4倍超に拡大し、過去最高を更新した。宇宙船製造やCLPS、OMES、NSNSといった複数プログラムの実行が同時に進んだ結果、事業規模そのものが一段上のステージに移った印象が強い。
一方で採算面はまだ発展途上だ。営業損失は4714万ドルと前年同期の2864万ドルから拡大し、純損失も6284万ドルと前年同期の3821万ドルから拡大している。ただしAdjusted EBITDAは▲1380万ドルと前年同期の▲2537万ドルから赤字幅が縮小しており、成長投資を先行させながらも損益構造は着実に改善している。
受注面のインパクトはさらに大きい。四半期末の受注残高は18億ドルと、2025年末の2.1億ドルから15.5億ドル増加し、通期売上ガイダンスの9億〜10億ドルを大きく上回る規模の仕事が積み上がった格好だ。会社は通期売上9億〜10億ドル、通期Adjusted EBITDAの黒字化という見通しを示している。
抑えておくべきKPI
- 売上高: 2.06億ドル(前年同期0.5億ドルから4倍超に拡大)
- 受注残高: 18億ドル(2025年末の2.1億ドルから15.5億ドル増加)
- 四半期受注: 9.2億ドル(Q3も四半期進行中で3億ドル追加受注)
- Adjusted EBITDA: ▲1380万ドル(前年同期▲2537万ドルから赤字幅縮小)
- 現金残高: 3.67億ドル(2025年末の5.83億ドルから減少)
インサイト
今回の急成長は一過性のブレではなく、事業構造そのものが「サービス収益中心」から「宇宙船製造を含む多角プログラム型」へ転換した結果とみられる。売上構成をみると製品収益が1.67億ドルと新たに主力化し、サービス収益の3670万ドルを大きく上回った。国家安全保障向け売上の構成比も前年同期の3%から30%へ急拡大しており、7月に獲得したAMDT3(Golden Dome)向け18機の衛星契約が今後さらに寄与してくる見込みだ。
キャッシュフロー面では営業活動によるキャッシュ使用が5980万ドルとなり、フリーキャッシュフローも通期ベースで▲1.46億ドルとマイナス幅が拡大している。会社側は在庫の先行調達や地上局ネットワーク、月面コンステレーション用衛星2〜5号機の長納期部材購入など、成長投資が要因だと説明しており、実際にこれらの投資が四半期中の新規受注に直結したとしている。8月に完了したGoonhilly Earth StationとCOMSATの買収も、地上インフラ網の拡張という同じ文脈にある。
利益率面では課題も残る。純損失は前年同期から拡大し、1株当たり損失も0.29ドルと前年同期の0.22ドルから悪化した。取引・統合コストが790万ドル計上されるなど、買収に伴う一時費用が損益を圧迫している点はローライトとして留意したい。
今後の見どころ
次四半期以降は、18億ドルまで積み上がった受注残高がどのペースで実際の売上として計上されていくかが焦点になる。特に600万ドル超の商業GEO衛星3機契約や、NASAのMoonbase Programに基づく6件目のCLPS着陸船契約など、大型案件の進捗が業績のブレを左右しそうだ。
あわせて、成長投資局面でのキャッシュ消費ペースと、通期Adjusted EBITDA黒字化目標との整合性も注視ポイントだ。現金残高は3.67億ドルまで減少しており、投資と受注拡大のバランスがどこまで持続可能かが今後の株価の見方を左右するだろう。
出典
2026:Q1 2026/05/14 発表(寄り前)
- 発表翌営業日+2.35%寄付 -9.87%
- 5営業日-5.63%
LUNR 2026年Q1決算:ランテリス買収が押し上げた売上約3倍、受注残高は1.1億ドルへ急拡大
LUNRの決算ハイライト
インテュイティブ・マシーンズの2026年第1四半期は、売上高が1.867億ドルと前年同期の6250万ドルから約3倍に伸び、四半期として過去最高を記録した。1月13日に完了したランテリス・スペース・システムズの買収が寄与した格好で、CLPS・OMES・NSNSといった既存契約の継続実行も土台となっている。なお、買収後12日分(約1300万ドル)は今回の売上には含まれていない。
利益面では、調整後EBITDAが270万ドルの黒字となり、前年同期の660万ドルの赤字から転換した。一方でGAAP基準では、買収関連の統合費用や株式報酬などの影響もあり、営業損失は3920万ドル、会社帰属の純損失は3739万ドルとなっている。
受注残高(バックログ)は四半期末で1.1億ドル規模、正確には10.55億ドルに達し、2025年末の2.13億ドルから8.42億ドル増加した。ランテリス買収による6.13億ドル分の取得バックログと、IM-5ミッションを含む4.29億ドルの新規受注が主因である。会社は通期見通しとして売上9億〜10億ドル、調整後EBITDAの黒字化を据え置いた。
抑えておくべきKPI
- 売上高: 1.867億ドル(前年同期6250万ドルから約3倍)
- 調整後EBITDA: 270万ドルの黒字(前年同期は660万ドルの赤字)
- 受注残高(バックログ): 10.55億ドル(2025年末の2.13億ドルから8.42億ドル増)
- フリーキャッシュフロー: マイナス6.46億ドル(前年同期は1330万ドルの黒字)
インサイト
今回の決算の本質は、単なる有機的成長ではなく、ランテリス買収による事業構造そのものの変化にある。売上のうち製品売上が1.416億ドルを占め、前年同期にはゼロだった項目が一気に主力となった点が、買収統合の規模を物語っている。CEOのスティーブ・アルテマス氏も「ランテリスの統合は即座に価値創出に寄与している」と述べており、会社としては単発の売上増ではなく事業ポートフォリオの転換と位置づけている様子がうかがえる。
ただしキャッシュ面では負担が目立つ。営業活動によるキャッシュフローは5477万ドルの流出となり、フリーキャッシュフローもマイナス6.46億ドルへ悪化した。買収関連の統合費用が2000万ドル発生したことも、GAAP営業損失の拡大につながっている。現金・現金同等物は2025年末の5.826億ドルから2.316億ドルまで減少しており、買収資金や株式発行費用の影響が資金水準に表れている。
調整後EBITDAが黒字転換した点は評価できるが、GAAP純損失は前年同期の1140万ドルから3739万ドルへ拡大しており、収益性の改善はまだ非GAAP指標にとどまっている段階だ。バックログの急拡大が今後どの程度の期間で売上化されるかが、次の判断材料になる。
今後の見どころ
第2四半期に入ってからは、ゴンヒリー・アース・ステーションおよびCOMSAT子会社の買収契約、米宇宙軍のアンドロメダIDIQ契約(想定上限62億ドル)への参画など、事業領域をさらに広げる動きが続いている。これらがどの程度バックログや売上に反映されてくるかが次の焦点になる。
また、CLPSやLTVなど、NASAのIgnitionイニシアチブに関連する複数の提案について、数週間内に採否が判明する見通しが示されている。通期売上9億〜10億ドル、調整後EBITDA黒字という据え置きガイダンスの実現可否は、買収統合コストの吸収状況とキャッシュフローの改善度合いに左右されそうだ。
出典
2025:Q2 2025/08/07 発表(寄り前)
- 発表翌営業日-4.29%寄付 -4.38%
- 5営業日-0.10%
インテュイティブ・マシーンズ(LUNR)の2025年Q2決算サマリー
売上高と収益
- 四半期売上高: 5,031万ドル(前年同期比+21%)
- GAAP純損失: ▲3,820万ドル(前年同期:+1,665万ドル)
- 調整後EBITDA: ▲2,537万ドル(前年同期:▲2,511万ドル)
- 受注残(Backlog): 2億5,691万ドル(前四半期末比▲7,140万ドル)
営業費用と利益
- 売上原価(通常+関係会社): 6,215万ドル(前年同期比+8%)
- 一般管理費: 1,605万ドル(前年同期比+46%)
- 営業損失: ▲2,864万ドル(前年同期:▲2,750万ドル)
- その他損益:
ワラント再評価損:▲1,303万ドル
金利収入:+342万ドル
純損益はマイナスに転落
契約と受注(Bookings)
- KinetXの買収発表: 軌道力学・ナビゲーションソフト企業を約3,000万ドルで買収へ
- 国家安全保障関連契約: 軌道トランスファービークル開発でフェーズ2契約(980万ドル)獲得
- その他契約:
テキサス宇宙委員会よりリワード:1,000万ドル
Space Forgeとの半導体製造支援契約締結
キャッシュと財務状況
- 現金残高: 3億4,490万ドル(前四半期末:2億976万ドル)
- 営業キャッシュフロー: プラス15.6万ドル(前年同期:▲3,770万ドル)
- フリーキャッシュフロー: ▲1,402万ドル(前年同期:▲4,149万ドル)
- 負債: 無借金(Debt-free)
- 資金調達: ワラント行使などで約1億7,662万ドルを新たに確保
技術・事業ハイライト
- 衛星製造の内製化: 第3回月面ミッション向け初衛星の製造スケジュールに対応
- 生産施設拡張: ヒューストン宇宙港で新たに140,000平方フィートの施設増設完了
- ミッション実績:
Nova-Cランダーによる2025年の南極点着陸完了
第3ミッションで通信ネットワーク構築を視野に
– 軌道上製造の展開: Space ForgeやRhodium Scientificとの提携を通じた宇宙バイオ・半導体開発を推進
2025年ガイダンス(または翌期ガイダンス)
- 通期売上見通し: 従来予想の下限付近を想定(最大で2億7,500万ドル見込み)
- 2026年見通し: 調整後EBITDAでの黒字化を達成見込み
- M&A戦略: データサービスと国家安全保障分野を軸に積極展開方針を維持
インテュイティブ・マシーンズは、月面ミッションの成功と国家安全保障契約の拡充により、宇宙インフラ企業としての地位を急速に確立している。売上は着実に拡大し、無借金経営と潤沢な現金によりM&Aも積極化。2026年の黒字化、宇宙商業化の中核企業としての成長に向け、実行力と資金力を両立した進捗が示された決算である。
2025:Q1
インテュイティブ・マシーンズ(LUNR)の2025年Q1決算サマリー
売上高と収益
- 四半期売上高: 6,252万ドル(前四半期比 +14%、前年同期比▲15%)
- GAAP純利益: 975,000ドル(前年同期:▲1億1,800万ドルの赤字から黒字転換)
- 調整後EBITDA: ▲661万ドル(前年同期:+157万ドル)
営業費用と利益
- 営業費用合計: 7,260万ドル(前年同期比▲5%)
売上原価: 5,985万ドル(うち関連会社向け:627万ドル)
一般管理費(G&A): 1,613万ドル
減価償却費: 62万ドル
– 営業損失: ▲1,008万ドル(前年同期:▲2,775万ドル)
キャッシュと財務状況
- 営業キャッシュフロー: +1,942万ドル(前年同期:▲644万ドル)
- フリーキャッシュフロー(FCF): +1,330万ドル(前年同期:▲803万ドル)
- 現金・現金同等物: 3億7,325万ドル(前期末比 +1億6,565万ドル)
- 資金調達: ワラント償還による資金調達(1億7,662万ドル)
契約と受注(Bookings)
- 契約残高(バックログ): 2億7,234万ドル(前年末:3億2,835万ドル、▲5,601万ドル)
- 受注内訳: OMES IIIなど政府関連新規契約で約650万ドル加算
技術・事業ハイライト
- NSNS契約: NASAから1,800万ドルの追加資金を受領、今後のQ2売上へ反映見込み
- CLPS: IM-2ミッション成功によるマイルストーン支払いをQ2で計上予定
- LTVS: NASAのRFPに向けた事前設計審査を完了、2025年中の受注に期待
- JETSON契約: 空軍研究所と核電気推進技術の第1フェーズを完了、年内の次フェーズ発注を見込む
- テキサス宇宙委員会から助成金: 1,000万ドル(地球再突入機および微小重力ラボ向け)
2025年ガイダンス
- 通期売上見通し: 2億5,000万〜3億ドル(前年:2億2,800万ドル)
- 調整後EBITDA見通し: 2025年末までにランレート黒字化、2026年通期での黒字化見込み
インテュイティブ・マシーンズは、収益・キャッシュフローともに改善が進み、3四半期連続で粗利益率黒字を確保しつつ、営業損失を大きく縮小。IM-2ミッション成功やNASA契約、空軍契約など政府需要に支えられた好調な事業進捗が確認された。ワラント償還により資本構成も強化され、3億7,000万ドル超の現金保有は将来の成長投資に十分な余力を示している。2025年後半から2026年にかけての黒字転換を視野に、商用宇宙事業の本格収益化に向けた基盤が整いつつある。
これより前の決算を表示(2期分)
2024:Q4 2025/03/24 発表(寄り前)
- 発表翌営業日+30.04%寄付 +7.76%
- 5営業日+13.82%
インテュイティブ・マシーンズ(LUNR)の2024年通期決算サマリー
売上高と収益
- 通期売上高:2億2,800万ドル(前年比 +186%)
※前年は7,955万ドル → 売上が3倍近くに急増
– 第4四半期売上:5,466万ドル(前年比 +79%)
– 営業損失:-5,740万ドル(前年 -6,111万ドル)
– 最終損失(純損失):-2億8,341万ドル(前年 +5,941万ドル)
– 調整後EBITDA:-4,169万ドル(前年 -5,451万ドル)→ 赤字幅縮小
注文の増加・受注残
- 受注残(バックログ):3億2,834万ドル(前年比 +22%)
NASAからの契約(IM-4 CLPS、NSN、LTVなど)によるもの
新規受注:3億0370万ドル
消化済:2億2,800万ドル
– 受注拡大の内訳
月面南極地域での着陸成功(2025年Q1)や商用ペイロードの増加
NASAの「Near Space Network(NSN)」や「Lunar Terrain Vehicle(LTV)」契約も加算
日本のマイクロローバーやNokiaの月面通信機など、多様な顧客に展開
キャッシュフローと財務状況
- 営業キャッシュフロー:-5,759万ドル(前年 -4,528万ドル)
- フリーキャッシュフロー:-6,770万ドル(前年 -7,519万ドル)→ 改善傾向
- 年末時点の現金残高:2億760万ドル(前年 450万ドル)
2025年3月10日時点では3億8,500万ドルまで増加(ワラント償還完了により)
地域・製品別の特徴
- 詳細な地域別内訳はなし。ただし顧客の中心はNASAおよび米政府系。 新たに商用顧客や政府以外からの受注が増加(日本・韓国企業など)
将来ガイダンス(2025年)
- 売上見通し:2億5,000万~3億ドル(前年比最大+32%)
- 2025年末までに調整後EBITDAの黒字化を達成予定
- 2026年には完全黒字化(Adjusted EBITDA)を見込む
- 宇宙関連インフラ構想を強化
軌道間輸送ビークル(OTV)の開発計画
自社技術を活用した軌道上サービス、データ通信インフラ、地球外通信網に展開予定
まとめ
- 売上急増(前年比+186%)と受注拡大により、成長軌道に乗る
- NASAとの大型契約、商用ペイロード、韓国との提携など顧客の多様化が進行
- 2025年は黒字化を目指す転換期
- 宇宙通信、月面物流、地球外インフラなど、宇宙ビジネスの基盤を築く企業として注目
インテュイティブ・マシーンズは、月面ミッションと宇宙インフラの構築を軸に民間宇宙産業の中核企業へ成長中。財務体質の改善と受注の拡大により、2025年以降の収益化が現実味を帯びている。中長期的な成長ポテンシャルは高く、宇宙産業のテーマ株として注目に値する。
2024:Q3 2024/11/14 発表(寄り前)
- 発表翌営業日-13.01%寄付 +20.83%
- 5営業日+2.64%
インテュイティブ・マシーンズ(LUNR)の2024年Q3決算サマリー
売上高と収益
- 売上高:58.5百万ドル(前年同期比359%増)。2024年の年初から累計で173.3百万ドル、2023年の通年を大幅に上回る。
- 売上増加の要因として、NASAの商業月面ペイロードサービス(CLPS)契約とNear Space Network(NSN)契約が挙げられる。
利益
- 第3四半期の粗利益:4.1百万ドルのプラスを記録し、前年同期の赤字から改善。
- 調整後EBITDAは6.9百万ドルの損失を計上(前年同期比で改善)。
キャッシュフロー
- 営業活動によるキャッシュフロー:2024年9月末時点で営業活動によるキャッシュは大幅に増加。
- 現金残高:89.6百万ドルと、会社史上最高水準。
バックログ(受注残高)
- バックログは316.2百万ドルで、前年同期比47.6百万ドル増加。NASAからのCLPS契約や新規商業契約が寄与。
将来ガイダンス
- 通期売上見通し:215~235百万ドルを予測。現在のトレンドでは中央値に向かうと見込む。
- 近い将来、LTV(Lunar Terrain Vehicle)サービスフェーズ2や新たなタスクオーダーなどでさらなるバックログ拡大を期待。
注目点
- NASAとの契約件数で業界首位を維持し、月面探査市場での優位性を確立。
- Near Space Networkデータサービス契約の受注(総額48.2億ドル)が、同社の将来収益拡大に大きく寄与する見込み。
これらの結果から、同社は月面インフラ提供と商業宇宙サービスの両分野でリーダーシップを維持し、長期的な成長基盤を築いていると言える。
