2026:Q2 2026/08/04 発表(引け後)
- 発表翌営業日+0.56%寄付 +1.20%
- 5営業日+6.53%
NVO 2026年Q2決算:Wegovy錠が処方週26.5万件超、通期見通しを2度目の据え置きから前進させ小幅改善
NVOの決算ハイライト
ノボ ノルディスクの2026年第2四半期は、調整後売上高が前年同期比7%増の784.9億デンマーククローネ、調整後営業利益は同11%増の333.9億デンマーククローネと、いずれも底堅い伸びを確認した決算だった。報告ベースの売上高は前年同期比3%増と伸びが小さく見えるが、これは前年同期に発生した米国340B薬価制度に関する26億デンマーククローネのリベート引当金の取り消しが比較対象を押し上げていたことによる一時的なノイズであり、実態としての事業成長は調整後の数値がより正確に映し出している。
報告ベースの営業利益は前年同期比16%減となったが、こちらも340Bリベートの取り消しの反動に加え、開発中止となったmonlunabant(40億デンマーククローネ)を含むパイプライン資産に対する63億デンマーククローネの非現金の減損費用が響いた結果であり、一過性の会計要因が大きく、事業の実力を示す調整後営業利益はむしろ改善している。純利益は21.0億デンマーククローネで前年同期比21%減となったが、これも同様の要因が背景にある。
会社はこの決算にあわせ、2026年通期の調整後売上高成長率ガイダンスを、CERベースでマイナス4%〜マイナス12%からゼロ%〜マイナス6%へ、調整後営業利益成長率も同水準に改善した。 GLP-1製品の売上に対する期待が高まったことが背景で、フリーキャッシュフローの見通しも450億〜550億デンマーククローネへ上方に見直されている。
抑えておくべきKPI
- 調整後売上高: 784.9億デンマーククローネ(CERベースで前年同期比7%増)
- 調整後営業利益: 333.9億デンマーククローネ(CERベースで前年同期比11%増、調整後営業利益率42.5%)
- Obesity care(肥満症治療)調整後売上高: 231.5億デンマーククローネ(CERベースで前年同期比16%増)
- フリーキャッシュフロー(H1実績): 553.0億デンマーククローネ(前年同期の384.2億デンマーククローネから44%増)
投資家目線のインサイト
最大の注目点はWegovy錠(経口製剤)の米国での急速な浸透ぶりだ。7月17日終了週の週間処方件数が26.5万件を超え、発売以来の累計処方件数は500万件を突破しており、これは米国におけるGLP-1製品として過去最速の立ち上がりとされる。新規患者数で見ると、Wegovyフランチャイズは米国の主要肥満症治療薬市場で依然トップに立っており、単なる話題性ではなく実需に支えられた成長であることがうかがえる。
一方でローライトも見逃せない。調整後粗利率は78.2%と、前年同期の82.7%から明確に低下した。実勢価格の低下、製造能力の適正化に伴う一時費用(約30億デンマーククローネ)、そして為替の逆風が重なった結果であり、単価下押しの構造が続いていることを示唆する。また、心血管領域の後期臨床試験であるziltivekimabのZEUS試験が主要評価項目を達成できなかった点も、パイプラインの不確実性として留意すべきだろう。
米国事業では、340Bやリベート調整といった制度要因で数値が振れやすくなっている点にも注意が必要だ。Ozempic錠・Rybelsusの売上はCERベースで前年同期比4%増収したものの、H1累計では9%減となっており、四半期ごとの振れが大きい。市場アクセス拡大に伴う実勢価格の低下は今後も続く前提であり、増収の裏にある採算構造の変化を追う必要がある。
今後の見どころ
次の焦点は、Wegovy錠および高用量のWegovy HDの米国外への展開ペースだ。UAE・英国での発売が始まったばかりで、今後数四半期でさらに複数市場への投入が計画されている。EUでも承認が下り、追加ローンチが見込まれる段階にあり、国際事業の成長がどこまで米国事業の圧力を相殺できるかが鍵になる。
もう一つの注目点は、2027年1月に予定されているWegovyとOzempicの米国での大幅な定価引き下げ(最大約50%・35%)がキャッシュフローに与える影響だ。本資料では2027年の現金流出要因として明記されており、今後のガイダンス更新でこの影響がどう定量化されるかを追う必要がある。またZEUS試験の不成功を受け、2026年第3四半期に追加の減損費用が発生する可能性がある点も、次回決算で確認すべきポイントだ。
出典
2026:Q1 2026/05/06 発表(寄り前)
- 発表翌営業日+1.98%寄付 +3.21%
- 5営業日+4.75%
NVO 2026年Q1決算:Wegovy錠が最速の立ち上がりを見せる一方、実力ベースの売上は減収続く
本決算のポイント
ノボ ノルディスクの2026年第1四半期は、報告ベースの売上高が前年同期比32%増(CER)の968.2億DKKと大きく伸びたが、これは米国の340B医薬品価格プログラムに関する引当金268億DKKの戻し入れによる一時的な押し上げ効果が主因だ。この戻し入れを除いた調整後売上高で見ると、実態は70.6億DKKで前年同期比4%減(CER)となり、実勢価格の下落が数量増を上回った格好となっている。
事業の中身を見ると、肥満症治療(Obesity care)の調整後売上高は22%増と拡大を続けた一方、糖尿病治療は12%減と苦戦しており、特に米国事業の調整後売上高は11%減(CER)と、実勢価格の低下が響いている。国際事業(International Operations)は6%増と底堅く推移し、地域間の明暗が分かれた四半期だった。
利益面では、調整後営業利益が328.6億DKKで前年同期比6%減(CER)となった一方、報告ベースの営業利益は596.2億DKKで65%増(CER)と、340B引当金戻し入れの影響がそのまま反映されている。通期ガイダンスは調整後売上高・調整後営業利益ともに従来の予想レンジから上方に据え置き改定され、GLP-1製品の売上期待の高まりが背景にある。
抑えておくべきKPI
- 調整後売上高: 70.6億DKK(前年同期比4%減、CER)
- 調整後営業利益: 328.6億DKK(前年同期比6%減、CER)、調整後営業利益率46.9%
- 肥満症治療(Obesity care)調整後売上高: 209.1億DKK(前年同期比22%増、CER)
- フリーキャッシュフロー: 127.7億DKK(前年同期は113.1億DKK)
重要なインサイト
最大のハイライトはWegovy錠(Wegovy® pill)の立ち上がりの速さだ。2026年1月5日の米国発売後、4月17日終了週の週間処方件数が20万件を突破し、発売来の累計処方件数は200万件を超えた。これは米国におけるGLP-1製品として過去最速のボリューム立ち上がりであり、会社側も「最も有効性の高い経口GLP-1」として新たなカテゴリーを切り開いていると位置づけている。ただしQ1の同製品売上高22.6億DKKには、卸・テレヘルス各社向けの発売前パイプライン充填分が含まれており、発売初期の需要そのものではなく在庫積み増しの影響が一定程度含まれる点には留意が必要だ。
一方でローライトとして、米国のOzempic®・Rybelsus®を含むGLP-1糖尿病領域全体の実勢価格下落が続いており、インスリン事業も米国で36%減(CER)と大きく落ち込んでいる。340B引当金の戻し入れというノンキャッシュの会計上のプラス要因を除けば、コア事業の収益性は投資拡大とともに圧迫されている状況が浮かび上がる。
2027年1月からWegovy®・Ozempic®の米国リスト価格を最大約50%引き下げる方針も発表されており、足元の好調な処方トレンドとは裏腹に、将来的な実勢価格の一段の低下が織り込まれつつある点は今後の収益性を考える上で重要だ。
今後の見どころ
次の焦点は、Wegovy® HD(7.2mg高用量)とWegovy®錠という2つの新製品が、価格下落を数量でどこまで補えるかにある。Wegovy® HDは3月にFDA承認、4月に米国で発売済みで、臨床試験では平均20.7%の体重減少という高い有効性データを持つ。米国外でのWegovy®錠の展開も2026年後半に見込まれており、地理的な広がりが業績にどう反映されるかが注目される。
あわせて、Medicare Part D向けの肥満症治療薬パイロット導入(2026年7月開始予定)や、複数の訴訟の進展も株価材料になり得る。340B戻し入れという一時要因を除いた実勢ベースの成長率が、通期ガイダンス(調整後売上高成長率マイナス4%〜マイナス12%、CER)のレンジ内でどこに着地するかが、今後の四半期を評価する上での基準となるだろう。
出典
2025:Q4 2026/02/03 発表(場中)
- 発表翌営業日-14.64%寄付 -0.98%
- 5営業日-16.22%
NVO 2025年Q4決算:Wegovy®ピル始動の裏で本業は減収減益、通期ガイダンスも減速示唆
本決算のポイント
第4四半期(10-12月期)の売上高は前年同期比8%減(CERで2%減)のDKK 791億で、主力の米国事業の落ち込みが響いた。営業利益は同14%減(CERで4%減)のDKK 317億、営業利益率は40.1%と前年同期42.9%から低下。純利益も5%減のDKK 269億、希薄化後EPSは5%減のDKK6.04となり、四半期ベースでは減収減益が明確になった。
通期(2025年1-12月)では売上高が前年比6%増(CERで10%増)のDKK 3,091億、営業利益は前年比1%減(CERで6%増)のDKK 1,277億だった。全社的な変革に伴う一時費用約DKK 80億を除けば、営業利益は前年比6%増(CERで13%増)になったといい、一時費用が通期の減益要因になっていたことが読み取れる。
2026年通期のガイダンスは調整後売上高・調整後営業利益ともCERベースで-5%〜-13%。米国340B薬価プログラムの準備金戻し入れ(USD 42億)を除いた数値であり、この基準で見ると通期の実質的な減速を示している。
抑えておくべきKPI
- 売上高(Q4): DKK 791億(前年同期比8%減、CERベースで2%減)
- 営業利益率(Q4): 40.1%(前年同期42.9%)
- 肥満症治療薬(Obesity care)の伸び(Q4、全社): CERベースで前年同期比11%増
- 希薄化後EPS(Q4): DKK 6.04(前年同期比5%減)
重要なインサイト
第4四半期の減収は、米国事業の売上高がDKKベースで15%減(CERで7%減)となったことが主因である。米国では自己負担(セルフペイ)チャネルでの実勢価格低下やリベルサス®の販売数量減が響いた一方、肥満症市場全体はセルフペイ主導で約75%拡大しており、価格の下押しと数量拡大が同時に進む構造変化がうかがえる。
12月22日には経口セマグルチド25mg「Wegovy®ピル」がFDAに承認され、1月5日に発売、1月23日時点の週間処方件数は約5万件に達した。会社は主に1.5mgの導入用量が自己負担チャネルで牽引していると説明しており、新製品の立ち上がりが2026年以降の数量成長を左右する試金石になる。
一方、第4四半期の粗利率は80.9%(前年同期84.8%)へ低下し、通期でも81.0%(前年84.7%)へ悪化した。カタレント旧3拠点の買収に伴う償却・減価償却費や一時的な変革コストが要因とされており、利益率低下が一過性の費用によるものか構造的なコスト増かは今後の四半期で見極める必要がある。
今後の見どころ
次の焦点はWegovy®ピルの処方拡大ペースと、2026年第1四半期に予定される340B薬価プログラムの準備金戻し入れ(USD 42億)の計上である。会社はこの戻し入れを2026年第1四半期に認識するとしており、四半期ごとの数値がこの一時的な押し上げでどう変動するかを確認する必要がある。
2026年通期のガイダンスでは調整後売上高・調整後営業利益ともにCERベースで-5%〜-13%の減少が見込まれている。米国での実勢価格低下やMFN(最恵国待遇)価格協定、セマグルチド分子の特許切れによる競争激化が背景とされており、米国事業の減速がどこまで進むかがガイダンス達成の焦点となる。
出典
2025:Q3 2025/11/05 発表(寄り前)
- 発表翌営業日+0.44%寄付 -2.63%
- 5営業日+1.87%
NVO 2025年Q3決算:肥満症は成長続くも、リストラ費用とガイダンス縮小が影落とす四半期
NVOの決算ハイライト
ノボ ノルディスクの2025年第3四半期は、9カ月累計の売上高が前年同期比12%増(CERベース15%増)の2,299.2億デンマーククローネとなり、肥満症治療薬を中心に成長が続いた四半期だった。一方で第3四半期単体では、全社的な組織改革に伴う約90億クローネの一時的リストラ費用が響き、営業利益は前年同期比30%減の236.8億クローネ、純利益も27%減の200.1億クローネへと落ち込んだ。
このリストラ費用を除けば、9カ月累計の営業利益は前年比15%増(CERベース21%増)だったとされ、本業の稼ぐ力そのものは損なわれていないことが読み取れる。肥満症治療薬事業(Wegovy、Saxenda)の売上高は9カ月累計で前年同期比37%増(CERベース41%増)の599.0億クローネに達し、成長のけん引役であり続けている。
一方で会社は通期見通しを、売上高成長率をCERベース8〜11%へ、営業利益成長率を同4〜7%へと、いずれも従来より狭いレンジに縮小した。糖尿病・肥満症領域のGLP-1治療薬に対する成長期待の低下が理由とされており、単なる保守化ではなく需要見通しそのものの下方修正を意味する変化と言える。
抑えておくべきKPI
- 売上高(9M累計): 2,299.2億クローネ(前年同期比12%増、CERベース15%増)
- 営業利益(9M累計): 959.2億クローネ(前年同期比5%増、CERベース10%増。一時費用除きでは15%増・CERベース21%増)
- 肥満症治療薬売上高(9M累計): 599.0億クローネ(前年同期比37%増、CERベース41%増)
- フリーキャッシュフロー(9M累計): 638.9億クローネ(前年同期は717.6億クローネ)
インサイト
第3四半期単体で見ると、営業利益は前年同期比30%減、純利益は27%減と大きく落ち込んだが、その主因は約90億クローネの一時的リストラ費用であり、構造的な収益力の毀損とは性質が異なる。実際、このリストラ費用を除いた場合、第3四半期の営業利益はCERベースで7%増となっており、本業の稼ぐ力自体は底堅い。
もっとも、ローライトとして無視できないのは、通期ガイダンスの下方修正の理由が単なる為替や一時費用ではなく、GLP-1治療薬の成長期待そのものの低下にあるという点だ。米国では処方薬の合法・非合法な複製調剤(コンパウンディング)が依然として続いているとされ、競争激化と価格圧力も明記されている。糖尿病領域の世界市場シェアも過去12カ月で31.6%へと2.3ポイント低下しており、リーダーシップの一角に陰りが見える。
一方でフリーキャッシュフローは9カ月累計で638.9億クローネと前年同期の717.6億クローネから減少したが、これは主に設備投資の増加によるものとされ、成長投資を継続している証左とも読める。会社はAkero TherapeuticsやOmerosの資産買収を通じてMASHや希少血液疾患領域へのパイプライン拡充を進めており、収益性の一時的な落ち込みと引き換えに将来の成長領域への布石を打っている構図が浮かび上がる。
今後の見どころ
今後の焦点は、縮小された通期ガイダンス(売上高成長率CERベース8〜11%、営業利益成長率同4〜7%)が実際にどこまで達成されるか、そして米国におけるWegovyの複製調剤問題や保険適用範囲の変化がどう推移するかにある。2026年に向けては、Akero買収に伴う研究開発費増加が営業利益成長率に約3ポイントの押し下げ影響を与える見込みであることも明記されている。
また、11月14日に予定される臨時株主総会での取締役会メンバー刷新も、経営体制の連続性という観点で注視すべき材料だ。会長交代を含む大幅な役員刷新が提案されており、組織改革と経営体制の変化が同時進行する局面にあることは念頭に置きたい。
出典
これより前の決算を表示(3期分)
2025:Q2 2025/08/06 発表(寄り前)
- 発表翌営業日-3.90%寄付 -2.65%
- 5営業日+5.42%
NVO 2025年Q2決算:増収増益でも通期見通しは下方修正、GLP-1減速の現実が浮き彫りに
本決算のポイント
ノボ ノルディスクの2025年上半期は、売上高が前年同期比16%増(為替一定ベースで18%増)の1549.4億デンマーククローネ、営業利益は25%増(同29%増)の722.4億デンマーククローネと、表面上は好調な数字が並んだ。純利益も22%増の555.4億デンマーククローネに達し、希薄化後1株当たり利益は12.49デンマーククローネと23%伸びている。
牽引役は肥満症治療薬事業で、Wegovyを中心に売上高が56%増(為替一定ベースで58%増)の388.0億デンマーククローネとなった。
一方でGLP-1糖尿病薬(Ozempicなど)の伸びは8%増(同10%増)にとどまり、米国事業の伸びには前年の会計調整に伴う一時的な押し上げ(第2四半期だけで約30億デンマーククローネの340B条項関連調整を含む)が含まれている点には注意が要る。
ただし今回の決算で最も重い意味を持つのは、会社が通期の売上成長率見通しを為替一定ベースで13〜21%から8〜14%へ、営業利益成長率見通しも16〜24%から10〜16%へ引き下げたことだ。米国の肥満症市場や糖尿病GLP-1市場での成長鈍化、一部海外市場でのWegovy成長鈍化が理由として挙げられており、増収増益の裏で成長ストーリーの前提が揺らぎ始めている。
抑えておくべきKPI
- 売上高: 1549.4億デンマーククローネ(前年同期比16%増、為替一定ベースで18%増)
- 営業利益: 722.4億デンマーククローネ(前年同期比25%増、為替一定ベースで29%増)、営業利益率46.6%
- 肥満症治療薬(Obesity care)売上高: 388.0億デンマーククローネ(前年同期比56%増、為替一定ベースで58%増)
- フリーキャッシュフロー: 335.7億デンマーククローネ(前年同期の413.1億デンマーククローネから19%減)
投資家目線のインサイト
今回の決算で注目すべきは、好調な実績数値と裏腹に会社自身が下半期の成長鈍化を認めた点だ。特に米国でのWegovy処方が想定より伸びず、違法な複合調剤GLP-1薬(compounded GLP-1s)の流通が是正されないまま市場浸透を妨げている実態が明らかになった。NovoCare Pharmacyを通じた直販チャネルの週間処方数はまだ1万件程度と、小売現金チャネルの1.7万件と合わせても市場全体からすれば限定的な規模にとどまる。
米国事業の伸びには340B条項に関する引当金の見直し(前年からの調整で約30億デンマーククローネの押し上げ)が含まれており、実力ベースの成長率は表面上の数字よりも緩やかである可能性がある。また研究開発費は前年のオセデュレノン減損(57億デンマーククローネ)の反動で減少しているため、費用面の改善も一時的な要因を含む。
一方でCEO交代(マイク・ドゥスタが8月7日付で就任)や研究開発部門の統合など経営体制の刷新も同時に発表されており、会社としては成長鈍化への対応と組織の立て直しを同時に進めている段階にあると言える。ローライドとしては、フリーキャッシュフロー見通しも従来の560〜660億デンマーククローネから350〜450億デンマーククローネへ大きく引き下げられており、投資家は現金創出力の低下も併せて注視する必要がある。
今後の見どころ
次回決算では、下半期のWegovy処方動向と、違法複合調剤薬に対する規制当局の対応がどこまで進展するかが最大の焦点になる。会社はWegovyのMASH適応に関する規制判断が2025年第3四半期中に見込まれるとしており、これが承認されれば新たな需要創出につながる可能性がある。
また新CEOマイク・ドゥスタ体制のもとで、商業実行力の立て直しとコスト効率化がどう具体化するかも注目点だ。CVSの全国処方リストでWegovyが唯一のGLP-1薬として採用された効果が今後の四半期にどれだけ数字に表れるかも、成長見通し達成の試金石となる。
出典
2024:Q3 2024/11/06 発表(寄り前)
- 発表翌営業日-4.33%寄付 -1.69%
- 5営業日-2.79%
ノボ・ノルディスク(NVO)の2024年度Q3決算サマリー
売上高と収益
- 売上高: 2024年1月から9月までの総売上高は2,047億デンマーククローネ(DKK)、前年同期比で23%増加(一定為替レートで24%増)。売上の増加は糖尿病および肥満治療薬の需要拡大が主な要因。
- 営業利益: 916億DKK、前年同期比で21%増(一定為替レートで22%増)。
- 純利益: 727億DKK、前年同期比18%増加。
事業ハイライト
- 糖尿病および肥満ケア部門: 糖尿病および肥満治療薬の売上は1,918億DKKで、前年同期比26%増加。特にGLP-1系糖尿病治療薬および肥満治療薬「Wegovy」の成長が顕著であり、肥満ケア製品の売上は44%増。
- 希少疾患部門: 希少疾患治療薬の売上は129億DKKで、前年同期比3%増加。
地域別売上
- 北米市場: 売上は1,228億DKKで、前年同期比31%増加。特に米国での売上増が顕著。
- 国際市場: 売上は819億DKK、前年同期比15%増加。EMEA(ヨーロッパ・中東・アフリカ)、中国、その他の地域が売上成長に寄与。
キャッシュフロー
- 営業キャッシュフロー: 1086億DKKで前年同期比9%増加。フリーキャッシュフローは718億DKKで、前年同期比5%減少。これは設備投資の増加が影響。
- 配当と株主還元: 568億DKKを株主に還元。内訳は127億DKKの株式買い戻しおよび441億DKKの配当。
将来ガイダンス
- 売上成長率: 2024年通年の売上成長率は23〜27%と予測(一定為替レートベース)。
- 営業利益成長率: 21〜27%の成長を見込む。糖尿病および肥満治療薬の市場拡大を背景とした成長を期待。
- 設備投資: 約450億DKKを予定し、製造能力の強化を図る計画。
ノボノルディスクは今後も肥満および糖尿病治療薬の市場シェアを拡大し、持続可能な成長基盤を確保する方針である。
2024:Q2 2024/08/07 発表(寄り前)
- 発表翌営業日-8.37%寄付 -5.71%
- 5営業日+2.65%
ノボ・ノルディスク(NVO)の2024年度Q2決算サマリー
- 売上高: 680億6,000万デンマーククローネ(DKK)、前年同期比25%増加。
- 営業利益: 259億3,400万DKK、前年同期比9%増加。これはオセデュレノンに関連する57億DKKの減損損失の影響を受けた。
- 純利益: 200億5,000万DKK、前年同期比3%増加。
- 希薄化後一株当たり利益(EPS): 4.49DKK、前年同期比4%増加。
地域別売上
- 北米事業: 売上は36%増加し、409億3,000万DKKを記録。
米国: 売上は39%増加し、384億4,000万DKK。
– 国際事業: 売上は11%増加し、271億3,000万DKK。
EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ): 売上は13%増加し、145億8,100万DKK。
中国: 売上は13%増加し、49億6,300万DKK。
その他の地域: 売上は6%増加し、75億8,600万DKK。
製品別売上
- 糖尿病および肥満治療薬:
GLP-1糖尿病治療薬の売上は32%増加し、720億1,700万DKK。
Wegovy®(肥満治療薬): 売上は74%増加し、210億3,600万DKK。
– インスリン: 売上は10%増加し、269億7,700万DKK。
– 希少疾患治療薬: 売上は3%減少し、83億6,000万DKK。
研究開発と新製品
- Mim8(血友病A向け): フェーズ3試験(FRONTIER 2)が成功し、治療された出血エピソードの有意な減少を示した。
- Ocedurenone: CLARION-CKDフェーズ3試験が主要評価項目を満たさなかったため中止された。
- Wegovy®: 欧州連合における心血管リスク低減を反映したラベル更新のためのポジティブなCHMP意見を受け取った。
今後の見通し
- 2024年通年売上成長率: 22%から28%(CERベース)を見込んでおり、デンマーククローネでの報告は1パーセントポイント低くなると予測。
- 営業利益成長率: 20%から28%(CERベース)を予測。
ノボ・ノルディスクは、第2四半期において堅調な業績を維持し、特にGLP-1ベースの糖尿病および肥満治療薬の売上が大きく伸びている。今後も研究開発と市場拡大を通じて成長を続けることが期待される。
