このマクロ市場分析は、私(@mifsee)が米国市場への投資判断に際し、日々のマクロ環境を俯瞰的に捉えるための個人的な学習記録としてアウトプットしているものです。内容には誤りや実際の状況と異なる点を含む可能性があります。あらかじめご了承のうえ、ご覧ください。
注目の上昇銘柄(ウォッチリストから)
ウォッチリスト(2025/10/06 終値ベース)
名柄 | 終値 | 変動率 | テーマ | インサイト |
---|---|---|---|---|
CRML(クリティカル・メタルズ) | 11.59 | +45.24% | レアアース・資源 | 米政府出資検討報道 |
IONR(アイオニア) | 6.53 | +37.47% | リチウム・ホウ素開発 | DOE支援実績とリチウム政策連想 |
FLUX(フラックス・パワー) | 4.90 | +31.37% | 産業用リチウム電池 | FY25決算モメンタム継続 |
HIVE(ハイブ・デジタル) | 5.57 | +25.17% | ビットコイン採掘 | 9月生産267BTC公表 |
AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ) | 203.71 | +23.71% | AI半導体 | OpenAIとAIチップ大型供給契約 |
NNE(ナノ・ニュークリア・エナジー) | 53.63 | +20.54% | 小型原子力・燃料 | S&P Global BMI採用報道 |
AISP(エアシップAI) | 6.98 | +19.52% | 監視AI・国土安全 | 9月に米連邦法執行機関から$1,100万受注 |
SES(SES AI) | 2.43 | +17.96% | 次世代EV電池 | 特になし。リチウム関連の物色 |
ACHR(アーチャー・アビエーション) | 13.64 | +17.89% | eVTOL・空飛ぶタクシー | 米エアショー実演と提携思惑 |
BITF(ビットファームズ) | 3.46 | +14.95% | ビットコイン採掘 | AMD–OpenAI契約波及のマイナー高 |
IREN(アイリス・エナジー) | 57.75 | +14.45% | ビットコイン採掘・AI/HPC | AIクラウド拡張期待と最高値更新観測 |
OPEN(オープンドア・テクノロジーズ) | 9.28 | +14.43% | 不動産テック | 暗号決済検討示唆のCEO発言 |
EOSE(イオス・エナジー・エンタープライズ) | 13.86 | +10.00% | 長時間蓄電 | Unico提携報道とオプション活況 |
個人的所感
AIインフラ実需(AMD–OpenAI)を軸に、資源(CRML・IONR)、防衛/官需AI(AISP)、そしてマイナー(HIVE・BITF・IREN)へと資金が波及。
政策・供給網強化のヘッドラインに加え、実際の受注・出資が市場を押し上げる構図。
資源や電力関連へのトレンドは国策として勢い止まらず続いている印象です。
市場インサイト
【分析日】2025/10/06
全体ムード
米政府機関の一部閉鎖継続による統計公表遅延リスクの再拡大。
暫定予算交渉の難航と会計年度入りに伴う財政不確実性の台頭が市場心理を圧迫。
企業面では、AI半導体を巡る提携ヘッドラインを起点に生成AI関連の再物色が進行。
一方で、決算前のガイダンス警戒がなお残り、買い上がりには慎重な姿勢。
欧州は、フランス政局不安報道を受けたフランス銀行株の急落と、STOXX600の高値圏もみ合いが同居。
金利は長期ゾーンの小幅低下とイールドカーブのフラット化方向、信用はスプレッド安定の範囲内。
為替はドル小動き・円戻り・ユーロ上値重さの低ボラティリティ相場が続く。
商品市場では、原油の需要不透明観測と金の高値圏維持が綱引きを演じる展開。
エクイティ
指数 | 終値 | 前日比 | 背景 |
---|---|---|---|
ダウ | 46,694.97 | -63.31 (-0.14%) | 政府閉鎖継続とディフェンシブ回帰の手仕舞い |
S&P500 | 6,740.28 | +26.85 (+0.40%) | 金利小緩和とAI関連物色 |
ナスダック | 22,941.67 | +161.16 (+0.70%) | 半導体・メガテックへの押し目買い |
日経225 | 45,290.00 | +669.50 (+1.50%) | 円安一服と外需グロース再評価 |
STOXX600 | 570.24 | -0.21 (-0.04%) | フランス政局不安と高値圏もみ合い |
債券
国 | 10年利回り | 前日比(bp) | コメント |
---|---|---|---|
米国 | 4.10 % | -1 | 統計遅延リスクと安全資産需要 |
ドイツ | 2.73 % | -1 | インフレ鈍化観測の継続 |
日本 | 1.63 % | -1 | 需給均衡と外部イベント待ち |
為替
- USD/JPY 146.35(+0.17%):米金利横ばい下の小反発。
- EUR/USD 1.1792(-0.11%):欧州政治ヘッドラインと金利低下観測のせめぎ合い。
- USD/CNY 7.1070(+0.06%):中間値運用と休場要因のボラ抑制。
コモディティ
品目 | 終値 | 前日比 | ドライバー |
---|---|---|---|
WTI原油 | $61.75/bbl | -0.37% | 需要不透明観測と在庫見通し |
Brent原油 | $66.50/bbl | -0.30% | ドル動向とOPEC+期待の相殺 |
天然ガス | $3.11/MMBtu | +0.32% | 肩月需給タイト化観測 |
金(現物) | $3,752.00/oz | -0.21% | 統計遅延と実質金利横ばいの綱引き |
銀 | $44.05/oz | -0.56% | 金連動のベータ調整 |
銅 | $4.70600/lb | +0.04% | 中国ヘッドライン待ちの自律小反発 |
クリプト
- ビットコイン $116,420.00(+0.53%):政府閉鎖不確実性下の分散需要。
- イーサリアム $4,285.00(+0.35%):イベント待ちのレンジ上限試し。
マクロイベント焦点(今後3–4営業日)
- 2025/10/07(火)FOMC議事要旨(9月):初回利下げ後の討議トーンと次回示唆
- 2025/10/08(水)日本・景気ウォッチャー調査(9月):家計・企業マインドの方向性
- 2025/10/09(木)米・新規失業保険申請:雇用減速テンポと統計公表可否
- 2025/10/10(金)米・ミシガン大学消費者信頼感速報(10月):期待インフレと家計マインドの変化
インサイトまとめ
- クリプト軽めのヘッドライン対応とイベント前リスク管理が妥当
- 政府閉鎖リスク継続下の質への回帰と指数ヘッジ併用が無難
- AI関連・ヘルスケアの二極配分と段階利食いの併用が良さげ
- デュレーションやや長めの逢い場拾いと5–10年中心フラット化が妥当
- ドル小動きレンジ下のEUR段階買い・USD/JPY戻り売りの短期回転が無難
- 原油戻り売り・金押し目買いのクロスアセット分散が良さげ