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CPI安心×決算ビートで中小型主役、Sea・Life360躍進、Jumia・Ondas再評価進む(2025.08.12)

CPI安心×決算ビートで中小型主役、Sea・Life360躍進、Jumia・Ondas再評価進む(2025.08.12)市場分析

このマクロ市場分析は、私(@mifsee)が米国市場への投資判断に際し、日々のマクロ環境を俯瞰的に捉えるための個人的な学習記録としてアウトプットしているものです。内容には誤りや実際の状況と異なる点を含む可能性があります。あらかじめご了承のうえ、ご覧ください。

注目の上昇銘柄(ウォッチリストから)

ウォッチリスト概況(2025/08/12 終値ベース)

銘柄テーマ終値騰落率個人メモ・インサイト
LTBR(ライトブリッジ)先進核燃料・SMR17.11+26.74 %Q2発表とOklo協業評価
ONDS(オンダス)産業無線・ドローン4.29+25.07 %Q2売上$6.3M(+555%)・受注残$20.7M
USAR(ユーエスエー・レアアース)レアアース19.04+23.32 %Q2発表、現金$122M・目標株価引上げ
SE(シー・リミテッド)東南アジアEC・ゲーム・金融174.12+19.07 %Q2売上$5.3B(+38%)・純利益$414M
ZENA(ゼナス・バイオファーマ)免疫疾患治療5.58+16.25 %Q2発表、obexelimab P3年内結果見込み
LIF(ライフ360)位置情報・ファミリー安全83.55+13.30 %Q2売上$115M・MAU8,800万で上振れ
ASPI(ASPアイソトープス)医療アイソトープ11.21+13.00 %JSE二重上場計画とRenergen買収進展
JMIA(ジュミア)アフリカEC7.25+12.58 %Q2決算からの上昇継続
BE(ブルーム・エナジー)分散型発電・データセンター電力41.25+9.56 %DC向け電力供給拡大観測(Oracle案件後)
ONON(オン・ホールディング)スポーツウェア49.81+8.95 %売上+32%で通期ガイダンス引上げ

全体として決算ドリブンの中小型グロース主導。Sea、Life360、Jumia、Ondasなど「数字とガイダンスで上方向を確認した銘柄」が強く、エマージングEC/データ・通信インフラ/代替電力(核・燃料電池)/戦略鉱物といったテーマに買いが集まる。
指数は大型テック依存からやや分散、テーマ横断の物色が広がっている様子。

テーマ別の手掛かり

  • 決算ビート+通期↑
    Sea、Life360、Jumia、Ondas。売上成長の再加速やユーザー指標の改善が確認でき、ギャップアップ後の出来高維持が続くかが焦点。
  • エネルギー・原子力サイド
    Lightbridge、Bloom Energy。SMRやデータセンター電力の話題性が高く、政策・規制ニュースへの感度が高いセグメント。
  • 資源・戦略鉱物
    USA Rare Earth。リチウムやレアアースの供給不安が背景。価格連動性が強くボラ高のため、商品市況の反転に注意。
  • そのほか
    医療アイソトープ(ASPI)は設備・許認可の進捗ヘッドラインが株価ドライバーになりやすい地合い。

いま注目したい確認ポイント

  • ガイダンスの質:単純な売上ビートより、粗利・営業レバレッジの改善が伴っているか。SeaやLife360はここが見所。
  • 継続性:Ondasは受注残の現金化ペース、Jumiaは黒字化トラックの実行度合いを追跡。
  • 政策リスク:LightbridgeやBloom Energyは規制・補助金のヘッドラインで振れ幅が出やすい。
  • 需給:ギャップアップ後の窓を埋めずに5日線を維持できるか。出来高減速や上髭連発は利確サインになりやすい。

個人的な所感

  • 今日は「決算で裏付けられた実需テーマ」に素直な資金が流れており、短期だけでなく数週間スパンのトレンド化が期待できる顔ぶれが多い印象。
  • 一方で、資源・原子力の一部はヘッドライン依存で往復ビンタになりやすい立ち上がり。段階的エントリーとトレーリングストップを前提に扱いたい。
  • インバウンド的な外部要因(政策・関税・金利)のノイズは続くものの、ファンダで語れる銘柄を厚く持つ戦略がワークしやすい地合いと想定。

市場インサイト

全体ムード

7月CPIが「想定内」で着地し、利下げ観測が維持されたことで米株は広範に買い戻され、S&P500とナスダックが同時に史上高を更新。牽引役は根強い利下げ観測と、この日の主役となったリチウム関連の供給ショック

中国CATLの鉱山操業停止報道が引き金となり、昨日に続きリチウム先物が急騰。EVサプライチェーンへの懸念から、鉱山株や素材セクターへ買いが波及した。

この動きは、マクロ指標待ちの静かな市場で、供給サイドの材料がいかに強力なテーマとなり得るかを象徴。結果、株式は堅調、債券利回りは小幅上昇、為替はドル高で推移。市場の関心は「半導体」と「リチウム」の二大テーマに集約され、エネルギーや金は軟調と、選別色の強い一日となった。

エクイティ

指数終値前日比背景
ダウ44,458.61+483.52 (+1.10%)CPI前の利下げ観測とメガテック堅調。
S&P5006,445.76+72.31 (+1.13%)幅広く買い、最高値更新。
ナスダック21,681.90+296.50 (+1.39%)AI・大型テック主導で上昇。
日経22539,672.22+233.20 (+0.59%)休場明け、半導体・自動車に買い。
STOXX600547.89+1.13 (+0.21%)薄商い、素材はリチウム連想高。

債券

10年利回り前日比(bp)コメント
米国4.29 %+2CPI前の調整で小幅上昇。
ドイツ2.74 %+4欧州株堅調の裏で国債は売り優勢。
日本1.51 %+2正常化観測残り利回り持ち直し。

為替

  • USD/JPY 148.10(+0.30%):CPI前のドル買い優勢で上昇。
  • EUR/USD 1.1618(-0.26%):ドル堅調でユーロ小反落。
  • USD/CNY 7.1876(+0.09%):当局の安定化で小動き。

コモディティ

品目終値前日比ドライバー
WTI原油$63.13/bbl-1.30%需給均衡観と在庫前の調整売り。
Brent原油$66.10/bbl-0.80%EIA短観の弱気見通しが重石。
天然ガス$2.79/MMBtu-5.55%冷涼気候・在庫厚で続落。
金(現物)$3,402.92/oz-0.05%ドル高観測で上値重い。
$37.98/oz+0.52%工業需要期待で底堅い。
$4.50680/lb+1.50%リスクオンと中国期待で反発。

クリプト

  • ビットコイン $120,118.40(+1.20%):機関資金流入観測で高値接近。
  • イーサリアム $4,600.00(+8.88%):リスク選好回復と先物主導で急伸。

マクロイベント焦点(今後3–4営業日)

  • 8/13(米)CPI(7月):コア+0.3%観測、利下げ期待の試金石。
  • 8/14(米)PPI・新規失業保険:需給と賃金インフレの手掛かり。
  • 8/15(中)7月鉱工業生産・小売売上:景気モメンタム確認。
  • 8/15(米)ミシガン大消費者信頼感(速報):期待インフレに注目。

リチウム関連強含みの要因(洞察)

CATLが江西省の主要リチウム鉱山(建霞窩/Jianxiawo)で操業を停止(許可更新遅延)した報道を受け、広州のリチウム炭酸先物が+8%の制限高、ALB・SQM・LAC等の鉱山株も急騰した。市場は「過剰供給→タイト化」への転換期待とショートカバーを同時に織り込んだ格好である。供給サイドの一時的制約が、在庫積み上がり下の価格弾力性を高め、短期で価格弾性が上方に歪む構図である。

インサイトまとめ)

  • 直近は半導体×リチウムの二極循環。イベント通過までは上流素材(鉱山・精錬)を短期厚め、イベント後は利確回転が妥当である。
  • 金利はレンジ上限に近く、USD/JPYはCPI次第の双方向。ガンマ買い(ストラドル)等のイベントドリブン戦略が有効である。
  • 原油はEIA弱気見通しで戻り売り、金はドル動向待ち。ポートではテック・素材(上流)>エネルギーの比重が機能しやすい地合いである。

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