このマクロ市場分析は、私(@mifsee)が米国市場への投資判断に際し、日々のマクロ環境を俯瞰的に捉えるための個人的な学習記録としてアウトプットしているものです。内容には誤りや実際の状況と異なる点を含む可能性があります。あらかじめご了承のうえ、ご覧ください。
注目の上昇銘柄(ウォッチリストから)
ウォッチリスト(2025/08/18 終値ベース)
名柄 | 終値 | 変動率 | テーマ | インサイト |
---|---|---|---|---|
FSLR(ファースト・ソーラー) | 219.33 | +9.69% | 太陽光パネル | 米財務省のクリーンエネ税額控除ガイダンス好感 |
BITF(ビットファームズ) | 1.38 | +9.52% | ビットコインマイニング/HPC | 元AWS幹部の取締役就任発表 |
RCAT(レッドキャット) | 9.19 | +9.27% | ドローン・防衛 | 子会社Teal Dronesの米陸軍SRR採用関連材料に連想買い |
TATT(TATテクノロジーズ) | 40.14 | +8.31% | 航空機MRO | B777向けAPU整備で3年・$12M契約獲得 |
OSCR(オスカー・ヘルス) | 16.65 | +6.46% | デジタル保険・ACA | Hy-Veeとの雇用者向けICHRAプラン発表後の買い継続 |
TEM(テンパスAI) | 78.45 | +6.33% | 医療AI・ゲノミクス | 強気レポートとQ2好決算後のモメンタム |
個人的所感
市場全体は小動きの中、政策・契約・提携といった“確度の高い材料”に資金が集中した一日。太陽光は財務省の税額控除ガイダンスが想定より緩やかとの受け止めでセクター買いが優勢となり、FSLRが上昇。
防衛・航空では受注ニュースが株価を素直に押し上げ、TATTはB777向けAPU整備の3年契約で上昇。RCATも子会社Teal Dronesの米陸軍SRR関連の採用を巡る周辺材料も追い風。
個別では、BITFが元AWS幹部の取締役就任という人材ニュースで買いを集め、ヘルスケア関連ではOSCRがHy-VeeとのICHRAプラン材料を引き続き消化。TEMは決算後のモメンタムに強気継続の流れ。
総じて、マクロは様子見でも、政策変更や受注確度の高いトピックに資金が回る地合いか。
テーマ面ではクリーンエネルギーと国防テック、ファンダ面では「ビート&ポジティブガイダンス/受注の可視化」の印象。
市場インサイト
【分析日】2025/08/18
全体ムード
米は主要3指数が小幅まちまち、欧州は横ばい、日本は日経が高値更新の堅調基調である。背景はFOMC議事要旨とジャクソンホール、主要小売決算前の様子見とポジション調整で、イベント前の流動性低下×ガンマ抑制による値動き圧縮相場の様子。
債券は米10年横ばい圏、独は小幅低下、日もレンジ内推移。
為替はドル高一服、円は148近辺の往来。
注目トピックは、クリーンエネルギー税額控除ガイダンスを受けたソーラー上昇と、ウクライナ関連首脳会談のヘッドライン。
エクイティ
指数 | 終値 | 前日比 | 背景 |
---|---|---|---|
ダウ | 44,911.82 | -31.36 (-0.07%) | 議事要旨とジャクソンホール前で方向感乏しい地合い |
S&P500 | 6,449.15 | -1.95 (-0.03%) | 金利横ばい圏で大型株に手掛かり難 |
ナスダック | 21,629.77 | +1.21 (+0.01%) | 半導体はまちまち、金利安定も上値重い |
日経225 | 43,714.31 | +336.00 (+0.77%) | 米株高余韻と主力の底堅さで続伸 |
STOXX600 | 554.01 | +0.45 (+0.08%) | エネルギー小反発も、全体はイベント前の様子見 |
債券
国 | 10年利回り | 前日比(bp) | コメント |
---|---|---|---|
米国 | 4.34 % | +1 | 議事要旨前の持ち高調整で小幅上昇 |
ドイツ | 2.76 % | -2 | 米金利連動の往来、欧州株小動きで需要強含み |
日本 | 1.57 % | +1 | 長期金利はレンジ継続、イベント待ちの需給要因 |
為替
- USD/JPY 147.95(+0.04%):米10年金利の小幅上昇でドル堅調。
- EUR/USD 1.1665(+0.03%):材料薄のなか欧米イベント待ちで膠着。
- USD/CNY 7.1849(+0.04%):中間値安定でレンジ推移。
コモディティ
品目 | 終値 | 前日比 | ドライバー |
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WTI原油 | $63.32/bbl | +0.83% | 供給不安後退観測とイベント前の買い戻し |
Brent原油 | $66.60/bbl | +1.14% | 政治イベント絡みの思惑とポジション調整 |
天然ガス | $2.89/MMBtu | -0.89% | 需要見通しの鈍化(気温予報)で反落 |
金(現物) | $3,332.40/oz | -0.09% | 米金利横ばいで方向感限定、LBMA PM小幅安 |
銀 | $38.09/oz | +0.95% | 工業需要期待と金連動の戻り |
銅 | $4.45700/lb | -0.47% | COMEX小反落、鞘の正常化観測 |
クリプト
- ビットコイン $116,390.00(-0.96%):株・金利の様子見相場でリスク選好一服。
- イーサリアム $4,307.86(-2.95%):アルト主体の戻り一巡で相対的に軟調。
マクロイベント焦点(今後3–4営業日)
- 2025/08/20 FOMC議事要旨(7月会合)公表:利下げ経路の示唆に市場の関心集中。
- 2025/08/21–23 ジャクソンホール経済シンポジウム:パウエル講演のトーンが金利と株式に波及。
- 2025/08/21 世界PMI速報(米・欧・英・日):製造業の底入れ度合いの確認。
- 2025/08/21 米新規失業保険申請件数:雇用減速の微差が金利と株に影響。
インサイトまとめ
- 米金利はイベント通過まで膠着想定ゆえ、エクイティはベータ抑制・ディフェンシブ比重微増の中立寄り運用が妥当。
- 原油はBrent$67近辺は上値重く、戻り売りと押し目買いのレンジ見通し。
- 金は$3,320–3,360の値固め局面、急落時の分散的な押し目拾いが有効かも。
- 為替はドル円148前後で上値重さ、147前半は短期の買い回転が機能しやすい地合いか。
- クリプトはイベント通過まではネットエクスポージャー縮小、BTC優先の相対価値配分が無難。