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パウエル議長利下げ示唆で全面高、現物裏付けテーマ「ソーラー・ウラン・防衛」が躍動(2025.08.22)

パウエル議長利下げ示唆で全面高、現物裏付けテーマ「ソーラー・ウラン・防衛」が躍動(2025.08.22)市場分析

このマクロ市場分析は、私(@mifsee)が米国市場への投資判断に際し、日々のマクロ環境を俯瞰的に捉えるための個人的な学習記録としてアウトプットしているものです。内容には誤りや実際の状況と異なる点を含む可能性があります。あらかじめご了承のうえ、ご覧ください。

注目の上昇銘柄(ウォッチリストから)

ウォッチリスト(2025/08/22 終値ベース)

名柄終値変動率テーマインサイト
ONDS(オンダス・ホールディングス)4.49+18.16%産業ドローン・対UAS前日、AiroboticsのIron Drone対UASで$2.7M受注発表
MNTS(モーメンタス)1.45+13.28%宇宙輸送・軌道サービスNASAとの契約報告後の調整一服
UUUU(エナジー・フューエルズ)10.58+12.55%ウラン・重希土White MesaでDy酸化物99.9%生産初成功を発表
CRML(クリティカル・メタルズ)6.55+11.58%レアアース開発リチウム関連の強い相場継続
ENPH(エンフェーズ・エナジー)38.18+10.41%太陽光パワエレ利下げ示唆で金利敏感のソーラー買い(資金調達コスト低下)
UEC(ウラニウム・エナジー)10.53+9.46%ウラン採掘カザトムプロムが2026年生産削減公表でウラン株物色
OSCR(オスカー・ヘルス)16.80+8.95%デジタル保険・ACAHy-VeeとのICHRA雇用者プラン発表後の物色継続か

個人的所感

マクロ主導のリスクオン。ジャクソンホールでのパウエル議長の利下げ示唆が広く株式を押し上げ、テーマ需要をベースに金利敏感の太陽光関連(ENPH)が大幅高。市場全体の地合い改善が個別材料株の上昇を後押しした印象。

ウラン・レアアースの資源テーマが強い。カザトムプロムが2026年の生産削減を公表し、UECなどウラン株に買いが波及。加えてエナジー・フューエルズがDy酸化物99.9%生産を発表し、自社材料でUUUUが急伸。資源供給タイト化と米国内サプライチェーン強化という二つのポジティブが重なった格好。

防衛テックの個別材料も目立つ。ONDSは対UASシステムの$2.7M受注で続伸。ドローン・宇宙(MNTS)は短期資金の回転色が強く、明確材料に乏しい銘柄もありボラタイル。

ヘルスケアではOSCRがHy-VeeとのICHRAプラン発表後のモメンタム継続。全体としては、利下げ思惑×供給サイドのニュースに反応したテーマ物色の傾向。

市場インサイト

【分析日】2025/08/22

全体ムード

米株はパウエル講演の「9月利下げ示唆」で全面高、ダウは年初来初の終値最高値。米長期金利は低下、ドルは広く軟化し、金は高値圏・原油は小反発で週末を迎えた(米10年4.26%へ低下、DXY軟化)。

テック主導だがバリュー/中小型・金融も買い直しが入り、利下げ感応度の高いセクターが幅広く上昇。欧州は引けにかけ上げ幅拡大、日本株は小動で米先導待ちの色。

債券は米独低下・JGBは微上昇で利回り収斂の気配、為替は円高・ユーロ高・人民元ややまちまち。コモディティは原油小幅高・貴金属堅調・ガス軟化。

暗号資産はイーサの大幅高(史上高値圏)でセンチメント改善。
鍵は「インフレ」から労働市場の下振れリスクへと政策の焦点が移り、市場のリスク許容度を押し上げた格好。

エクイティ

指数終値前日比背景
ダウ45,631.74+846.24 (+1.89%)パウエル講演で9月利下げ観測が強まり景気敏感・金融に買い、年初来初の終値最高値更新。
S&P5006,466.91+96.74 (+1.52%)大型テックと利下げ恩恵セクターが並走上昇、広い銘柄に資金流入。
ナスダック21,496.53+396.22 (+1.88%)AI関連の戻りに加えグロース全般が買い直し。
日経22542,633.29+23.12 (+0.05%)米イベント待ちで小動、長期金利小幅上昇と円高が上値を抑制。
STOXX600561.30+2.23 (+0.40%)欧州もパウエル発言後に上げ幅拡大し5カ月ぶり高値圏、週足も続伸。

債券

10年利回り前日比(bp)コメント
米国4.26 %-7パウエルのハト派寄りトーンでカーブ全体が低下。
ドイツ2.72 %-3欧州株高の中でも安全資産需要と米金利低下が波及。
日本1.62 %+1政策正常化観測持続でJGBはじり高。

為替

  • USD/JPY 146.92(-0.99%):米金利低下とリスクオンでキャリー巻き戻し気味、円買い優勢。
  • EUR/USD 1.1717(+0.96%):米利下げ観測でドル安、欧州株高もユーロ支援。
  • USD/CNY 7.1806(+0.07%):オンショアは小動き、政策スタンス見極めで方向感は乏しい。

コモディティ

品目終値前日比ドライバー
WTI原油$63.66/bbl+0.22%パウエル講演後の需給懸念後退で小反発、週足は3週ぶり上昇。
Brent原油$67.73/bbl+0.09%同様に小幅続伸。
天然ガス$2.69/MMBtu-4.67%前日比安、在庫・天候要因で弱含みの週。
金(現物)$3,371.09/oz+0.95%米金利低下とドル安で安全資産需要が強含み。
$38.10/oz+0.18%金連れ高で堅調。
$4.44750/lb+0.36%リスクオンでベアセンチメント後退。

クリプト

  • ビットコイン $116,617.42(+3.74%):利下げ思惑でリスク資産回帰、短期的に株・金と同時高の相関強化。
  • イーサリアム $4,828.70(+14.34%):金利低下観測とオンチェーン需要観測で急伸、史上高値圏で終値を付けた。

マクロイベント焦点(今後3–4営業日)

  • 2025/08/26(火) 米・耐久財受注(7月)—資本財コアの減速/持ち直しが見極めどころ。
  • 2025/08/26(火) 米・コンファレンスボード消費者信頼感(8月)—労働市場評価の軟化度合いに注目。
  • 2025/08/27(水) NVIDIA決算(FY26/Q2)—AI投資持続性と中国向け動向が銘柄・指数の短期ドライバー。
  • 2025/08/28(木) 米・GDP改定値(Q2)/ 2025/08/29 米・個人所得・個人支出(7月、PCE含む)—9月利下げの「最後のピース」を占う。

インサイトまとめ

  • 金利低下×ドル安×リスクオンの組合せが株・金・一部コモディティを同時に押し上げた日であり、短期は株式オーバーウェイト継続・債券デュレーションやや長めが妥当か。
  • 円高進行で日本株の外需大型は戻り鈍化の恐れ、イベント通過までは内需ディフェンシブとバリューのバランサー配分が有効。
  • コアイベント(耐久財・消費者信頼感・PCE)までは長期金利の戻り売り/株の押し目買いを基本戦術とするが、労働指標の悪化が強まる場合はリスク資産のボラ拡大に注意が必要。
  • クリプトはイーサ主導の上昇でテールリスク(規制・流動性)も増大、利益確定と分散を前提に比重は機動的に調整すべき局面の様子。
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