このマクロ市場分析は、私(@mifsee)が米国市場への投資判断に際し、日々のマクロ環境を俯瞰的に捉えるための個人的な学習記録としてアウトプットしているものです。内容には誤りや実際の状況と異なる点を含む可能性があります。あらかじめご了承のうえ、ご覧ください。
注目の上昇銘柄(ウォッチリストから)
ウォッチリスト(2025/10/10 終値ベース)
名柄 | 終値 | 変動率 | テーマ | インサイト |
---|---|---|---|---|
APLD(アプライド・デジタル) | 33.99 | +16.05% | AIデータセンター | Q1売上+84%・CoreWeave150MW拡張発表 |
ASPI(ASPアイソトープス) | 10.13 | +14.46% | 同位体・核医療 | 南ア投資家イベント開催告知 |
FEAM(5Eアドバンスト・マテリアルズ) | 5.66 | +13.65% | ホウ酸・クリティカルミネラル | (なし) |
CPSH(CPSテクノロジーズ) | 4.48 | +12.56% | 高機能材料・防衛 | CEO1.65万株買い増し |
MP(MPマテリアルズ) | 78.43 | +8.49% | レアアース・磁石 | 国防総省・Apple向け磁石供給報道 |
UEC(ウラニウム・エナジー) | 14.65 | +8.12% | ウラン開発 | 史上高更新・買いカバレッジ拡大 |
LGO(ラルゴ) | 2.00 | +8.11% | バナジウム・蓄電素材 | 運転開始計画と関税影響のコーポレート更新 |
PPTA(ペルペチュア・リソーシズ) | 25.79 | +7.73% | 金・アンチモン資源 | 下流アンチモン処理計画発表の余韻 |
個人的所感
AIインフラ × クリティカルミネラルの二極進行。
APLDの好決算と150MW拡張計画が、AI設備投資の強さを改めて示す内容。
一方で、レアアース・ウラン関連のMP・UECも、政策支援と需給タイト化を背景に上昇。
しかし相場途中での、米中関税激化ニュースにより、全体的に値を戻す展開。
小型のCPSHは経営者による自社株買いといったピンポイント材料に反応。
ASPIは投資家イベント告知にとどまり、材料の軽さが目立つ展開。
個人的には資源系に強気のスタンスを維持しているものの、急な潮目の変化も意識しつつ、一部利確を含めキャッシュ温存のバランスも。
市場インサイト
【分析日】2025/10/10
全体ムード
米中通商リスクの再燃と、米政権による対中追加関税示唆ヘッドラインを起点としたリスクオフの印象。
S&P500・ナスダックが4月以来の下落率を記録し、広範な手仕舞いとメガテック主導の下落が進行。
さらに、政府機関の一部閉鎖継続リスクや統計公表遅延の不確実性が重なり、
ミシガン期待インフレ指標や決算シーズン入り前のポジション軽量化が意識される展開。
欧州は、引け際にかけて一段安となり、週次ベースでマイナス圏。
対中関税ヘッドラインの波及が欧州株にも及ぶ。
日本市場は、前日に史上高値圏にあった反動から1%安の利益確定売り、
あわせて政策不透明感の織り戻しによる調整。
商品市場では、原油の軟調と金の高値圏維持による安全資産選好が継続。
クレジット市場は、スプレッドの小幅拡大を伴う質への回帰。
エクイティ
指数 | 終値 | 前日比 | 背景 |
---|---|---|---|
ダウ | 45,479.60 | -881.00 (-1.90%) | 対中追加関税示唆とテック主導の手仕舞い |
S&P500 | 6,552.51 | -182.60 (-2.71%) | リスクオフ回帰とバリュエーション圧縮 |
ナスダック | 22,204.43 | -820.20 (-3.56%) | 半導体・AI関連の下げ主導 |
日経225 | 48,088.80 | -491.64 (-1.01%) | 高値警戒の利確と外部不透明感の織り戻し |
STOXX600 | 564.16 | -6.72 (-1.18%) | 対中関税ヘッドラインの波及と引け際の一段安 |
債券
国 | 10年利回り | 前日比(bp) | コメント |
---|---|---|---|
米国 | 4.03 % | -7 | 株急落に伴うデュレーション回帰 |
ドイツ | 2.64 % | -6 | 景気減速観測と品質志向 |
日本 | 1.63 % | -1 | 外部リスクと需給均衡の綱引き |
為替
- USD/JPY 145.30(-0.55%):リスクオフの円高と米金利低下の重石。
- EUR/USD 1.1790(-0.10%):欧州金利低下期待とドルの安全資産需要の拮抗。
- USD/CNY 7.1100(+0.03%):当局中間値運用下のレンジ維持。
コモディティ
品目 | 終値 | 前日比 | ドライバー |
---|---|---|---|
WTI原油 | $61.05/bbl | -0.57% | 需要不透明感とリスクオフの重石 |
Brent原油 | $66.15/bbl | -0.23% | ドル動向とOPEC+観測の相殺 |
天然ガス | $3.12/MMBtu | +0.32% | 肩月需給タイト化思惑 |
金(現物) | $3,760.00/oz | +0.53% | 安全資産選好と実質金利低下 |
銀 | $44.25/oz | +0.12% | 金連動と工業需要の思惑 |
銅 | $4.70600/lb | -0.02% | リスクオフと中国ヘッドライン待ち |
クリプト
- ビットコイン $113,900.00(-1.99%):リスクオフと米株急落に伴う換金売り。
- イーサリアム $4,230.00(-1.62%):アルト連動のベータ調整。
マクロイベント焦点(今後3–4営業日)
- 2025/10/11(土)米・ミシガン大学消費者信頼感速報(10月):期待インフレと家計マインドの転換点
- 2025/10/15(水)米・小売売上高(9月):実質消費の弾力性とサービス偏重の検証
- 2025/10/16(木)米・住宅着工/建設許可(9月):金利感応セクターのモメンタム確認
- 2025/10/17(金)中国・貿易統計(9月):外需モメンタムとコモディティ需要の手掛かり
インサイトまとめ
- 対中関税ヘッドライン起点のテールリスク顕在化につき指数先物ヘッジ厚めが無難
- 米大型グロースのベータ高を踏まえ段階利食いとヘルスケア・公益のバランス配分が良さげ
- デュレーションやや長めのカーブフラット化バイアス継続が妥当
- ドルは安全資産需要と金利低下の綱引きにつきEUR段階買い・USD/JPY戻り売りの逆張り戦術が無難
- 原油は戻り売り・金は押し目買いのクロスアセット分散が良さげ
- クリプトはエクスポージャ軽め、株のボラ連動を意識した機動対応が妥当