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ギリアド・サイエンシズ(GILD)とは?将来性と今後の株価見通し

gild 01 米国投資

このサイトは、私(@mifsee)が個人的に学びながら企業分析や銘柄分析を進め、その過程を記録としてまとめているものです。

あくまで個人の調査・整理を目的とした内容であり、誤りや実際と異なる情報が含まれる可能性があります。
また、MifseeではAI技術を活用した運用や、技術習得を目的とした実験的な取り組みも行っています。ご覧いただく際には、その点をご理解のうえご利用ください。

  1. はじめに
  2. ギリアド・サイエンシズ(GILD)とは何の会社、どのような事業をしている?
  3. ギリアド・サイエンシズ(GILD)の企業理念とビジョンは?
  4. ギリアド・サイエンシズ(GILD)の主力サービスは?
    1. HIV/AIDS治療薬
    2. 肝疾患治療薬
    3. COVID-19治療薬
    4. がん治療薬
    5. 炎症性疾患治療薬
  5. ギリアド・サイエンシズ(GILD)のビジネスモデルは?どのように収益を生み出している?
    1. 研究開発と医薬品販売による収益モデル
    2. ライセンス収入
    3. 戦略的提携とM&A
    4. 収益構造の特徴
  6. 取引市場は?
  7. ギリアド・サイエンシズ(GILD)のセクター、業種、属するテーマは?
    1. セクター
    2. 業種
    3. 関連するテーマ
  8. 配当は?
  9. ギリアド・サイエンシズ(GILD)の競合企業は?
  10. ギリアド・サイエンシズ(GILD)が属する業界の規模と成長性は?
    1. グローバル市場規模と成長予測
    2. 成長を牽引する主要因
    3. 注目される成長分野
    4. ギリアド・サイエンシズの立ち位置と今後の展望
  11. ギリアド・サイエンシズ(GILD)の競合との差別化要素と優位性は?
    1. 広範な製品ポートフォリオと市場での圧倒的シェア
    2. ブロックバスター戦略による市場支配
    3. 強力な研究開発力と資金力
    4. 戦略的パートナーシップとM&A
    5. グローバル市場展開
    6. 高い収益性と財務基盤
  12. ギリアド・サイエンシズ(GILD)の業績について
    1. 四半期:売上高の推移
    2. 四半期:営業利益の推移
    3. 四半期:EPSの推移
    4. 四半期:業績サマリー
    5. 通期:売上高の推移
    6. 通期:営業利益の推移
    7. 通期:キャッシュフローの推移
    8. 通期:EPSの推移
    9. 通期:業績サマリー
  13. ギリアド・サイエンシズ(GILD)の株価
  14. ギリアド・サイエンシズ(GILD)の将来生と今後の見通しは?
    1. 財務状況
    2. 戦略的提携と研究開発
    3. 今後の見通し
  15. ギリアド・サイエンシズの新薬パイプラインは?
    1. がん免疫療法の開発状況
    2. 長時間作用型HIV治療薬「Sunlenca」の今後
    3. その他の注目される新薬
  16. ギリアド・サイエンシズ(GILD)の株を買える証券会社は?
  17. GILD 2026年Q2決算:本業は堅調も、大型買収3件の一括費用で赤字転落
  18. GILD 2026年Q1決算:買収関連費115億ドルで通期EPS見通しが赤字転換
  19. GILD 2025年Q4決算:通期売上2%増、2026年ガイダンスを提示
  20. GILD 2025年Q3決算:売上高3%増、通期ガイダンスを上方修正
  21. まとめ

はじめに

インフレの長期化やリセッション懸念などにより、米国市場は先行きの不透明感が強まっています。

このような市場環境の変化に対応するためには、ポートフォリオの調整が必要となります。特に、安定した収益を持つディフェンシブ銘柄を組み入れることが有効です。その候補としてギリアド・サイエンシズ(GILD)に注目しました。

ギリアド・サイエンシズは、HIV、ウイルス性肝炎、がんなど、生命を脅かす疾患の治療薬を開発・販売するバイオ医薬品企業です。強固なファンダメンタルズを持ち、特に潤沢なキャッシュフローと高配当が魅力の銘柄として注目されています。

本記事では、ギリアド・サイエンシズ(GILD)の事業内容、競争優位性、将来の成長可能性について詳しく解説していきます。

ギリアド・サイエンシズ(GILD)とは何の会社、どのような事業をしている?

ギリアド・サイエンシズ(Gilead Sciences, Inc.)は、1987年に設立された米国のバイオ医薬品企業。カリフォルニア州フォスターシティに本社を置き、HIV/AIDS、肝炎、がんなどの重篤な疾患に対する革新的な治療薬の研究開発、製造、販売を行ってい

同社は特にHIV治療薬の分野で世界的なリーダーとして知られており、Biktarvy®やGenvoya®などの主力製品を通じて、HIV治療薬市場の約50%のシェアを保有している。 

また、C型肝炎治療薬のHarvoni®やSovaldi®、新型コロナウイルス治療薬のレムデシビル(Veklury®)など、画期的な医薬品の開発にも成功している。

ギリアド・サイエンシズの企業情報は以下の通り。

  • 会社名:ギリアド・サイエンシズ(Gilead Sciences, Inc.)
  • 設立年:1987年
  • 本社所在地:米国カリフォルニア州フォスターシティ
  • 代表者:ダニエル・オデイ(Daniel O’Day)- 会長兼CEO
  • 公式サイト:https://www.gilead.com
  • 事業展開:35カ国以上
  • 主な事業分野:HIV、ウイルス性肝炎、COVID-19、がん、炎症性疾患などの治療薬の開発および製造・販売

ギリアド・サイエンシズ(GILD)の企業理念とビジョンは?

ギリアド・サイエンシズは、「より健康な世界を創造する」という企業理念を掲げている。同社のビジョンは、革新的な医薬品を通じて、世界中の患者の生活を改善し、医療における未解決のニーズに対応することである。

同社の中核的な価値観は以下の通り。

  • 誠実さと倫理観:高い倫理基準に基づいた事業運営を行い、患者、医療従事者、そして社会全体に対する責任を果たす。
  • 包括性と多様性:多様な視点を尊重し、包括的な職場環境を促進する。
  • 協力とコラボレーション:社内外のパートナーとの協力を通じて、革新的なソリューションを生み出す。
  • 卓越性への追求:科学的厳密さと品質へのコミットメントを通じて、最高水準の医薬品を提供する。
  • 患者中心主義:すべての意思決定において患者のニーズを最優先する。

ギリアド・サイエンシズは、これらの価値観に基づき、HIV/AIDS、肝炎、がんなどの重篤な疾患に対する革新的な治療法の開発に取り組んでいる。同社は、医療へのアクセス向上にも注力しており、世界中の患者が必要な治療を受けられるよう努めている。

ギリアド・サイエンシズ(GILD)の主力サービスは?

​ギリアド・サイエンシズは、以下の主要な治療領域において革新的な医薬品を開発・提供している。​

HIV/AIDS治療薬

30年以上にわたり、HIV感染症の治療、予防、そして治癒に向けた研究を推進してきた。
​HIV治療における初の単剤レジメンや、HIV感染を予防する初の経口薬、年2回投与の長時間作用型HIV注射剤など、数々のイノベーションを実現。
​これらの取り組みにより、HIVを治療可能・予防可能な慢性疾患へと変容させることに貢献している。 ​

肝疾患治療薬

B型肝炎およびC型肝炎の治療薬を提供。​過去10年にわたり、C型肝炎(HCV)治療薬の開発により、数百万人の患者の治癒に寄与してきた。
​また、B型肝炎(HBV)およびD型肝炎(HDV)に対する治療選択肢も提供し、これらの疾患に苦しむ人々の生活の質向上に取り組んでいる。 ​

COVID-19治療薬

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する治療薬の開発を行い、パンデミックの克服に向けて尽力。​COVID-19患者の回復と医療現場の負担軽減に貢献している。 ​

がん治療薬

がん治療の分野にも進出し、革新的な治療法の開発に取り組んでいる。​
特に、CAR T細胞療法などの先進的な治療法を提供し、がん患者の新たな治療選択肢を拡大している。 

炎症性疾患治療薬

関節リウマチや潰瘍性大腸炎などの炎症性疾患に対する治療薬を開発し、患者の生活の質向上に寄与。
​これらの疾患に対する新たな治療オプションを提供することで、未だ満たされていない医療ニーズに応えている。 ​

これらの製品ポートフォリオを通じて、ギリアド・サイエンシズは重篤な疾患に対する革新的な治療オプションを提供し続けている。​特にHIV治療薬は、同社の安定的な収益基盤となっており、新規製品の開発・導入を支える重要な役割を果たしている。

ギリアド・サイエンシズ(GILD)のビジネスモデルは?どのように収益を生み出している?

研究開発と医薬品販売による収益モデル

ギリアドの最大の収益源は、新薬の開発・販売によるもの。特許期間中の独占販売により、高い利益率を確保する。

  • 自社での新薬開発
    • 革新的な医薬品の研究・開発
    • 臨床試験の実施と規制当局(FDAなど)からの承認取得
    • 承認取得後の医薬品の製造・販売
  • 特許による独占的な市場シェアの確保
    • 特許期間中は競争を受けにくく、高い収益を維持
    • 代表的な製品:
      • HIV治療薬:Biktarvy®(ビクタルビ)、Genvoya®(ゲンボイヤ)、Descovy®(デスコビ)
      • 肝疾患治療薬:Harvoni®(ハーボニー)、Sovaldi®(ソバルディ)
      • がん治療薬:Yescarta®(イエスカルタ)、Trodelvy®(トロデルビー)
      • COVID-19治療薬:Veklury®(ベクルリー)
  • グローバル展開
    • 世界中で販売網を確立し、売上の大部分を米国外市場からも獲得
    • 新興国向けには価格を調整し、収益拡大を図る

ライセンス収入

自社で開発した医薬品を他の製薬企業にライセンス供与し、ロイヤリティ収入やマイルストーン収入を得る仕組み。

  • ライセンス供与の種類
    • 製造・販売権の供与:他社に医薬品の生産・流通を委託し、ロイヤリティを獲得
    • 共同開発契約:他社と共同で研究開発を行い、成功時に利益を分配
  • 代表的なライセンス収入の例
    • HIVや肝疾患治療薬のジェネリック版を途上国向けに供与し、規模の拡大を図る
    • バイオテクノロジー企業との提携による新薬開発の共同プロジェクト

戦略的提携とM&A

ギリアドは、成長を加速するためにバイオテクノロジー企業との提携やM&A(企業買収)を積極的に行う。

  • M&Aによる成長戦略
    • 有望なバイオ企業を買収し、開発パイプライン(新薬候補)を拡充
    • CAR-T細胞療法を手掛けるKite Pharmaを買収し、がん治療領域を強化
    • 乳がん治療薬Trodelvy®を開発するImmunomedicsを買収
  • 技術プラットフォームの獲得
    • 遺伝子治療、細胞療法、RNA技術など、新たな治療分野への進出
    • AIを活用した創薬研究の推進

収益構造の特徴

ギリアドの収益モデルには、以下の特徴がある。

  • HIV治療薬が安定的な収益基盤
    • HIV市場での圧倒的シェア(約50%)を維持し、年間100億ドル以上の売上を確保
  • 新薬の独占販売期間中は高い利益率を確保
    • 特許切れ前の主力製品が稼ぐ利益率は40%以上
  • 研究開発費は売上高の約20%を投資
    • 2023年のR&D投資は約57億ドル
  • グローバルな販売網による収益最大化
    • 米国外市場の売上比率が上昇

ギリアド・サイエンシズのビジネスモデルは、研究開発型製薬企業としての強みを活かし、高収益な新薬の開発と販売を柱にしている。
また、ライセンス収入やM&A戦略を駆使し、成長を維持。特にHIV治療薬が安定した収益基盤となっており、新薬の投入により持続的な成長を図っている。

取引市場は?

ギリアド・サイエンシズ(Gilead Sciences, Inc.)は、米国のナスダック証券取引所(NASDAQ)に上場している。ティッカーシンボルはGILD。

ギリアド・サイエンシズ(GILD)のセクター、業種、属するテーマは?

セクター

ヘルスケア(Healthcare)​: ギリアド・サイエンシズは、生命を脅かす疾患の予防と治療のため、革新的な医薬品の開発に取り組むバイオ医薬品企業である。

業種

バイオテクノロジー(Biotechnology)​: 同社は、HIV、ウイルス性肝炎、COVID-19、がんなどの疾患に対する治療薬の研究・開発・商業化を行うバイオ医薬品企業である。

関連するテーマ

AI技術の活用による創薬の革新​: ギリアド・サイエンシズは、AI技術を活用した創薬プラットフォームを持つ企業との提携を通じて、創薬プロセスの効率化と新薬開発の加速を図って

配当は?

ギリアド・サイエンシズの配当利回りは、約2.94%である。​
過去5年間の平均年間配当成長率は、約4.10%

ギリアド・サイエンシズ(GILD)の競合企業は?

ギリアド・サイエンシズ(GILD)の主要な競合企業は以下の通り。

  • メルク(MRK):米国の大手製薬企業。HIV治療薬やがん免疫療法薬を開発・販売し、ギリアドと直接競合。特に、キイトルーダなどの革新的ながん治療薬で強みを持つ。
  • ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMY):米国の製薬大手。免疫療法や血液がん治療薬の分野でギリアドと競合。オプジーボなどのがん免疫療法薬や、細胞療法で市場をリード。
  • アッヴィ(ABBV):米国の製薬企業。HIV治療薬や免疫疾患治療薬の分野でギリアドと競合。特に、ヒュミラなどの免疫疾患治療薬で強い市場地位を確立。
  • ファイザー(PFE):米国最大手の製薬企業。抗ウイルス薬やがん治療薬の分野でギリアドと競合。COVID-19ワクチンの開発・製造でも知られる。
  • ノバルティス(NVS):スイスの製薬大手。細胞療法や免疫疾患治療薬の分野でギリアドと競合。CAR-T細胞療法などの革新的治療法で市場をリード。

ギリアド・サイエンシズ(GILD)が属する業界の規模と成長性は?

ギリアド・サイエンシズ(Gilead Sciences, Inc.)が属するバイオテクノロジー業界および製薬業界は、世界的に持続的な成長を遂げており、今後も拡大が見込まれる。

グローバル市場規模と成長予測

バイオテクノロジー業界および製薬業界全体の市場規模は、以下のように成長が予測されている。

  • バイオテクノロジー市場
    • 2024年の市場規模:約7,615億米ドル
    • 2033年の予測:1兆3,159億米ドル
    • 年平均成長率(CAGR):約8-9%
    • 成長の要因:遺伝子工学の発展、個別化医療の普及、新興国市場の拡大
  • グローバル医薬品市場
    • 2022年の市場規模:約1.48兆ドル
    • 2030年の予測:2.2兆ドル
    • 年平均成長率(CAGR):約5-6%
    • 成長の要因:高齢化の進行、慢性疾患の増加、新薬の技術革新

成長を牽引する主要因

人口動態の変化

  • 高齢化の進展:世界的に65歳以上の人口が増加し、がんや心血管疾患、認知症などの慢性疾患の患者数が増加。
  • 新興国での医療需要拡大:アジア・アフリカを中心に医療インフラの整備が進み、医薬品需要が増加。

技術革新

  • バイオ医薬品の台頭:抗体医薬やRNAワクチン、遺伝子治療などのバイオ医薬品が主流に。
  • 遺伝子治療・細胞治療:CAR-T細胞療法などの先進医療が普及し、新たな市場を創出。
  • AI・デジタル技術の活用:AIによる新薬候補の発見、臨床試験の効率化、個別化医療の推進。

市場環境の変化

  • 医療費支出の増加:各国政府が医療予算を拡大し、医薬品・バイオテクノロジー分野への投資を強化。
  • 新薬承認プロセスの効率化:FDAやEMA(欧州医薬品庁)による迅速承認制度の拡充。
  • パンデミック対策の強化:COVID-19を契機に感染症治療薬やワクチン開発の重要性が増し、各国がバイオテクノロジー分野に注力。

注目される成長分野

がん治療薬市場

  • 2022年市場規模:約2,000億ドル
  • 2030年予測:3,500億ドル超
  • 年平均成長率:7-8%
  • 成長要因
    • 免疫チェックポイント阻害剤、CAR-T細胞療法の普及
    • 早期診断技術の進歩に伴う患者数の増加
    • ギリアドの主力製品であるTrodelvy®、Yescarta®、Tecartus®などがこの市場を牽引

希少疾病治療薬市場

  • 市場規模の拡大が続き、高い収益性を維持
  • 政策的支援による開発促進
    • 各国で希少疾病薬の開発を奨励する法整備が進む(米国のオーファンドラッグ指定制度など)
    • 高額な薬価設定が可能で、製薬企業にとって利益率が高い分野

バイオシミラー市場

  • 特許切れに伴う市場拡大
  • コスト効率の向上
  • 新興国での需要増加
  • バイオ医薬品の高コストを抑えるため、バイオシミラー(バイオ後続品)の普及が進んでいる。
  • ギリアドも新薬開発と並行して、バイオシミラー市場への参入を視野に入れている。

ギリアド・サイエンシズの立ち位置と今後の展望

業界内の競争とポジショニング

  • HIV市場のトップ企業:世界のHIV治療薬市場の約50%のシェアを持つ。
  • がん治療領域への進出強化:CAR-T細胞療法を中心に、がん治療市場での存在感を拡大。
  • COVID-19治療薬の成功:レムデシビル(Veklury®)により、感染症治療薬分野でも確固たる地位を確立。

持続的な成長のための戦略

  • 新規市場の開拓:希少疾病や免疫疾患領域への進出。
  • 戦略的M&Aの活用:バイオテクノロジー企業を買収し、新たな技術プラットフォームを獲得。
  • デジタル技術の導入:AIや機械学習を活用し、創薬の効率を向上。

ギリアド・サイエンシズ(GILD)の競合との差別化要素と優位性は?

ギリアド・サイエンシズ(Gilead Sciences, Inc.)は、バイオテクノロジー業界において独自の戦略と強みを活かし、競合他社との差別化を実現している。

広範な製品ポートフォリオと市場での圧倒的シェア

ギリアドは、HIV治療薬、肝炎治療薬、がん治療薬、新型コロナ治療薬など、複数の分野で革新的な医薬品を提供している。特にHIV治療薬市場では世界的なリーダーとしての地位を確立し、複数の画期的な治療薬を開発してきた。

  • HIV治療薬の市場シェア:HIV治療薬市場の約50%を占め、安定した収益基盤を形成

広範な製品ポートフォリオを持ち、特定の疾患領域に依存せず、事業の安定性を確保している。

ブロックバスター戦略による市場支配

ギリアドは、既存の治療法を大幅に上回る革新的な医薬品を投入し、市場での独占的なシェアを獲得する「ブロックバスター戦略」を展開。特許期間中の独占販売により、高い収益性を維持している。

  • C型肝炎治療薬「Sovaldi®」は、1年間で100億ドル以上の売上を達成し、史上最速でブロックバスター医薬品となった。
  • HIV治療薬「Biktarvy®」も年間売上100億ドル以上を記録し、競争優位性を確立。

この戦略により、ギリアドは競合他社に対して圧倒的な市場支配力を持つ。

強力な研究開発力と資金力

ギリアドは、新薬の発見と開発に多額の投資を行い、革新的な治療法の開発を加速させている。

  • 年間の研究開発費(R&D投資):2023年は約57億ドルを投入
  • 豊富なパイプライン:HIV、がん、自己免疫疾患、感染症など、多様な分野で新薬を開発
  • AI・バイオ技術の活用:創薬プロセスの効率化を進め、次世代治療の開発を強化

さらに、潤沢な資金力を背景に、ベンチャー企業の買収や外部技術の導入を積極的に行い、新薬の開発スピードを向上させている。

戦略的パートナーシップとM&A

ギリアドは、他の製薬企業やバイオテクノロジー企業との提携を積極的に進め、技術や知識の共有を促進している。

  • がん領域の強化:CAR-T細胞療法のリーディングカンパニーKite Pharmaを買収
  • 抗体医薬品の拡充:乳がん治療薬「Trodelvy®」を持つImmunomedicsを買収
  • 非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の開発強化:韓国ユハンヤンヘン社とライセンス契約

このような戦略的提携により、新たな治療法の開発を加速し、市場のニーズに迅速に対応できる体制を構築している。

グローバル市場展開

ギリアドは、世界中の主要市場に製品を展開し、グローバルな販売ネットワークを構築している。

  • 売上の約50%以上を米国外市場から獲得
  • 新興国市場への進出:途上国向けにHIVやC型肝炎治療薬を提供し、医療アクセスの向上に貢献
  • 米国・欧州・アジア市場でのシェア拡大を目指し、規制当局との連携を強化

この国際的な市場展開により、製品の普及と売上の成長を実現している。

高い収益性と財務基盤

ギリアドは、効率的な経営と高い収益性を誇り、安定した財務基盤を持つ

  • 2023年第3四半期の売上71億ドル
  • 配当利回り:約2.94%
  • ROE(自己資本利益率):業界平均を上回る水準

特に、HIV治療薬の売上が安定しており、企業全体の財務基盤を支えている。

ギリアド・サイエンシズ(GILD)の業績について

​ギリアド・サイエンシズ(Gilead Sciences, Inc.)の財務年度は、毎年12月31日に終了する。​

四半期ごとの決算発表スケジュールは以下の通り。​

  • 第1四半期決算:​4月下旬​
  • 第2四半期決算:​8月上旬​
  • 第3四半期決算:​11月上旬​
  • 第4四半期および通期決算:​翌年2月上旬

まずは、最低限の業績分析を行なうための、以下の4つの指標を確認していきます。

  1. 売上(売上高): 企業が商品やサービスを提供して得た「収入の総額」。
  2. 営業利益: 売上から必要経費を差し引いた、本業で稼いだ純粋な「儲け」。
  3. キャッシュフロー: 帳簿上の数字ではなく、実際に企業の手元で動いた「現金の出入り」。
  4. EPS(1株当たり純利益): 企業が発行している株1株あたり、どれだけの「最終的な利益」を出したかを示す数値。

ギリアド・サイエンシズ(GILD)の2026年Q2決算(2026/08/04 発表)は、売上7,803.0百万ドル(アナリストコンセンサス7,400.0百万ドルに対し+5.4%)、EPS -6.75ドル(同-7.25ドルに対し+0.50ドル)でした。

売上の前年同期比は+10.2%です。

直近8四半期では、売上が7回、EPSが8回コンセンサスを上回っています。

直近決算:2026年Q2
売上7,803.0 百万ドル予想比 +5.4%前年同期比 +10.2%
EPS-6.75 ドル予想差 +0.50 ドル
予想超え売上 7回/8期 / EPS 8回/8期直近8四半期
※予想はTradingView掲載のアナリストコンセンサス(2026-08-16 取得時点)。

四半期:売上高の推移

ギリアド・サイエンシズ(GILD)の四半期:売上推移グラフ

四半期:営業利益の推移

  • 営業利益: 本業で稼ぐチカラを示す最重要の利益。

ギリアド・サイエンシズ(GILD)の四半期:営業利益推移グラフ

四半期:EPSの推移

  • EPS: 1株あたりの純利益。この数値が毎年右肩上がりかどうかが、企業の成長性を判断する最大の指標。

ギリアド・サイエンシズ(GILD)の四半期:EPS推移グラフ

四半期:業績サマリー

四半期 売上 前年同期比 予想比 EPS 予想差 営業利益率
2024:Q3 7,545.00 +7.0% +7.5% 2.02 +0.49 11.8%
2024:Q4 7,569.00 +6.4% +5.9% 1.90 +0.16 32.4%
2025:Q1 6,667.00 -0.3% -2.1% 1.81 +0.03 33.6%
2025:Q2 7,082.00 +1.8% +1.5% 2.01 +0.05 34.9%
2025:Q3 7,769.00 +3.0% +4.3% 2.47 +0.34 42.8%
2025:Q4 7,925.00 +4.7% +3.1% 1.86 +0.05 25.0%
2026:Q1 6,960.00 +4.4% +0.7% 2.03 +0.12 37.2%
2026:Q2 7,803.00 +10.2% +5.4% -6.75 +0.50 -133.2%
2026:Q3(予想) 7,780.00 +0.1% 2.14
2026:Q4(予想) 8,130.00 +2.6% 2.15
単位:百万ドル(売上)、ドル(EPS) ※予想はTradingView掲載のアナリストコンセンサス(2026-08-16 取得時点)。

通期:売上高の推移

ギリアド・サイエンシズ(GILD)の通期:売上推移グラフ

通期:営業利益の推移

  • 営業利益: 本業で稼ぐチカラを示す最重要の利益。

ギリアド・サイエンシズ(GILD)の通期:営業利益推移グラフ

通期:キャッシュフローの推移

  • 営業CF: 本業で稼いだ現金の総額。
  • フリーCF: 企業が自由に使えるお金。事業維持に必要な投資を差し引いた、企業の本当の稼ぐ力。
  • 営業CFマージン:稼ぐ効率を示す指標。売上の何%が現金として残るか。(通期15%以上で優良)

ギリアド・サイエンシズ(GILD)の通期:キャッシュフロー推移グラフ

通期:EPSの推移

  • EPS: 1株あたりの純利益。この数値が毎年右肩上がりかどうかが、企業の成長性を判断する最大の指標。

ギリアド・サイエンシズ(GILD)の通期:EPS推移グラフ

通期:業績サマリー

年度 売上 前年比 EPS 営業利益率 営業CFマージン フリーCF
2021年 27,305.00 +10.6% 7.28 36.3% 41.7% 10,805.00
2022年 27,281.00 -0.1% 7.26 26.9% 33.2% 8,344.00
2023年 27,116.00 -0.6% 6.72 28.1% 29.5% 7,421.00
2024年 28,754.00 +6.0% 4.62 5.8% 37.7% 10,305.00
2025年 29,443.00 +2.4% 8.15 34.0% 34.0% 9,456.00
2026年(予想) 30,700.00 +4.3% -0.47
2027年(予想) 32,720.00 +6.6% 9.91
2028年(予想) 34,420.00 +5.2% 10.71
単位:百万ドル(売上・フリーCF)、ドル(EPS) ※予想はTradingView掲載のアナリストコンセンサス(2026-08-16 取得時点)。

ギリアド・サイエンシズ(GILD)の株価

ギリアド・サイエンシズ(GILD)の現在のリアルタイム株価チャート(TradingView)を表示しています。

チャートには、RSI(Relative Strength Index)を表示しています。相場の過熱感の指標として参考。

※RSIが70%~80%を超えると買われ過ぎ、反対に20%~30%を割り込むと売られ過ぎの目安。

ギリアド・サイエンシズ(GILD)の将来生と今後の見通しは?

ギリアド・サイエンシズ(Gilead Sciences, Inc.)は、HIV治療薬や肝疾患治療薬で確固たる地位を築いてきたバイオ医薬品企業である。​
近年、がん領域(オンコロジー)への進出を強化し、2030年末までに売上の30%をオンコロジー領域から得ることを目指している。

財務状況

2024年第2四半期の業績では、売上高と1株当たり利益が市場予想を上回り、特にHIV治療薬「ビクタルビ」の売上が前年同期比21%増の38億ドルに達した。 ​また、がん治療薬「トロデルヴィ」の販売も好調であり、今後の成長が期待される。 ​

戦略的提携と研究開発

ギリアドは、レオ ファーマとの提携を通じて、炎症性疾患に対する新たな治療法の開発を進めている。 ​また、研究開発への積極的な投資と戦略的なM&Aを通じて、製品ポートフォリオの拡充と新たな治療領域への進出を図っている。

今後の見通し

ギリアドは、既存のHIVおよび肝疾患治療薬の安定した収益基盤を維持しつつ、オンコロジー領域や炎症性疾患領域での製品開発と市場拡大を進めている。​これらの戦略的取り組みにより、今後も持続的な成長が期待される。​

ギリアド・サイエンシズの新薬パイプラインは?

ギリアド・サイエンシズは、がん免疫療法、HIV治療、その他の革新的な新薬開発に注力し、医療の最前線で新たな治療オプションを提供している。現在、特に以下の分野での進展が期待されている。

がん免疫療法の開発状況

ギリアドは、がん治療分野への進出を加速させており、次世代の免疫療法として注目される抗TIGIT抗体や抗PD-1抗体の開発を進めている。

  • 抗TIGIT抗体
    • 免疫細胞の抑制を解除し、がん細胞を攻撃する効果が期待される新しい免疫チェックポイント阻害剤。
    • 現在、肺がん、膀胱がん、乳がんなどの治療薬として臨床試験が進行中。
  • 抗PD-1抗体
    • 既に市場で確立されている免疫療法のひとつで、ギリアドはより高い有効性を持つ新規PD-1阻害剤の開発を進めている。
    • 抗TIGIT抗体との併用療法により、がん免疫療法の効果を最大化する戦略を採用。

今後の展望

ギリアドは、2030年までに20以上の新たながん治療薬の適応承認を取得することを目標に掲げ、がん領域でのプレゼンスを強化している。

長時間作用型HIV治療薬「Sunlenca」の今後

HIV治療の分野で圧倒的なシェアを持つギリアドは、新たな治療オプションとして長時間作用型HIV治療薬「Sunlenca(サンレンカ)」を開発。

  • Sunlencaの特徴
    • 半年に1回の注射で治療可能な長時間作用型HIV治療薬。
    • 従来の毎日服用するHIV治療薬の負担を大幅に軽減する画期的な治療法。
    • 2022年に米国FDAと欧州EMAの承認を取得し、現在は市場拡大中。

今後の展望

ギリアドは、Sunlencaを皮切りに、HIV治療を「毎日の服薬」から「長時間作用型の治療」にシフトさせる戦略を推進。さらに、HIVの根治治療に向けた研究にも注力している。

その他の注目される新薬

ギリアドは、HIVやがんだけでなく、炎症性疾患や自己免疫疾患の分野でも新薬開発を進めている。

  • 非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)治療薬
    • 現在、効果的な治療薬が存在しないNASHに対する革新的な治療薬を開発中。
    • 炎症と線維化を抑制するメカニズムを活用し、肝疾患の進行を防ぐ新薬が臨床試験中。
  • 潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬
    • 免疫系を調整し、炎症を抑える経口JAK阻害剤が臨床試験中。
    • これにより、既存の生物学的製剤よりも手軽に服用できる治療選択肢の提供を目指す。
  • 新型コロナウイルス・RSウイルス(RSV)感染症治療薬
    • COVID-19治療薬「Veklury(ベクルリー)」に続き、新型コロナやRSウイルス感染症向けの新規抗ウイルス薬を開発。

今後の展望

これらの新薬により、ギリアドはHIV・がんに加えて、炎症性疾患や感染症領域での市場拡大を狙う。特に、NASHや潰瘍性大腸炎のような治療選択肢が限られている分野での新薬の実用化が期待される。

ギリアド・サイエンシズ(GILD)の株を買える証券会社は?

ギリアド・サイエンシズ(GILD)の株を取り扱っている主要な証券会社をリストアップしました。これらの証券会社では、外国株として直接の株取引のほか、CFD(差金決済取引)としての投資も選択できます。

私自身はSBI証券を主に使用していますが、取り扱い銘柄によっては購入できない場合があります。その際は、サクソバンク証券やIG証券などでCFDを利用することもあります。

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ギリアド・サイエンシズ(GILD)の株を取り扱っている主要な証券会社

GILD 2026年Q2決算:本業は堅調も、大型買収3件の一括費用で赤字転落

発表日:2026/08/04

GILDの決算ハイライト

ギリアド・サイエンシズの2026年第2四半期は、HIV事業を中心とした本業の伸びが続く一方、Arcellx・Tubulis・Ouro Medicinesという3件の買収に伴うacquired IPR&D費用が一気に計上され、会計上は大幅な赤字となった四半期だった。総売上高は前年同期比10%増の78億ドル、Veklury(レムデシビル)を除く製品売上は同10%増の76億ドルと、事業そのものの成長率は良好だ。

その裏側で、acquired IPR&D費用が112億ドル計上され、GAAP希薄化後EPSは前年同期の1.56ドルからマイナス8.45ドルへ転落し、非GAAP希薄化後EPSも1株あたり9.08ドルの買収関連・税務影響を織り込みマイナス6.75ドルとなった。営業損益もGAAPベースで103.9億ドルの赤字に転じている。

会社側はこうした一時費用を除いた本業の強さを評価しており、通期の製品売上ガイダンスを301億〜304億ドルへ引き上げる一方、希薄化後EPSガイダンスはマイナス3.75〜マイナス3.40ドルへ下方修正した。買収による一過性の会計影響と、事業成長という二つの側面が同時に表れた決算と言える。

抑えておくべきKPI

  • 総売上高: 78億ドル(前年同期比10%増)
  • HIV製品売上: 57億ドル(前年同期比12%増)、うちBiktarvyは38億ドル(同7%増)
  • GAAP希薄化後EPS: マイナス8.45ドル(前年同期は1.56ドル)、非GAAP希薄化後EPSはマイナス6.75ドル(前年同期は2.01ドル)
  • 営業活動によるキャッシュフロー: 四半期で36億ドル創出(前年同期は8.27億ドル)

投資家目線のインサイト

今回の赤字は一時的な会計要因が主因であり、事業の実力を示すトップラインは市場の想定を裏切らない伸びを維持している。HIVポートフォリオはBiktarvyの安定成長に加え、PrEP用薬剤Yeztugoの急拡大(第2四半期で2.32億ドル、前年同期はわずか1500万ドル)が寄与し、HIV全体で12%増という結果につながった。TrodelvyやLivdelziといった新しい柱も二桁成長を続けており、事業の裾野が広がっている印象だ。

一方でローライトも見逃せない。Veklury売上は前年同期比81%減、Cell Therapy(Yescarta・Tecartus)は競合激化で14%減と、既存の稼ぎ頭の一角が縮小している。また現金及び市場性証券は2025年末の106億ドルから32億ドルへ急減しており、買収に伴う113億ドルの支出、28億ドルの債務返済、21億ドルの配当支払いが重なった結果、財務の余力は一時的に薄くなっている。

acquired IPR&D費用112億ドルという規模は、Arcellx(70億ドル)、Tubulis(31億ドル)、Ouro Medicines(10億ドル)という3件の買収を同時期に消化したことによるもので、構造的な収益力の毀損というより、将来のパイプライン強化に伴う会計上の一過性コストと捉えるのが妥当だろう。

今後の見どころ

次四半期以降は、買収した資産(ADCプラットフォームや自己免疫疾患向けT細胞engagerなど)がパイプラインにどう組み込まれ、開発が進捗するかが焦点になる。会社はオンコロジーとHIV領域でさらに2件の新製品ローンチを予定していると述べており、その進捗が今後の成長ドライバーとして注目される。

財務面では、現金水準の回復ペースと、今後の債務返済・配当・自社株買いのバランスを注視したい。ガイダンスでは製品売上の上振れとEPSの下振れが同時に示されており、一時費用の影響が完全に一巡するタイミングの見極めが重要になる。

出典

GILEAD SCIENCES ANNOUNCES SECOND QUARTER 2026 FINANCIAL RESULTS

GILD 2026年Q1決算:買収関連費115億ドルで通期EPS見通しが赤字転換

発表日:2026/05/07

GILDの決算ハイライト

ギリアド・サイエンシズの2026年度Q1(1-3月期)は、総売上高が70億ドルと前年同期比4%増加した。Veklury除く製品売上は68億ドルと8%増加し、HIV領域の10%増を中心に事業のベースラインは堅調だった。希薄化後EPS(GAAP)は1.61ドル(前年同期1.04ドル)、非GAAP希薄化後EPSは2.03ドル(前年同期1.81ドル)といずれも増加した。一方で会社は同日、Arcellx・Ouro Medicines・Tubulisの3社の買収に伴い予想取得IPR&D費用115億ドルを計上する見通しを示し、2026年通期の希薄化後EPSガイダンスを従来の6.75〜7.15ドルから、マイナス3.25〜マイナス2.85ドルへ大幅に下方修正した。製品売上高ガイダンス自体は300億〜304億ドルへ引き上げられている。

抑えておくべきKPI

  • 総売上高: 70億ドル(前年同期比4%増)
  • HIV製品売上高: 50億ドル(前年同期比10%増)
  • 希薄化後EPS(GAAP): 1.61ドル(前年同期1.04ドル)
  • 営業キャッシュフロー: 25億ドル

投資家目線のインサイト

事業のベースライン自体は強い。Biktarvyは7%増の34億ドル、Trodelvyは37%増の4億200万ドルと成長が加速しており、新製品Yeztugoも1億6,600万ドルの売上を計上した。非GAAP製品粗利率も87.5%と前年同期の85.5%から改善しており、収益性の基調は良好である。一方で今回の決算最大の焦点は業績そのものではなく、M&Aに伴うガイダンスの急変にある。会社は115億ドルの取得IPR&D費用に加え、Arcellx・Ouro・Tubulis買収関連の資金調達コストも見込んでおり、通期の非GAAP希薄化後EPSガイダンスまでマイナス1.05〜マイナス0.65ドルへ転落した。ローライトとしては、Vekluryが前年同期比52%減の1億4,400万ドルまで縮小し、セルセラピー事業(Yescarta等)も競争激化で12%減の4億700万ドルとなっている点が挙げられる。

今後の見どころ

会社は5月にArcellxの買収を1株115ドル(想定株式価値78億ドル)・条件付対価権1株5ドルで完了し、Ouro・Tubulisの買収契約も発表した。オンコロジー・炎症領域のパイプライン拡充が狙いだが、次四半期以降はこれら買収の完了時期と、通期ガイダンスに織り込まれた115億ドルの費用計上の実際の反映状況が注目点となる。取締役会は2026年Q2の四半期配当を0.82ドルで据え置いた。

出典

GILEAD SCIENCES ANNOUNCES FIRST QUARTER FINANCIAL RESULTS

GILD 2025年Q4決算:通期売上2%増、2026年ガイダンスを提示

発表日:2026/02/10

本決算のポイント

ギリアド・サイエンシズの2025年度Q4(10-12月期)は、総売上高が79億ドルと前年同期比5%増加した。製品売上はVeklury除くベースで7%増の77億ドルとなり、HIVと肝疾患領域の伸びが牽引した。希薄化後EPS(GAAP)は1.74ドルとなり前年同期の1.42ドルから増加した一方、非GAAP希薄化後EPSは1.86ドルと前年同期の1.90ドルからやや低下した。これはMYR GmbH買収に関連するIPR&D減損費用や取得IPR&D費用の増加が影響した。通期では総売上高が294億ドルと前年比2%増、希薄化後EPSは6.78ドル(前年0.38ドル)へ大幅に改善した。会社は2026年通期ガイダンスとして、希薄化後EPSを6.75〜7.15ドルと提示した

抑えておくべきKPI

  • Q4総売上高: 79億ドル(前年同期比5%増)
  • 通期総売上高: 294億ドル(前年比2%増)
  • Biktarvy通期売上高: 143億ドル(前年比7%増)
  • Q4営業キャッシュフロー: 33億ドル

重要なインサイト

Q4の成長はHIVと肝疾患領域が主導しており、構造的な需要拡大が続いている。Descovyは前年同期比33%増の8億1,900万ドル、肝疾患ポートフォリオはLivdelzi(セラデルパル)の需要拡大により17%増の8億4,400万ドルとなった。一方でVekluryは新型コロナ関連入院の減少で37%減の2億1,200万ドルに落ち込み、通期でも49%減の9億1,100万ドルとなるなど構造的な縮小が続く。セルセラピー事業(Yescarta・Tecartus)も競争激化を背景に6%減の4億5,800万ドルと苦戦が続いている。Q4の非GAAP EPSがやや低下した背景には、Interius BioTherapeuticsの買収やPregeneとの提携に伴う取得IPR&D費用5億3,900万ドルの計上があり、一時的な費用計上が利益の重石となった。

今後の見どころ

会社は2026年通期ガイダンスとして、製品売上高(Veklury除く)を290億〜294億ドル、非GAAP希薄化後EPSを8.45〜8.85ドルと提示した。取締役会は2026年第1四半期の四半期配当を0.82ドルに引き上げており、株主還元姿勢は維持されている。次四半期以降は、Vekluryの縮小がどこまで続くか、Interius買収を含むオンコロジー・パイプラインの進捗が焦点となる。

出典

GILEAD SCIENCES ANNOUNCES FOURTH QUARTER AND FULL YEAR 2025 FINANCIAL RESULTS

GILD 2025年Q3決算:売上高3%増、通期ガイダンスを上方修正

発表日:2025/10/30

本決算のポイント

ギリアド・サイエンシズの2025年度Q3(7-9月期)は、総売上高が78億ドルと前年同期の75億ドルから3%増加した。製品売上は73億ドルで前年同期比2%減となったが、これはVeklury(新型コロナ治療薬)とセルセラピーの落ち込みが主因で、Veklury除く製品売上は71億ドルと4%増加した。ロイヤルティ・契約その他収益は知的財産の売却に関連する収益計上により約4億ドル増加した。希薄化後EPS(GAAP)は2.43ドルとなり、前年同期の1.00ドルから大幅に改善。前年同期に計上した17.5億ドルのIPR&D減損が今期は発生しなかったことが主因である。会社は通期ガイダンスを上方修正し、希薄化後EPSを6.65〜6.85ドル(従来5.85〜6.15ドル)に引き上げた

抑えておくべきKPI

  • 総売上高: 78億ドル(前年同期75億ドルから3%増)
  • 希薄化後EPS(GAAP): 2.43ドル(前年同期1.00ドルから増加)
  • Biktarvy売上高: 37億ドル(前年同期比6%増)
  • 営業キャッシュフロー: 41億ドル

投資家目線のインサイト

今回の増収は一時的な特殊要因の影響が大きい。ロイヤルティ・契約その他収益の約4億ドル増加は「今後繰り返されない知的財産売却に関連する収益」と明記されており、構造的な増収ではなく一過性の押し上げと捉えるべきだ。一方、HIV領域は底堅く、Biktarvyは6%増の37億ドル、Descovyは20%増の7億100万ドルとなり、需要と在庫動向の両面で好調が続く。肝疾患領域もLivdelzi(セラデルパル)の需要拡大で12%増の8億1,900万ドルとなった。ローライトとしては、セルセラピー事業(Yescarta・Tecartus)が競争激化を背景に前年同期比11%減の4億3,200万ドルと苦戦している点が挙げられる。非GAAPベースの製品粗利率は86.5%とほぼ横ばいで、収益性の基調自体には大きな変化は見られない。

今後の見どころ

会社は10月にBiktarvyの特許訴訟で和解し、後発品参入の最短時期を2036年4月まで先送りした。一方でVeklury売上は新型コロナ関連入院の減少により60%減となっており、通期ガイダンスでもVeklury売上は10億ドルで据え置かれている。次四半期以降は、セルセラピー事業の競争環境の変化と、上方修正されたEPSガイダンス(希薄化後6.65〜6.85ドル)の達成度合いが注目点となる。

出典

GILEAD SCIENCES ANNOUNCES THIRD QUARTER 2025 FINANCIAL RESULTS

まとめ

ギリアド・サイエンシズ(GILD)の事業内容や強み、競争優位性について詳しく見てきました。

同社は、HIV治療薬を中心に強力な製品ポートフォリオを持ち、高い研究開発力を誇るバイオ医薬品企業です。安定した収益基盤を確立し、株主還元にも積極的に取り組んでいます。さらに、がんや炎症性疾患などの新たな領域にも積極的に進出しており、今後の成長戦略が注目されます。

強固な財務基盤、革新的な製品ポートフォリオ、積極的な成長戦略を兼ね備えたギリアド・サイエンシズは、今後の市場動向においても注視すべき企業の一つと言えるでしょう。

 

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