このマクロ市場分析は、私(@mifsee)が米国市場への投資判断に際し、日々のマクロ環境を俯瞰的に捉えるための個人的な学習記録としてアウトプットしているものです。内容には誤りや実際の状況と異なる点を含む可能性があります。あらかじめご了承のうえ、ご覧ください。
注目の上昇銘柄(ウォッチリストから)
ウォッチリスト(2025/10/14 終値ベース)
名柄 | 終値 | 変動率 | テーマ | インサイト |
---|---|---|---|---|
CRML(クリティカル・メタルズ) | 29.97 | +28.74% | レアアース・資源 | 米政府出資検討報道の追い風継続 |
NVTS(ナバイタス・セミコンダクター) | 12.57 | +26.08% | GaN電源IC・AI電源 | AIサーバー向け高効率電源需要観測 |
LAES(シールスク) | 7.65 | +24.80% | 量子耐性セキュリティ | 量子耐性チップ共同開発発表の物色継続 |
LAC(リチウム・アメリカズ) | 10.05 | +19.22% | リチウム開発 | DOE5%出資確定報道の波及継続 |
OUST(オウスター) | 36.16 | +16.38% | LiDAR・自動運転 | AIセンサー統合報道の上昇継続 |
FLNC(フルーエンス・エナジー) | 18.45 | +16.11% | 蓄電・グリッド | AIデータセンター向け蓄電需要思惑 |
LUNR(イントゥイティブ・マシーンズ) | 13.85 | +13.06% | 月面輸送・宇宙探査 | NASA向け輸送計画進展報道 |
UUUU(エナジー・フューエルズ) | 26.23 | +10.35% | ウラン・レアアース | 原子力政策支援観測の物色継続 |
CLSK(クリーンスパーク) | 21.98 | +9.68% | ビットコイン採掘・AI/HPC | ビットコイン高とAIマイニング連想 |
SHLS(ショールズ・テクノロジー) | 10.13 | +9.51% | 太陽光BOS・電力機器 | 特になし |
SOUN(サウンドハウンドAI) | 20.86 | +8.99% | 音声AI・会話エージェント | 外食向け電話注文AI導入拡大の思惑 |
IREN(アイリス・エナジー) | 69.56 | +8.45% | ビットコイン採掘・AI/HPC | 最高値圏維持とAIクラウド拡張期待 |
個人的所感
資源内製化 × AI電力の二面上昇。
CRML・LACなど政策ドリブンの資源チェーン銘柄に買いが継続しつつ、
NVTS・FLNC・OUSTなどAIハード/電源周辺銘柄へも資金が波及。
宇宙(LUNR)・音声AI(SOUN)・マイナー(CLSK・IREN)も、
実需や価格連動のテーマ性を背景に追随。
資源銘柄の暴投が止まりませんね。低位銘柄で購入できないものも多く、一部銘柄をピックアップから除外していますが、トレンド継続の間はしっかり乗って起きたいところです。
市場インサイト
【分析日】2025/10/14
全体ムード
米中の相互港湾手数料や輸出管理強化が波及し、半導体や変動幅大きい高ベータ銘柄への売りと金・ドル債への資金シフトによるリスク回避の動き。
一方で、米銀好決算の下支えを背景に、ディフェンシブおよびバリューセクターへの資金循環の動きも。
日本市場は、連立不安と政策不確実性を背景に円やJGBのボラティリティ上昇。
株式市場は広範に弱含み。
アジア発の需給悪化観測とIEAによる供給超過報道を受け、原油は5カ月ぶり安値圏。
対照的に、金は史上高値圏での滞留を維持。
米10年金利は4.0%台前半へ低下し、タームプレミアム後退。欧州金利も連れ安の展開。
ドルは対円で反落する一方、対人民元では小幅高。
中国のディスインフレ観測が強まり、コモディティ全般の上値を抑制。
直近の注目材料は、米小売売上・ASML決算・中国Q3 GDP。
エクイティ
指数 | 終値 | 前日比 | 背景 |
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ダウ | 46,270.46 | +202.70 (+0.44%) | 銀行・ディフェンシブに物色、米長期金利低下の支え |
S&P500 | 6,644.31 | -10.65 (-0.16%) | テック軟調と防御高の綱引き |
ナスダック | 22,521.70 | -172.48 (-0.76%) | 対中摩擦再燃で半導体・AI関連に利益確定 |
日経225 | 46,847.32 | -1,240.67 (-2.58%) | 連立不透明感と円の変動拡大で輸出株売り優勢 |
STOXX600 | 564.54 | -2.09 (-0.37%) | 通商不安と見通し下方修正懸念で広範弱含み |
債券
国 | 10年利回り | 前日比(bp) | コメント |
---|---|---|---|
米国 | 4.04 % | -2 | 金価格上昇と景気減速懸念で安全資産買い |
ドイツ | 2.61 % | -2 | 欧州景気指標鈍化とリスクオフの受け皿 |
日本 | 1.66 % | -3 | 政策不確実性のなか短期ヘッジ解消で長期利回り小幅低下 |
為替
- USD/JPY 151.70(-0.38%):米金利低下と日本政治ヘッドラインで円買い戻し。
- EUR/USD 1.1574(+0.07%):米金利低下の恩恵でユーロ小反発。
- USD/CNY 7.1315(+0.44%):当局の基準値運営と通商不安でドル高元安継続。
コモディティ
品目 | 終値 | 前日比 | ドライバー |
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WTI原油 | $58.65/bbl | -1.41% | 供給超過観測と通商不安で需要見通し悪化 |
Brent原油 | $62.39/bbl | -1.47% | IEA余剰報告とリスク回避で上値重い |
天然ガス | $3.03/MMBtu | -2.32% | 気温見通しの弱さと在庫増警戒 |
金(現物) | $4,161.73/oz | +1.24% | 米利下げ思惑と地政・通商リスクで安全資産選好 |
銀 | $51.977/oz | -0.71% | 急伸後の利食いと産業需要不安 |
銅 | $4.98650/lb | -2.24% | 中国成長不安とドル高で指値後退 |
クリプト
- ビットコイン $112,680.77(-2.79%):通商ヘッドライン悪化とレバレッジ整理でリスク回避。
- イーサリアム $4,122.38(-2.79%):主要アルト含めたベータ圧縮と現物連動売りで続落。
マクロイベント焦点(今後3–4営業日)
- 2025/10/15(水)ASML Q3決算:AI関連CAPEXとEUV受注の強弱が半導体地合いを左右。
- 2025/10/16(木)米・小売売上高(9月):消費の粘着度とサービス偏重の度合いに焦点。
- 2025/10/20(月)中国・Q3 GDP/鉱工業生産・小売:ディスインフレ下の内需・生産の持ち直し度合いが鍵。
- 2025/10/23(木)日本・全国CPI(9月):基調インフレと賃金のかい離が政策含意を規定。
インサイトまとめ
- クリプトはBTC・ETHともリスクヘッドライン敏感のためポジション軽めが良さげ
- 米国株はグロース軽め・ディフェンシブ厚めの配分が無難。ヘッドラインでの先物ヘッジ短期活用が良さげ
- 日本株はイベント通過まで指数系は戻り売り、内需ディフェンシブと金関連の相対強さを拾うのが妥当
- 原油は戻り待ちの売りスタンス継続、在庫系指標の急変時のみショートカバー対応が無難
- 金は押し目買い継続、銀はボラ高止まりを前提に段階利食いが良さげ
- 為替はドル円の戻り売りとEURの押し目拾いの組み合わせが妥当、USDCNYはレンジ上限警戒が無難