2026:Q2 2026/08/05 発表(引け後)
- 発表翌営業日-5.12%寄付 +7.66%
- 5営業日-1.37%
LEU 2026年Q2決算:受注残4.5億ドル超え、DOEとのHALEU大型契約で長期成長ストーリーが本格化
LEUの決算ハイライト
センタラスの2026年第2四半期は、売上高が前年同期比14%増の1.76億ドルとなり、ウラン販売の寄与が新たに加わったことでLEUセグメントが牽引した。一方でGAAP純利益は1,680万ドルと前年同期の2,890万ドルから42%減少しており、これは非従業員向けRSUの税務源泉徴収に絡む株式報酬費用の急増(1,720万ドル増)や、拡張投資に伴うadvanced technology費用の増加が主因だ。
非GAAPベースの調整後純利益は3,870万ドルとなり、前年同期の3,450万ドルから増加している。GAAP上は減益に見えても、成長投資と一時的な会計要因を除けば実質的な収益力はむしろ改善した形だ。
会社は通期売上ガイダンスを4.5億〜5億ドルとし、資本投資は3.5億〜5億ドルへ拡大する見通しを示した。Piketon工場での採用計画も上方に見直し、Oak Ridgeでは年内に最初の新型遠心分離機を完成させる計画を明らかにしている。
抑えておくべきKPI
- 売上高: 1.76億ドル(前年同期1.55億ドルから14%増)
- GAAP純利益: 1,680万ドル(前年同期2,890万ドルから42%減)
- 非GAAP調整後純利益: 3,870万ドル(前年同期3,450万ドルから増加)
- 受注残(バックログ): 45億ドル(LEUセグメントが約37億ドル、Technical Solutionsが約8億ドル)
投資家目線のインサイト
今四半期で最も注目すべきは、DOEとの9億ドル規模のHALEU濃縮契約締結と、契約条件付きのLEU・HALEU濃縮受注残が30億ドルへ拡大した点だ。ウラン濃縮能力の拡張という長期テーマが、実際の契約という形で数字に落とし込まれ始めている。初の大規模商業HALEU供給契約も前払いを含む可能性があるとされ、資金調達面での安心材料にもなり得る。
一方でローライトとして、Technical Solutionsセグメントは170万ドルの損失に転落した。HALEU Operation Contractの収益減少が主因で、DOEの2027年度予算案ではこの契約の運営資金がさらに含まれていない可能性があると明記されており、同契約に紐づく8億ドル規模のバックログには先行き不透明感が残る。
GAAP純利益の減少は株式報酬費用の一時的な増加によるところが大きく、事業の構造的な悪化を示すものではなさそうだ。ただし営業利益は1,040万ドルと前年同期の3,350万ドルから大きく縮小しており、拡張投資の負担が本格化していることも見て取れる。
今後の見どころ
Oak Ridgeでの年内初号機完成、Piketon工場での採用加速など、遠心分離機の量産・拡張計画がどこまで計画通り進捗するかが今後の焦点になる。証明された建設パートナー(Geiger Brothers)の選定や、重要サプライヤーとの契約締結完了状況も追うべき指標だ。
またDOEの予算方針次第でTechnical Solutionsセグメントの収益基盤が変化する可能性があるため、HALEU Operation Contractを巡る政府予算の動向と、契約に基づくオプション行使の有無は注視が必要だろう。商業HALEU供給契約における前払いの実現可否も、キャッシュフローの観点から重要な材料となる。
出典
2025:Q2 2025/08/05 発表(引け後)
- 発表翌営業日+8.70%寄付 +10.85%
- 5営業日+1.67%
セントラス・エナジー(LEU)の2025年度Q2決算サマリー
売上高と収益
- 四半期売上高: 1億5,450万ドル(前年同期比▲18%)
- GAAP純利益: 2,890万ドル(前年同期:3,060万ドル)
- 調整後純利益(Non-GAAP): 非開示
- 調整後EBITDA: 非開示
- その他指標: 一株利益(EPS)1.63ドル(希薄後1.59ドル)
営業費用と利益
- 売上原価: 1億60万ドル(前年同期比▲34%)
- 営業利益: 3,350万ドル(前年同期:2,110万ドル)
- 販売費・一般管理費(SG&A): 920万ドル(前年同期:710万ドル)
- 研究開発関連費: 330万ドル(前年同期:410万ドル)
- 株式報酬費用: 420万ドル(前年同期:50万ドル)
- 調整後純損失: 該当なし(黒字計上)
契約と受注(Bookings)
- 受注関連:
米エネルギー省(DOE)向けに900kgのHALEU納入を完了(第2フェーズ完遂)
HALEUオペレーション契約 第3フェーズの一部(1億1,000万ドル相当)も履行開始
– バックログ(受注残):
総額:36億ドル(2040年まで)
LEU部門:27億ドル(うち21億ドルは条件付き)
技術ソリューション部門:9億ドル
キャッシュと財務状況
- 現金および現金等価物: 8億3,300万ドル(前四半期:7億400万ドル)
- フリーキャッシュフロー(FCF): 8,930万ドル(営業活動から)
- 資金調達: ATM株式発行により1億1,400万ドル調達
- 負債状況:
長期債務:3億9,000万ドル(前年末は4億7,250万ドル)
総資産:13億ドル、株主資本:3億5,910万ドル(前年末は1億6,140万ドル)
技術・事業ハイライト
- 製品・技術進展:
高濃度低濃縮ウラン(HALEU)の生産能力を拡大中
ピケトン(オハイオ州)の施設増設計画が進行中(DOEとの連携強化)
– 提携・契約:
米政府との契約更新(HALEU Phase 3 Option 1a 約1億800万ドル)
今後も米国エネルギー安全保障分野での中心的役割を目指す
– 市場でのポジション:
国営以外で唯一の米国上場ウラン濃縮企業として戦略的価値が高まっている
2025年ガイダンス(または翌期ガイダンス)
- 売上見通し: 非開示(バックログの消化とDOE契約進行次第)
- EBITDA見通し: 非開示
- その他の注目点:
ピケトン施設への新規投資はDOEからの追加予算・民間資本の確保が前提
HALEUの商業化進展が見込まれ、次世代原子炉の基盤構築に直結
セントラス・エナジーは売上減にもかかわらず、高収益体質を維持し黒字を確保。DOEとのHALEU契約遂行で事業基盤は一段と強化され、今後の原子力再興・エネルギー安全保障政策の中核企業としての期待が高まる。バックログ36億ドル、豊富な現金、そして設備拡張の動きは中長期的な成長の布石であり、極めて戦略的なポジションに立つ企業である。
2025:Q1 2025/05/07 発表(引け後)
- 発表翌営業日+22.01%寄付 +11.38%
- 5営業日+33.68%
セントラス・エナジー(LEU)の2025年Q1決算サマリー
売上高と収益
- 四半期売上高: 7,310万ドル(前年比+67%)
LEU(低濃縮ウラン)部門:5,130万ドル(+117%)
技術ソリューション部門:2,180万ドル(+8%)
– GAAP純利益: 2,720万ドル(前年同期:▲610万ドル)
– GAAP EPS(1株あたり純利益): 1.60ドル(前年同期:▲0.38ドル)
– 粗利益: 3,290万ドル(前年同期:430万ドル)
営業費用と利益
- 営業利益: 2,050万ドル(前年同期:▲1,060万ドル)
- コストの動き:
LEU部門の売上原価は2,010万ドル(前年:2,310万ドル)と減少
技術ソリューション部門のコストは2,010万ドル(前年:1,630万ドル)と増加(HALEU契約コストの増加による)
– 債務償却による利益: 1,180万ドル(8.25%社債を償還したことによる)
契約と受注(Bookings)
- 受注残高: 38億ドル(2040年まで)
LEU部門:28億ドル(うち17億ドルが確定契約、4億ドルが合意待ち)
技術ソリューション部門:約9億ドル
– 新規契約ハイライト:
DOE(米エネルギー省)から複数のHALEU・LEU生産・転換契約を獲得(総額34億ドル分の政府資金に裏付け)
キャッシュと財務状況
- 現金・現金同等物(3月末): 6億5,300万ドル
- フリーキャッシュフロー: 3,650万ドル(前年同期:530万ドル)
- 社債償還: 8.25%社債(7,430万ドル)を償還完了し、高金利負債の削減達成
- 株式発行による資金調達: 2,520万ドル
技術・事業ハイライト
- HALEU(高濃縮低濃縮ウラン)生産:
ピケトン工場でDOE向けにHALEUの生産を継続、累計670kgを納入済み
装置・設備提供の遅延で契約期間は2025年6月末まで延長
– 米国唯一の民間ウラン濃縮技術:
完全国内技術・供給網を保有する唯一の企業として、国家安全保障上の立ち位置を強調
– 政策支援:
IRA(インフレ抑制法)に基づく7億ドルを含む、合計34億ドルの予算枠に期待
2025年ガイダンス(将来見通し)
- 政府資金のレビュー(EO 14154): IRA関連の資金支出が一時停止中。レビュー結果により今後の資金流入・契約進捗に影響の可能性あり
- 生産拡大余地: 政府のタスクオーダーや民間資金の獲得次第で、LEU/HALEUの本格商業生産への展開を模索
セントラス・エナジーは、米国政府によるエネルギー安全保障強化の流れの中で、唯一の国産濃縮技術を持つ企業としてのポジションを活かし、大幅な売上・利益の成長を実現。
債務圧縮と強固なキャッシュポジションにより、今後の大規模生産拡大への備えも整っている。
政策資金の動向がカギとなるが、長期的には米国内核燃料供給の中核を担う存在として期待される。
