2026:Q4 2026/08/12 発表(引け後)
- 発表翌営業日-7.99%寄付 -3.03%
COHR 2026年Q4決算:データセンター事業が牽引し増収増益、次期売上ガイダンスも一段高へ
本決算のポイント
コヒレントの2026年第4四半期(6月30日期)は、売上高が前年同期比34%増の20.5億ドルとなり、四半期として大きく伸びた。GAAP粗利率は38.5%(前年同期比277ベーシスポイント改善)、non-GAAP粗利率も40.2%(同215ベーシスポイント改善)と、増収に伴い収益性も同時に高まった。
利益面の伸びはさらに際立つ。GAAP希薄化EPSは1.19ドルで前年同期のマイナス0.83ドルから大幅に改善し、non-GAAP EPSは1.74ドルとなり、前年同期の1.00ドルから0.74ドルの増加を記録した。通期でも売上高は71.18億ドル(前年比22.5%増)、non-GAAP EPSは5.61ドル(前年の3.53ドルから2.08ドルの増加)と、フル年度でも力強い成長を確認できる。
事業別では、データセンター・通信部門が四半期売上16.15億ドルと会社全体の成長を大きく支えた一方、産業部門は4.31億ドルと前年同期の5.11億ドルから減少している。成長のけん引役がデータセンター・通信に大きく偏っている構図が今回の決算でより明確になった。
抑えておくべきKPI
- 売上高: 20.5億ドル(前年同期比34%増、前四半期比13%増)
- non-GAAP粗利率: 40.2%(前年同期比215bps改善、前四半期比66bps改善)
- non-GAAP EPS: 1.74ドル(前年同期の1.00ドルから0.74ドル増加)
- データセンター・通信部門売上: 16.15億ドル(前年同期の10.18億ドルから大幅増)、産業部門売上は4.31億ドル(前年同期の5.11億ドルから減少)
投資家目線のインサイト
今回の決算で目立つのは、売上成長のスピードよりも利益の伸びが際立って速いことだ。GAAP営業利益は前年同期の600万ドルから2.54億ドルへと急拡大し、通期でも2.9億ドルから8.98億ドルへと大きく伸びている。CEOのジム・アンダーソン氏が触れたとおり、non-GAAP EPSの成長率は売上成長率の2倍以上に達しており、単なる需要拡大ではなく生産効率や事業構成の改善が利益に直結している可能性がある。
一方でローライトとして、産業部門の売上が前年同期比で減少している点は見逃せない。データセンター・通信への依存度が一段と高まっていることは、AIデータセンター向け光接続の需要を取り込めている間は強みになるが、その分野の需要動向に業績が左右されやすくなる面もある。
キャッシュフロー面では、通期の営業活動によるキャッシュフローが7950万ドルと、前年の6.34億ドルから大きく減少している。設備投資は11.03億ドルへと前年の4.41億ドルから大幅に増加しており、生産能力拡大への積極投資がフリーキャッシュフローを圧迫している構図がうかがえる。
今後の見どころ
会社が示した2027年度第1四半期の見通しは、売上高22億〜24億ドル、non-GAAP EPS1.85〜2.05ドルというレンジで、今四半期の実績を上回る規模の成長が既に視野に入っている。non-GAAP粗利率も39.5%〜41.5%と、直近四半期からさらなる改善が見込まれている水準だ。
CFOのシェリー・ルーサー氏が述べたとおり、会社は生産能力拡大への投資を優先する姿勢を明確にしている。今後は、増加する設備投資が実際の需要ラップアップにどこまで結びつくか、そして産業部門の売上が底打ちするかどうかが、次の決算を読むうえでの注目点になりそうだ。
出典
COHERENT CORP. REPORTS FOURTH QUARTER AND FULL YEAR FISCAL 2026 RESULTS
2026:Q3 2026/05/06 発表(引け後)
- 発表翌営業日-7.39%寄付 -4.59%
- 5営業日+17.13%
COHR 2026年Q3決算:データセンター需要が牽引し、増収増益と利益率改善が同時進行
本決算のポイント
コヒレントの2026年第3四半期は、売上高が前年同期比21%増の18.1億ドルとなり、成長が加速している四半期となった。GAAP粗利率は37.7%と前年同期から243bp改善し、non-GAAP粗利率も39.6%へと105bp上昇している。増収と利益率拡大が同時に進んだことで、収益性の改善が数字に明確に表れた決算だ。
ボトムラインの伸びはさらに大きい。GAAP希薄化EPSは0.97ドルで、前年同期の実質赤字(マイナス0.11ドル)から1.08ドルの改善となり、non-GAAP EPSも1.41ドルと前年同期の0.91ドルから0.50ドル上振れた。GAAP営業利益は前年同期の7,180万ドルから2億ドルへと約2.8倍に拡大し、営業利益率も4.8%から11.1%へ大きく改善している。
会社は第4四半期の見通しとして、売上高19.1億〜20.5億ドル、non-GAAP粗利率39.0〜41.0%、non-GAAP EPS 1.52〜1.72ドルというレンジを新たに示した。データセンター・通信事業の需要が力強く続いていることを反映した内容で、四半期を追うごとに規模と収益性の両面で勢いが増している構図がうかがえる。
抑えておくべきKPI
- 売上高: 18.06億ドル(前年同期比20.5%増、前四半期比7.1%増)
- GAAP営業利益率: 11.1%(前年同期4.8%から633bp改善)
- データセンター&通信事業売上: 13.62億ドル(前年同期の9.69億ドルから約40%増)
- non-GAAP EPS: 1.41ドル(前年同期0.91ドルから0.50ドル増)
重要なインサイト
今回の決算で最も目を引くのは、成長の主エンジンが明確にデータセンター&通信事業に移っている点だ。同事業の売上は13.62億ドルとなり、産業向け事業の4.44億ドル(前年同期の5.29億ドルから減少)を大きく上回る規模になった。AIデータセンター向けインフラの需要拡大が業績を押し上げている構図が数字からもはっきり読み取れる。
一方でキャッシュフローには注意が必要だ。9カ月累計の営業活動によるキャッシュフローは1,010万ドルと、前年同期の5.033億ドルから大幅に縮小している。在庫が前年6月末の14.38億ドルから21.27億ドルへ積み上がっているほか、設備投資も9カ月で5.47億ドルと前年の3.10億ドルから大きく増えており、需要拡大に対応するための積極的な投資と在庫積み増しが目先のキャッシュ創出力を圧迫している格好だ。
なお産業向け事業の減収は継続しており、事業ポートフォリオの重心がデータセンター・通信側にシフトしていることは、成長の持続性を評価する上で意識しておきたい点だ。
今後の見どころ
会社が示した第4四半期の売上ガイダンス19.1億〜20.5億ドルは、レンジ上限なら前四半期からさらに加速する水準で、データセンター向け需要がどこまで持続するかが次の焦点になる。non-GAAP粗利率ガイダンス39.0〜41.0%も今四半期の39.6%から一段の改善余地を示しており、規模拡大が利益率にどう反映されるか注目される。
同時に、設備投資の増加と在庫積み増しが続く中で営業キャッシュフローがいつ回復軌道に戻るかも重要な観察点だ。バランスシート面では現金及び現金同等物が9億ドルから15.9億ドルへ積み上がり、株式発行で20億ドルの資金調達も行われているため、資金調達余力そのものに問題は見えないが、投資と需要の連動具合を追う必要がある。
