2026:Q2 2026/08/10 発表(引け後)
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QUBT 2026年Q2決算:売上高は前年比91倍、NHanced買収でFab 2始動と13億ドル超の現金基盤が焦点に
QUBTの決算ハイライト
クオンタム・コンピューティングの2026年第2四半期は、売上高が560万ドルとなり、前年同期の6.1万ドルから大きく伸長、前四半期の370万ドルからも増加した。フォトニクス製品の販売が牽引役となり、政府・教育・商用の幅広い顧客層に及んだ。
一方で営業費用は2180万ドルと前年同期の1020万ドルから114%増加し、研究開発・営業体制の拡大に加え、買収関連費用730万ドルが上乗せされた。純損失は1180万ドルで、前年同期の3650万ドルから縮小しているが、この改善の主因はワラント派生商品の時価評価損が2800万ドルから170万ドルへ大幅に縮小したことによるもので、本業の損益改善ではない点に留意が必要だ。
会社は第2四半期にNHanced Semiconductorsの買収を完了し、Fab 2を予定より早く立ち上げた。四半期末時点の現金・現金同等物・投資の合計は13億ドルに達し、期初の15億ドルからは減少したものの、依然として厚い財務基盤を維持している。
抑えておくべきKPI
- 売上高: 560万ドル(前年同期6.1万ドルから増加、前四半期370万ドルから増加)
- 営業損失: 2301.3万ドル(前年同期は1017.1万ドルの営業損失)
- 純損失: 1175.3万ドル(前年同期は3648.2万ドルの純損失)
- 現金・現金同等物・投資合計: 13億ドル(2025年末時点は15億ドル)
- 契約バックログ: 4250万ドル
投資家目線のインサイト
売上高の伸びは目を引くが、絶対水準はまだ560万ドルと小さく、事業の実質的な拡大というより初期段階の商業化トラクションを示す数字と捉えるのが妥当だろう。売上原価が671.7万ドルと売上高を上回り、粗損失116.6万ドルを計上している点も、収益性にはまだ届いていない現状を映している。
純損失の縮小は好材料に見えるが、その中身は営業損失がむしろ前年同期の1017万ドルから2301万ドルへ拡大している一方、ワラント派生商品の評価損が縮小したことによる会計上の要因が大きい。本業の損益動向を見る上では営業損失の拡大にも目を向けておきたい。
NHanced Semiconductorsの買収は今年3件目のM&Aで、Fab 2の前倒し立ち上げにより先進パッケージングと半導体製造能力を拡大した。NeuraWaveの商用化準備完了とPlanck Dynamicsとのフレームワーク契約、Dirac-3の大手コンサルティングファームへの納入など、複数の商業マイルストーンが同時期に積み上がっていることは、量子・フォトニクス事業の裾野が広がりつつあるサインといえる。
今後の見どころ
Planck Dynamicsとのフレームワーク契約は、顧客マイルストーン達成を条件に総額1000万ドル超の潜在価値があるとされており、今後この契約がどの程度実際の売上に転換されるかが重要な確認ポイントになる。NHanced買収についても、最大7200万ドルの追加対価が業績目標達成に紐づいており、統合の進捗と成果目標の達成度合いを追いたい。
現金・投資残高は買収により約1.8億ドルを使用したことで15億ドルから13億ドルへ減少している。今後も買収や設備投資が続く中で、この潤沢な財務基盤がどのペースで取り崩されていくかは、長期的な資金余力を見極める上で注視すべき点だ。
出典
2026:Q1 2026/05/11 発表(引け後)
- 発表翌営業日+15.72%寄付 +24.75%
- 5営業日-4.57%
QUBT 2026年Q1決算:買収で売上は急拡大も、営業損失は前年の2.5倍に拡大
QUBTの決算ハイライト
Quantum Computing Inc.の2026年第1四半期は、売上高が前年同期の3.9万ドルから370万ドルへと急拡大した。増収の主因は2026年2月に完了したLuminar Semiconductor(LSI)と3月完了のNuCryptという2件の買収で、自社事業の有機的成長というより買収による外形的な変化が大きい。
一方で営業費用は前年同期の830万ドルから1,980万ドルへと139%増加し、研究開発・販売費・一般管理費すべてで人件費と買収関連費用が膨らんだ。売上原価が売上高を上回り、粗損失72万ドルを計上している点は見過ごせない。
損益面では、前年同期に2,363万ドルあったデリバティブ負債の時価評価益が今期318万ドルに縮小したことも響き、純損失405万ドル(前年同期は純利益1,698.2万ドル)に転じた。現金・現金同等物・投資の合計は前四半期末の約15億ドルから約14億ドルへと減少し、巨額の手元資金を買収と事業拡大に投じ始めた四半期と位置づけられる。
抑えておくべきKPI
- 売上高: 370万ドル(前年同期は3.9万ドル)
- 営業損失: 2,055万ドル(前年同期は828.6万ドル)
- 純損益: 純損失405万ドル(前年同期は純利益1,698.2万ドル)
- 現金・現金同等物・投資合計: 約14億ドル(2025年末は約15億ドル)
- 契約バックログ: 約1,600万ドル
重要なインサイト
今回の増収は事業の構造変化というより、買収した企業の売上が連結に加わったことによる会計上の押し上げ効果が中心である。LSIはレーザーや検出器、先進パッケージングの製造能力を持ち、NuCryptは量子通信技術を持つ企業で、いずれもQCiの薄膜ニオブ酸リチウム(TFLN)フォトニクス戦略を補完する狙いがある。ただし統合作業は緒に就いたばかりで、収益貢献が本格化するのはこれからだ。
粗損失の計上と営業費用の急増は、買収統合コストと人員拡大が先行し、収益性が一時的に悪化している状態を示している。総資産は約16億ドルとほぼ横ばいだが、負債は2,340万ドルと前四半期末から270万ドル増加し、事業規模の拡大に伴う負債の増加も見られる。
Fab 1施設では小ロット生産が立ち上がり始め、初期収益を生み始めているとの言及があり、量子フォトニクスチップの製造能力を実際の売上に結びつける動きが進行中であることが読み取れる。ただしこの段階ではまだ規模は小さい。
今後の見どころ
LSIとNuCryptの統合がどこまで進み、買収による売上が今後の四半期で有機的な事業成長にどう転化していくかが焦点になる。統合コストが一巡した後の営業費用の推移と、粗利益率が黒字に転じるかどうかも注視したい。
計画中のFab 2施設への投資判断や、Quantum Corridorとの提携によるDirac-3量子最適化マシンの商用展開が、契約バックログ1,600万ドルからどこまで積み上がるかを左右する材料になりそうだ。手元資金14億ドルの使途にも引き続き注目したい。
出典
2025:Q1 2025/05/15 発表(引け後)
- 発表翌営業日+39.29%寄付 +13.96%
- 5営業日+30.63%
クオンタム・コンピューティング(QUBT)の2025年Q1決算サマリー
売上高と収益
- 四半期売上高: 3.9万ドル(前年同期比+44%)
- GAAP純利益: 1,698.2万ドル(前年同期:▲64.4万ドル)
- 調整後EBITDA: 非開示(営業損失は▲828.6万ドル)
- 粗利益: 1.3万ドル(前年同期:1.1万ドル)
営業費用と利益
- 研究開発費: 298.5万ドル(前年同期比+34%)
- 販売・マーケティング費: 67.2万ドル(+49%)
- 一般管理費: 464.2万ドル(+27%)
- 営業損失: ▲828.6万ドル(前年同期:▲631.9万ドル)
契約と受注(Bookings)
- 売上構成: すべてサービス提供による収益(プロダクト売上はまだなし)
- 収益源: PoC(概念実証)、研究支援契約、カスタムハードウェア受託開発など
キャッシュと財務状況
- 現金および現金等価物: 1億6,642.9万ドル(前期末比+87.5百万ドル)
- 営業キャッシュフロー: ▲443.1万ドル(前年同期:▲384.8万ドル)
- 資金調達: 2025年1月に8,163,000株を発行、9,363.6万ドルの資金調達を実施
- 設備投資: 173.3万ドル(主にAZチップ製造施設の拡張による)
技術・事業ハイライト
- Entropic Quantum Computing(EQC):
独自の非線形光子技術による量子最適化コンピュータ
常温・低消費電力動作でスケーラビリティと実用性に優れる
– TFLNチップ製造:
アリゾナ州に自社の量子チップ製造施設「AZ Chips Facility」を構築中
薄膜リチウムナイオベート(TFLN)を使った光集積回路開発を加速
– 量子センシングとサイバーセキュリティ:
LIDAR、量子フォトニック認証、リザバーコンピューティングなどの応用を開発
セキュリティや遠隔センシング向け技術のPoC進行中
2025年ガイダンス(または翌期ガイダンス)
- 短期の売上予想: 非開示(PoC段階の案件が中心で予測困難)
- 資金計画:
追加資金調達なしでも12ヶ月以上の運転資金を確保
政府補助金や機関投資家からの出資獲得も視野に入れる
– 注目点:
EQCの商業展開本格化に向けた製品のプロトタイプ化
米国政府との契約(セキュリティや防衛用途)獲得を目指す
クオンタム・コンピューティングは、独自のフォトニクス量子技術による常温型量子コンピュータ「EQC」の商業化を目指す開発フェーズの企業。
2025年第1四半期は、赤字継続ながらも大規模資金調達により潤沢な現金を確保し、PoCおよび政府向け案件に注力。
商業段階にはまだ達していないが、将来的には量子計算の最適化・センシング・サイバーセキュリティ応用での実用化が期待される。研究から収益化へ移行できるかが今後の焦点。
