2026:Q2 2026/07/28 発表(引け後)
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MEOH 2026年Q2決算:中東情勢による供給ショックが価格急騰を招き、四半期最高益を記録
MEOHの決算ハイライト
メタネックスの2026年第2四半期は、中東での紛争によるメタノール業界の供給ショックを背景に平均実現価格が急騰し、純利益1.98億ドル、調整後EBITDA5.77億ドルという記録的な決算となった。前四半期の純損失1400万ドルから一転しての大幅な黒字転換であり、平均実現価格は1トンあたり529ドルと、前四半期の351ドルから大きく上昇したことが最大の要因だ。
一方で、トリニダード・トバゴのTitanプラントを無期限停止する決定を下し、税引後1.15億ドルの非現金資産減損と、会社負担分1200万ドルのリストラ費用(調整後EBITDAからの控除として計上)を記録した。ガス供給契約が経済的に成立しなくなったことがTitan停止の直接的な要因であり、関連するAtlas合弁施設でも減損が生じ、同施設への投資の帳簿価額はゼロとなった。
生産面ではジースマー拠点が四半期として過去最高の102.7万トンを記録し、北米事業の底堅さを裏付けた。営業活動によるキャッシュフローは4.39億ドルに達し、Term Loan Aの残高2.9億ドルを完済したほか、四半期配当として1400万ドルを株主に還元した。通期の生産見通しはメタノール約900万トン、アンモニア約30万トンを想定している。
抑えておくべきKPI
- 売上高: 13.95億ドル(前四半期9.74億ドルから増加、前年同期7.97億ドルから75%増)
- 調整後EBITDA: 5.77億ドル(前四半期2.2億ドルから162%増、前年同期1.83億ドルから215%増)
- 平均実現価格: 1トンあたり529ドル(前四半期351ドル、前年同期374ドル)
- 調整後フリーキャッシュフロー: 2.98億ドル(前四半期3100万ドルから大幅増)
投資家目線のインサイト
今回の急回復は、中東情勢の悪化がメタノール国際貿易量の1500万〜2000万トンに影響を与えたことによる一時的な供給ショックが主因であり、構造的な需要拡大とは異なる性質を持つ。会社自身も、7月・8月の指標価格を基に想定した平均実現価格レンジを1トンあたり460〜485ドルとしており、第2四半期の529ドルからの下落を前提に、第3四半期の調整後EBITDAは前四半期より低下する見通しを示している点は見逃せない。
Titanの無期限停止とAtlasの減損は、トリニダードのガス調達環境の悪化という構造的な課題を浮き彫りにした。北米の新規資産(ジースマー、ボーモント、Natgasoline)が生産の柱として機能している一方、チリ・ニュージーランド・トリニダードといった既存拠点は季節性やガス制約の影響を受けやすく、地域ごとの生産安定性に差が出ている構図が明確になっている。
Term Loan Aの完済によりバランスシートは強化され、キャッシュ残高3.83億ドルと4億ドルのリボルビング信用枠を確保している。デレバレッジを優先する資本配分方針は継続されている。
今後の見どころ
第3四半期は平均実現価格の下落を前提に調整後EBITDAが前四半期比で縮小する見通しが示されており、今回の記録的決算がどの程度持続するかが次の焦点になる。中東情勢の帰趨とそれに伴う供給回復のタイミングは、価格環境を左右する最大の不確実要因として残る。
生産面では、ボーモントの冷却塔修理からの復帰(7月に安全に再稼働)、ニュージーランドの減産運転からの回復ペース、チリの季節的なガス制約の緩和動向を確認したい。Titan停止後のトリニダード事業の再構築計画の進捗も、今後のコスト構造に影響する重要なポイントとなる。
出典
2026:Q1 2026/04/29 発表(引け後)
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MEOH 2026年Q1決算:中東情勢が価格を急騰させ、第2四半期は大幅増益を予告
MEOHの決算ハイライト
メタネックスの2026年第1四半期は、株主帰属純損失1400万ドル(希薄化後1株当たり0.18ドルの損失)となり、前四半期の8900万ドルの損失から大きく縮小した。損失縮小の主因は、平均実現価格の上昇と減価償却費の減少、そして前四半期に発生した資産減損費用の反動によるもので、株価上昇に伴う株式報酬のmark-to-market費用が一部相殺要因となっている。
Adjusted EBITDAは2.2億ドル、Adjusted net incomeは2300万ドル(1株当たり0.30ドル)と、いずれも前四半期のAdjusted EBITDA1.86億ドル、Adjusted net loss1100万ドルから改善した。平均実現価格は1トン当たり351ドルで、前四半期の331ドルから上昇し、メタノール生産量も239.1万トンと前四半期の236.4万トンからわずかに伸びている。
会社は2026年通期の生産見通しとしてメタノール900万トン、アンモニア30万トンを据え置き、四半期を通じて安定した操業を続けた格好だ。第1四半期末の現金残高は3.79億ドルで、Term Loan Aを6000万ドル返済し、株主には配当として1400万ドルを還元している。
抑えておくべきKPI
- 売上高: 9.74億ドル(前年同期の8.96億ドルから増加、前四半期の9.69億ドルからほぼ横ばい)
- Adjusted EBITDA: 2.2億ドル(前四半期の1.86億ドルから増加、前年同期の2.48億ドルからは減少)
- 平均実現価格: 1トン当たり351ドル(前四半期の331ドルから上昇、前年同期の404ドルからは低下)
- メタノール生産量: 239.1万トン(前四半期の236.4万トンから増加、前年同期の161.9万トンからは大幅増)
投資家目線のインサイト
今回の決算そのものは前四半期からの改善という位置づけだが、本当の注目点は4月・5月の価格急騰にある。中東の紛争がペルシャ湾周辺の生産者からのメタノール輸送、さらには生産そのものを制約し始めたことで、世界のメタノール価格が急速かつ大幅に上昇している。北米の非ディスカウント公表価格は3月の941ドルから4月には1247ドル、5月には1480ドルまで跳ね上がっており、これは供給ショックによる一時的な価格上昇という色合いが強い。
会社側も4月・5月の平均実現価格を1トン当たり500〜525ドルと見込み、第2四半期のAdjusted EBITDAは「著しく高くなる」と明言している点は重要だ。ただし、この価格上昇が紛争の長期化や供給網の恒久的な混乱によるものか、短期的な物流の目詰まりに過ぎないのかは、本文からは判断できない。
ローライトとしては、キャッシュフローの弱さが挙げられる。営業活動によるキャッシュフローは1.32億ドルで、前年同期の3.15億ドルから大きく減少し、Adjusted free cash flowも3100万ドルと前年同期の1.95億ドルから縮小した。売掛金の増加を中心とした営業資本の変動が主因で、価格上昇局面での一時的な資金の目減りと見られる。
今後の見どころ
次の四半期で最も注視すべきは、中東情勢に起因する価格急騰が第2四半期の実際の業績にどこまで反映されるかである。会社は4月・5月の実現価格レンジを示しており、これが実際のAdjusted EBITDAにどの程度結びつくかが焦点となる。
一方で、トリニダードのガス供給契約は2026年9月に期限を迎え、更新交渉が進行中だが商業的に受け入れ可能な条件で契約できる保証はないとされている。エジプトでも夏場のガス供給制約の可能性が指摘されており、供給網の地域リスクは依然として複数残っている点も確認しておきたい。
出典
2025:Q4 2026/03/06 発表(引け後)
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MEOH 2025年Q4決算:通期は増収増産も、第4四半期は純損失8900万ドルに拡大
MEOHの決算ハイライト
2025年第4四半期(10〜12月)の売上高は9.69億ドルで、前四半期の9.27億ドル、前年同期の9.49億ドルをいずれも上回った。一方で損益面は悪化し、メタネックス株主に帰属する純損失は8900万ドルとなり、前四半期の700万ドルの損失、前年同期の4500万ドルの純利益から大きく悪化した。調整後EBITDAは1.86億ドルで、前四半期の1.91億ドル、前年同期の2.24億ドルをいずれも下回った。
通期(2025年12月期)では、売上高35.89億ドル、純利益8000万ドル、調整後EBITDA8.08億ドル、営業活動によるキャッシュフロー10.16億ドルを計上した。前期(2024年12月期)の売上高37.20億ドル、純利益1.64億ドル、調整後EBITDA7.64億ドル、営業キャッシュフロー7.37億ドルと比べ、調整後EBITDAとキャッシュフローは増加した一方で純利益は減少した。買収したBeaumont・Natgasolineの寄与でメタノール生産量は通期781.6万トンと前期の635.8万トンから大きく伸びた。
抑えておくべきKPI
- 第4四半期売上高: 9.69億ドル(前四半期9.27億ドル、前年同期9.49億ドル)
- 第4四半期調整後EBITDA: 1.86億ドル(前四半期1.91億ドル、前年同期2.24億ドル)
- 通期純利益: 8000万ドル(前期1.64億ドル)
- 通期営業キャッシュフロー: 10.16億ドル(前期7.37億ドル)
重要なインサイト
第4四半期の純損失拡大は、調整後EBITDAの落ち込みに加え、非現金項目の影響が大きいとみられる。同社は2025年通期で、ニュージーランド事業についてガス調達見通しの悪化を理由に7100万ドルの資産減損(税引前・非現金)を計上し、同資産の帳簿価額をゼロまで切り下げた。この減損は調整後EBITDAには含まれないため、実質的な収益力の悪化度合いは純利益の数値ほど大きくない可能性がある。
一方、通期の生産量は買収効果でメタノール781.6万トン(前期635.8万トン)に伸びたが、販売数量は951.5万トン(前期1046.9万トン)と減少しており、生産増と販売減のギャップが生じている。現金残高は4億2500万ドルを確保し、6億ドルの与信枠にも引き続きアクセス可能で、財務の柔軟性は維持されている。
今後の見どころ
会社は2026年の生産量をメタネックス持分で約900万トンのメタノールと30万トンのアンモニアと見込んでおり、買収した設備のフル稼働を前提とした計画になっている。
四半期配当は1株0.185ドルで据え置かれ、通期配当総額は5400万ドル(前期5000万ドル)に増加した。今後はニュージーランド事業の減損のような一時的な非現金項目の有無や、生産・販売数量のバランスが焦点になる。
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2025:Q3 2025/10/30 発表(引け後)
- 発表翌営業日+16.06%寄付 +3.10%
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MEOH 2025年Q3決算:買収2拠点のフル稼働で増産も、純損失700万ドルに転落
MEOHの決算ハイライト
2025年第3四半期の売上高は9.27億ドルで、前四半期の7.97億ドルからは増加したものの、前年同期の9.35億ドルからはわずかに減少した。新たに買収したBeaumontとNatgasolineの2拠点がフル四半期稼働したことで、生産量は221万2千トンと前四半期の162万1千トン、前年同期の134万7千トンを大きく上回った。
一方で損益面は悪化し、平均実現価格が1トンあたり345ドルと前四半期の374ドルから低下したことに加え、株式報酬の時価評価影響、ニュージーランドのガス売却純収入の減少、減価償却費・金利費用の増加が重なり、メタネックス株主に帰属する純損失は700万ドルとなった。前四半期は6400万ドルの純利益、前年同期は3100万ドルの純利益だった。調整後EBITDAは1.91億ドルで前四半期の1.83億ドルから増加したが、前年同期の2.16億ドルは下回った。
抑えておくべきKPI
- 売上高: 9.27億ドル(前四半期7.97億ドル、前年同期9.35億ドル)
- 調整後EBITDA: 1.91億ドル(前四半期1.83億ドル、前年同期2.16億ドル)
- 生産量: 221万2千トン(前四半期162万1千トン、前年同期134万7千トン)
- 営業活動によるキャッシュフロー: 1.84億ドル(前四半期2.77億ドル、前年同期2.10億ドル)
重要なインサイト
今回の増産は主に買収効果によるもので、需要拡大というより非有機的な成長の反映といえる。Beaumontは23万9千トンのメタノールと8万8千トンのアンモニアを生産し、Natgasolineも22万2千トン(メタネックス持分)を生産するなど、両拠点はフル稼働で買収後の統合が計画通り進んでいることを示した。
一方、平均実現価格は前四半期の374ドルから345ドルへ低下しており、収益性は生産量の伸びほど改善していない。現金残高は4億1300万ドルを確保しつつ、四半期配当1株0.185ドル(総額1430万ドル)を継続し、Term Loan Aを1億2500万ドル返済するなど、財務健全化も並行して進めている。
今後の見どころ
会社は2025年通期の生産量を約800万トン(メタネックス持分、うちメタノール780万トン、アンモニア20万トン)と見込んでおり、第4四半期は第3四半期からの増産を受けて調整後EBITDAが大きく改善するとの見通しを示した。
一方で10月・11月の平均実現価格は1トンあたり335~345ドルとやや低下する見込みで、価格と生産量のどちらが利益を左右するかが今後の焦点になる。
出典
これより前の決算を表示(1期分)
2025:Q2 2025/07/30 発表(引け後)
- 発表翌営業日+1.83%寄付 +2.62%
- 5営業日+1.95%
MEOH 2025年Q2決算:OCI買収を完了、規模拡大の一方で価格下落が利益を圧迫
本決算のポイント
メタネックスの2025年第2四半期は、純利益が前四半期の1.11億ドルから6400万ドルへと減少し、平均実現価格の下落が収益性を押し下げた四半期となった。売上高は7.97億ドルで前四半期の8.96億ドルから縮小し、Adjusted EBITDAも1.83億ドルと前四半期の2.48億ドルから減少している。
一方で最大のトピックは、6月27日に完了したOCIグローバルの国際メタノール事業買収で、テキサス州ボーモントの2つの世界規模メタノール施設を含む生産基盤を獲得したことだ。買収後の両プラントは100%稼働率で安全に稼働しており、四半期業績には買収後4日分の実績が織り込まれている。
生産量は162.1万トンと前四半期の161.9万トンからほぼ横ばいで、ガイスマーとトリニダードの増産がチリ・ニュージーランド・エジプトの減産とメディシンハットの定期修繕による停止を相殺した。第2四半期には配当として1250万ドルを株主還元しており、財務基盤は依然として安定している。
抑えておくべきKPI
- 売上高: 7.97億ドル(前四半期8.96億ドルから減少)
- 平均実現価格: 1トンあたり374ドル(前四半期404ドルから低下)
- Adjusted EBITDA: 1.83億ドル(前四半期2.48億ドルから減少)
- 営業活動によるキャッシュフロー: 2.77億ドル(前年同期1.63億ドルから増加)
- 期末現金残高: 4.85億ドル(非支配持分除くと4.59億ドル)
重要なインサイト
今回の減益は構造的な悪化というより、価格サイクルの反動という色合いが強い。平均実現価格は前四半期の404ドルから374ドルへ下落し、これがAdjusted EBITDAを6000万ドル押し下げた主因となった一方、前年同期の352ドルとの比較では依然として高水準を維持している。販売数量の減少や生産販売比率の変化も利益を圧迫したが、会社側はこれを年間の販売ポートフォリオ調整の一環と説明している。
ローライトとしては、ニュージーランドでの天然ガス供給の逼迫とエジプトでのガス輸入混乱による減産が続いている点が挙げられる。ニュージーランドは5月中旬から6月末にかけて操業を一時停止し、通期生産見通しを約40万トンに下方修正した。エジプトも天然ガス供給の制約により、夏場を中心にさらなる減産が想定されるという。
OCI買収に伴う取引関連コストの増加も収益性に影響しており、買収コストとして3000万ドルが今期に費用計上されたことも利益率低下の一因になっている。買収資金は現金と6億ドルの優先無担保債、5.5億ドルのターム・ローンで賄われ、財務レバレッジは高まっている。
今後の見どころ
会社は第3四半期について、生産・販売量の増加がAdjusted EBITDAを押し上げる一方、平均実現価格の下落がこれを相殺し、全体としては第2四半期比で増益になるとの見通しを示した。7月・8月の建値をもとに、平均実現価格は1トンあたり335〜345ドルのレンジになると予想している。
通期の生産見通しは、新規取得資産を含めて約800万トン(メタネックス持分)とされており、OCI資産の統合進捗とニュージーランド・エジプトのガス供給動向が引き続き注目点となる。買収に伴う内部統制の整備状況や、財務レバレッジの管理・デレバレッジ計画の進捗も今後確認すべきポイントだ。
