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あくまで私の個人的な分析記録であり、内容には誤りや実際と異なる情報が含まれているかもしれません。ご覧になる場合は予めご了承ください。
はじめに
2024年、金(ゴールド)の価格は30%以上の成長を見せており、S&P500を大きく上回る上昇率を記録し金のポテンシャルが見直されています。
一般的にゴールドは安全資産として、ポートフォリオの約10%程度を保有するのが良いとされていますが、現在は安全資産としての側面だけでなく、価格上昇によるキャピタルゲインを狙える有望な投資先としても注目されています。
ここでは、金(ゴールド)に投資をする際に押さえておくべきポイントと、投資先の選択肢について掘り下げます。
なぜ、金(ゴールド)が注目されている?
金(ゴールド)が注目されている理由には、以下の複数の要因がある。
地政学的リスクと経済的不確実性
国際的な政治・経済の不安定化が進む中、金は「安全資産」としての重要性が高まっている。特に米国と中国の対立や、ロシアとウクライナの紛争といった地政学的緊張が続くことで、リスク回避資産としての金(ゴールド)の需要が増加している。
投資家は不確実な状況においてポートフォリオの安定化を図るため、金の保有を増やす傾向にある。
米国の金融政策と金利低下への期待
米連邦準備制度(FRB)は、インフレを抑制しつつ経済成長を維持するために、将来的な金利引き下げを検討している。
低金利環境では、利息を生まない資産である金の「機会コスト」が低下し、金投資が魅力を増す。
金利が下がると同時にドルが弱含む傾向があり、ドル建てで取引される金の価値が上昇する可能性が高まる。
中央銀行の金保有増加
世界の中央銀行が保有する金の量は、2024年においても引き続き増加傾向にある。
特に中国やインド、トルコなどが積極的に金を購入し、金の需要を押し上げている。
世界金協会によれば、金は長期的な価値の保全手段と見なされており、特にドル依存の減少(脱ドル化)を図る動きの一環としても注目されている。
供給制約と採掘コストの増加
金の供給面では、採掘コストの上昇が価格上昇の一因となっている。
労働力やエネルギーコストの増加、難採掘地域への依存度が増す中で、金の生産コストは上昇傾向にあり、供給量も制限されている。
このような供給面での制約が、金価格を支える要因となっている。
インフレ対策としての役割
金はインフレに対するヘッジ(価値保全策)としての役割が強調されている。
特に経済がインフレ傾向にある場合、金は購買力を保持する手段と見なされるため、資産保全の手段としての需要が増している。
これらの要素が複合的に作用し、2024年の金の価値を支えている。
投資家にとっては、経済や市場が不安定な状況下で、金を保有することでリスクヘッジと資産の安定性が確保できるため、注目が集まっている。
金の基本的な特性と資産としての価値は?
金の基本的な特性と資産としての価値には、以下の要素がある。
希少性と不変性
金は地球上での埋蔵量が限られており、天然資源としての希少性が非常に高い。
実際、これまでに採掘された金の総量はオリンピックプール1杯分に相当するとされ、この限られた量が希少性の象徴とされている。
また、金は酸化や腐食に対する耐性があるため、長期間にわたり変質することなくその価値を維持できる特性を持つ。
この不変性が資産価値としての魅力を増しており、特に紙幣やその他の資産がインフレや価値変動にさらされる中、金はその価値を長期的に保ちやすい。
価値の保全手段としての役割
歴史的に、金は経済不安やインフレ時のリスクヘッジとして重要視されてきた。
市場が不安定な状況や、他の資産が急激に価値を失うリスクがある際に、金は「安全資産」としての役割を果たす。
特に、金融危機やリセッション、地政学的リスクが高まる局面では、資金が金に流れる傾向が強くなる。
こうした価値保全機能から、多くの投資家や中央銀行が金を保有する理由となっている。
国際通貨としての役割
金は貨幣の代替手段としても機能し、ドルやユーロといった通貨に代わる「国際的な通貨」としての性質を持つ。
特に、ドルの価値が揺らぐ際には、金が「価値の基準」として注目され、資産価値の一部として機能する。また、各国の中央銀行が金を保有し、経済の安定や通貨の価値を支える資産として利用されることも多い。
インフレヘッジとしての機能
金はインフレに強く、その価値が相対的に維持されるため、物価上昇時に他の資産が価値を下げても、金は実質的な購買力を保ちやすい。
これは、インフレ率が高い時期に金の価格が上昇することが多いという歴史的な傾向に裏付けられている。
多用途性と流動性
金は装飾品や工業用途(特に電子機器や医療分野)としても利用されるため、単なる投資資産ではなく、物理的な需要もある。
さらに、金市場は世界中で取引が行われるため、高い流動性を持ち、容易に現金化できることも資産としての価値を高める要因である。
このように、金はその希少性や不変性、経済的な安定手段としての特性から、長期的に高い資産価値を維持できる資産として注目されている。
ゴールド価格はどれくらい成長している?
ゴールド価格は、2024年に入って顕著な成長を見せている。
2024年のゴールドの価格チャート
金価格は約38%上昇し、過去最高値を更新し続け、1トロイオンスあたり2,700ドルを超えている。
FRBがインフレにより急速に金利を上げた2022年11月には1630ドルあたりまで下落していたが、その後2年足らずで1000ドルを超える成長を見せている。
2022年11月からのゴールドの価格チャート
2024年からのこの急速な上昇は、地政学的緊張や米国の金融政策の変動、そして新興国の中央銀行による金の大量購入など、複数の要因が影響している。
さらに注目すべきは、米国連邦準備制度(FRB)の金利引き下げに対する期待である。
市場では、FRBが2024年9月から金利を引き下げ、これが金価格を新たな名目高値に押し上げる可能性があると予測されている。
また、中央銀行による金の購入も価格上昇の一因となっている。
特に中国やロシア、インドなどの新興国は、米ドルへの依存を減らすために金の保有量を増やしており、これが市場の需給バランスに影響を与えている。これらの要因が相まって、2024年のゴールド価格は大きく成長している。
ゴールドのパフォーマンスをS&P500やオルカンと比較すると?
2024年のゴールドのパフォーマンスを、オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式オール・カントリー)とS&P500と比較してみると、以下となっている。
- ゴールド(GOLD):+33.58%
- オルカン(2559):+24.91%
- S&P500(SPX500USD):+20.52%
ゴールドは3つの資産の中で最も高いパフォーマンスを示し、その成長が際立っている。
ゴールド(GOLD)とオルカンとS&P500の比較チャート
金・ゴールドの投資方法はどのような選択肢がある?
金現物の購入(地金・コイン)
- 概要:金の地金や金貨といった実物資産を購入し、自宅や専用保管庫に保管する方法。現物として金を直接保有することができ、長期的な資産価値の保存手段として人気。
- メリット:
- 実物資産として物理的な保有が可能で、長期間にわたり価値を保持しやすい。
- インフレ対策や通貨不安に強く、経済的な混乱時の「安全資産」として有効。
- 金価格や通貨の影響を受けにくく、自身で管理できる安心感。
- デメリット:
- 盗難や破損のリスクがあるため、保管場所の確保や保険の必要性が高まる。
- 売却時の手数料がかかることが多く、流動性が低い。
- 購入や保有にコストがかかり、即時の現金化には不向き。
金ETF(上場投資信託)
- 概要:金の価格に連動するETFを購入する方法。実物保有の代わりに証券化された金に投資し、リアルタイムでの取引が可能。
- メリット:
- 少額から購入でき、保管や管理の手間が不要で手軽に投資可能。
- 流動性が高く、取引所で即時の売買ができるため、現金化が容易。
- 信託報酬が低い銘柄も多く、長期保有に適している。
- デメリット:
- 実物を直接保有しないため、現物保有の安心感には欠ける。
- 為替変動リスク(特に海外ETFの場合)が伴う。
- 分配金がないため、短期的な収益を狙うには不向き。
金鉱山株
- 概要:金を採掘・精製する企業の株式に投資し、間接的に金価格の上昇による利益を狙う方法。金価格と連動する傾向があるが、企業固有のリスクもある。
- メリット:
- 金価格の上昇に伴い、鉱山企業の収益も増加しやすく、レバレッジ効果がある。
- 配当がある場合もあり、金価格の変動に加えて追加の収益が期待できる。
- 鉱山業界や関連産業の成長も享受できるため、分散効果もある。
- デメリット:
- 金価格だけでなく、企業の経営リスクや業界全体の影響も受けるため、リサーチが必要。
- 株式市場全体の影響も受けやすく、金価格とは異なる値動きをする可能性がある。
- 地域や企業ごとの特有リスクも伴い、安定的な資産としてはリスクが高め。
純金積立
- 概要:毎月一定金額で少しずつ金を購入していく積立方式。長期的に少額から資産を増やすことを目的とする。
- メリット:
- 購入時期を分散できるため、金価格の変動リスクを軽減できる。
- 少額から始められ、時間をかけて長期的に資産を積み立てるのに適している。
- 一定の積立量が確保できれば現物交換可能なプランもあり、実物保有のメリットも得られる。
- デメリット:
- 管理手数料や売買手数料がかかる場合があり、短期的な利益には不向き。
- 売却時期に制約がある場合もあり、自由な売買が難しい。
- 金価格の変動に依存するため、他の資産と比べて利回りが低くなる可能性もある。
金先物取引
- 概要:金価格の将来予測に基づき、一定の価格で売買する先物市場での取引方法。レバレッジを活用し、少額で大きな金額を取引可能。
- メリット:
- レバレッジ効果により、少額で大きなポジションを取ることができ、短期利益を狙いやすい。
- 価格変動を利用して積極的な取引ができるため、デイトレードや短期投資に向く。
- 市場変動に対するヘッジ手段としても利用でき、リスク管理に役立つ。
- デメリット:
- 高レバレッジ取引のため、金価格が逆に動くと損失が大きくなるリスクがある。
- 先物取引には高い市場知識が必要で、初心者には難易度が高い。
- 期限が決まっているため、予想外の損失リスクもある。
CFD取引
- 概要:CFD(差金決済取引)を利用して金価格の上昇や下落に投資する方法。実際に金を保有せず、金価格の変動に対して差金で決済する。
- メリット:
- レバレッジをかけることで、少額で金価格の上昇・下落に対する投資が可能。
- 売買手数料が安く、短期的な売買やデイトレードに向いている。
- 売りポジションも取れるため、金価格の下落局面でも利益を狙える。
- デメリット:
- レバレッジによるリスクが高く、損失も大きくなる可能性がある。
- 長期保有には不向きで、金の現物を保有しないため安心感に欠ける。
- 金融機関や証券会社のサービスに依存するため、取引条件や手数料が変動しやすい。
多くの取引方法がありますが、私個人としては、個別の金鉱山株や関連ETF、日々の値動きを利用しやすいCFD取引を活用しています。また、国内の純金積立も行っており、ドル建てと円建ての両方でゴールドのポートフォリオを形成しています。
今後も金が大きく成長すると見込まれている要因は?
以下は、金が今後も成長する要因について。
地政学的リスクの高まり
世界各地での地政学的緊張、特に米中対立やロシア・ウクライナ問題、中東問題などが続く中、投資家は不確実性への対策として「安全資産」である金の保有を増やす傾向がある。
歴史的に、政治的・経済的不安が増すと金への需要が高まり、価格が上昇する傾向がある。
金は他の資産とは異なり、どの通貨にも依存せず価値を保持するため、地政学リスクの影響を最小限に抑えつつ資産の価値を保つ手段として利用される。
インフレ懸念とドルの価値低下
インフレが進むと、紙幣の購買力が下がるが、金はその価値を維持しやすいことからインフレヘッジとして注目される。
特に米ドルの価値が下がると、ドル建てで取引される金の相対的な価値が上がる。
金はインフレ時に相対的な価値を保ちやすいため、インフレ懸念が高まる局面では価値保全手段としての需要が増加する。
ドルの価値が低下することで、海外からの金需要も増加し、価格を支える要因となる。
中央銀行による金の大量購入
世界中の中央銀行、特に中国、ロシア、インドといった新興国が、外貨準備の一部として金を保有する量を増やしている。これは、ドルへの依存を減らし、資産を安定させる目的がある。
世界金協会のデータによれば、近年、中央銀行の金保有量は大幅に増加しており、こうした需要が金価格を支えている。
また、ドル資産以外の保有比率を増やそうとする国が増えていることも、金需要の増加につながっている。
米国の金融緩和政策(将来的な金利引き下げの期待)
米国の金融政策が緩和的であれば、金利の低下が予測されるため、金利を生まない資産である金の「機会コスト」が下がり、金の魅力が増す。
特に、FRB(米連邦準備制度)が将来的な金利引き下げを示唆している場合、投資家はリスク分散の観点から金の保有を増やす傾向が強まる。
また、金利が下がるとドル安が進行し、ドル建てで取引される金の価格上昇につながる。
供給制約と採掘コストの上昇
金鉱山の採掘コストは、労働費用やエネルギー価格の上昇に伴い年々増加している。
また、容易に採掘できる鉱山が減り、アクセスが困難な地域での採掘が増えているため、供給が制約される状況にある。
供給量が限られる中で金の需要が維持または増加すると、金価格は押し上げられる傾向にある。
さらに、供給不足や採掘コストの上昇により、新規供給の不足が予想され、価格の下支えになると見込まれる。
脱ドル化の進展と国際通貨への関心拡大
米ドルに代わる資産として金を見なす国が増えており、特に新興国を中心に脱ドル化の動きが進んでいる。
金は世界的な価値基準を持つ「国際通貨」としての性質を持つため、外貨準備の多様化を図る国々にとって魅力的な資産である。
ドル依存のリスクを回避するため、金が資産ポートフォリオに加えられる傾向が強まっており、こうした需要が金市場の成長を支える要因となっている。
関連記事:BRICS Payとは?新たな国際決済通貨として注目されるその仕組みとは
インドやアジア諸国における金の現物需要
アジア地域、特にインドでは、結婚シーズンや宗教行事の際に金を購入する文化が根強く存在する。
中国や他のアジア諸国でも、金は富の象徴や資産保全手段として重視され、経済成長とともに需要が拡大している。
アジア諸国での金の現物需要は、金価格を底堅く支える重要な要因となっている。また、経済成長と生活水準の向上により、個人の金購入が増え、現物需要がさらに増加すると見込まれる。
リセッション(景気後退)
リセッション(景気後退)が進行する局面では、安全資産として金と債券への需要が共に高まる傾向がある。
株式や不動産といったリスク資産が売られ、投資家はリスク回避のために金や国債などの安全資産を購入し、資産の安定性を確保しようとする。
特に金は金融システムへの依存度が低く、経済の不確実性が高まる状況下で資産保全の手段として信頼されやすい。また、債券もリセッション時には価格が上昇しやすいため、金と並んで需要が増加する。
なぜ一部の国は脱ドル化を押し進めているのか
一部の国が脱ドル化を進める背景には、経済的・地政学的リスク回避や、主権の強化といった要因がある。以下にその理由を詳しく説明する。
経済制裁リスクの回避
米国が強力な経済制裁を発動する際、ドルが国際決済に使われることを利用し、制裁対象国へのドル流通を制限することが多い。
こうした制裁リスクを避けるため、ロシアやイランなどの国々はドルへの依存を減らし、独自通貨や他の準備資産(ユーロや人民元、金など)に依拠する「脱ドル化」を進めている。
通貨の安定と主権強化
米国の金融政策(特に利上げ・利下げ)は、ドルを基軸通貨とする国々の経済に直接影響を及ぼす。
例えば、米国が利上げを行うとドルが強くなり、ドル建て債務を持つ国々は返済負担が増す。こうした影響を避け、自国の金融主権を強化するため、脱ドル化を目指す国が増えている。
外貨準備の多様化
各国の中央銀行は、ドルへの過度な依存を避けるために外貨準備を分散し、リスク軽減を図っている。脱ドル化の一環としてユーロや人民元、金の保有割合を増やすことで、国際経済におけるドルの影響を減らし、安定性を保とうとしている。
世界的な通貨秩序の多極化
近年の世界経済は、米国一極から多極化に向かっている。
中国が「一帯一路構想」などを通じて人民元の国際化を進める一方で、ロシアはルーブルの利用を推奨しており、世界の通貨システムが多様化している。
このような背景で、ドル以外の通貨が影響力を持つようになりつつあり、特に新興国や資源国が脱ドル化を推進している。
これらの要因から、脱ドル化に進み、合わせて金の大量保有という流れが起きている。
ゴールド(金)に投資できる関連ETF(米株)
1番目のみリアルタイムチャートを掲載しているが、ゴールド価格に連動しているため、値動きは基本的に同じとなっている。
SPDR ゴールド・シェアーズ(GLD)
- 概要:世界最大級の金ETFで、金の価格に連動するETF。現物の金を裏付け資産とし、金の市場価格に連動。
- メリット:流動性が非常に高く、少額から投資可能。安全性の高い資産として広く利用される。
- 信託報酬:0.40%
iシェアーズ・ゴールド・トラスト(IAU)
- 概要:ブラックロックが運用する金ETFで、金価格の変動に連動。GLDと同様、金の現物を裏付けに持つ。
- メリット:GLDに比べて信託報酬が低いため、長期保有に向いている。流動性も高い。
- 信託報酬:0.25%
SPDR ゴールド・ミニシェアーズ・トラスト(GLDM)
- 概要:GLDの低コスト版で、同じく金価格に連動する。金を現物保有しているため、金市場の動向に応じた価値変動がある。
- メリット:信託報酬が非常に低く、少額で手軽に投資できるため初心者にも向いている。
- 信託報酬:0.10%
アバディーン・スタンダード・フィジカル・ゴールド・シェアーズETF(SGOL)
- 概要:アバディーン・スタンダードが運用する金ETFで、スイスの金庫に保管された金を裏付けとしている。
- メリット:スイスに保管されているため、地政学リスクを抑えたい投資家に支持される。信託報酬も低め。
- 信託報酬:0.17%
グラニットシェアーズ・ゴールド・トラスト(BAR)
- 概要:グラニットシェアーズが運用する金ETFで、金の現物に連動している。低コスト運用を重視。
- メリット:信託報酬が低く、長期的な保有にも適している。
- 信託報酬:0.17%
これらのETFはそれぞれ異なる信託報酬や流動性があり、投資家のニーズに合わせた選択が可能。短期・長期保有に応じて選ぶと良い。
ゴールド(金)に投資できる関連鉱山株(米株)
ニューモント・コーポレーション(Newmont Corporation, NEM)
- 概要:世界最大の金鉱山会社で、アメリカに本社を置く。多くの国で金採掘事業を展開し、金以外にも銀や銅を産出。
- メリット:安定した財務基盤を持ち、配当も支払っているため、長期保有に向いている。金価格の変動に敏感で、金価格が上昇すると利益が上がる傾向。
- リスク:地域的な規制や環境リスクの影響を受けることがある。
バリック・ゴールド(Barrick Gold Corporation, GOLD)
- 概要:カナダに本社を置く大手金鉱山企業で、南米やアフリカなど世界各地に採掘場を持つ。金の他に銅も採掘。
- メリット:金鉱山の保有数が多く、金価格の上昇局面で大きな収益を上げる可能性がある。多様な地理的展開により、リスクが分散されている。
- リスク:政情不安が続く地域での採掘もあるため、地政学リスクにさらされることがある。
キンロス・ゴールド(Kinross Gold Corporation, KGC)
- 概要:カナダに本社を置き、北米、南米、アフリカに鉱山を持つ中堅金鉱山企業。特にアメリカとロシアでの生産が多い。
- メリット:成長余地があり、金価格の上昇局面でのリターンが大きい。中堅企業であり、業績が改善されれば株価上昇の可能性も高い。
- リスク:比較的小規模な鉱山を運営しているため、価格変動や生産量の減少によるリスクが大きい。
アグニコ・イーグル・マインズ(Agnico Eagle Mines Limited, AEM)
- 概要:カナダに本社を置き、北米に鉱山を集中させる大手金鉱山企業。採掘事業に注力し、堅実な経営を行っている。
- メリット:北米に特化した地理的リスクが少ない鉱山展開が魅力。配当を支払っており、安定した投資先としての人気も高い。
- リスク:北米以外の鉱山を保有していないため、地理的な多様性には欠ける。
アラモス・ゴールド(Alamos Gold Inc., AGI)
- 概要:カナダに本社を置く中堅金鉱山企業で、主に北米(カナダ、メキシコ)に鉱山を所有。サステナビリティを重視した運営を行っている。
- メリット:地理的リスクが比較的低く、サステナブルな採掘活動が支持されている。生産拡大の余地があり、成長企業としてのポテンシャルが高い。
- リスク:中堅企業のため、大手に比べて資金力が劣る点や、生産規模の限界が株価変動のリスク要因となる可能性がある。
フランコ・ネバダ(Franco-Nevada Corporation, FNV)
- 概要:カナダの金ロイヤルティ企業で、直接採掘は行わず、金鉱山から得られる収益に投資。金以外の鉱物のロイヤルティも保有。
- メリット:金価格の変動に強く、安定した収益構造が特徴。ロイヤルティモデルにより、金鉱山の運営リスクを避けつつ、金価格に応じた利益を享受できる。
- リスク:直接の採掘リスクは低いが、金価格に依存するビジネスモデルのため、金価格下落時には利益も減少しやすい。
ゴールド(金)に投資できる関連ETF(日本株)
日本株でゴールド(金)に投資できる関連ETFには、以下のようなものがある。
純金上場信託【1540】
- 概要:東京証券取引所に上場している日本の金ETFで、金価格に連動する。現物の金を裏付け資産として保有し、金価格の値動きに応じたリターンを得ることができる。
- メリット:日本円で取引でき、保管や管理の手間が不要。金の現物保有も可能なため、実物資産としての安心感がある。
- 信託報酬:0.44%
- 株価(1540)チャートを見る(Yahoo!JAPAN ファイナンス)
NEXT FUNDS NOMURA ETN金先物連動型【2037】
- 概要:金先物価格に連動するETN(上場投資証券)で、金の価格動向に連動している。先物に基づくため、金現物とは異なるリスク特性がある。
- メリット:少額から投資が可能で、短期的な価格変動に敏感な商品。金の価格上昇時に手軽にリターンを得ることができる。
- デメリット:先物価格に基づくため、現物資産としての安心感は少ない。信託報酬もETFに比べて若干高め。
- 信託報酬:0.80%
- 株価(2037)チャートを見る(Yahoo!JAPAN ファイナンス)
MAXIS貴金属【1541】
- 概要:三菱UFJ国際投信が提供するETFで、貴金属価格に連動。金の他に、貴金属全般に連動する特徴がある。
- メリット:金だけでなく貴金属全般への投資として分散効果が得られる。長期的な資産保全に向く。
- デメリット:金価格に完全連動するわけではなく、他の貴金属の価格変動も影響する。
- 信託報酬:0.44%
- 株価(1541)チャートを見る(Yahoo!JAPAN ファイナンス)
これらのETFは日本の証券取引所で取引できるため、国内の投資家にとって手軽に金に投資できる手段として利用されている。
ゴールド(金)に投資できる関連鉱山株(日本株)
日本株でゴールド(金)に関連する鉱山株には、以下のような企業がある。
住友金属鉱山株式会社【5713】
- 概要:日本最大の非鉄金属企業で、金を含むさまざまな金属資源の採掘・精錬を行っている。国内外に鉱山資源を持ち、金だけでなく銅やニッケルなどの生産も手掛ける。
- メリット:金の精錬能力が高く、安定した供給体制を持つ。金だけでなく、他の金属資源も多様に扱っているため、金価格の変動リスクをある程度分散できる。
- リスク:金価格に加え、銅やニッケルなど他の金属市場の変動にも影響を受けるため、特定の金価格だけに依存する投資には向かない。
- 株価(5713)チャートを見る(Yahoo!JAPAN ファイナンス)
DOWAホールディングス株式会社【5714】
- 概要:金を含む貴金属の精錬事業を行い、電子部品材料としての金を供給する。再生事業も展開しており、金のリサイクルを積極的に行う点で特徴的。
- メリット:金のリサイクルを行うため、資源価格が高騰した際には収益機会が広がる。また、電子部品需要の増加に伴い安定した金の供給が見込まれる。
- リスク:金価格だけでなく、リサイクルコストや環境規制によるコスト増のリスクがある。
- 株価(5714)チャートを見る(Yahoo!JAPAN ファイナンス)
三井金属鉱業株式会社【5706】
- 概要:銅や鉛のほか、金の精錬や販売も手掛ける非鉄金属の大手企業。主にアジア地域に採掘・精錬の拠点を持ち、幅広い金属資源に対応。
- メリット:多様な金属資源を取り扱い、リスク分散ができる。金の精錬に加え、産業用途への応用が多いため、安定的な需要が期待される。
- リスク:複数の金属資源に依存しているため、特定の資源価格変動が収益に影響を及ぼす。
- 株価(5706)チャートを見る(Yahoo!JAPAN ファイナンス)
これらの日本企業は、直接的な金採掘事業を大規模に行っているわけではないが、金の精錬・供給において重要な役割を担っている。日本国内で金に関連する投資を行いたい場合、こうした企業を通じて金市場の成長を間接的に享受することができる
純金積み立てができる日本のサービスは?
三菱マテリアル「MJC(マイゴールドプラン)」
- 概要:三菱マテリアルが提供する純金積立サービスで、毎月1,000円から積立が可能。購入した金は三菱マテリアルが保管。
- 特徴:少額からの積立が可能で、貯まった金は地金として引き出すことができる。取引手数料は積立額の2.5%。
- 三菱マテリアル「MJC(マイゴールドプラン)」
田中貴金属「純金積立」
- 概要:田中貴金属が提供するサービスで、毎月3,000円から積立が可能。購入した金を田中貴金属が管理。
- 特徴:積立した金は地金やコインとして引き出すことができ、他の金属(プラチナ、銀)も積立可能。手数料は積立額に応じて1.5%〜2.5%。
- 田中貴金属「純金積立」
SBI証券「金・プラチナ積立」
- 概要:SBI証券の証券口座を利用し、毎月100円から積立ができるサービス。田中貴金属との提携により提供されている。
- 特徴:100円から始められるため初心者にも向いている。証券口座で管理するため、他の資産と一緒にポートフォリオ管理が可能。手数料は積立額の1.65%。
- SBI証券「金・プラチナ積立」
楽天証券「純金積立」
- 概要:楽天証券が田中貴金属と提携して提供する純金積立サービス。100円から積立可能。
- 特徴:楽天ポイントを利用して積立ができるため、ポイントを有効活用したい人に人気。手数料は1.65%。
- 楽天証券「純金積立」
マネックス証券「純金積立」
- 概要:マネックス証券の証券口座で積立ができ、毎月1,000円から積立可能。田中貴金属と提携。
- 特徴:証券口座で金積立ができるため、他の投資と合わせて管理がしやすい。手数料は1.65%。
- マネックス証券「純金積立」
これらのサービスは少額から始められ、積み立てた金を地金やコインとして引き出すことも可能。各サービスによって手数料や利用できるポイントなどの特徴が異なるため、目的や投資額に応じて選ぶことが重要である。
円建てとドル建て、どちらの金に投資したほうがよい?
円建て金投資
メリット
- 為替リスクを抑えた安定性
円建てであれば、為替変動の影響が少ないため、日本国内の経済状況に沿った安定的な投資が可能。 - 円安時の評価額増加
円安局面では、ドル建て金価格が変わらなくても円で見た評価額が上がるため、為替差益を享受できる。日本円の価値低下に対するヘッジ効果も得られる。 - インフレ対策
円安がインフレ要因となる場合でも、金の価格が上昇し、資産価値が保持されるため、購買力低下を補完する効果がある。 - 管理・現金化が容易
日本国内の証券会社や純金積立サービスを通じて円で管理・購入でき、資金移動や税制面での煩雑さが少ない。円での現金化も容易で、日常的な資金計画に便利。
デメリット
- リターンが限定される可能性
ドル建てで金価格が上昇しても、円高が進むと円でのリターンが減少することがある。 - 為替差益が得られない
円安時にはドル建て金の利益を得やすいが、円建てではその恩恵を直接享受できないため、為替相場の恩恵を最大化できない。
ドル建て金投資
メリット
- 為替の恩恵を享受
円安が進むと、金価格が変動しなくても円換算での評価額が増加し、為替相場による追加リターンが得られる。 - ドル安による相殺効果
ドル安が進行すると、金価格が相対的に上昇するため、ドルの価値低下が進んでも金の評価額が上がり、資産価値が保たれやすい。 - 通貨分散の効果
ドル建て資産の一環として金を保有することで、円安や日本円のインフレリスクへのヘッジ効果を得られる。また、米国市場は金ETFや金鉱山株など選択肢が豊富で、ポートフォリオの多様化がしやすい。 - 実質購買力の維持
ドルのインフレや価値低下が進む際にも金価格が上昇しやすく、ドル建て資産の購買力低下を補う効果がある。
デメリット
- 為替リスク
円高が進行すると、金価格が上昇しても円換算でのリターンが減少する可能性がある。 - 為替手数料が発生
ドル建てでの取引には為替手数料がかかり、頻繁な取引ではコストが増加するため、長期保有が基本となる。
それぞれのメリット・デメリットをまとめると
円建て金投資は、為替リスクを抑え、円安時のインフレ対策や日常的な資金管理を重視する場合に適している。国内での運用が簡便であり、円安局面では一定のリターンも得やすい。
ドル建て金投資は、円安基調が予想される場合や、通貨分散を図りつつ、ドル安局面での価格上昇による利益を狙う際に有効。長期的なポートフォリオの分散効果が得られるため、インフレヘッジとしても有用である。
リスク許容度、資産配分、長期的な戦略に応じて、円建て・ドル建ての金投資をうまく組み合わせるとよいでしょう。
まとめ
私は個人的にゴールドを含めたコモディティ投資が好きで、さまざまな銘柄に投資しています。その中でもゴールドはポートフォリオの中心的な位置を占め、非常に大きな割合を占めています。
ゴールド投資を始めたのは比較的若い頃で、当時は「将来インフレになる」という漠然とした情報に基づき、インフレ局面ではゴールドが強いというシンプルな方程式を信じ、毎月数千円から1万円程度の国内純金積立をコツコツと続けていました。
しばらく忘れていた頃に金価格を確認すると、予想以上に価格が上がっており、含み益も大きく膨らんでいました。
当時は日本株にも投資していましたが、そちらでは損失が続くばかりで、うまくいきませんでした。しかし、ゴールドだけは安定して価値を保ち、一度も損を出すことはありませんでした。
その後、コロナショックが訪れ、金価格が大きく下がる場面がありましたが、そのタイミングでスポットで購入を重ね、今ではその選択が大いに役立っています。
皮肉にも、最初は利益を狙わずに始めたゴールド投資が最も良いパフォーマンスを発揮しています。
ゴールドは長期的にコツコツと積み立てるのが最適な投資方法だと実感しています。
今後もこのスタンスでゴールド投資を続けていくつもりです。
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