このマクロ市場分析は、私(@mifsee)が米国市場への投資判断に際し、日々のマクロ環境を俯瞰的に捉えるための個人的な学習記録としてアウトプットしているものです。内容には誤りや実際の状況と異なる点を含む可能性があります。あらかじめご了承のうえ、ご覧ください。
注目の上昇銘柄(ウォッチリストから)
ウォッチリスト(2025/09/29 終値ベース)
名柄 | 終値 | 変動率 | テーマ | インサイト |
---|---|---|---|---|
FLUX(フラックス・パワー) | 4.47 | +17.63% | 産業用リチウム電池 | FY25決算モメンタム継続 |
DNA(ジンコ・バイオワークス) | 13.23 | +14.04% | 合成生物学 | (なし) |
CLSK(クリーンスパーク) | 14.87 | +14.74% | ビットコイン採掘 | BTC担保$1億クレジット枠発表 |
HOOD(ロビンフッド) | 136.72 | +12.27% | フィンテック・ブローカー | 「バンキング」拡充と最高値更新観測 |
EOSE(イオス・エナジー) | 11.17 | +10.38% | 長時間蓄電 | 材料なし、トレンド継続 |
ADUR(アデュロ・クリーン・テクノロジーズ) | 13.77 | +9.98% | 化学リサイクル・プラ | 材料なしだが、上昇トレンド続く |
WDC(ウエスタン・デジタル) | 116.74 | +9.23% | ストレージ・HDD/SSD | 大手証券の強気レポート・目標引き上げ |
AREC(アメリカン・リソーシズ) | 3.01 | +8.27% | クリティカルミネラル・レアアース | ReElementがPOSCOと希土類オフテイク契約 |
APP(アップラヴィン) | 712.36 | +6.34% | AdTech・AI広告 | 目標引き上げ相次ぎの高値追い |
LTBR(ライトブリッジ) | 22.74 | +6.06% | 次世代核燃料 | ATM計画開示の余韻 |
LMND(レモネード) | 54.37 | +5.72% | AI保険 | 材料なしだが、モメンタム継続か |
個人的所感
AI関連×電力・データと資源の二極進行が続いていますね。
WDCは強気レポートとPT引き上げでデータストレージ需要再評価、APPはアナリストの一斉引き上げで高値追い継続。
マイニングではCLSKがBTC担保の与信確保で資金調達面を強化、FLUXは決算モメンタム継続。資源はARECのPOSCO向けオフテイクで再注目。
一方、DNA・EOSE・ADUR・LMNDなど材料不明の同調高も散見されるがどれもモメンタムが高めの銘柄であり、調整一服からの物色の流れも感じられます。
市場インサイト
【分析日】2025/09/29
全体ムード
米国では会計年度末を前に、政府機関の一部閉鎖リスクが再び意識。
暫定予算をめぐる超党派交渉は難航し、航空各社では運航遅延への警戒といった実務面のリスクも現実味を帯びる。
指標面では、消費者マインドの弱さが尾を引くなか、今週発表のCB消費者信頼感や雇用関連統計を前に様子見ムード。政策では、初回利下げを通過したばかりで当局者の発言待ち、次の利下げ時期の手掛かり探しが続く。
リスク資産はメガテック主導で選好が続く一方、シャットダウン不確実性や決算の明暗が上値を抑制。金利は米長期金利がじり安でデュレーションに回帰。為替はドルが小反発しつつ、欧州通貨は往来。
コモディティでは金が安全資産需要で高値圏、原油は需要不透明感と在庫観測でやや軟調。
総じて、政策・財政・経済データという“三重イベント”を前に、テールリスクを見張りながら質への回帰が意識される状況。
エクイティ
指数 | 終値 | 前日比 | 背景 |
---|---|---|---|
ダウ | 46,180.50 | -66.79 (-0.14%) | ディフェンシブ高と景気敏感の利確交錯 |
S&P500 | 6,650.12 | +6.42 (+0.10%) | メガテック底堅さと長期金利低下のバリュエーション許容 |
ナスダック | 22,560.10 | +76.03 (+0.34%) | 半導体・AI関連への押し目買い |
日経225 | 45,560.21 | +205.22 (+0.45%) | 円安気味と海外勢の裁定買い |
STOXX600 | 551.20 | -1.10 (-0.20%) | 金融・自動車の重石と資源・テックの下支え |
債券
国 | 10年利回り | 前日比(bp) | コメント |
---|---|---|---|
米国 | 4.12 % | -1 | インフレ指標想定線のデュレーション回帰 |
ドイツ | 2.75 % | -1 | 欧州景気減速観測の品質志向 |
日本 | 1.64 % | 0 | 会合通過後の需給均衡 |
為替
- USD/JPY 146.70(+0.27%):米金利高止まりと株安フローのドル買い戻し。
- EUR/USD 1.1780(-0.09%):材料難の往来とドル小反発。
- USD/CNY 7.1060(-0.03%):中間値運用下の低ボラ維持。
コモディティ
品目 | 終値 | 前日比 | ドライバー |
---|---|---|---|
WTI原油 | $62.10/bbl | -0.56% | 需要不透明感と在庫思惑の上値抑制 |
Brent原油 | $66.85/bbl | -0.22% | マクロ不確実性とドル動向の相殺 |
天然ガス | $3.10/MMBtu | -0.32% | 近月需給の一服 |
金(現物) | $3,730.00/oz | -0.49% | 実質金利横ばいの高値圏もみ合い |
銀 | $44.10/oz | -1.63% | 金連動のベータ調整 |
銅 | $4.69800/lb | -0.15% | 中国ヘッドライン待ちのレンジ |
クリプト
- ビットコイン $114,510.00(+2.00%):イベント後のショートカバーとリスク選好回復。
- イーサリアム $4,209.70(+1.92%):大型材料待ちのレンジ上限試し。
マクロイベント焦点(今後3–4営業日)
- 2025/09/30(火)ユーロ圏・HICP速報(9月):コア減速度合いと金利見通しの含意
- 2025/09/30(火)米・消費者信頼感(9月):雇用指標と所得期待の基調確認
- 2025/10/01(水)米・ISM製造業/中国・PMI(9月):製造業循環の転換点検証
- 2025/10/02(木)米・失業保険新規申請:雇用減速テンポの確認
インサイトまとめ
- 米大型グロース優位継続下の先物ヘッジ併用の緩やかなリスクオン
- 日本株の押し目回転と外需グロース比重高めの機動配分
- デュレーションやや長めの逢い場拾いとカーブフラット化バイアス維持
- ドル小反発レンジ下のEUR段階買い・USD/JPY逆張りのレンジ戦術
- 原油戻り売り・金押し目買いのクロスアセット分散
- クリプト軽めのイベント後ボラ縮小期対応