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保険が主役?バークシャーの一手で資金の矛先が変わる—UNH急騰と「安心材料」への回帰(2025.08.15)

保険が主役?バークシャーの一手で資金の矛先が変わる—UNH急騰と「安心材料」への回帰(2025.08.15)市場分析

このマクロ市場分析は、私(@mifsee)が米国市場への投資判断に際し、日々のマクロ環境を俯瞰的に捉えるための個人的な学習記録としてアウトプットしているものです。内容には誤りや実際の状況と異なる点を含む可能性があります。あらかじめご了承のうえ、ご覧ください。

注目の上昇銘柄(ウォッチリストから)

ウォッチリスト(2025/08/15 終値ベース)

名柄終値変動率テーマインサイト
UNH(ユナイテッドヘルス)304.01+11.98%ヘルスケア保険バークシャー新規保有開示による見直し買い
FSLR(ファースト・ソーラー)199.95+11.05%太陽光パネルSunrun好決算の波及によるクリーンエネ物色
NU(ヌー・ホールディングス)13.10+9.08%ラテン米デジタル銀行Q2純利益+42%・売上+40%の好決算評価
LYFT(リフト)15.82+8.21%ライドシェア創業者の取締役退任と議決権一本化でガバナンス改善期待
ZETA(ゼータ・グローバル)19.13+7.41%AIマーケ/広告SaaSQ2ビート・ガイダンス引き上げ後のモメンタム継続
OSCR(オスカー・ヘルス)15.64+6.54%デジタル保険・ACAUNHの上昇を手がかりに見直し買いか

個人的所管

健康保険セクター主導の1日。UNHの急騰(バークシャーの新規保有開示)が指数を押し上げ、保険同業にも買いが波及(OSCRなど)。ダウは一時年初来高値に到達し、テック主導からディフェンシブ色へのローテーションを感じる地合い。

テーマ面ではクリーンエネルギーが強く、Sunrunの好決算を起点に連想買いが広がりFSLRが上位に登場。個別材料起点のセクター物色の様子。

ファンダメンタルでは決算ドリブンが目立つ。NUはQ2で売上・利益とも高成長を維持し素直に評価。ZETAは「ビート&レイズ」後のモメンタム継続で、決算後のトレンド追随型の買い。

イベント系では、LYFTのガバナンス強化(創業者の取締役退任と議決権一本化)が株価押上げ要因。構造的な需給改善期待が意識されたとみる。

総じて、大型の安心材料(UNH)と決算の明暗(NU/ZETA/Sunrun)に素直に反応した1日。テックの一角が弱含む中(半導体装置関連の調整)、資金がニュース確度の高いテーマに回った印象。

市場インサイト

【分析日】2025/08/15

全体ムード

米株はダウ小幅高・S&P500/ナスダック反落で「ヘルスケア↑、半導体製造装置↓」のローテーション色が濃い一日であった。欧州はSTOXX600が小反落、日本は日経が大幅高で週末にかけたリスク選好が残存した。

金利は米独日ともに上昇でカーブはやや弱含み、為替はドル安気味(ユーロ高・円高小幅)であった。コモディティは原油が反落、天然ガスは続伸、貴金属は小動きである。

地政学(米露会談)と9月利下げ観測の綱引きの中、テーマは「景気耐性セクターと金利敏感資産の分離」である。

指数終値前日比背景
ダウ44,946.12+34.86 (+0.08%)ヘルスケア主導で底堅い。
S&P5006,449.80-18.74 (-0.29%)金利上昇下でグロース軟調。
ナスダック21,622.98-87.69 (-0.40%)半導体製造装置に売りが波及。
日経22543,378.31+729.05 (+1.71%)大型・半導体株の買い戻し優勢。
STOXX600553.56-0.31 (-0.06%)原油安と米先行き不透明感で様子見。

債券

10年利回り前日比(bp)コメント
米国4.33 %+4小売等のミックスデータでも利下げ時期に不確実性残り上振れ。
ドイツ2.79 %+8米金利高とPMI前のポジション調整で連れ高。
日本1.56 %+2長期ゾーンに売り、レンジ上限付近の攻防。

為替

  • USD/JPY 147.17(-0.40%):ドル軟調優位で小幅に円高である。
  • EUR/USD 1.1704(+0.48%):米金利上昇でもドル安が勝りユーロ反発である。
  • USD/CNY 7.1803(+0.08%):当局の安定志向を映し小幅高止まりである。

コモディティ

品目終値前日比ドライバー
WTI原油$62.80/bbl-1.81%会談期待と需給観測で戻り売り。
Brent原油$65.85/bbl-1.48%前日の切り返し後に反落。
天然ガス$2.92/MMBtu+2.64%需要見通し改善とテクニカル買い。
金(現物)$3,329.40/oz-0.02%金利上昇でも地政学で底堅い。
$38.00/oz-0.03%金連動の小動き。
$4.48870/lb-0.03%中国需要/在庫思惑で方向感薄い。

クリプト

  • ビットコイン $117,356.30(-0.81%):週末前のリスク調整で上値重い。
  • イーサリアム $4,440.05(-2.36%):直近の上昇の反動で下げが相対的に大きい。

マクロイベント焦点(今後3–4営業日)

  • 08/20(水)FOMC議事要旨(7月):9月利下げの手掛かり探し。
  • 08/21(木)グローバルPMI速報(米・欧・英):成長減速の度合いと価格指数に焦点。
  • 08/21–23(木–土)ジャクソンホール:パウエル講演の政策シグナル。
  • 08/22(金)日本・全国CPI(7月):基調インフレの鈍化度合いとBOJスタンス確認。

インサイトまとめ

  • クリプト:BTCは押し目拾い、ETHは軽めのスタンスが無難。
  • 株式:短期はヘルスケア↗/半導体製造装置↘の相対トレードが有利かも。米利下げ時期不確実の下、金利感応度の高いメガグロースは押し目限定の印象。
  • 債券:米10年は4.3%台前半で上値重い。デュレーション中立~やや長めでイベント(FOMC議事要旨/JH)通過待ちが妥当。
  • 為替ドル安バイアス継続ならEURロング/JPYはイベントリスク管理でスイング対応が良さげ。
  • コモディティ:原油は戻り売り優勢、ガスはショートカバー一巡待ち。金は下値買い、上値は段階利食いが良さげ。
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