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【GILD】ギリアド・サイエンシズの決算まとめ|2026年Q2

最新 2026:Q2 引け後

2026:Q2 2026/08/04 発表(引け後)

  • 発表翌営業日-2.58%寄付 +0.55%
  • 5営業日+0.38%

GILD 2026年Q2決算:本業は堅調も、大型買収3件の一括費用で赤字転落

GILDの決算ハイライト

ギリアド・サイエンシズの2026年第2四半期は、HIV事業を中心とした本業の伸びが続く一方、Arcellx・Tubulis・Ouro Medicinesという3件の買収に伴うacquired IPR&D費用が一気に計上され、会計上は大幅な赤字となった四半期だった。総売上高は前年同期比10%増の78億ドル、Veklury(レムデシビル)を除く製品売上は同10%増の76億ドルと、事業そのものの成長率は良好だ。

その裏側で、acquired IPR&D費用が112億ドル計上され、GAAP希薄化後EPSは前年同期の1.56ドルからマイナス8.45ドルへ転落し、非GAAP希薄化後EPSも1株あたり9.08ドルの買収関連・税務影響を織り込みマイナス6.75ドルとなった。営業損益もGAAPベースで103.9億ドルの赤字に転じている。

会社側はこうした一時費用を除いた本業の強さを評価しており、通期の製品売上ガイダンスを301億〜304億ドルへ引き上げる一方、希薄化後EPSガイダンスはマイナス3.75〜マイナス3.40ドルへ下方修正した。買収による一過性の会計影響と、事業成長という二つの側面が同時に表れた決算と言える。

抑えておくべきKPI

  • 総売上高: 78億ドル(前年同期比10%増)
  • HIV製品売上: 57億ドル(前年同期比12%増)、うちBiktarvyは38億ドル(同7%増)
  • GAAP希薄化後EPS: マイナス8.45ドル(前年同期は1.56ドル)、非GAAP希薄化後EPSはマイナス6.75ドル(前年同期は2.01ドル)
  • 営業活動によるキャッシュフロー: 四半期で36億ドル創出(前年同期は8.27億ドル)

投資家目線のインサイト

今回の赤字は一時的な会計要因が主因であり、事業の実力を示すトップラインは市場の想定を裏切らない伸びを維持している。HIVポートフォリオはBiktarvyの安定成長に加え、PrEP用薬剤Yeztugoの急拡大(第2四半期で2.32億ドル、前年同期はわずか1500万ドル)が寄与し、HIV全体で12%増という結果につながった。TrodelvyやLivdelziといった新しい柱も二桁成長を続けており、事業の裾野が広がっている印象だ。

一方でローライトも見逃せない。Veklury売上は前年同期比81%減、Cell Therapy(Yescarta・Tecartus)は競合激化で14%減と、既存の稼ぎ頭の一角が縮小している。また現金及び市場性証券は2025年末の106億ドルから32億ドルへ急減しており、買収に伴う113億ドルの支出、28億ドルの債務返済、21億ドルの配当支払いが重なった結果、財務の余力は一時的に薄くなっている。

acquired IPR&D費用112億ドルという規模は、Arcellx(70億ドル)、Tubulis(31億ドル)、Ouro Medicines(10億ドル)という3件の買収を同時期に消化したことによるもので、構造的な収益力の毀損というより、将来のパイプライン強化に伴う会計上の一過性コストと捉えるのが妥当だろう。

今後の見どころ

次四半期以降は、買収した資産(ADCプラットフォームや自己免疫疾患向けT細胞engagerなど)がパイプラインにどう組み込まれ、開発が進捗するかが焦点になる。会社はオンコロジーとHIV領域でさらに2件の新製品ローンチを予定していると述べており、その進捗が今後の成長ドライバーとして注目される。

財務面では、現金水準の回復ペースと、今後の債務返済・配当・自社株買いのバランスを注視したい。ガイダンスでは製品売上の上振れとEPSの下振れが同時に示されており、一時費用の影響が完全に一巡するタイミングの見極めが重要になる。

出典

GILEAD SCIENCES ANNOUNCES SECOND QUARTER 2026 FINANCIAL RESULTS

2024:Q4 2025/02/11 発表(引け後)

  • 発表翌営業日+7.46%寄付 +5.82%
  • 5営業日+11.97%

ギリアド・サイエンシズ(GILD)の2024年の通期決算サマリー

売上高と収益

  • 年間売上高:288億ドル(前年比 +6%)
  • 主力製品(Vekluryを除く)売上:268億ドル(前年比 +8%)
  • HIV治療薬売上:196億ドル(前年比 +8%)

Biktarvy(HIV治療薬):134億ドル(前年比 +13%)
オンコロジー売上:32億ドル(前年比 +12%)

Trodelvy(抗がん剤):13億ドル(前年比 +24%)
Yescarta & Tecartus(CAR-T療法):20億ドル(前年比 +6%)
肝疾患治療薬売上:30億ドル(前年比 +9%)
Veklury(COVID-19治療薬)売上:18億ドル(前年比 -18%)
GAAP純利益:4億8,000万ドル(前年比 -91%)

これは、CymaBayの買収に関連する47億ドルの研究開発費が影響
Non-GAAP純利益:57億9,500万ドル(前年比 -31%)
1株当たり利益(EPS)

GAAP:$0.38(前年比 -92%)
Non-GAAP:$4.62(前年比 -31%)

注文の増加

  • HIV市場でのBiktarvyのシェア拡大により売上成長
  • オンコロジー領域の成長加速(Trodelvy、Yescartaが市場での存在感を拡大)
  • 肝疾患領域のLivdelziが新たに市場投入
  • HIV予防薬lenacapavir(半年に1回投与) の2025年夏発売に向けた準備進行中

キャッシュフロー

  • 営業キャッシュフロー:108億ドル(前年比 +35%)
  • フリーキャッシュフロー:103億ドル
  • 現金および市場性証券:99億ドル(前年比 +18%)
  • 配当支払い:30億ドル
  • 自社株買い:3.5億ドル

地域別業績

  • 米国市場:全体の約71%を占める
  • 欧州市場:全体の16%(BiktarvyとYescartaの伸びが顕著)
  • アジア・その他の地域:成長中(特にYescartaの需要が拡大)

将来ガイダンス(2025年見通し)

  • 年間売上予想:282億ドル~286億ドル(前年比 -2%)

Veklury売上減少が影響(14億ドルへ縮小予想)
ただし、HIV・オンコロジーの成長で補完
Non-GAAP EPS:$7.70~$8.10(前年比 +67%)
HIV領域

Biktarvyの成長継続
lenacapavir(半年投与型HIV予防薬)が2025年夏に市場投入予定
オンコロジー領域

Trodelvyの適応拡大(小細胞肺がんの治療薬としてFDA承認見込み)
CAR-T療法のYescartaとTecartusの成長
2025年配当予想:$0.79/株(前年比 +3%)

まとめ

  • HIV市場での支配力を維持しつつ、オンコロジー領域を成長の柱にシフト
  • 研究開発投資を強化(HIV予防薬・肝疾患治療薬・がん免疫療法)。
  • キャッシュフローは安定しており、今後も積極的な配当と自社株買いを継続。
  • 短期的にはVekluryの売上減少が影響するが、長期的な成長見込みは堅調

ギリアドはHIV治療市場での成長を維持しつつ、がん領域での成長加速を狙う戦略。2025年はHIV予防薬lenacapavirの投入が成長の大きなカギとなる。キャッシュフローは安定しており、長期投資に魅力がある企業