この記事は、私(@mifsee)が個人的に勉強しながら米国投資を行っており、そのための調査した内容をアウトプットしたものです。
あくまでも個人の記録のため、内容には、一部間違いや事実と異なる点が含まれている場合があるかもしれません。ご覧になる場合は予めご了承ください。
- はじめに
- ウラニウムエナジー(UEC)はどのような企業ですか?
- ウラニウムエナジー(UEC)の主な事業内容は何?
- そもそも「ウラン」とはどのようなもの?
- In-Situ Recovery (ISR) プロジェクトとは具体的にどのようなもの?
- なぜ今、ウラン市場が注目されている?
- 米バイデン政権が原子力を推進している理由は?
- アメリカの原子力政策は?
- ウランの市場規模はどれくらい?将来性は?
- ウランの価格推移は?
- ウラニウムエナジー(UEC)の競合企業は?
- ウラニウムエナジー(UEC)の配当は?
- ウラニウムエナジー(UEC)のセクター、業種、属するテーマは?
- ウラニウムエナジー(UEC)の重要なニュース、トピックは?
- テラパワー社とのウラン供給の可能性を探る覚書(MOU)を締結とはどのようなこと?
- ウラニウムエナジー(UEC)の現在株価
- ウラン関連に投資できるETFは?
- ウラニウムエナジー(UEC)の今後の展開と将来性は?
- 生成AIの電力需要とウラン市場を取り巻くトピックは?
- ウラニウムエナジー(UEC)の株を買える証券会社は?
- まとめ
はじめに
現在、密かにウラン市場が活発化しており、業界内外からの注目を集めています。
私自身は、エネルギーセクターに深い関心を持ち、原油やLPガスの需要動向、グリーンメタノールやブルーアンモニア、次世代バッテリー技術として期待される全固体電池(クアンタム・スケープ:QS)、さらには核融合発電のような新しいエネルギー源の可能性について調査し記事を公開しています。
その中で、ウラン市場の動向を知り、非常に興味を持ったため、深掘り下げて調査をしてみたいと思います。
気候変動への対応としてのクリーンエネルギーへの需要増加、そして生成AIの普及に伴う電力需要の急増により、原子力エネルギーが再び脚光を浴びています。
ウラン市場とウラン鉱業に関連する企業の動向は、この変化するエネルギー風景の中で特に注目に値します。
一見地味で注目されにくい分野かもしれませんが、ウラン関連銘柄としてウラン鉱業および探査分野で活躍するウラニウムエナジー(Uranium Energy Corp, UEC)に焦点を当て、その銘柄分析とウラン市場の将来性について調査を行いたいと思います。
ウラニウムエナジー(UEC)はどのような企業ですか?
ウラニウムエナジー(Uranium Energy Corp, UEC)は、アメリカ合衆国を拠点とするウラン採掘会社。
ウラン探査、開発、鉱業の主要な側面において優れた実績を持つ専門家によって管理されている。
会社概要
- 会社名:Uranium Energy Corp(ウラニウム・エナジー)
- 設立年: 2003年
- 本社所在地:テキサス州 コーパス・クリスティ
- 創業者:アミール・アドナニ (CEO)
ウラニウムエナジー(UEC)の主な事業内容は何?
ウラニウムエナジー(UEC)の主な事業内容は以下の通り。
ウラン鉱業と探査
UECはウランの探査、開発、鉱業に焦点を当てた事業を行っている。
新しいウラン鉱床の探査から、既存の鉱床の開発、ウランの採掘に至るまでの一連のプロセスを行う。
In-Situ Recovery (ISR) プロジェクト
UECは、環境に優しいIn-Situ Recovery(現地回収)技術を使用してウランを採掘するプロジェクトを推進している。
この技術は、従来の鉱山掘削よりも環境への影響が少ないとされている。
生産準備完了のISRハブとスポークプラットフォーム
UECはテキサス州南部とワイオミング州に生産準備完了のISRハブ(ウラン処理施設)とスポークプラットフォーム(ウラン採掘現場)を持ち、完全にライセンスされ稼働中の中央処理プラントによって支えられている。
この「ハブとスポーク」のモデルは、ウラン採掘の効率を高め、大きなコスト削減が見込める。
物理的ウランポートフォリオの保有
UECは、アメリカ国内に保管されている大量の物理的ウランポートフォリオを持っている。
ウランロイヤルティコープへの投資
UECはウランロイヤルティコープ(ウラン関連の資産を持つ企業からロイヤルティ収入を得ることを目的とした会社)に主要な株式持分を持っており、これによりウランセクターのロイヤルティ収入にアクセスしています。
リソース段階のウランプロジェクト
UECは、開発段階にある複数のウランプロジェクトを持っており、これらのプロジェクトは将来の生産拡大のための潜在的なリソースを提供する。
これらの事業活動を通じて、ウラニウムエナジー(UEC)は低炭素未来への移行を支えるクリーンエネルギーの供給元として位置づけられている。
そもそも「ウラン」とはどのようなもの?
ウランは、以下の特徴を持つ化学元素です。
- 化学的性質:ウランは元素記号Uで表され、原子番号92の放射性元素。
自然界に存在するウランは主に「ウラン-238」と「ウラン-235」の二つの同位体で構成されている。 - 放射性:ウランは自然放射性元素であり、その原子核は不安定で時間とともに崩壊する。この過程で放射線を放出し、他の元素に変化する。
- 物理的特性:純粋なウランは銀白色の金属で、非常に重く、密度が高い。また、比較的軟らかく、容易に加工できる。
- 用途:ウランの主な用途は核燃料。特に「ウラン-235」は核分裂を起こしやすいため、原子力発電所でのエネルギー生成に利用される。
核分裂により大量のエネルギーが放出され、これを利用して電力を生成する。 - 採掘と精製:ウランは地球の地殻に広く分布しており、鉱石から採掘される。採掘されたウラン鉱石は精製され、ウランの濃縮プロセスを経て核燃料として使用される品質にまで高められる。
- 核兵器への利用:ウランは核兵器の製造にも使用されることがある。特に高濃縮ウランは核分裂反応を引き起こす能力が高いため、核兵器の材料として利用されることがある。
- 環境への影響:ウランの採掘、加工、使用には環境への影響が伴う。特に放射性廃棄物の管理は、環境保護と公衆衛生の観点から重要な課題となる。
ウランはその特有の化学的および物理的性質から、エネルギー産業や軍事産業で重要な役割を果たしている。
In-Situ Recovery (ISR) プロジェクトとは具体的にどのようなもの?
In-Situ Recovery(ISR)プロジェクトは、ウラン鉱業における一般的な採掘方法の一つで、以下のような特徴を持つ。
- 採掘方法: ISRは、従来の鉱山掘削とは異なり、地下のウラン鉱床に直接作用する方法。このプロセスでは、ウランを含む地下水層に溶液(通常は酸化剤と水の混合物)を注入し、ウランを溶解させる。
- ウランの回収:溶解したウランは溶液とともに地表にポンプで引き上げられ、そこでウランを抽出・精製する。この方法では、ウランを地下で直接溶解させるため、大規模な地表の掘削や鉱石の運搬が不要になる。
- 環境への影響: ISRは、従来の採掘方法に比べて環境への影響が少ないとされる。大規模な地形の変更や廃棄物の生成が少なく、地下水への影響も管理しやすいため、環境保護の観点から好まれる方法。
- コスト効率: ISRはコスト効率が高いとされている。大規模な採掘設備や鉱石の処理設備が不要であるため、設備投資や運用コストが従来の採掘方法に比べて低く抑えられる。
- 適用性: ただし、ISRはすべてのウラン鉱床に適用できるわけではない。この方法は、特定の地質学的条件(例えば、透水性のある地層や特定の化学組成を持つ鉱床)を持つ場所でのみ効果的となる。
ウラニウムエナジー(UEC)は、ISR技術を利用して、より環境に優しく、コスト効率の高いウラン採掘を目指している。
なぜ今、ウラン市場が注目されている?
現在、ウラン市場が注目されている理由は以下の通り。
- ウランの豊富な供給: ウランは地球の地殻に広く分布しており、経済的な濃度のウラン鉱床は珍しくない。世界の既知のウラン資源は、過去10年間で少なくとも四分の一増加している。
- エネルギー需要の増加:世界的なエネルギー需要は増加の一途をたどっており、特にChatGPTをはじめとするAI技術の進展により、企業の電力消費は著しく増加している。加えて、クリーンエネルギーへの移行が進む中で、ウランに対する需要も高まっている。
原子力発電は、その低炭素かつ持続可能な特性から、重要なエネルギー源として注目されている。 - 気候変動への対応:気候変動に対する国際的な取り組みの一環として、多くの国が原子力エネルギーを再評価している。
原子力は、化石燃料に比べてCO2排出量が少ないため、地球温暖化対策の一環として重要視されている。 - 技術の進歩: 原子力発電技術の進歩により、より効率的で安全な原子炉の開発が進んでいる。また小型モジュール原子炉(SMR)と呼ばれる次世代原発は新しいエネルギー技術として期待されており、これにより、原子力発電への投資が増加し、ウラン市場への関心が高まっている。
- 政治的・経済的要因:一部の国々では、エネルギー安全保障の観点からウランの国内供給に注目が集まっている。また、ウラン市場は価格の変動や供給の不確実性に影響されることがあり、これが市場への関心を高めている。
これらの要因により、ウラン市場は現在、多くの投資家や政策立案者から注目されており、今後もその重要性が増すと予想される。
米バイデン政権が原子力を推進している理由は?
バイデン政権が原子力を推進している理由は、以下。
- 気候変動への対応:バイデン政権は、気候変動に対処するための重要な戦略として、クリーンエネルギー源の活用を推進している。原子力発電は、化石燃料に比べてCO2排出量が非常に少ないため、気候変動対策の一環として重要視されている。
- エネルギー安全保障の強化:原子力発電は、国内エネルギー供給の多様化を促進し、エネルギー安全保障を強化する手段としても機能する。これにより、エネルギーの自給自足率を高め、外部からのエネルギー依存を減らすことができる。
- 経済的成長と雇用創出:原子力産業の発展は、技術革新、インフラ投資、高度な技術職の創出を通じて、経済成長と雇用創出に貢献する。
- 持続可能なエネルギー供給:原子力は、風力や太陽光発電と異なり、天候や時間帯に左右されずに安定したエネルギー供給を提供できるため、持続可能なエネルギーシステムの構築に貢献する。
- 技術革新の推進:小型モジュラー炉(SMR)などの新しい原子力技術の開発と導入は、より安全で効率的な原子力発電の実現を目指しており、原子力の利用をより広範囲に拡大することが可能になる。
これらの要因により、バイデン政権は原子力エネルギーを、持続可能でクリーンなエネルギー源として積極的に推進している。
アメリカの原子力政策は?
米バイデン政権の具体的な原子力政策は以下。
- 既存原子力発電所の維持:既存の原子力発電所の運用を継続し、安全性を確保しながら、これらの施設からのクリーンエネルギー供給を維持することに重点を置いている。
- 新しい原子力技術の開発と導入:小型モジュラー炉(SMR)などの新しい原子力技術の開発と商業化を支援し、これらの技術を通じてより安全で効率的な原子力発電の実現を目指している。
- 研究開発への投資:原子力技術の研究開発に資金を提供し、イノベーションを促進することで、原子力産業の進化を支援している。
- 国際協力の強化:原子力の平和利用に関する国際的な協力を強化し、核拡散防止と安全基準の向上に努めている。
- 気候変動対策への貢献:原子力をクリーンエネルギー源として位置づけ、気候変動対策の一環としてその利用を推進している。
- 規制環境の改善:原子力発電に関する規制環境を見直し、効率化と合理化を図ることで、新しい原子力プロジェクトの実現を容易にしている。
- 原子力産業の雇用創出:原子力産業の発展を通じて、高度な技術職を含む新たな雇用機会を創出し、経済成長に貢献している。
これらの政策は、バイデン政権が目指す持続可能でクリーンなエネルギーの未来に向けた取り組みの一環として位置づけられている。
ウランの市場規模はどれくらい?将来性は?
ウラン市場の規模や成長率は以下のとおり。
- 成長率:ウラン市場は、2022年から2027年の間に、年平均成長率(CAGR)7.06%で成長すると予測されている。
- 市場規模の増加:この期間中にウラン市場は約16億5万米ドルの増加が見込まれている。
- 主要な推進要因:ウランの核兵器への採用の増加が市場成長の主要な要因となっている。世界各国の政府は核兵器の戦略的重要性を認識しており、ウランはこれらの兵器の重要な構成要素として利用されている。
- 地域的な貢献:ヨーロッパは予測期間中にグローバル市場成長の36%を占めると推定されている。また、北米もこの地域で顕著な成長を遂げている。
これらのデータは、ウラン市場が今後数年間で安定した成長を遂げることを示しており、特にエネルギーセクターにおけるウランの需要増加がその成長を牽引すると予想されている。
ウランの価格推移は?
- 最近の価格動向:ウランの価格は、2024年時点で1ポンドあたり100ドルを超え、2008年1月以来の最高値を記録している。これは、福島原発災害前の水準を超える。
- 2011年に起きた日本の福島第一原発の災害の結果、ウランの後退が長引き、原発開発計画は世界中で棚上げとなり、価格は長期に渡って下落。しかし10年が経過し、気候変動政策や炭素排出量規制が諸国家の優先課題となり需要が好転。
- 価格上昇の背景:価格上昇の背景には、高い需要と供給リスクの増加がある。アメリカ下院がロシアからの核燃料の輸入を禁止する法案を可決したことが、供給リスクを増大させている。ロシアは濃縮ウランの世界最大の生産国であり、アメリカの最大の供給国。
- 供給リスク:ニジェールの軍事クーデターやカナダの生産量低下など、他の地域からの供給リスクも加わっている。
- 需要の増加:化石燃料の価格変動と脱炭素化の目標により、各国は既存の発電所の寿命を延ばし、新しいプラントへの投資を増やしている。特に中国は、今後10年間に32基の原子炉を建設する計画を発表している。
- 市場の見通し:これらの要因により、ウラン市場は活発な需要と供給の動きを見せており、今後も価格の変動が予想されている。
ウラン市場は、原子力発電の需要、国際的な政治経済状況、および環境政策などによって大きく影響を受けるため、これらの要因を注視することが重要。
ウラニウムエナジー(UEC)の競合企業は?
ウラン生産におけるウラニウムエナジー(UEC)の主要な主な競合企業は以下。
- カメコ(Cameco Corporation)【CCJ】:
カナダに本拠を置く世界最大級のウラン生産企業の一つ。 - カザトムプロム(Kazatomprom) 【KAP】:
カザフスタンの国営ウラン会社で、世界最大のウラン生産者の一つ。 - オラノ(Orano)【非公開企業】:
フランスの多国籍企業で、ウラン鉱業、濃縮、および核燃料のリサイクルに関与。 - パラディンエナジー(Paladin Energy)【PDN 】:
オーストラリアに本拠を置くウラン生産企業で、アフリカにも事業を展開。 - デニソンマインズ(Denison Mines)【DNN】:
カナダのウラン探査および開発会社で、アサバスカ盆地でのプロジェクトが注目されている。
これらの企業は、ウラン市場においてUECと競合関係にあり、それぞれが独自の戦略と市場ポジションを持っている。
ウラン市場は、国際的な政治経済状況、原子力エネルギーの需要、および環境政策などによって影響を受けるため、これらの企業の動向を注視することも重要。
ウラニウムエナジー(UEC)の配当は?
ウラニウムエナジー(UEC)は配当を支払っていない。
一般的に、ウラン鉱業や探査会社は、しばしば再投資や事業拡大に焦点を当てており、利益を配当として株主に還元するよりも、事業の成長や開発に資金を使用することが多い。
ウラニウムエナジー(UEC)のセクター、業種、属するテーマは?
セクター
- UECは、「基本材料セクター」に分類される。このセクターには、原材料を採掘、加工、および販売する企業が含まれる。
業種
- UECの主要な業種は「金属および鉱業」。
金属やその他の鉱物資源の探査、採掘、精製、および販売を行う企業が含まれる。UECは、ウランの探査と採掘に特化しているため、この業種に分類されます。
属するテーマ
- エネルギー:UECは、原子力発電に必要なウランを供給することで、エネルギーセクターに貢献している。
- クリーンテック: 原子力エネルギーは、化石燃料に比べてCO2排出量が少ないため、クリーンテック(環境に優しい技術)の一環と見なされるこ。
- 持続可能性:原子力エネルギーは、再生可能エネルギー源と並んで、持続可能なエネルギー供給の選択肢として注目されている。
ウラニウムエナジー(UEC)の重要なニュース、トピックは?
ウラニウムエナジーに関する重要なニュースとホットなトピックは以下。
- COP28での特集とネットゼロ核産業への誓約の支持 (2023年12月8日):UECがCOP28で特集され、ネットゼロ核産業への誓約を支持しました。
- テラパワー社との国内ウラン燃料供給に関するMOUの発表 (2023年11月30日): テラパワー(TerraPower)とUECがナトリウム炉の国内ウラン燃料供給に関して協力するための覚書(MOU)を発表。
- アルト・パラナ・チタニウムプロジェクトの初期評価と経済研究報告 (2023年11月13日):UECがアルト・パラナ・チタニウムプロジェクトのS-K 1300初期評価と経済研究を報告。
- 2023年度年次報告書の提出と変革的な年の報告 (2023年9月29日): UECが2023会計年度の年次報告書を提出し、記録的な収益、北米での買収、米国での生産準備完了、無借金、100%ヘッジ未実施の状況を報告。
- サスカチュワン州アサバスカ盆地のカナダウラン探査プロジェクトの取得 (2023年8月22日): UECがリオティント・エクスプロレーション・カナダからサスカチュワン州アサバスカ盆地のカナダウラン探査プロジェクトのポートフォリオを取得。
これらのニュースは、UECの事業展開、戦略的パートナーシップ、および業界内での地位を示しており、投資家にとって重要な情報源となる。
特に、新しいプロジェクトの開発、戦略的提携、および企業の財務状況に関するニュースは、UECの将来の成長と業績に関する洞察を提供する。
テラパワー社とのウラン供給の可能性を探る覚書(MOU)を締結とはどのようなこと?
ウラニウムエナジー(UEC)がテラパワー社と締結した「ナトリウム原子炉とエネルギー貯蔵システムへのウラン供給の可能性を探る覚書(MOU)」については、以下のような内容を含んでる。
- ナトリウム原子炉プロジェクト:テラパワー社が開発しているナトリウム原子炉は、次世代の原子力技術。この原子炉は、高温の液体ナトリウムを冷却材として使用し、従来の水冷却型原子炉に比べて高い効率と安全性を持つことが期待されている。
- エネルギー貯蔵システム: ナトリウム原子炉は、エネルギー貯蔵システムと組み合わせることで、発電の柔軟性を高め、再生可能エネルギー源との統合を容易にすることができる。
- ウラン供給の探索:UECとテラパワー社の間の覚書は、UECがテラパワー社のナトリウム原子炉プロジェクトにウランを供給する可能性を探るもの。これには、ウランの供給量、価格、および供給スケジュールに関する協議が含まれる可能性がある。
- 戦略的パートナーシップ:この覚書は、UECとテラパワー社間の戦略的パートナーシップの構築を目指しており、UECにとって新しい市場機会を提供すると同時に、テラパワー社には信頼できるウラン供給源を確保することを意味する。
この覚書は、UECが原子力エネルギー市場における自社の地位を強化し、新しい技術開発に貢献する機会を得ることを意味している。
また、テラパワー社のナトリウム原子炉プロジェクトの成功は、原子力産業における新しい技術の導入と発展に重要な役割を果たす可能性がある。
テラパワー社とはどんな企業?
テラパワー(TerraPower)は、アメリカ合衆国に本拠を置く先進的な原子力技術会社。
- テラパワーは、2008年にマイクロソフトの共同創設者ビル・ゲイツと他の投資家によって設立された。同社の主な目的は、より安全で効率的、かつ環境に優しい原子力発電技術の開発。
- テラパワーは、既存の原子炉設計を改良し、新しいタイプの原子炉を開発している。特に注目されているのが、液体ナトリウムを冷却材として使用するナトリウム冷却高速炉(SFR)や、トラベリング・ウェーブ・リアクター(TWR)など。
- テラパワーの技術は、CO2排出量の削減、放射性廃棄物の最小化、および核拡散防止の観点から設計されている。これらの技術は、原子力エネルギーをより持続可能で安全なエネルギー源として利用するためのもの。
- テラパワーは、米国内外の多くの企業、研究機関、政府と協力して、その技術の開発と実用化を進めている。
- ビル・ゲイツは、テラパワーの主要な支援者であり、原子力エネルギーの持続可能な利用に対する彼の強い関心が同社の推進力の一つとなっている。
テラパワーは、原子力エネルギーの未来を形作ることを目指しており、その革新的なアプローチは、エネルギー産業における重要な進展と見なされている。
ウラニウムエナジー(UEC)の現在株価
ウラニウムエナジー(UEC)の株価チャート(TradingView)を表示しています。
チャートには、RSI(Relative Strength Index)を表示しています。相場の過熱感の指標として参考。
※RSIが70%~80%を超えると買われ過ぎ、反対に20%~30%を割り込むと売られ過ぎの目安。
ウラン関連に投資できるETFは?
ウラン関連に投資できる米国のETF(上場投資信託)には、以下のようなものがある。
Global X Uranium ETF(URA)
ウラン鉱業および探査に関連する企業に投資するETFで、ウラン生産者や鉱業機器供給会社などが含まれる。
経費率:0.69%
North Shore Global Uranium Mining ETF (URNM)
ウラン鉱業および核燃料サイクルに関連する企業に投資するETFで、ウラン採掘会社、物理的ウラン保有会社、核燃料サイクル関連企業などが含まれる。
経費率:0.85%
VanEck Vectors Uranium+Nuclear Energy ETF (NLR)
ウラン鉱業だけでなく、原子力エネルギー関連企業にも投資するETFで、ウラン採掘会社、原子力発電所運営会社、原子力関連機器製造会社などが含まれる。
経費率:0.61%
これらのETFは、ウラン市場や原子力エネルギー産業に広範な露出を提供し、投資家にとってウラン関連セクターへの投資機会を提供する。ただし、ETFの選択に際しては、それぞれのETFが保有する資産、運用戦略、コスト構造、過去のパフォーマンスなどを慎重に検討することが重要。
ウラニウムエナジー(UEC)の今後の展開と将来性は?
ウラニウムエナジーの今後の展開と将来性については、以下の要素を考慮することが重要。
- ウラン市場は、原子力エネルギーの需要、国際的な政治経済状況、および環境政策に大きく影響される。
脱炭素化の推進と気候変動対策の一環として原子力エネルギーの需要が増加すれば、UECの事業展開にとって有利な環境が形成される可能性がある。 - UECは、低コストで環境に優しいIn-Situ Recovery(ISR)鉱業技術を採用しており、これが競争力の源泉となっている。また、北米におけるウラン探査および開発プロジェクトの拡大に注力している。
- UECは、アメリカ国内でのウラン供給の安定化に貢献している。これは、国内エネルギー安全保障の観点から重要であり、政府やエネルギー企業からの支持を受ける可能性がある。
- ウラン市場は国際的な要因に左右されるため、世界的な原子力政策やウラン供給の動向がUECの将来性に影響を与える。
- UECが採掘技術の革新や効率化を進めることで、コスト削減や生産性向上を実現できれば、長期的な競争力を高めることができる。
- 環境保護規制の強化や原子力エネルギーに対する社会的受容性の変化も、UECの事業展開に影響を与える重要な要素となる。
UECの将来性は、これらの要因によって大きく左右されるため、これらの要素を継続的に監視し、分析することが重要。
また、投資判断を行う際には、これらの要因に加えて、UECの財務状況、経営戦略、および業界内での競争状況を総合的に評価することが必要。
生成AIの電力需要とウラン市場を取り巻くトピックは?
ChatGPTをはじめとする生成AIの急速な普及に伴い、これらのシステムに必要な電力消費量が急増している。
この状況は、既存の電力供給能力を圧倒する可能性があり、迫り来る電力不足への対応が急務となっている。
以下は、生成AIと原子力推進に関連するトピック。
Microsoftの原子力エネルギー技術者募集
Microsoftは、年収2千万円以上で原子力エネルギーの技術者を募集している。この職務は、MicrosoftのクラウドとAIが稼働するデータセンターに電力を供給するためのSMR(小型モジュラー炉)およびマイクロリアクターの統合と技術的評価を主導することを含む。
参考:PC Watch
OpenAIのアルトマン氏、次世代原発オクロを上場
次世代原発を手掛ける米新興企業オクロは、ニューヨーク証券取引所に上場すると発表。オクロは、ChatGPTを開発したOpenAIのサム・アルトマン氏が会長を務めており、2026〜27年に次世代小型原発を稼働させる計画。
参考:日本経済新聞
マイクロソフト、ヘリオンからの核融合発電電力購入
マイクロソフトは、核融合発電を手掛ける米ヘリオン・エナジー社との間で電力供給契約を締結し、2028年からの供給開始を予定しています。
米ヘリオンはOpenAIのサム・アルトマン氏が出資する核融合ベンチャー企業。
参考:Reuters
マイクロソフト、生成AI強化のため原発からの電力調達を強化
米マイクロソフトは、AI分野の強化に向けて原子力発電による電力調達を強化する方針。AIの開発競争が加速する中、データセンターの電力需要が急増しており、小型原発からの電力購入につなげる狙い。
参考:朝日新聞
これらのニュースから、生成AIの進化に伴い急増する電力需要に対応するため、原子力や核融合発電などの次世代エネルギー源の重要性が高まっていることは明らかと言える。
ウラニウムエナジー(UEC)の株を買える証券会社は?
ウラニウムエナジー(UEC)の株を取り扱っている主要な証券会社をリストアップしました。これらの証券会社では、外国株として直接の株取引のほか、CFD(差金決済取引)としての投資も選択できます。
私自身はSBI証券を主に使用していますが、取り扱い銘柄によっては購入できない場合があります。その際は、サクソバンク証券やIG証券などでCFDを利用することもあります。
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まとめ
ウラニウムエナジー(UEC)は、ウラン鉱業および探査の分野で活動する企業として、現在のエネルギー市場および環境政策の変化において重要な役割を果たしています。
特に、クリーンエネルギーへの移行というグローバルなトレンドの中で、UECの事業戦略とウラン市場の動向は、投資家にとって注目すべき要素でしょう。
UECの強みは、環境に優しいIn-Situ Recovery(ISR)鉱業技術の採用と、北米におけるウラン探査および開発プロジェクトの拡大にあります。
これにより、UECはウラン市場において競争力を持ち、将来的な成長の可能性を秘めています。
また、UECはアメリカ国内でのウラン供給の安定化に貢献しており、これは国内エネルギー安全保障の観点からも重要です。
一方で、ウラン市場は、原子力エネルギーの需要、国際的な政治経済状況、および環境政策に大きく影響されるため、これらの要因を継続的に監視し、分析することが重要です。
特に、脱炭素化の推進と気候変動対策の一環として原子力エネルギーの需要が増加すれば、UECの事業展開にとって有利な環境が形成される可能性があります。
ウラン市場の成長を期待しつつ、動向を見極めながらUECに少額投資をしてみたいと思います。