2026:Q2 2026/08/06 発表(寄り前)
- 発表翌営業日-11.86%寄付 -8.57%
- 5営業日-1.66%
OSCR 2026年Q2決算:会員急増と保険引受の改善が重なり、四半期最高益を記録
本決算のポイント
オスカー・ヘルスの2026年第2四半期は、総収益が前年同期比70%増の48.8億ドルに達し、会員数の増加と料率改善が業績を押し上げた四半期となった。損失続きだった前年同期から一転し、営業損益は3.9億ドルの利益(前年同期は2.3億ドルの損失)、純利益も3.6億ドル(前年同期は2.3億ドルの純損失)と大幅に改善している。
収益性改善の核心はMLR(医療損失率)の低下で、前年同期の91.1%から79.2%へと大きく改善し、規律あるプライシング戦略と1.64億ドルの前期分保険金積立の好転が寄与した。SG&A費用率も18.7%から14.2%へ縮小し、固定費レバレッジの効果が表れている。
この結果を受けて会社は通期ガイダンスを改定し、通期の営業利益見通しを2.5億〜4.5億ドルから5.0億〜7.0億ドルへ引き上げつつ、総収益レンジの187億〜190億ドルは据え置いた。MLR見通しも81.5%〜82.5%へ改善方向に修正されている。
抑えておくべきKPI
- 総収益: 48.8億ドル(前年同期の28.6億ドルから70%増)
- 医療損失率(MLR): 79.2%(前年同期91.1%から大幅改善)
- SG&A費用率: 14.2%(前年同期18.7%から改善)
- 調整後EBITDA: 4.15億ドル(前年同期は1.99億ドルの損失)
投資家目線のインサイト
前年同期の91.1%という異常に高いMLRは、2025年前半に発生したリスク調整の遡及調整の影響を全面的に受けたためであり、今期の79.2%への改善は単純な前年比較以上に保険引受の規律とプライシングの正常化が本質的に効いているとみられる。実際、1.64億ドルの前期分保険金積立の好転という一時的要素も含まれるが、SG&A費用率の改善は固定費レバレッジという構造的な要因に基づいており、両方の改善が重なったことが今回の記録的な収益性を支えている。
会員数は296万人に達し、前年同期の203万人から大きく増加した。個人保険市場の拡大が会社の成長ドライバーとして機能していることがうかがえ、経営陣が言及するギグワークや退職を含む働き方の変化が個人市場の需要を後押ししている構図と整合する。
一方でバランスシート面では、CMSへの支払債務(Payables to CMS)が期末に大きく積み上がっており、これは事業拡大に伴うリスク調整関連の負債増加を反映したものである。事業規模の拡大とともに、こうした負債項目の動向にも注意が必要だ。
今後の見どころ
通期ガイダンスでは総収益レンジを維持しつつ営業利益見通しを引き上げたことから、会社は今後さらなる増収よりも収益性の持続的な改善を軸に据えているとみられる。次四半期以降もMLRとSG&A費用率の両方が改善方向を維持できるかが、今回の利益改善が一時的な好転ではなく構造的な変化であることを裏付ける重要な確認点となる。
またリスク調整プログラムに関連する負債は年々拡大しており、CMSへの支払債務や当年分のリスク調整会計残高の膨張は、保険料収入の増加スピードに対してリスク調整コストがどう変化するかを見極める材料になる。プログラム整合性ルールの改定やeAPTCsの失効など、規制環境の変化も業績に影響を与え得る点として留意したい。
出典
2025:Q2 2025/08/06 発表(寄り前)
- 発表翌営業日+3.76%寄付 -3.94%
- 5営業日+8.39%
オスカー・ヘルス(OSCR)の2025年Q2決算サマリー
売上高と収益
- 四半期売上高(GAAP):28.6億ドル(前年同期22.2億ドル、前年比+29.0%)
- 純損失(GAAP):▲2.28億ドル(前年同期+5,621万ドル)
- 1株当たり純損失(GAAP):▲0.89ドル(前年同期+0.20ドル)
- 調整後EBITDA(会社定義):▲1.99億ドル(前年同期+1.04億ドル)
営業費用と利益
- 営業損失(GAAP):▲2.30億ドル(前年同期+6,781万ドル)
- 医療費用:25.5億ドル(前年同期17.1億ドル、前年比+49.4%)
- SG&A費用率:18.7%(前年同期19.6%)
- 医療損失率(MLR):91.1%(前年同期79.0%)
契約・会員数
- 総会員数:202.7万人(前年同期158.1万人、前年比+28.2%)
個人・小規模グループ:201.7万人(前年同期152.2万人)
Cigna+Oscar:1.0万人(前年同期5.8万人)
キャッシュと財務状況
- 営業キャッシュフロー:13.9億ドル(前年同期11.3億ドル)
- 期末現金・現金同等物:259.9億ドル(前年末152.7億ドル)
- 短期投資:93.8億ドル(前年末62.4億ドル)
- 長期負債:30.0億ドル(前年末29.9億ドル)
- 自己資本:116.1億ドル(前年末101.6億ドル)
技術・事業ハイライト
- 個人市場に注力し、長期的な成長可能性を強調
- 2026年の黒字転換を目標とし、会員数拡大と市場安定化を見込む
- 保険商品に加え、テクノロジー基盤「+Oscar」を通じた事業展開を継続
2025年度ガイダンス(通期)
- 売上高:7月22日の速報値で上方修正済み、今回も再確認
- 医療損失率(MLR):前回修正後の水準を維持
- SG&A費用率:前年からの改善を維持
- 営業損益:2025年は赤字継続、2026年黒字化見込み
決算まとめ
売上高は大幅増収で会員数も増加したが、医療費用の急増とリスク調整費用の増加で赤字に転落。営業CFは潤沢で手元資金も増加しているが、高いMLRが収益性を圧迫。2026年の黒字化を見据え、成長戦略を個人市場とテクノロジー事業に集中させている。
出典(一次情報)
2025:Q1 2025/05/07 発表(寄り前)
- 発表翌営業日+30.22%寄付 +22.88%
- 5営業日+29.46%
オスカー・ヘルス(OSCR)の2025年Q1決算サマリー
売上高と収益
- 四半期売上高: 30億4,600万ドル(前年比 +42%)
- GAAP純利益: 2億7,527万ドル(前年:1億7,736万ドル)
- 調整後EBITDA(Non-GAAP): 3億2,882万ドル(前年:2億1,931万ドル)
- 営業利益: 2億9,712万ドル(前年:1億8,555万ドル)
営業費用と利益
- 医療費用(Medical Expenses): 22億5,970万ドル(前年比 +45%)
- SG&A費用: 4億8,276万ドル(前年比 +22%)
- SG&A費用率: 15.8%(前年:18.4%)
- Medical Loss Ratio(医療損失率): 75.4%(前年:74.2%)
契約と受注(Bookings)
- 個人および小規模団体保険加入者数: 2,021,484名(前年:1,386,980名)
- Cigna+Oscarプラン加入者数: 17,983名(前年:61,428名)
- 総加入者数: 2,039,467名(前年比 +41%)
キャッシュと財務状況
- 現金および現金同等物: 22億3,700万ドル(前年末:15億2,700万ドル)
- 運用キャッシュフロー: 8億7,854万ドル(前年同期:6億3,436万ドル)
- 投資キャッシュフロー: ▲1億7,423万ドル
- 総資産: 58億4,400万ドル(前年末:48億4,000万ドル)
- 自己資本: 13億3,600万ドル(前年末:10億1,600万ドル)
技術・事業ハイライト
- 大幅な会員数増加によるスケール効果が利益成長を牽引
- 固定費の効率化と変動費の最適化によって営業利益率が改善
- Cignaとの共同保険商品は縮小傾向(会員数減少)
- ACAマーケットプレイス対応による収益安定化とリスク調整コストの適正化
2025年ガイダンス(または翌期ガイダンス)
- 通期見通しは据え置き(据え置き理由としては第1四半期の堅調な実績を背景に、現時点での追加修正の必要性なし)
売上高、純利益、EBITDA、Medical Loss Ratio、SG&A比率など、主要指標すべてのガイダンスを再確認
オスカー・ヘルスは、加入者ベースの拡大と営業効率の向上によって、売上・利益ともに大幅な成長を達成した。Medical Loss Ratioは適正範囲を維持しつつ、SG&A費用率が低下しており、持続的な利益成長の基盤が強化された。また、現金水準の大幅な増加やキャッシュフローの健全化は、今後の成長投資に向けた強力な資金的余裕を示している。Cignaとの提携見直しなど一部の事業再編も含め、中核事業の選択と集中が進行中であり、2025年通期のガイダンス再確認はその堅調な見通しを裏付ける。
2024:Q4 2025/02/04 発表(引け後)
- 発表翌営業日+3.08%寄付 -1.70%
- 5営業日-7.66%
オスカー・ヘルス(OSCR)の2024年度通期決算サマリー
売上高と収益
- 年間売上高: 91億7756万ドル(前年比+56.5%)
- GAAP純利益: 2543万ドル(前年比+2億9672万ドルの改善)
- 調整後EBITDA: 1億9923万ドル(前年比+2億4450万ドル)
- その他指標:
医療損失率(MLR):81.7%(前年比+0.1pt)
販売・一般管理費比率(SG&A):19.1%(前年比▲5.2pt)
営業費用と利益
- GAAP営業費用: 91億2029万ドル(前年比+49.5%)
- 営業利益(Earnings from Operations): 5726万ドル(前年▲2億3561万ドルから黒字転換)
契約と受注(Bookings)
- 会員数(総数): 約167万7千人(前年比+62%)
個人・小規模グループ:163万6400人
シグナ+オスカー:4万570人
メディケアアドバンテージ:0人(事業終了)
キャッシュと財務状況
- 現金及び短期投資合計: 約21億5,180万ドル(前年比▲4.0%)
- 長期投資含む総資産: 48億4050万ドル(前年比+34.4%)
- 長期債務: 2億9955万ドル(前年と同水準)
- 営業キャッシュフロー: プラス9億7819万ドル(前年はマイナス2億7216万ドル)
技術・事業ハイライト
- 黒字化達成: 初めてGAAP純利益・調整後EBITDAでの通期黒字を達成
- 運営強化: 元カイザー財団グループ幹部のジャネット・リアン氏を新たに保険部門プレジデントとして招聘
- 収益性改善: 固定費の効率化と変動費削減により営業費用比率が大幅に改善
2025年ガイダンス(または翌期ガイダンス)
- 売上見通し: 112億~113億ドル(前年比+22%程度)
- 医療損失率(MLR): 80.7~81.7%
- SG&A比率: 17.6~18.1%
- 営業利益(Earnings from Operations): 2億2500万~2億7500万ドル
オスカー・ヘルスは2024年、収益性・成長性ともに大きな転換点を迎えた年となった。会員数の大幅増加に加え、保険事業単体での黒字化を達成し、財務体質も安定。2025年は黒字幅の拡大とさらなるコスト効率改善が見込まれ、持続可能な成長軌道に入ったと評価できる。特に営業利益ベースでの明確な成長ガイダンスは、株主や投資家にとって強い安心材料となる。
これより前の決算を表示(2期分)
2024:Q3 2024/11/07 発表(寄り前)
- 発表翌営業日-12.28%寄付 -8.30%
- 5営業日-13.31%
オスカー・ヘルス(OSCR)の2024年度Q3決算サマリー
売上高と収益
- 売上高: 第3四半期の総売上高は24億2,300万ドルで、前年同期比68%増加。これは会員数増加と保険料率の上昇が主な要因。
- 医療損失率 (Medical Loss Ratio, MLR): 84.6%で、前年同期比0.8ポイント増加。特に特別登録期間における加入者増とリスク調整コストの影響を受けた。
- 営業利益率: 販売・一般管理費率(SG&A)は19.0%で、前年同期よりも3.6ポイント改善し、費用効率の向上が示される。
利益
- 調整後EBITDA: 1,156万ドルの損失で、前年同期よりも870万ドル改善。営業効率とコスト管理の向上が影響。
- 純損失: オスカー・ヘルスに帰属する純損失は5,460万ドルで、前年同期の6,570万ドルから損失幅が縮小した。
将来ガイダンス
- 2024年度通年売上予測: 売上を92億ドルから93億ドルとし、従来の予測範囲を2億ドル引き上げ。SG&A費用率も改善する見込み。
- 医療損失率の見通し: MLRは、前回の予測範囲である80.5%~81.5%の上限に近い水準で推移すると見られ、費用増加リスクが残る。
株価下落の要因
- 医療損失率の上昇: 医療損失率が前年同期比で増加し、特に特別登録期間のリスク調整コストの影響が大きかった。
- 医療費の上昇リスク: 新型コロナウイルス関連のコスト増加や、医療サービス需要の高まりによる医療費のリスクが依然として残り、今後の収益に対する不透明感が投資家に懸念材料として捉えられた。
オスカー・ヘルスは、医療費リスク管理とコスト効率の改善を進めることで、2024年度の収益性と収益成長を目指している。
2024:Q2
オスカー・ヘルス(OSCR)の2024年度Q2決算サマリー
- 総売上高: 22億1,900万ドルで、前年同期比46%増加。
- 医療損失率(MLR): 79.0%で、前年同期の79.9%から0.9%改善。これは、過去の医療費支出が好転したことが影響しています。
- 販売管理費率(SG&A): 19.6%で、前年同期の22.2%から改善。
- 純利益: オスカーに帰属する純利益は5,620万ドルで、前年同期の1,552万ドルの損失から改善。
- 調整後EBITDA: 1億410万ドルで、前年同期比で6,860万ドル改善。
主要な要因
- 売上増加の要因: 会員数の増加と保険料の上昇が主な要因です。一部リスク調整の影響は見られましたが、全体的な増加に寄与しました。
- 医療損失率の改善: 主に過去の医療支出の改善が寄与し、前年よりも医療コストの割合が減少しました。
- SG&Aコスト削減: 固定費のレバレッジ改善と変動費効率の向上により、経費率が大きく改善しました。
会員基盤
- 総会員数: 158万725人で、前年同期の97万543人から増加。
個人および小規模グループ: 152万2,432人。
Cigna+Oscar提携プラン: 5万8,293人。
今後の見通し
- 2024年度通期予測: 売上は90億ドルから91億ドルの範囲、調整後EBITDAは1億6,000万ドルから2億1,000万ドルの範囲に上方修正。
オスカー・ヘルスは、2024年第2四半期において、売上、利益ともに前年同期比で大幅な改善を見せた。特に、医療損失率とSG&Aコストの削減が業績向上に寄与しており、今後も会員数の拡大とコスト効率化による成長が期待されている。
