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iFreeNEXT FANG+インデックスとは?最新の構成銘柄10社と入れ替えの歴史、仕組みとリスク

米ビッグ・テックに集中投資する「FANG+インデックス」とは?NISAでも注目銘柄の将来性は? 投資信託
更新日:

このサイトは、私(@mifsee)が個人的に学びながら企業分析や銘柄分析を進め、その過程を記録としてまとめているものです。

あくまで個人の調査・整理を目的とした内容であり、誤りや実際と異なる情報が含まれる可能性があります。
また、MifseeではAI技術を活用した運用や、技術習得を目的とした実験的な取り組みも行っています。ご覧いただく際には、その点をご理解のうえご利用ください。

はじめに

「iFreeNEXT FANG+インデックス」は、米国の大手テクノロジー企業10社に集中して投資する投資信託である。純資産は1兆4,510億円(2026年9月末)にのぼり、新NISAのつみたて投資枠・成長投資枠の両方で買える。

10社の顔ぶれは固定ではなく、指数の側で入れ替えが行われる。設定された2018年の10社のうち、2026年9月末も残っているのは6社だけである。

この記事では、大和アセットマネジメントの目論見書、第1〜8期の運用報告書、月次レポートをもとに、次の順で整理する。

  • ファンドの仕組みと費用の中身
  • 最新の構成銘柄と、10社がAIを通じてどうつながっているか
  • 設定以来の入れ替え
  • 決算期と暦年の成績、過去の下落局面、指数との差
  • 純資産が1兆円を超えた経緯
  • リスク

私自身、FANGの各個別銘柄への直接投資は行っていませんが、米国のビッグテック企業への投資方法を模索している中で、FANG+インデックスは魅力的です。

FANGとは?

FANG(ファング)は、米国のテクノロジー企業4社の頭文字をつないだ呼び名である。

  • Facebook(現在の社名は Meta Platforms)
  • Amazon.com
  • Netflix
  • Google(親会社は Alphabet)

「FANG+」の「+」は、この4社にほかの企業を加えていることを表す。2026年9月末の10社のうち、FANGの4社以外の6社は、アップル・マイクロソフト・エヌビディア・ブロードコム・パランティア・マイクロンである。

FANG+指数とは?

FANG+指数(NYSE FANG+指数)は、FANGの4社を中心に、ほかのテクノロジー関連企業を加えた10社で構成される株価指数である。目論見書は次のように説明している。

NYSE FANG+指数は、次世代テクノロジーをベースに、グローバルな現代社会において人々の生活に大きな影響力を持ち、高い知名度を有する米国上場企業を対象に構成された株価指数です(交付目論見書)

指数の特徴は次の2つである。

  • 等金額: 10社に同じ金額ずつ投資する形で計算される。時価総額の大きい会社ほど比率が大きくなるS&P500などとは違う
  • 四半期ごとのリバランス: 3・6・9・12月ごとに、10社の比率を等金額に戻す(交付目論見書)

指数の提供元は ICE Data Indices(ICEデータ)で、どの会社を入れるか・外すかは指数の側が決める。ファンドはその決定に合わせて銘柄を入れ替える。

ファンドが連動をめざすのは「配当込み、円ベース」の指数である。米ドルで計算された指数を円に換算したもので、ドル建ての株価が同じでも、円高になれば下がり、円安になれば上がる。

iFreeNEXT FANG+インデックスの基本情報

項目 内容
運用会社 大和アセットマネジメント
設定日 2018年1月31日
連動をめざす指数 NYSE FANG+指数(配当込み、円ベース)
投資対象 指数を構成する全銘柄(先物やETFを使うこともある)
信託報酬 年0.7755%(税込)
総経費率 0.78%(2025年1月31日〜2026年1月30日)
為替ヘッジ 原則として行わない
決算 毎年1月30日
分配金 設定以来すべて0円
NISA つみたて投資枠・成長投資枠の対象(販売会社によって扱いが異なる場合あり)
基準価額・純資産 101,157円・1兆4,510億円(2026年9月30日)

出典: 交付目論見書(2026年4月24日)、月次レポート(2026年9月30日)

信託報酬は誰に払われている?

第8期の運用報告書には、1万口あたりの費用の内訳が載っている。期中の平均基準価額74,216円に対して、次のとおりである。

費用 1万口あたり 比率 何の対価か
信託報酬(運用会社分) 294円 0.396% 運用と調査、基準価額の計算、書類の作成など
信託報酬(販売会社分) 261円 0.352% 口座での管理、購入後の情報提供など
信託報酬(受託会社分) 20円 0.027% 運用財産の管理、運用会社の指図の実行
売買委託手数料 5円 0.006% 株式や先物を売買するときの手数料
その他費用 4円 0.005% 海外での保管費用、監査費用など
合計 584円 0.787%

出典: 運用報告書 第8期(全体版)。各金額は項目ごとに四捨五入されており、合計と一致しない場合がある

費用のほとんどは信託報酬で、その半分近くは販売会社に支払われている。四半期ごとのリバランスや銘柄の入れ替えで売買はしているが、売買の手数料は年0.006%にとどまる。

信託報酬の0.7755%は、全世界株やS&P500に広く投資するインデックス型の投資信託と比べると高めである。投資を続ける期間が長いほど、この差は成績に効いてくる。

参考: 信託報酬が長期投資のパフォーマンスに与える影響は?

FANG+の最新の構成銘柄は?(2026年9月末)

2026年9月30日時点の組入銘柄は次の10社である。

銘柄 ティッカー 業種 比率
マイクロン・テクノロジー MU 情報技術 10.8%
メタ・プラットフォームズ META コミュニケーション・サービス 10.3%
パランティア・テクノロジーズ PLTR 情報技術 10.0%
エヌビディア NVDA 情報技術 10.0%
ブロードコム AVGO 情報技術 9.8%
マイクロソフト MSFT 情報技術 9.7%
アマゾン・ドット・コム AMZN 一般消費財・サービス 9.4%
アルファベット GOOGL コミュニケーション・サービス 9.3%
アップル AAPL 情報技術 9.3%
ネットフリックス NFLX コミュニケーション・サービス 8.6%

出典: 月次レポート(2026年9月30日)。比率は純資産に対する割合。10社の合計は97.2%で、残りは株価指数先物など

等金額が基本だが、リバランスの間に株価が動くため、比率は8.6〜10.8%に散らばっている。

業種で見ると、情報技術が59.6%、コミュニケーション・サービスが28.2%、一般消費財・サービスが9.4%である(同)。2026年1月30日時点は、情報技術が55.6%、コミュニケーション・サービスが30.2%、一般消費財・サービスが10.5%だった(交付目論見書)。この8か月で、情報技術の比率が4ポイント高まっている。

10社の事業と、AIとのつながりは?

10社は「大手テクノロジー企業」とひとまとめにされがちだが、事業の中身は違う。ここでは、各社の事業と、AIとの関わり方を並べてみる。AIとの関わりによる分け方は筆者の整理で、指数や運用会社による分類ではない。

銘柄 主な事業 AIとの関わり(筆者の整理)
メタ(META) Facebook、Instagramなど。広告が主な収益源 AIの設備を買う側(データセンターに大きく投資)
アマゾン(AMZN) ネット通販と、クラウドのAWS AIの設備を買う側
マイクロソフト(MSFT) Windows、Office、クラウドのAzure AIの設備を買う側
アルファベット(GOOGL) Google検索、YouTube、Android、クラウド AIの設備を買う側
エヌビディア(NVDA) AIの計算に使われるGPUの最大手 AIの設備を売る側(計算用の半導体)
ブロードコム(AVGO) 通信・データセンター向けの半導体と、企業向けソフトウェア AIの設備を売る側(顧客ごとに設計する半導体、ネットワーク用の半導体)
マイクロン(MU) DRAMやNANDなどのメモリー半導体 AIの設備を売る側(AI向けの高帯域メモリー=HBM)
パランティア(PLTR) 政府や企業向けのデータ分析・AIのソフトウェア AIを使ったソフトウェアを売る側
アップル(AAPL) iPhoneやMacなどの機器と、付随するサービス 上の3つに比べると、AIの設備投資との直接のつながりは小さい
ネットフリックス(NFLX) 動画配信。独自の作品づくりにも力を入れる 同上

月次レポートは、メタ・アマゾン・マイクロソフト・アルファベットの4社を「ハイパースケーラー」(巨大なデータセンターを運営する企業)と呼んでいる。この4社がデータセンターに投じる資金の一部は、GPU・カスタム半導体・メモリーの代金として、エヌビディア・ブロードコム・マイクロンの売上になる。

つまり、10社のうち少なくとも7社は、同じ「AIのデータセンター投資」という流れの、買う側と売る側にいる(筆者の補足)。等金額で10社に分散しているように見えても、AI投資が勢いづく局面では複数の銘柄が一緒に上がり、鈍る局面では一緒に下がりうる、という意味である。

月次レポートが取り上げた直近の決算でも、売る側の伸びは大きい。

  • ブロードコム: 2026年5〜7月期の売上高は前年同期比+86%。AI半導体の売上高は+221%(月次レポート)
  • マイクロン: 2026年6〜8月期の売上高は前年同期比+379%で、過去最高を更新(月次レポート)

各社の詳しい業績は、マイクロン(MU)、ブロードコム(AVGO)、エヌビディア(NVDA)の記事で、決算書類をもとに整理している。エヌビディアの取引先はエヌビディア関連銘柄まとめにまとめた。

等金額で10社に投資すると何が起きる?

1社ごとの値動きは大きく違う

10社は同じ指数に入っていても、月ごとの値動きはばらばらである。月次レポートに載っている、2026年4〜9月の米ドルベースの騰落率の一部を抜き出す。

銘柄 4月 5月 6月 7月 8月 9月
マイクロン +53.1% +87.8% +18.9% −28.7% +16.5% +11.1%
パランティア −4.9% +12.5% −25.5% +5.5% +51.5% +0.4%
マイクロソフト +10.2% +10.4% −17.2% +24.6% +9.2% +1.1%
ネットフリックス −2.6% −8.1% −17.0% +0.4% +13.0% −14.2%

出典: 月次レポート(2026年9月30日)の個別銘柄騰落率

マイクロンは5月に+87.8%上がり、7月には−28.7%下がった。パランティアも1か月で−25.5%と+51.5%の両方がある。一方、2026年6月は、10社のうちマイクロンを除く9社が下がった。1社ごとの振れ幅は大きく、それでも悪い月にはそろって下がることがある。

リバランスは「上がった銘柄を売り、下がった銘柄を買う」

等金額の指数は、四半期ごとに10社の比率を同じに戻す。上がって比率が膨らんだ銘柄を売り、下がって比率が縮んだ銘柄を買い足すことになる。2026年9月末にマイクロンの比率が10.8%と最も高いのは、前回のリバランスのあとも株価が上がったためである。

時価総額で比率を決める指数(たとえばナスダック100に連動するQQQ)では、上がった銘柄はそのまま比率が大きくなる。等金額の指数は、勝ち続ける1社に比率が集まらない代わりに、1社の急落で全体が大きく崩れることも防いでいる。どちらが有利かは、その期間にどの銘柄が上がったかで決まり、事前にはわからない(筆者の補足)。

FANG+の構成銘柄の入れ替えの歴史は?

設定当初(第1期末、2019年1月30日)の10社は次のとおり。

  • Facebook(現 Meta)、Apple、Amazon.com、Netflix、Alphabet、Alibaba、Baidu、NVIDIA、Tesla、Twitter

その後の入れ替えを、各期の運用報告書(期首と期末の保有銘柄、売買した銘柄)で確かめると次のようになる。

決算期(期間) 外れた銘柄 加わった銘柄
第4期(2021年2月〜2022年1月) Twitter Microsoft
第5期(2022年2月〜2023年1月) Alibaba、Baidu AMD、Snowflake
第6期(2023年1月〜2024年1月) AMD Broadcom
第7期(2024年1月〜2025年1月) Tesla、Snowflake CrowdStrike、ServiceNow
第8期(2025年1月〜2026年1月) ServiceNow Palantir
第9期(2026年2〜3月) CrowdStrike Micron

出典: 運用報告書 第1〜8期(全体版)、交付目論見書(2026年1月30日現在の組入上位10銘柄)、月次レポート(2026年9月30日)

運用報告書には期間しか書かれていないため、第8期までの入れ替えが何月だったかは、この記事では確かめられていない。第9期の入れ替えは、目論見書の2026年1月30日時点の10社にCrowdStrikeが入っていて、月次レポートの「銘柄紹介(2026年3月時点)」ではMicronに代わっていることから、2026年2〜3月の間と絞り込める。

入れ替えで何が変わったか

設定から8年で、加わった企業は8社、外れた企業も8社になる。延べ18社が指数に入ったことになる。

  • 外れた8社: 中国のネット企業2社(Alibaba、Baidu)、SNSのTwitter、EVのTesla、そしてAMD・Snowflake・ServiceNow・CrowdStrike
  • 加わった8社: Microsoft、半導体3社(AMD・Broadcom・Micron)、ソフトウェア4社(Snowflake・CrowdStrike・ServiceNow・Palantir)

加わった企業がそのまま残るとは限らない。AMDは第5期に入って第6期に外れ、ServiceNowは第7期に入って第8期に外れた。CrowdStrikeも第7期に入り、2026年の初めに外れている。ソフトウェアの4社のうち、2026年9月末も残っているのはPalantirだけである。

全体としては、中国のネット企業とSNSが外れ、米国の半導体とソフトウェアに置き換わってきた。「FANG」の名前は残っているが、中身は時期によってかなり違う。今のFANG+は、設定時よりも半導体の比率が高く、AIのデータセンター投資との結びつきが強い(筆者の補足)。

半導体の銘柄に絞って投資する方法には、SMHや半導体ETF・投資信託がある。

FANG+とGAFAM、マグニフィセントセブンの違い

どれも米国の大手テクノロジー株を指す呼び名だが、含まれる会社が違う。

銘柄 GAFAM マグニフィセントセブン FANG+(2026年9月末)
アルファベット(Google) ○ ○ ○
アップル ○ ○ ○
メタ(Facebook) ○ ○ ○
アマゾン ○ ○ ○
マイクロソフト ○ ○ ○
エヌビディア ✕ ○ ○
テスラ ✕ ○ ✕
ネットフリックス ✕ ✕ ○
ブロードコム ✕ ✕ ○
パランティア ✕ ✕ ○
マイクロン ✕ ✕ ○

GAFAMとマグニフィセントセブンは呼び名で、指数ではない。FANG+は指数なので、銘柄が入れ替わる。2026年9月末のFANG+は、マグニフィセントセブンのうちテスラを除く6社に、ネットフリックス・ブロードコム・パランティア・マイクロンを加えた形になっている。

ナスダック100は約100社に時価総額の比率で投資するため、同じ大手テクノロジー株でも、1社あたりの比率や値動きはFANG+と違う。ナスダック100に連動するETFの仕組みはQQQの記事で整理している。

iFreeNEXT FANG+インデックスの成績は?

決算期ごとの成績

決算期ごとの基準価額の騰落率は次のとおり。決算期は2月〜翌年1月である。

決算期 期間 ファンド 指数(ベンチマーク)
第1期 2018年1月〜2019年1月 −9.2% −7.4%
第2期 2019年1月〜2020年1月 +41.7% +42.6%
第3期 2020年1月〜2021年2月 +81.5% +83.1%
第4期 2021年2月〜2022年1月 +10.1% +10.9%
第5期 2022年2月〜2023年1月 −7.2% −6.7%
第6期 2023年1月〜2024年1月 +96.6% +98.3%
第7期 2024年1月〜2025年1月 +53.2% +53.5%
第8期 2025年1月〜2026年1月 +11.7% +12.7%

出典: 各期の運用報告書(全体版)。騰落率は分配金込み。指数は NYSE FANG+指数(税引後配当込み、円ベース)

暦年(1〜12月)の成績

目論見書には、暦年ごとの成績も載っている。

年 ファンド 指数
2018年(1月31日の設定日から) −13.6% −11.8%
2019年 +39.6% +40.8%
2020年 +85.6% +87.4%
2021年 +31.3% +32.3%
2022年 −31.4% −30.9%
2023年 +110.1% +111.8%
2024年 +70.8% +71.1%
2025年 +16.6% +17.7%
2026年(1月30日まで) −4.9% −4.9%

出典: 交付目論見書(2026年4月24日)の「年間収益率の推移」。ファンドは分配金再投資基準価額の騰落率

決算期と暦年で、見え方が大きく違う

2つの表を並べると、2022年の見え方がまったく違う。

  • 決算期(第5期、2022年2月〜2023年1月)では −7.2%
  • 暦年(2022年1〜12月)では −31.4%

差が出たのは、区切り方のためである。基準価額は2021年12月末の29,409円から、2022年1月だけで25,707円まで下がっていた(第4期の運用報告書)。第5期はこの下がったあとから始まり、2022年12月末の20,164円まで下げたあと、2023年1月に23,846円まで戻して終わっている(第5期の運用報告書)。暦年の−31.4%の下げのうち、2022年1月の下げと2023年1月の戻りが、決算期の外にこぼれた形である。

「決算期の成績は−7%程度だったから、2022年はそれほど下がらなかった」とは読めない。どこで区切るかで、同じファンドの成績がこれだけ変わる。

直近の成績

2026年9月30日時点の騰落率は次のとおり(月次レポート、分配金再投資基準価額)。

期間 ファンド 指数
1か月 −0.2% −0.1%
3か月 +10.1% +10.3%
6か月 +41.7% +42.3%
1年 +24.1% +25.2%
3年 +170.1% +175.4%
5年 +274.7% +288.0%
設定来 +911.6% +995.0%

円で見た成績である点に注意が必要である。指数は円に換算したもので、ファンドは為替ヘッジもしない。ドル建ての株価が同じでも、円高になれば基準価額は下がる。

過去にどこまで下がったことがある?

運用報告書には、各期の月末の基準価額が載っている。第1〜8期の運用報告書から月末の基準価額をつなぎ、高値から8%以上下げた局面を拾うと次のようになる。

下げ始め(月末の高値) 底(月末) 下落率 高値を回復した月末
2018年2月 10,083円 2018年3月 9,241円 −8.4% 2018年5月
2018年8月 11,416円 2018年12月 8,642円 −24.3% 2019年12月
2020年1月 12,941円 2020年3月 11,307円 −12.6% 2020年4月
2021年11月 30,535円 2022年12月 20,164円 −34.0% 2023年5月
2024年6月 62,366円 2024年8月 53,522円 −14.2% 2024年10月
2024年12月 72,352円 2025年3月 58,747円 −18.8% 2025年6月
2025年10月 87,849円 2026年3月 約71,400円(※) 約−18.7% 2026年9月までに回復

出典: 運用報告書 第1〜8期(全体版)の月末基準価額をもとに筆者が計算。分配金は設定以来0円のため、基準価額の騰落率と分配金込みの騰落率は同じ

※2026年2〜8月の月末基準価額は手元の資料に無い。2026年3月末の値は、月次レポートの「6か月 +41.7%」と9月末の101,157円から逆算した概算である

月末の値だけで計算しているため、月の途中の下げはこの表より深い可能性がある。

表から読めることは次の3つである(筆者の補足)。

  • 最も大きな下げは2022年の−34.0%。高値(2021年11月末)を回復するまで、月末で見て1年半かかった
  • 2018年の−24.3%は、回復に1年4か月かかった。設定から間もない時期で、高値の近くで買った人は、1年以上元本割れが続いたことになる
  • 2024年以降も、−14〜19%の下げが3回ある。上昇が続いた時期にも、数か月で2割近く下げる局面が挟まっている

10社への集中投資である以上、この程度の下げは今後も起こりうると考えておいたほうがよい。

指数との差はどれくらい?

インデックス型の投資信託は、指数の動きに連動することをめざす。ただし、信託報酬などの費用がかかるため、ファンドの成績は指数を少し下回るのがふつうである。

決算期 ファンド 指数 差
第1期 −9.2% −7.4% −1.8pt
第2期 +41.7% +42.6% −0.9pt
第3期 +81.5% +83.1% −1.6pt
第4期 +10.1% +10.9% −0.8pt
第5期 −7.2% −6.7% −0.5pt
第6期 +96.6% +98.3% −1.7pt
第7期 +53.2% +53.5% −0.3pt
第8期 +11.7% +12.7% −1.0pt

出典: 各期の運用報告書(全体版)。差は筆者が計算

8期の差は−0.3〜−1.8ポイントで、平均すると約−1.1ポイントである。第8期の費用の合計は0.787%だったので、費用だけでは説明しきれない差がある期もある。運用報告書は、差の要因として、費用のほかに「マザーファンドで組み入れているポートフォリオの騰落率とベンチマークの騰落率との差異」を挙げている。

1年あたり1ポイント前後の差でも、積み重なると大きくなる。2026年9月末の設定来の騰落率は、ファンドが+911.6%、指数が+995.0%で、80ポイント以上の差がついている(月次レポート)。

純資産はなぜ1兆円を超えた?

各期末の純資産総額を並べると、増え方が2024年から急に変わったことがわかる。

時点 純資産総額 期中の基準価額の騰落率
第1期末(2019年1月) 12億円 −9.2%
第2期末(2020年1月) 16億円 +41.7%
第3期末(2021年2月) 133億円 +81.5%
第4期末(2022年1月) 186億円 +10.1%
第5期末(2023年1月) 176億円 −7.2%
第6期末(2024年1月) 786億円 +96.6%
第7期末(2025年1月) 5,261億円 +53.2%
第8期末(2026年1月) 9,984億円 +11.7%
2026年9月末 1兆4,510億円 ―

出典: 運用報告書 第3期・第8期(全体版)、月次レポート(2026年9月30日)

純資産は、基準価額の値上がりと、新しく入ってきたお金(購入から解約を引いた額)の両方で増える。仮に期中にお金の出入りが無かったとすると、純資産は基準価額と同じ割合でしか増えない。その前提で筆者が試算すると、次のようになる。

  • 第7期: 786億円が+53.2%増えると約1,200億円。実際は5,261億円で、約4,000億円は値上がりでは説明できない
  • 第8期: 5,261億円が+11.7%増えると約5,900億円。実際は9,984億円で、約4,100億円は値上がりでは説明できない
  • 2026年2〜9月: 9,984億円が基準価額と同じく約26%増えると約1兆2,600億円。実際は1兆4,510億円で、約1,900億円は値上がりでは説明できない

この「値上がりで説明できない部分」は、おおむね新しく入ってきたお金と考えられる(筆者の試算。期中のお金の出入りのタイミングを考えない粗い計算)。2024年からの2年間だけで、8,000億円規模のお金が入ってきたことになる。

2024年は、新NISAが始まった年である。このファンドはつみたて投資枠・成長投資枠の両方の対象で、第6期(2023年)の+96.6%という成績も注目を集めたと考えられる(筆者の推測。運用報告書は資金流入の理由を説明していない)。

純資産が大きくなったこと自体は、ファンドの成績を直接変えるものではない。ただ、多くの人がこの3年ほどの間に買い始めたということは、2022年の−34.0%のような長い下げを経験していない保有者が多いということでもある(筆者の補足)。

FANG+の銘柄はいつ入れ替わる?

10社の比率を等金額に戻すリバランスは、3・6・9・12月の四半期ごとに行われる(交付目論見書)。一方、どの会社を入れる・外すかは指数の提供元が決める。目論見書は、ファンドの値動きが指数と一致しない理由の1つに「指数の構成銘柄の入替えおよび指数の算出方法の変更による影響」を挙げている。

入れ替えの基準や時期の細かい決まりは、指数の提供元の資料で確かめる必要がある。この記事では、運用報告書・目論見書・月次レポートで確認できた入れ替えの事実だけを載せている。最新の10社は、大和アセットマネジメントの月次レポートで毎月確かめられる。

iFreeNEXT FANG+インデックスのリスクは?

目論見書は、主なリスクとして次を挙げている。

  • 価格変動リスク: 1銘柄あたりの組入比率が高くなる場合があり、多くの銘柄に分散した場合と比べて基準価額の変動が大きくなる可能性がある。特定の分野に関連する銘柄に投資するため、それらが下がる局面では基準価額が大きく下がることがある
  • 為替変動リスク: 円高になると基準価額が下がる要因になる
  • カントリー・リスク: 投資先の国の政治・経済の変化や新しい規制で、基準価額が予想外に下がることがある
  • 元本の保証が無い: 投資元本を割り込むことがある

このほか、この記事で見てきた点から付け加えると次のとおりである。

  • 入れ替えで中身が変わる: 買った時点の10社が、数年後も同じとは限らない。設定から8年で8社が入れ替わり、入って1〜2期で外れた企業もある
  • AI投資への偏り: 10社のうち少なくとも7社が、AIのデータセンター投資の買う側か売る側にいる(筆者の整理)。2026年9月末は、マイクロン・エヌビディア・ブロードコムの半導体3社だけで約3割を占める。AI向けの投資が鈍ると、複数の銘柄が同時に下がりうる
  • 大きな下げの実績: 月末で見ても、2022年に−34.0%、2018年に−24.3%の下げがあり、回復に1年以上かかった
  • コスト: 信託報酬は年0.7755%で、広く分散したインデックス型の投資信託より高い。指数との差は年平均で約1ポイントある

「FANG+はおすすめしない」と言われる理由は?

批判的な意見の多くは、次の点に集約される。

  • 10社だけに集中しているため、値動きが大きい
  • テクノロジー関連に偏っており、業界全体が下がる局面には弱い
  • 今のリーダー企業が数十年後もリーダーである保証はない

一方で、指数は入れ替えを通じて中身を変えてきた。設定時の10社のうち4社が外れ、そのたびに別の企業が加わっている。この仕組みを「時代に合わせて中身が変わる」と見るか、「何に投資しているかが変わり続ける」と見るかで、評価は分かれる。

この記事で見たデータからは、どちらの見方にも材料がある。Microsoft・Broadcom・Palantirのように加わってから残り続けている企業がある一方で、AMD・ServiceNowのように1期で外れた企業もある。入れ替えがいつもうまくいくとは限らない。

iFreeNEXT FANG+インデックスの今後の見通しは?

数字で見る直近の状況(2026年9月末)

  • 基準価額は101,157円、純資産は1兆4,510億円
  • 1年間の騰落率は+24.1%、6か月では+41.7%
  • 2026年の初めにCrowdStrikeが外れてMicronが加わり、情報技術の比率は59.6%に高まった

運用会社が挙げている論点

大和アセットマネジメントは、2026年9月末の月次レポートで、FANG+指数について次のように整理している。

  • 金利: 金利の上昇は、成長株の株価評価には逆風になる。2022年は金利の上昇に加えて予想EPS(1株あたり利益)が下がり、指数は下落した。2023年以降は高金利が続く中でも予想EPSが増え、指数は回復した
  • 設備投資: FANG+の構成企業の多くはAI関連を中心に設備投資を増やしている。2026年は設備投資の伸びが営業キャッシュフローの伸びを上回る見込みで、特にハイパースケーラー4社では、設備投資が営業キャッシュフローに対して高い水準に達している。一部の企業は社債の発行など外部の資金も使って投資を続けている
  • 焦点: 投資の規模そのものより、その投資が将来の売上や利益の拡大に結び付くかどうか。AI関連サービスの収益化が想定を下回れば、投資負担の重さが株価の重荷になる可能性がある

筆者が注目しているポイント

  • ハイパースケーラーの設備投資と、半導体3社の売上: 上で見たとおり、買う側の投資が売る側の売上になる。買う側が投資を絞れば、両方に響く
  • 次の入れ替え: どの企業が加わり、どの企業が外れるか。入れ替えのたびに、半導体・ソフトウェア・ネットサービスのバランスが変わる
  • 為替: 円高・円安が基準価額を大きく左右する

リスクと不確実性

  • 10社への集中と、半導体・AIへの偏り
  • 為替ヘッジを行わないこと
  • 指数の入れ替えや算出方法の変更で、投資の中身が変わること
  • 過去の高い成績が、今後も続くとは限らないこと

まとめ

iFreeNEXT FANG+インデックスは、米国の大手テクノロジー企業10社に等金額で投資する投資信託である。信託報酬は年0.7755%、為替ヘッジは無く、新NISAの両方の枠で買える。2026年9月末の10社には、設定時に無かったマイクロン・パランティア・ブロードコム・マイクロソフトが入り、アリババ・バイドゥ・テスラ・ツイッターは外れている。

この記事で確かめたことをまとめると次のとおりである。

  • 10社のうち少なくとも7社は、AIのデータセンター投資の買う側か売る側にいる(筆者の整理)
  • 設定から8年で8社が入れ替わり、入って1〜2期で外れた企業もある
  • 2022年の成績は、決算期では−7.2%、暦年では−31.4%で、区切り方で見え方が大きく違う
  • 月末で見ても、2022年に−34.0%、2018年に−24.3%の下げがあった
  • 指数との差は年平均で約1ポイントで、設定来では80ポイント以上になっている
  • 純資産は2024年から急増し、2年間で8,000億円規模のお金が入ってきたと試算できる

中身が入れ替わり続ける指数であることを前提に、入れ替えの動きと、AI投資への偏りを確かめていきたい。

以下は、記事を最初に書いた時点の私の考えです。

FANG+は、ナスダック100の中でも特に優れたパフォーマンスを示す銘柄に焦点を当てており、パフォーマンス面で非常に魅力的です。ある意味最強ですね。

つみたてNISAの投資信託銘柄としても人気が高いFANG+ですが、20年から30年という長期投資を考えた場合は、やはり一定のリスクを伴います。

個人的には、つみたてNISAでの投資銘柄として「大和-iFreeNEXT FANG+インデックス」を選択しました。

私自身は、NISAの税制優遇を最大限に活用するためには、高いパフォーマンスを追求する運用が望ましいと考えています。

10年後にFANG+がどのような状況にあるかは未知数ですが、パフォーマンスを重視しながら積極的に投資を進めていきたいと思います。

この記事の数字を自分で追うなら

売上や利益の推移は、マネックス証券の「銘柄スカウター米国株」で確認できます。外国株取引口座を開設し、取引実績などの条件を満たすと、過去10年以上の業績や直近20四半期の数字まで表示できます。このようなツールを使って、長期の業績推移を起点にすると企業の姿がつかみやすくなります。

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IT企業でマーケティングをしています。興味分野について調べたことや知識をアウトプットしています。

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