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オルカンとは?新NISAで人気の「オールカントリー」をS&P500と徹底比較!将来性や円高リスクも解説

積立ニーサの人気銘柄「オルカン」とは?S&P500やナスダック100と比較してどれがおすすめ?投資信託

このサイトは、私(@mifsee)が個人的に学びながら企業分析や銘柄分析を進め、その成果をまとめたものです。

あくまで私の個人的な分析記録であり、内容には誤りや実際と異なる情報が含まれているかもしれません。ご覧になる場合は予めご了承ください。

  1. はじめに
  2. オール・カントリー(オルカン)って何?
  3. オルカンが人気の理由は?
    1. 全世界の株式への分散投資
    2. 低い運用コスト
    3. パッシブ運用の採用
    4. 長期投資に適している
    5. 投資初心者にもフレンドリー
    6. ファンドへの資金流入が高い
  4. オルカンの投資対象は?
  5. eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の概要をまとめると?
  6. オルカン(オール・カントリー)の手数料とコストはどれくらい?
  7. 信託報酬が長期投資のパフォーマンスに与える影響は?
  8. オルカン(オールカントリー)への投資に向いている人は?
  9. オルカン(オールカントリー)のパフォーマンスは?
  10. オルカンの分散比率は?
    1. オルカンの地域別構成比率
    2. オルカンの組入上位通貨
    3. オルカンの組入上位銘柄
  11. オルカン投資のデメリット、リスクは?
    1. 市場リスク
    2. 為替リスク
    3. 集中リスク
    4. 新興市場リスク
    5. 積立ニーサでのリスク
  12. 為替が円高になるとオルカンのパフォーマンスはどうなる?
    1. オルカンに為替ヘッジはない
  13. オルカン、S&P500、ナスダック100それぞれの特徴、違いは?
    1. オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)
    2. S&P500(eMAXIS Slim 米国株式)
    3. ナスダック100(iFreeNEXT NASDAQ100インデックス)
    4. 比較のまとめ
  14. 「オルカン」と「S&P500」選ぶならどっち?
    1. オルカン、S&P500、ナスダック100対象銘柄のそれぞれのパフォーマンスを比較すると
  15. 「オルカンはおすすめしない」という記事、検索も多くみられがその要因は?
    1. 分散投資の効果に関する疑問
    2. リターンの劣位性
    3. 分散による逆効果の懸念
    4. アメリカ市場の優位性
    5. 投資戦略との整合性
  16. オルカンの将来性と今後の見通しは?
    1. グローバル経済の成長に連動
    2. 分散投資によるリスク軽減
    3. 米国市場の影響力
    4. 為替リスクと円高の影響
    5. 新NISA制度での活用
    6. 今後の見通し
  17. まとめ

はじめに

NISA制度が「新ニーサ」として大幅にリニューアルされたことで、株式投資、特に米国株や海外市場への投資に対する関心が急速に高まっています。

友人や知り合いから「つみたてNISAで何を選べばいいの?」といった質問を受けることも増え、私自身も積立投資をより効果的に行う方法を検討していました。

そこで今回は、特に注目されている投資信託「オルカン(オールカントリー)」を取り上げ、そのメリットとデメリットを詳しく見ていきます。

また、米国の代表的な指数である「S&P 500」やハイテク株が中心の「ナスダック100」と比較し、どのような基準や目的でこれらの銘柄を選ぶべきかについても掘り下げてみました。

私はSBI証券を通じてニーサを運用していますが、本記事で取り上げる内容は楽天証券や他の証券会社でも概ね同じような仕組みのものが提供されていると思います。

オール・カントリー(オルカン)って何?

オルカンという名称は、この「オール・カントリー」を略したもの。

このファンドの特徴は、米国や日本といった先進国だけでなく、新興国市場にも分散して投資できる点にある。
つまり、特定の国や地域に依存せず、世界全体の株式市場に対する投資機会を提供する。
したがって、米国をはじめとする先進国の株式だけや、アメリカ一辺倒のファンドとは異なり、グローバルな成長を享受しながら、リスクを分散する投資手法として活用される。

全世界の主要な株式市場に幅広く投資できるため、特定の国や地域にリスクが集中しない。これは、長期的な資産形成を目指す投資家にとって、リスク管理と成長期待を両立させる手段として注目されている。

オルカンが人気の理由は?

オルカン「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」が人気を集める理由は、その広範な分散投資、低コスト、そして長期的な資産形成に向いている点にある。
以下は、オルカンが特に人気を集める主な理由。

全世界の株式への分散投資

オルカンは、先進国23カ国と新興国24カ国の株式に分散投資を行い、特定の地域リスクを軽減。
世界の経済成長に広く投資することで、地域経済の変動に左右されにくいポートフォリオを形成することができる。

低い運用コスト

「eMAXIS Slim」シリーズの大きな特徴は運用コストの低さであり、オルカンの信託報酬(運用管理費用)は約0.057%と非常に低い。
この低コストは、長期的な投資では特に重要であり、投資家にとって大きなメリットとなる。

パッシブ運用の採用

オルカンはパッシブ運用を採用しており、特定の市場指数に連動するリターンを目指している。市場の平均的な成長を効率的に享受できるため、アクティブファンドと比べて運用コストを抑えられる。また、市場全体の動向に合わせた安定した運用が期待できる。

長期投資に適している

全世界の株式に広範に投資しているため、経済成長に伴う株価上昇を長期的に捉えることができ、リスクを抑えつつも資産の着実な増加を目指せる。
特に長期的な資産形成を目指す投資家にとって、理想的な選択肢となる。

投資初心者にもフレンドリー

オルカンは、全世界の株式市場へのエクスポージャーを一つの商品で実現できるため、複雑な投資判断を必要としない。
投資初心者でも扱いやすいシンプルな運用商品となっている。

ファンドへの資金流入が高い

2024年の新ニーサの開始時点で、オルカンの純資産総額は約2兆4,000億円に達し、資金流入ランキングでは第2位を誇る。
この大規模な資金流入は、投資家からの信頼を示しており、人気の高さを裏付ける要素となっている。

これらの要因から、オルカンは長期的な資産形成を目指す投資家にとって、魅力的な選択肢であり続けている。特に、つみたてNISAのような制度を活用した投資においては、その安定した運用と低コストが評価されている。

オルカンの投資対象は?

オルカンの投資対象は、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)に連動するパフォーマンスを目指している。

この指数は、先進国および新興国を含む全世界の株式市場(約50カ国以上)をカバーし、数千の銘柄で構成されている。
多様な経済環境下でも幅広い投資機会を提供する点が特徴。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の概要をまとめると?

  • 運用会社:三菱UFJアセットマネジメント
  • カテゴリ:国際株式・グローバル(日本を含む)
  • 指数追跡対象:MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス
  • ファンド設定日:2018年10月31日
  • 分配金:なし

ファンド設定は2018年と比較的新しく、運用期間は長くないが、全世界の株式市場に幅広く投資する点で多くの投資家から支持を集めている。

オルカン(オール・カントリー)の手数料とコストはどれくらい?

  • 買付手数料(税込):なし
  • 信託報酬(税込)/年:0.05775%以内
  • 信託財産留保額:なし

このデータはSBI証券の場合であり、信託報酬は非常に低い水準にある。

投資家は全世界の株式市場への分散投資を、比較的低コストで行うことが可能。
信託報酬はファンドの運用に直接影響する費用であり、この低さは長期的な投資パフォーマンスにおいて有利に働く。

信託報酬が長期投資のパフォーマンスに与える影響は?

信託報酬は長期投資において非常に重要な要素であり、その影響は無視できない。

例えば、毎月5万円を30年間積み立てる場合、信託報酬が0.5%と1%の違いでも、最終的な投資成果には約300万円の差が生じる。

これは、わずかな信託報酬の違いが、複利効果を通じて大きな影響を与えるためである。
したがって、信託報酬の率は一見小さな数字に思えるが、長期的には投資リターンに大きな差を生み出す可能性があるため、慎重に確認し、その影響を理解することが不可欠である。

毎月5万円を30年間積立てる場合の信託報酬の差のシュミレーション結果

※毎月5万円を30年間積立てる場合の信託報酬の差のシュミレーション結果

参考:信託手数料シュミレーション

オルカン(オールカントリー)への投資に向いている人は?

オルカンへの投資が特に向いている人は、以下のような特徴や目的を持つ人。

  • 長期的な資産形成を目指す人:全世界の株式に分散投資し、経済成長による株価上昇を長期的に捉えることができる。時間をかけて資産を着実に増やしたい人に適している。
  • 分散投資を重視する人:先進国だけでなく新興国も含め、さまざまな地域や産業にわたる分散投資を行うため、特定の市場リスクを避けたい人やグローバルな視野で投資を行いたい人に最適である。
  • 投資初心者:オルカンは、一つの商品で全世界の株式市場にアクセスできるシンプルな投資戦略を提供しているため、投資初心者でも容易に取り組むことができる。
    特に、手間をかけずに積立投資を行いたい人に向いている。
  • 積立NISAを利用したい人:積立NISAなどの税制優遇制度を活用して、非課税での長期投資を行いたい人にも最適。税効果を活かしながら、グローバルな分散投資を希望する人には大きなメリットがある。

これらの条件に当てはまる人は、オルカンへの投資を検討する価値が十分にある。これらの特徴や目的にあう人は、オルカンへの投資を検討する価値がある。

オルカン(オールカントリー)のパフォーマンスは?

TradingViewのチャートを基にした分析では、2020年を基点として2024年2月までの期間で約80%の成長を遂げており、安定した成長を示している。

他の人気投資信託銘柄との比較については、後述する。

オルカンの2020年を基点として2024年2月までの価格推移グラフ

※オルカンの2020年を基点として2024年2月までの価格推移グラフ

オルカンの分散比率は?

オルカン(オールカントリー)は、対象インデックスに採用されている日本を含む先進国23カ国および新興国(24カ国)の株式等への投資を行う。

オルカンの対象国・地域別構成比率

出典:投資信託説明書(交付目論見書)

オルカンの地域別構成比率

地域カテゴリ国/地域比率
先進国・地域アメリカ63.80%
日本5.50%
イギリス3.40%
フランス2.80%
カナダ2.80%
その他11.70%
合計90.00%
新興国・地域中国2.50%
インド1.80%
台湾1.80%
その他3.90%
合計10.00%
  • オルカンの投資ポートフォリオは、世界各国に分散しているものの、実際には先進国、特にアメリカ市場への依存が大きい。アメリカへの投資比率は60%を超えており、この点から、分散投資の効果が限定的であるとの見方も存在する。
  • 全世界に投資しているとはいえ、アメリカ市場の影響を強く受けるため、グローバル分散のメリットがやや偏るリスクがあると言える。特に、アメリカ経済のパフォーマンスに大きく左右されることが懸念される。

オルカンの組入上位通貨

地域別構成比でアメリカの比率が高いため、組入通貨もアメリカドルが大きく占めている。

組入通貨比率
アメリカドル64%
ユーロ8%
5.50%
イギリスポンド3.50%
香港ドル2.50%
カナダドル2.80%
スイスフラン2.10%
オーストラリアドル1.70%
インドルピー1.90%
ニュー台湾ドル1.80%

オルカンの組入上位銘柄

組入銘柄の上位も、ほぼ米国株が占めている。

銘柄業種国・地域比率
アップルテクノロジー・ハードウェアおよび機器アメリカ4.5%
マイクロソフトソフトウェア・サービスアメリカ4.0%
アマゾン・ドット・コム一般消費財・サービス流通・小売りアメリカ2.1%
エヌビディア半導体・半導体製造装置アメリカ1.7%
アルファベット Aクラスメディア・娯楽アメリカ1.5%
メタ・プラットフォームズ Aクラスメディア・娯楽アメリカ1.1%
テスラ自動車・自動車部品アメリカ0.9%
ユナイテッドヘルス・グループヘルスケア機器・サービスアメリカ0.8%
アルファベット Cクラスメディア・娯楽アメリカ0.8%
イーライリリー・アンド・カンパニー医薬品・バイオテクノロジー・ライフサイエンスアメリカ0.8%

オルカン投資のデメリット、リスクは?

オルカンに投資する際に考慮すべきデメリットやリスクは以下の通り。

市場リスク

全世界の株式市場に投資しているため、世界経済の動向や特定の国や地域の政治的・経済的な不安定性が、ファンドの基準価額に直接影響を及ぼす。
市場全体が下落する局面では、オルカンのパフォーマンスも影響を受けることは避けられない。

為替リスク

オルカンは、日本円以外の通貨で取引される資産にも投資しているため、為替レートの変動が投資成果に影響を及ぼす可能性がある。
円高が進むと外貨建て資産の円換算価値が減少し、円安が進むと価値が増加する。このような為替リスクが、ファンドのリターンに与える影響は無視できない。

集中リスク

分散投資を行っているものの、実際には先進国、特にアメリカ市場に大きく依存しているため、特定の市場の下落がファンド全体に大きな影響を与えるリスクがある。
アメリカ市場の影響力が強いポートフォリオのため、米国経済の変動に左右されやすい。

新興市場リスク

新興国市場は高いリターンを期待できる反面、政治的不安定性や経済の変動性、市場の透明性の低さなどの要因から、先進国市場に比べてリスクが高い。このため、新興国市場の不安定さがファンドに悪影響を及ぼす可能性がある。

積立ニーサでのリスク

積立ニーサのような長期投資を前提とした場合でも、上記のリスク要因を理解しておくことが重要である。特に、為替や新興市場のリスクに対して十分な理解と対応が求められる。

これらのリスクを踏まえ、オルカンへの投資を検討する際には、自身のリスク許容度や投資目的に照らし合わせて慎重に判断することが必要である。

為替が円高になるとオルカンのパフォーマンスはどうなる?

オルカンは日本円以外の通貨で取引されている株式にも幅広く投資しているため、為替レートの変動が投資成果に直接影響を与える。
特に、オルカンの約60%が米国株に投資されていることから、円高が進行すると、外貨建て資産の円換算価値が減少し、結果としてファンドの基準価額が下がる可能性が高い。

たとえば、米ドル建ての株式が円換算される際、円高になるとドルでの評価額が同じでも、円での評価額が低くなる。この為替の影響によって、米国市場の株価が上昇していたとしても、円高が進行するとオルカンのリターンは削減されることになる。

為替(円高・円安)よるパフォーマンスの具体例

仮に、オルカンが米国市場で5%のリターンを上げたとしても、同期間に円高が進行し、為替レートが10%変動した場合、最終的な円ベースでのリターンはマイナスとなる可能性がある。
逆に、米ドルが強くなり円安が進行した場合は、外貨建て資産の円換算価値が増加し、パフォーマンスが向上することが期待できる。

オルカンに為替ヘッジはない

オルカンは為替ヘッジを行っていないため、為替リスクは直接的にファンドの基準価額に反映される。このため、為替リスクを回避したい投資家にとっては注意が必要であるが、逆に円安が進む局面では恩恵を受ける可能性がある。

このように、円高になると、オルカンの外貨建て資産の円換算価値が減少し、パフォーマンスが低下する傾向がある。
ただし、為替の動向は市場予測が難しいため、為替リスクも含めてリスク許容度に応じた長期的な投資判断が求められる。

オルカン、S&P500、ナスダック100それぞれの特徴、違いは?

積立NISAで人気のある銘柄には、オルカン、S&P500、ナスダック100を対象とした投資信託が含まれており、それぞれに特徴とメリットがある。以下は各ファンドの概要と違いをまとめたものである。

オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)

  • 投資範囲: 全世界(先進国23カ国+新興国24カ国)の株式
  • 特徴: 世界全体の成長に投資。アメリカを中心に、日本や新興国も含めた分散投資が可能。
  • 信託報酬: 0.05775%以内(非常に低コスト)
  • 運用方針: MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)に連動
  • 投資対象: 幅広い市場に分散投資し、特定の地域に依存しないため、リスク分散がしやすい。ただし、アメリカ市場への依存度が高いことが課題。
  • 適している投資家: 世界全体の成長に賭けたい人、低コストで長期的な資産形成を目指す人。

S&P500(eMAXIS Slim 米国株式)

  • 投資範囲: アメリカ合衆国の代表的な500社
  • 特徴: アメリカ経済全体を反映し、さまざまな産業に広がる大企業への投資。米国経済の成長に直接投資する戦略。
  • 信託報酬: 0.09372%以内
  • 運用方針: S&P500指数に連動
  • 投資対象: 主要な産業セクターを網羅し、アメリカの大企業を中心としたポートフォリオ。長期的な安定性があるが、アメリカ経済に依存。
  • 適している投資家: アメリカの成長に賭けたい人、安定した企業群に投資したい人。

ナスダック100(iFreeNEXT NASDAQ100インデックス)

  • 投資範囲: ナスダック市場の非金融大手企業100社
  • 特徴: 特にテクノロジーやイノベーション関連企業が多く含まれており、ハイリターンを狙える。ただし、ボラティリティが高くリスクも大きい。
  • 信託報酬: 0.495%(比較的高い)
  • 運用方針: NASDAQ100指数に連動
  • 投資対象: テクノロジー関連株が多く含まれ、成長性が高い。特定のセクターに集中しているためリスクが高いが、高リターンが期待できる。
  • 適している投資家: テクノロジー分野やイノベーションに賭けたい人、短期的な成長を求める人。

それぞれの投資信託の違いを理解するための比較表は以下。

比較のまとめ

指標オルカンS&P500NASDAQ100
投資信託eMAXIS Slim 全世界株式eMAXIS Slim 米国株式iFreeNEXT NASDAQ100
純資産約2兆4,300億円約3兆6,000億円約963億円
信託報酬0.05775%以内0.09372%以内0.495%
運用方針全世界株式米国株式(S&P500指数連動)米国株式(NASDAQ100指数連動)
リスク世界全体の分散でリスクを軽減アメリカ経済依存テクノロジー分野への集中リスク
リターンの期待中程度(世界経済全体に依存)高い(米国の成長)非常に高い(テクノロジー株の成長)

比較して見たポイント

  • オルカン: 世界全体に分散投資を行いたい人、リスク分散を重視しながらコストを抑えたい人に適している。
  • S&P500: アメリカ経済に投資したい、安定した大企業にリスクを分散させながら長期的なリターンを期待したい人に適している。
  • NASDAQ100: テクノロジーや成長性の高い企業に強く賭けたい人、ハイリスク・ハイリターンを求める人に適している。

どのファンドを選ぶかは、投資の目的やリスク許容度、米国市場やテクノロジー分野に対する見通しによって決定する必要がある。

「オルカン」と「S&P500」選ぶならどっち?

オルカン、S&P500、ナスダック100対象銘柄のそれぞれのパフォーマンスを比較すると

それぞれの投資信託の2022年頃からのパフォーマンスを比較したグラフは以下。

  • 青:三菱UFJ-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
  • 緑:三菱UFJ-eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
  • オレンジ:大和-iFreeNEXT NASDAQ100インデックス
オルカン、S&P500、ナスダック100対象銘柄のそれぞれのパフォーマンス
  • NASDAQ100(オレンジ)は最も高いパフォーマンスを示しており、特にテクノロジー企業の好調が反映されている。
  • S&P500(緑)はNASDAQ100に次ぐパフォーマンスを維持し、アメリカの大企業の安定的な成長を反映。
  • オルカン(青)は、他の2つに比べてやや控えめなパフォーマンスとなっているが、全世界に分散投資しているため、特定の市場リスクに偏らず安定的な成長が見込める。

2023年においては、特に米国のテクノロジーセクターが主導する形でNASDAQ100が強い成績を残している。
ただし、オルカンも約60%が米国株に投資されており、長期的な視点で見ると大きな違いはないことが予測される。

これらの違いは、投資家の目的やリスク許容度に応じた選択をする際の参考材料となる。テクノロジー分野に注力したいならNASDAQ100、アメリカ全体の経済に賭けるならS&P500、リスク分散を求めるならオルカンがそれぞれ適している。

「オルカンはおすすめしない」という記事、検索も多くみられがその要因は?

オルカンに対する一部の批判的な意見は、主に以下の点によると考えられる。

分散投資の効果に関する疑問

オルカンは全世界に分散投資することでリスクを低減することを目的としているが、実際にはその効果が限定的であるという指摘がある。
特に、S&P 500と比較した場合、オルカンには新興国株や中小型株が含まれており、その結果、リスクが増加している可能性があるとされている。

例えば、2020年のコロナショック時には、全世界株式型ファンドとS&P 500型ファンドの値動きに大きな差が見られず、分散効果が十分に発揮されなかったとの批判がある。

リターンの劣位性

S&P 500と比べて、オルカンのリターンが劣るとされることも、批判的な意見の一因である。S&P 500はアメリカの大手企業を対象としており、流動性が高く、世界中の投資家から注目されている。
そのため、S&P 500に投資することで、グローバルな投資機会をある程度確保できるという見方がある。過去のデータを見る限り、S&P 500はオルカンよりも高いリターンを提供していることが多く、その結果、「全世界に投資してもS&P 500に勝てない」という意見が出ている。

分散による逆効果の懸念

オルカンは幅広い地域と市場に分散投資を行っているため、安定性を期待する投資家にとって魅力的である。しかし、アメリカ市場が特に強い成長を見せている近年、アメリカに集中して投資する方がリターンが高いとする考え方があり、過度な分散がかえってリターンを抑えてしまう可能性が指摘されている。

アメリカ市場の優位性

S&P 500に含まれる米国株は、グローバルな影響力とブランド力を持つ大手企業が多く含まれており、そのパフォーマンスが非常に安定している。投資家の中には、全世界に分散投資を行うよりも、アメリカ市場に集中することで十分なリターンを得られると考える人もいる。これが「オルカンはおすすめしない」という意見の背景にある。

投資戦略との整合性

オルカンに対する批判的な意見は、個々の投資家の戦略やリスク許容度による部分が大きい。特に、テクノロジー株や特定の国への集中投資を好む投資家は、S&P 500やNASDAQ 100の方がリスクとリターンのバランスが取れていると考える場合がある。
一方で、リスク分散や長期的な安定成長を求める投資家にとっては、オルカンは依然として有力な選択肢である。

このように「オルカンをおすすめしない」という意見は、主に分散投資の効果が限定的であることや、過去のパフォーマンスがS&P 500に劣るという理由に基づいている。
しかし、グローバルな視点での分散投資を求める投資家にとっては、オルカンは引き続き魅力的な選択肢であり、自身の投資目標やリスク許容度に応じて最適なファンドを選択することが重要である。

オルカンの将来性と今後の見通しは?

オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー))の将来性と今後の見通しについて考えられるポイントは以下。

グローバル経済の成長に連動

オルカンは全世界の株式市場に幅広く投資しているため、グローバル経済の成長がファンドのパフォーマンスに直接影響を与える。
先進国だけでなく新興国にも投資していることから、世界各地の経済発展や市場動向を総合的に捉えることが可能である。

分散投資によるリスク軽減

世界約50カ国以上の株式に分散投資しているため、特定の国や地域の経済状況に左右されにくい。これは、地政学的リスクや地域特有の経済変動からポートフォリオを守る効果が期待できる。

米国市場の影響力

オルカンの投資比率は米国株が約60%を占めており、米国市場の動向がファンドのパフォーマンスに大きく影響する。米国経済が引き続き堅調であれば、オルカンのリターンも期待できる。一方、米国市場の調整局面では影響を受けやすい点に注意が必要である。

為替リスクと円高の影響

オルカンは為替ヘッジを行っていないため、為替レートの変動が投資成果に影響する。
円高になった場合、外貨建て資産の円換算価値が減少し、ファンドの評価額が下がる可能性がある。
特に日本円と米ドルの為替レートは重要であり、為替リスクを考慮した上での投資判断が求められる。

新NISA制度での活用

2024年から開始される新NISA制度では、年間の非課税投資枠が拡大される。この制度を活用してオルカンに投資することで、長期的な資産形成を効率的に行うことが可能となる。全世界に分散投資できるオルカンは、引き続き、新NISAの投資先として有力な選択肢である。

今後の見通し

  • 世界経済の回復と成長:コロナ禍からの回復が進む中、世界経済は徐々に成長軌道に乗っている。新興国の経済発展も期待されており、これらがオルカンのパフォーマンス向上に寄与する可能性がある。
  • テクノロジー分野の発展:米国を中心にテクノロジー企業の成長が続いており、オルカンの主要投資先である米国市場のリターンに貢献すると予想される。
  • 地政学的リスク:一方で、地政学的な緊張や貿易摩擦などが市場に不安定要素をもたらす可能性もあり、注意が必要である。

オルカンは、全世界の経済成長を享受しつつ、分散投資によるリスク軽減を図ることができるファンドである。米国市場の影響力や為替リスクを考慮しながら、長期的な資産形成を目指す投資家にとって有望な選択肢となり得る。
今後も世界経済の動向や新NISA制度の活用を視野に入れつつ、オルカンのパフォーマンスに注目していきたい。

まとめ

この記事では、全世界に投資するオルカン(オールカントリー)と、米国株に焦点を当てたS&P 500やナスダック100を対象とする投資信託の特徴や違いについて検討しました。

個人的な見解としては、どの銘柄を選んでも大きな違いはなく、それぞれのリターンは経済状況に大きく依存するため、投資家の目標やリスク許容度に応じた選択が重要だと感じます。

しかし、投資初心者がリスクを管理しつつ、ほったらかし投資による長期的な資産形成を目指す場合、オルカンは最適な選択肢の一つと言えるでしょう。全世界に分散投資を行うことで、特定の市場に依存せず、安定したリターンを期待できるからです。

私自身は、NISAを活用する際に税制のメリットを最大限に生かしつつ、より高いパフォーマンスを求めています。
特に年齢的に20~30年の長期投資が難しいため、パフォーマンス重視の投資戦略を取っています。

しかし、20代や30代の投資家やジュニアNISAを利用している方にとっては、低コストで安定的な成長を期待できるオルカンは、長期的な資産形成に理にかなった選択肢となるでしょう。

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