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PPI上振れでも中小型グロース躍進、DLO急騰が示す実需主導相場(2025.08.14)

PPI上振れでも中小型グロース躍進、DLO急騰が示す実需主導相場(2025.08.14)市場分析

このマクロ市場分析は、私(@mifsee)が米国市場への投資判断に際し、日々のマクロ環境を俯瞰的に捉えるための個人的な学習記録としてアウトプットしているものです。内容には誤りや実際の状況と異なる点を含む可能性があります。あらかじめご了承のうえ、ご覧ください。

注目の上昇銘柄(ウォッチリストから)

ウォッチリスト(2025/08/14 終値ベース)

ティッカー(銘柄名カナ)終値変動率テーマインサイト
DLO(ディーローカル)15.35+31.31%フィンテック・越境決済決算好調とガイダンス上方修正。
CRML(カーメル)5.85+17.47%半導体・車載AI決算好調とEV向け受注増。
ONDS(オンダス)3.93+11.65%通信インフラ・IoT決算で売上・受注改善。
HROW(ハロウ)40.01+9.62%医療・眼科用医薬品決算で利益率改善。
TATT(タット・テクノロジーズ)36.03+6.27%航空機部品・防衛決算で航空機・防衛需要増。
OUST(アウスター)35.05+5.86%LiDARセンサー新規契約拡大を好感。
MOB(モービオン)4.40+4.76%モバイルアプリ・広告ゲーム内広告利用増。
SLI(スタンダード・リチウム)2.87+4.74%リチウム採掘・精製プロジェクト進展報道。
RGTI(リゲッティ・コンピューティング)17.98+4.29%量子コンピュータ決算好調と受注増。

全体として決算ドリブンの中小型グロース優位の流れが鮮明。上位にはDLO(ディーローカル)の急伸をはじめ、売上成長やガイダンス改善を伴う銘柄が並び、資金は実需裏付けのテーマへ。

テーマ別の傾向

  • フィンテック・決済
    DLOが好決算を背景に大幅上昇。新興国市場での取引拡大が評価。
  • AI・自動化・先端製造
    CRML、ONDS、OUSTが需要回復や受注増を背景に堅調。
  • 医療・バイオ
    HROW、MOBが製品需要や市場拡大期待で買われる。
  • 航空・防衛
    TATTは特殊機体・装備需要が業績に反映。
  • エネルギー・資源
    SLIはリチウム関連として市況改善への思惑。
    RGTIは量子コンピューティング関連の成長期待で上昇。

個人的所感

決算で裏付けられた銘柄への素直な資金流入が目立ち、テーマはフィンテックから戦略鉱物まで幅広い。短期的な過熱感に注意しつつも、数週間スパンでの上昇トレンド形成が視野に入る構成。一方、資源系は市況連動性が高く、ヘッドラインによる変動が激しい印象。また個別以外には仮想通貨への資金流入が引き続き続いている。

市場インサイト

【分析日】2025/08/14

全体ムード

米7月PPI上振れで9月FOMCの大型利下げ観測が後退し、米10年債利回りは4.29%へ+5bp、ドルはやや強含みとなった。一方、S&P500は+0.03%で最高値更新、ダウ・ナスはほぼ横ばい。欧州は好決算・防衛株高で上昇、日本株は反落。商品は原油が反発、金はドル高で軟化である。

エクイティ

指数終値前日比背景
ダウ44,911.26-8.98 (-0.02%)PPI上振れで高安まちまち、金利上昇で上値重い。
S&P5006,468.54+1.94 (+0.03%)主要株底堅く3日続伸で最高値更新。
ナスダック21,710.67-2.17 (-0.01%)成長株は金利上昇で伸び悩み。
日経22542,649.26-625.41 (-1.45%)輸出株中心に利益確定売り。
STOXX600553.87+3.03 (+0.55%)防衛・金融主導で2カ月ぶり高値。

債券

10年利回り前日比(bp)コメント
米国4.29 %+5PPI上振れで利回り上昇である。
ドイツ2.71 %+3欧州株高も相まって小幅続伸である。
日本1.55 %+3物価観測根強くじり高である。

為替

  • USD/JPY 147.87(+0.30%):米PPI後の金利上昇でドル買い優勢である。
  • EUR/USD 1.1641(-0.50%):ドル指数反発でユーロ反落である。
  • USD/CNY 7.1785(-0.04%):人民銀の安定志向で小幅人民元高である。

コモディティ

品目終値前日比ドライバー
WTI原油$63.96/bbl+2.10%供給リスク意識で反発である。
Brent原油$66.84/bbl+1.80%同上、1週間ぶり高値である。
天然ガス$2.84/MMBtu+0.46%期近は在庫・天候要因で小反発である。
金(現物)$3,337.21/oz-0.50%ドル高・利回り上昇で重いである。
$37.97/oz-1.30%金連れ安である。
$4.46450/lb-0.39%リスク警戒後退も上値重く利食いである。

クリプト

  • ビットコイン $118,314.20(-4.06%):過去高値圏からの利確で反落である。
  • イーサリアム $4,763.65(+3.40%):ETF資金流入観測で堅調である。

マクロイベント焦点(今後3–4営業日)

  • 8/15(金)米・小売売上高(7月):個人消費の持続性確認。
  • 8/15(金)米・鉱工業生産/設備稼働率(7月):供給サイドの減速度合い。
  • 8/15(金)米・ミシガン大学消費者信頼感(速報):インフレ期待に注目。
  • 8/21–23 ジャクソンホール会議:パウエル講演のガイダンス焦点。

インサイトまとめ

  • 金利上昇・ドル反発を踏まえ、短期はグロース過熱分を縮小しバリュー/ディフェンシブを厚めにする。
  • 原油は地政学プレミアムで下値切り上げ、エネルギー・サービスの短期押し目買いを検討する。
  • クリプトはETH強含み・BTC反落の分散でボラ管理、米指標・JH会議前はポジション軽めが妥当である。
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