このマクロ市場分析は、私(@mifsee)が米国市場への投資判断に際し、日々のマクロ環境を俯瞰的に捉えるための個人的な学習記録としてアウトプットしているものです。内容には誤りや実際の状況と異なる点を含む可能性があります。あらかじめご了承のうえ、ご覧ください。
注目の上昇銘柄(ウォッチリストから)
ウォッチリスト(2025/09/09 終値ベース)
名柄 | 終値 | 変動率 | テーマ | インサイト |
---|---|---|---|---|
NBIS(ネビウス・グループ) | 95.72 | +49.42% | AIクラウド・GPU | Microsoftと$17.4BのAIインフラ供給契約発表 |
BITF(ビットファームズ) | 1.59 | +24.22% | ビットコイン採掘・HPC転用 | ネオクラウド関連物色とAI/HPC転用期待 |
INOD(イノデータ) | 53.63 | +12.38% | AIデータ整備・アノテーション | 通期上方修正後・強気レポートでモメンタム継続 |
TECK(テック・リソーシズ) | 39.07 | +11.28% | 銅・資源 | Anglo Americanとの$53B統合合意 |
DAVE(デイブ) | 217.16 | +11.25% | ネオバンク・個人金融 | Q2決算ビートと自社株買い増額後の上昇継続 |
UUUU(エナジー・フューエルズ) | 13.08 | +9.92% | ウラン・レアアース | NdPr磁石の商用製造確認発表 |
APLD(アプライド・デジタル) | 15.20 | +9.27% | AIデータセンター・HPC | CoreWeaveとの総額$11B契約報道へのリバウンド |
UNH(ユナイテッドヘルス) | 347.92 | +8.64% | 保険・メディケア | MA四つ星78%見通し・25年EPS据え置き示唆 |
CRWV(コアウィーブ) | 100.22 | +7.13% | AIクラウド・GPU | ベンチャー部門新設とNebius契約連想 |
LEU(セントラス・エナジー) | 217.90 | +6.46% | ウラン濃縮 | KHNP・POSCO出資検討MOUの思惑継続 |
個人的所感
Nebius(ネビウス)のMicrosoft契約を起点に、ネオクラウド関連とHPC転用銘柄へ資金回流。CoreWeave(コアウィーブ)やマイナーにも連想買い波及。
改めてAI関連における電力需要問題が表面化し、低消費電力でAI計算リソースを最適化するエネルギー効率分野に資金が波及しそう。
資源系はM&Aドライバーで、 TeckとAngloの大型統合で銅・資源セクターに需給改善期待。
ヘルスケアはファンダメンタル改善。 ユナイテッドヘルスはMA星評価改善とガイダンス維持で信認回復。
核燃料チェーンは政策追い風つづく流れ。 UUUUのレアアース進展、LEUの韓国連携MOUでテーマ継続。
相場全体、最高値更新の強い相場であるが、リスク許容度高めの地合いが続いています。
市場インサイト
【分析日】2025/09/09
全体ムード
米株は主要3指数がそろって過去最高値更新の続伸、利下げ観測の根強さとメガテック買い戻しの相乗
欧州はストックス600横ばい圏で材料見極め、日本は44,000台到達後に反落の達成感優勢
債券は米小幅低下、独強含み、日本ほぼ横ばいの利回り収斂
為替はドル安一服のレンジ、コモディティは原油反発×金は史上高値圏の対照
エクイティ
指数 | 終値 | 前日比 | 背景 |
---|---|---|---|
ダウ | 45,711.34 | +196.39 (+0.43%) | 利下げ観測とヘルスケア・通信に資金流入、最高値更新 |
S&P500 | 6,512.61 | +17.46 (+0.27%) | バリュエーション耐性の再確認で広範上昇、最高値更新 |
ナスダック | 21,879.49 | +80.79 (+0.37%) | メガテック主導で連日の最高値更新 |
日経225 | 43,459.29 | -184.52 (-0.42%) | 44,000乗せの達成感と円動意で反落 |
STOXX600 | 552.39 | +0.35 (+0.06%) | M&A観測と仏政局不透明感の綱引きで小動き |
債券
国 | 10年利回り | 前日比(bp) | コメント |
---|---|---|---|
米国 | 4.03 % | -1 | 指標前の需給と利下げ観測優位で小幅低下 |
ドイツ | 2.66 % | +2 | 欧州材料織り込みでやや強含み |
日本 | 1.60 % | +1 | 政策据え置き観測下のレンジ内推移 |
為替
- USD/JPY 146.10(-0.14%):米金利小幅低下でドル売り・円買い戻り。
- EUR/USD 1.1760(+0.09%):ドル安一服下のユーロ小高。
- USD/CNY 7.1410(-0.01%):当局ガイダンス下の狭いレンジ。
コモディティ
品目 | 終値 | 前日比 | ドライバー |
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WTI原油 | $62.26/bbl | +0.63% | OPEC+の小幅増産決定後も自律反発 |
Brent原油 | $66.02/bbl | +0.79% | 同上、需給タイト観の意識残存 |
天然ガス | $2.82/MMBtu | +1.15% | 需給タイト観測とショートカバー |
金(現物) | $3,637.39/oz | -0.09% | 利下げ観測下で史上高値圏維持も引けは小反落 |
銀 | $41.90/oz | +0.24% | 金高基調の追随と工業需要観測 |
銅 | $4.50000/lb | +0.11% | マクロ期待と在庫見合いの自律反発 |
クリプト
- ビットコイン $111,491.52(-0.52%):株のリスクオン優位下でも高値圏での持ち合い継続。
- イーサリアム $4,600.00(-0.43%):イベント前の回転主体で相対強維持。
マクロイベント焦点(今後3–4営業日)
- 2025/09/10(水)米・CPI(8月)—コアの粘着度とガソリン寄与の確認
- 2025/09/11(木)ECB理事会—成長見通しとガイダンスのトーン
- 2025/09/12(金)米・ミシガン消費者信頼感速報(9月)—インフレ期待の方向性
- 2025/09/12(金)英国・月次GDP(7月)—サービス牽引の持続性点検
インサイトまとめ
- 利下げ観測×AIテーマの二層相場継続によるクオリティ優位
- 債券は中期デュレーションの段階積み増しとイベント前後の機動調整
- 為替はドル安レンジ前提の回転、ドル円は146台中心の売り買い併用
- コモディティは原油の戻り売り×金の押し目維持のペア運用
- クリプトはBTC軸・ETH相対強のサイズ抑制回転運用