2026:Q2 2026/08/04 発表(引け後)
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NVO 2026年Q2決算:Wegovy錠が処方週26.5万件超、通期見通しを2度目の据え置きから前進させ小幅改善
NVOの決算ハイライト
ノボ ノルディスクの2026年第2四半期は、調整後売上高が前年同期比7%増の784.9億デンマーククローネ、調整後営業利益は同11%増の333.9億デンマーククローネと、いずれも底堅い伸びを確認した決算だった。報告ベースの売上高は前年同期比3%増と伸びが小さく見えるが、これは前年同期に発生した米国340B薬価制度に関する26億デンマーククローネのリベート引当金の取り消しが比較対象を押し上げていたことによる一時的なノイズであり、実態としての事業成長は調整後の数値がより正確に映し出している。
報告ベースの営業利益は前年同期比16%減となったが、こちらも340Bリベートの取り消しの反動に加え、開発中止となったmonlunabant(40億デンマーククローネ)を含むパイプライン資産に対する63億デンマーククローネの非現金の減損費用が響いた結果であり、一過性の会計要因が大きく、事業の実力を示す調整後営業利益はむしろ改善している。純利益は21.0億デンマーククローネで前年同期比21%減となったが、これも同様の要因が背景にある。
会社はこの決算にあわせ、2026年通期の調整後売上高成長率ガイダンスを、CERベースでマイナス4%〜マイナス12%からゼロ%〜マイナス6%へ、調整後営業利益成長率も同水準に改善した。 GLP-1製品の売上に対する期待が高まったことが背景で、フリーキャッシュフローの見通しも450億〜550億デンマーククローネへ上方に見直されている。
抑えておくべきKPI
- 調整後売上高: 784.9億デンマーククローネ(CERベースで前年同期比7%増)
- 調整後営業利益: 333.9億デンマーククローネ(CERベースで前年同期比11%増、調整後営業利益率42.5%)
- Obesity care(肥満症治療)調整後売上高: 231.5億デンマーククローネ(CERベースで前年同期比16%増)
- フリーキャッシュフロー(H1実績): 553.0億デンマーククローネ(前年同期の384.2億デンマーククローネから44%増)
投資家目線のインサイト
最大の注目点はWegovy錠(経口製剤)の米国での急速な浸透ぶりだ。7月17日終了週の週間処方件数が26.5万件を超え、発売以来の累計処方件数は500万件を突破しており、これは米国におけるGLP-1製品として過去最速の立ち上がりとされる。新規患者数で見ると、Wegovyフランチャイズは米国の主要肥満症治療薬市場で依然トップに立っており、単なる話題性ではなく実需に支えられた成長であることがうかがえる。
一方でローライトも見逃せない。調整後粗利率は78.2%と、前年同期の82.7%から明確に低下した。実勢価格の低下、製造能力の適正化に伴う一時費用(約30億デンマーククローネ)、そして為替の逆風が重なった結果であり、単価下押しの構造が続いていることを示唆する。また、心血管領域の後期臨床試験であるziltivekimabのZEUS試験が主要評価項目を達成できなかった点も、パイプラインの不確実性として留意すべきだろう。
米国事業では、340Bやリベート調整といった制度要因で数値が振れやすくなっている点にも注意が必要だ。Ozempic錠・Rybelsusの売上はCERベースで前年同期比4%増収したものの、H1累計では9%減となっており、四半期ごとの振れが大きい。市場アクセス拡大に伴う実勢価格の低下は今後も続く前提であり、増収の裏にある採算構造の変化を追う必要がある。
今後の見どころ
次の焦点は、Wegovy錠および高用量のWegovy HDの米国外への展開ペースだ。UAE・英国での発売が始まったばかりで、今後数四半期でさらに複数市場への投入が計画されている。EUでも承認が下り、追加ローンチが見込まれる段階にあり、国際事業の成長がどこまで米国事業の圧力を相殺できるかが鍵になる。
もう一つの注目点は、2027年1月に予定されているWegovyとOzempicの米国での大幅な定価引き下げ(最大約50%・35%)がキャッシュフローに与える影響だ。本資料では2027年の現金流出要因として明記されており、今後のガイダンス更新でこの影響がどう定量化されるかを追う必要がある。またZEUS試験の不成功を受け、2026年第3四半期に追加の減損費用が発生する可能性がある点も、次回決算で確認すべきポイントだ。
出典
2024:Q3
ノボ・ノルディスク(NVO)の2024年度Q3決算サマリー
売上高と収益
- 売上高: 2024年1月から9月までの総売上高は2,047億デンマーククローネ(DKK)、前年同期比で23%増加(一定為替レートで24%増)。売上の増加は糖尿病および肥満治療薬の需要拡大が主な要因。
- 営業利益: 916億DKK、前年同期比で21%増(一定為替レートで22%増)。
- 純利益: 727億DKK、前年同期比18%増加。
事業ハイライト
- 糖尿病および肥満ケア部門: 糖尿病および肥満治療薬の売上は1,918億DKKで、前年同期比26%増加。特にGLP-1系糖尿病治療薬および肥満治療薬「Wegovy」の成長が顕著であり、肥満ケア製品の売上は44%増。
- 希少疾患部門: 希少疾患治療薬の売上は129億DKKで、前年同期比3%増加。
地域別売上
- 北米市場: 売上は1,228億DKKで、前年同期比31%増加。特に米国での売上増が顕著。
- 国際市場: 売上は819億DKK、前年同期比15%増加。EMEA(ヨーロッパ・中東・アフリカ)、中国、その他の地域が売上成長に寄与。
キャッシュフロー
- 営業キャッシュフロー: 1086億DKKで前年同期比9%増加。フリーキャッシュフローは718億DKKで、前年同期比5%減少。これは設備投資の増加が影響。
- 配当と株主還元: 568億DKKを株主に還元。内訳は127億DKKの株式買い戻しおよび441億DKKの配当。
将来ガイダンス
- 売上成長率: 2024年通年の売上成長率は23〜27%と予測(一定為替レートベース)。
- 営業利益成長率: 21〜27%の成長を見込む。糖尿病および肥満治療薬の市場拡大を背景とした成長を期待。
- 設備投資: 約450億DKKを予定し、製造能力の強化を図る計画。
ノボノルディスクは今後も肥満および糖尿病治療薬の市場シェアを拡大し、持続可能な成長基盤を確保する方針である。
2024:Q2
ノボ・ノルディスク(NVO)の2024年度Q2決算サマリー
- 売上高: 680億6,000万デンマーククローネ(DKK)、前年同期比25%増加。
- 営業利益: 259億3,400万DKK、前年同期比9%増加。これはオセデュレノンに関連する57億DKKの減損損失の影響を受けた。
- 純利益: 200億5,000万DKK、前年同期比3%増加。
- 希薄化後一株当たり利益(EPS): 4.49DKK、前年同期比4%増加。
地域別売上
- 北米事業: 売上は36%増加し、409億3,000万DKKを記録。
米国: 売上は39%増加し、384億4,000万DKK。
– 国際事業: 売上は11%増加し、271億3,000万DKK。
EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ): 売上は13%増加し、145億8,100万DKK。
中国: 売上は13%増加し、49億6,300万DKK。
その他の地域: 売上は6%増加し、75億8,600万DKK。
製品別売上
- 糖尿病および肥満治療薬:
GLP-1糖尿病治療薬の売上は32%増加し、720億1,700万DKK。
Wegovy®(肥満治療薬): 売上は74%増加し、210億3,600万DKK。
– インスリン: 売上は10%増加し、269億7,700万DKK。
– 希少疾患治療薬: 売上は3%減少し、83億6,000万DKK。
研究開発と新製品
- Mim8(血友病A向け): フェーズ3試験(FRONTIER 2)が成功し、治療された出血エピソードの有意な減少を示した。
- Ocedurenone: CLARION-CKDフェーズ3試験が主要評価項目を満たさなかったため中止された。
- Wegovy®: 欧州連合における心血管リスク低減を反映したラベル更新のためのポジティブなCHMP意見を受け取った。
今後の見通し
- 2024年通年売上成長率: 22%から28%(CERベース)を見込んでおり、デンマーククローネでの報告は1パーセントポイント低くなると予測。
- 営業利益成長率: 20%から28%(CERベース)を予測。
ノボ・ノルディスクは、第2四半期において堅調な業績を維持し、特にGLP-1ベースの糖尿病および肥満治療薬の売上が大きく伸びている。今後も研究開発と市場拡大を通じて成長を続けることが期待される。
