このマクロ市場分析は、私(@mifsee)が米国市場への投資判断に際し、日々のマクロ環境を俯瞰的に捉えるための個人的な学習記録としてアウトプットしているものです。内容には誤りや実際の状況と異なる点を含む可能性があります。あらかじめご了承のうえ、ご覧ください。
注目の上昇銘柄(ウォッチリストから)
ウォッチリスト(2025/09/12 終値ベース)
名柄 | 終値 | 変動率 | テーマ | インサイト |
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AISP(エアシップAI) | 5.44 | +19.04% | 監視AI・国土安全 | 急騰だが、材料見当たらず |
IONQ(アイオンキュー) | 55.61 | +18.19% | 量子コンピューティング | 英当局がOxford Ionics買収承認 |
LAES(シールスク) | 3.37 | +17.42% | セキュリティ半導体・量子耐性 | H1決算と通期見通し提示の余韻 |
BMNR(ビットマイン・イマージョン) | 55.09 | +15.28% | 暗号資産・採掘 | BTC高とETH保有戦略連想 |
RGTI(リゲッティ・コンピューティング) | 19.09 | +14.38% | 量子コンピューティング | IONQ買収承認報道の連想高 |
QS(クアンタムスケープ) | 9.95 | +12.43% | 全固体電池 | デモ実機公開評価の継続買い |
MOB(モビリコム) | 7.39 | +12.14% | ドローン通信・国防 | 米ティア1顧客の受注増額発表 |
ARQQ(アーキット・クオンタム) | 33.71 | +11.42% | 量子暗号 | AGM全議案可決の余韻 |
RKLB(ロケット・ラボ) | 53.34 | +10.14% | 宇宙輸送・小型ロケット | Electron70機目成功報道 |
BITF(ビットファームズ) | 2.23 | +9.31% | ビットコイン採掘 | BTC11.5万ドル台回復で連動高&HPCテーマで連騰つづく |
GRAB(グラブ) | 6.00 | +8.50% | 東南アジアスーパーアプリ | 52週高値更新・モメンタム買い |
SES(SES AI) | 1.25 | +7.76% | 次世代EV電池 | 個別材料なしの様子だが、テーマのトレンド影響か |
個人的所感
量子関連のイベントドリブン主導。IONQの買収承認報道を起点に、RGTIや量子暗号のARQQへ波及するテーマ連鎖。ナスダック最高値更新下でのハイベータ回帰か。
エネルギー・電池では、QSの実機デモ評価が続き、宇宙ではRKLBのElectron節目打上成功が注目。分散型テーマの同時高の流れ。
暗号資産はBTCが11.5万ドル台を維持し、BITFやBMNRに資金流入。BMNRはETH巨額保有の継続材料。マクロ追い風下のリスクオン継続。
量子関連はしばらく踊り場の印象でしたので、今回の材料きっかけにトレンド回復を期待したいところです!
市場インサイト
【分析日】2025/09/12
全体ムード
米株はナスダック続伸の最高値更新、S&P500小反落、ダウ反落のまちまち相場。欧州はストックス600小安の週末、日本は日経225が終値最高値更新の独歩高。債券は米金利小反発の戻り、独・日も小幅連れ高の利回り収斂。為替はドル安一服のレンジ回帰、コモディティは原油反発×金の高値圏滞留の対照、クリプトはビットコイン高値追いのリスク許容度回復の流れ。
エクイティ
指数 | 終値 | 前日比 | 背景 |
---|---|---|---|
ダウ | 45,834.22 | -273.78 (-0.59%) | 金利小反発と利益確定の圧力 |
S&P500 | 6,584.29 | -3.18 (-0.05%) | バリュエーション警戒とイベント前の様子見 |
ナスダック | 22,141.10 | +98.03 (+0.44%) | メガテック買い戻しと最高値更新 |
日経225 | 44,768.12 | +930.45 (+2.12%) | グローバル利下げ観測とハイテク高追随の資金流入 |
STOXX600 | 554.82 | -0.31 (-0.06%) | 週末の材料見極めで小反落 |
(米主要指数:AP、日経:各種市況速報、欧州:データトーク)
債券
国 | 10年利回り | 前日比(bp) | コメント |
---|---|---|---|
米国 | 4.03 % | +3 | 指標前の持ち高調整と週末需給 |
ドイツ | 2.66 % | +1 | 米金利の戻りに連動 |
日本 | 1.61 % | +1 | 政策据え置き観測下のレンジ上限試し |
為替
- USD/JPY 147.18(-0.18%):米金利の戻り限定でドル高一服。
- EUR/USD 1.1723(+0.09%):ユーロ小戻りのレンジ推移。
- USD/CNY 7.1205(-0.01%):当局ガイダンス下の狭いレンジ。
コモディティ
品目 | 終値 | 前日比 | ドライバー |
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WTI原油 | $62.69/bbl | +0.51% | 露産供給リスク報道と需給観測の綱引きで小幅続伸 |
Brent原油 | $66.99/bbl | +0.93% | 同上、タイト感意識で堅調 |
天然ガス | $3.11/MMBtu | -0.13% | 在庫・天候観測の往来 |
金(現物) | $3,642.50/oz | +0.11% | 利下げ観測維持と安全資産需要 |
銀 | $41.20/oz | +0.24% | 金連動と投資需要の下支え |
銅 | $4.54000/lb | +0.44% | 景気期待持ち直しと在庫見合いの自律反発 |
(原油決済:Reuters)
クリプト
- ビットコイン $116,777.85(+2.01%):インフレ鈍化観測とリスク許容度回復の買い戻し。
- イーサリアム $4,515.00(+1.90%):大型テーマ継続と需給タイト化観測の相対強。
マクロイベント焦点(今後3–4営業日)
- 2025/09/16(火)米・小売売上高(8月)—消費の粘りと価格動向の確認
- 2025/09/17(水)FOMC政策金利—初回利下げ幅とドット見通しの焦点
- 2025/09/18(木)英・BOE政策金利—据え置き可否と票割れの手掛かり
- 2025/09/19(金)米・新規失業保険申請件数—労働需給の緩み度合いの点検
インサイトまとめ
- 利下げ観測×テック牽引の継続でクオリティ優位のトレンド維持
- 金利の戻り限定を前提とした中期デュレーションの段階積み増し
- ドル安一服レンジの前提で、ドル円は146–148の回転戦略
- 原油は戻り売り×金は押し目維持の非対称ヘッジ構築
- BTC高値追いに連動したリスク許容度回復も、イベント前はサイズ抑制の機動運用