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【株テーマ】核融合発電の詳細と関連銘柄(米国&日本株)

【株テーマ】核融合発電の詳細と関連銘柄(米国&日本株)株式テーマ

このサイトは、私(@mifsee)が個人的に学びながら企業分析や銘柄分析を進め、その成果をまとめたものです。

あくまで私の個人的な分析記録であり、内容には誤りや実際と異なる情報が含まれているかもしれません。ご覧になる場合は予めご了承ください。

  1. はじめに
  2. 核融合発電とは何か?
  3. もっと簡単に核融合を説明すると?
  4. 核融合と核分裂の違いは?
    1. 核融合(Nuclear Fusion)
    2. 核分裂(Nuclear Fission)
  5. 核融合と原発は違うもの?
  6. 核融合発電の原理は?そのメカニズムは?
    1. 核融合発電の原理
    2. 核融合発電のメカニズム
  7. 核融合炉の磁気閉じ込め方法の種類と特徴は?
    1. トカマク型
    2. ヘリカル型
    3. レーザー型
  8. 核融合発電のメリットは?
    1. 持続可能なエネルギー燃料の供給が可能
    2. 温室効果ガスを排出せず環境に優しい
    3. 24時間稼働できる
    4. 高い安全性が見込まれる
    5. 高エネルギー出力が可能
    6. 燃料の地域依存が少ない
  9. 核融合発電のデメリットは?
    1. 高い初期コストが見込まれる
    2. 国際的な協調が必要
    3. 副産物の処理が必要
  10. 核融合発電の市場規模はどれくらい?
  11. なぜ急速に核融合の技術が発展し商業化が見えてきたのか?
  12. 核融合へ投資している有名投資家や企業、団体は?
    1. 有名な投資家
  13. 核融合発電に関連する主要な企業やプロジェクトは?
    1. 核融合発電の主要な企業
    2. 核融合発電の主要なプロジェクト
  14. 日本企業で核融合発電の主要な企業は?
  15. 核融合発電に投資チャンスはあるか?
    1. 核融合発電への投資のリスク
  16. 核融合におけるの米国の関連銘柄は?
    1. シェブロン (CVX)
    2. アルファベット (GOOG, GOOGL)
    3. セノバス・エナジー (CVE)
    4. バブコック・インターナショナル (BCKIF)
    5. SNCラバラン (SNCAF)
    6. コンソリデーテッド・ウォーター (CWCO)
    7. オートリー・グループ (OTLY)
    8. アルベマール (ALB)
    9. GEエアロスペース(GE)
    10. ロッキード・マーチン (LMT)
  17. 非上場だが注目すべき、米国の核融合スタートアップ企業
    1. コモンウェルス・フュージョン・システムズ(CFS)
    2. ヘリオン・エナジー
    3. パシフィック・フュージョン(Pacific Fusion)
  18. 核融合におけるの日本の関連銘柄(日本株)は?
    1. INPEX【1605】
    2. 古河電気工業【5801】
    3. フジクラ【5803】
    4. 東洋炭素【5310】
  19. 非上場企業だが日本で注目される核融合スタートアップ企業
    1. 京都フュージョニアリング
    2. 株式会社EX-Fusion
    3. 株式会社Helical Fusion
  20. 核融合が実現・発展することで恩恵を受ける業界や産業は?
  21. 核融合に関する今後の課題や懸念事項は?
    1. 核融合に関する技術的課題
    2. 核融合に関する経済的課題
    3. 核融合に関する社会・環境的課題
    4. 核融合に関する懸念事項
  22. まとめ

はじめに

核融合発電は、21世紀のエネルギー問題に対する最も有望な解決策の一つとされ、「究極のクリーンエネルギー」とも言われています。

この技術が商業化されれば、ほぼ無限に近いエネルギーを、持続可能かつ環境に優しく供給することが可能になるでしょう。

しかし、その実現には多くの科学的、技術的、さらには経済的な課題が存在します。

一方で、核融合発電の可能性に賭ける企業や研究機関は増加しており、それに伴い投資の機会も広がっています。

核融合発電の科学的基礎から、核融合の開発に関連する米国株、日本株まで、核融合関連銘柄を調査した内容をアウトプットします。

核融合発電とは何か?

核融合発電は、軽い原子核を高温・高圧の環境下で合体させることで大量のエネルギーを発生させる発電方法のこと。

このプロセスは、太陽で行われているエネルギー生成メカニズムと同じ。

その特徴は以下のとおり。

  • 核融合に必要な燃料は海水からも取得可能であり、ほぼ無限に近いエネルギー源とされている。
  • 核融合は二酸化炭素(CO2)を排出しないため、気候変動に対する影響が非常に小さく環境に優しい
  • 核融合は制御が比較的容易であり、核分裂(現在の原子力発電)のようなメルトダウン(暴走)のリスクが限りなく低く安全性が高いとされる。
  • 核融合は非常に高いエネルギー密度を持っており、小さな量の燃料から大量のエネルギー生成が可能

ただし、核融合発電は現在、多くの国が協力して研究が進められ、商業化に向けた取り組みが進行中である。

もっと簡単に核融合を説明すると?

簡単に説明すると、核融合は「軽い原子がくっついて、少し重い原子を作るときに出るエネルギー」が放出され、そのエネルギーを利用して発電しようとする試み

具体的には、核融合でよく使われるのは、水素の同位体であるデュタリウム(重水素)とトリチウム。

これらの原子核が合体すると、ヘリウムという別の元素の原子核と、中性子という粒子が生成される。

この合体の過程で放出されるエネルギーが、核融合のエネルギーとして利用される。

太陽も核融合の原理で輝いており、太陽の中心部では、水素の原子が合体してヘリウムを作り、その過程で放出されるエネルギーが太陽の光として放射されている。

このように、核融合は自然界に存在する現象であり、そのエネルギーを人工的に利用することで、クリーンな電力を生成することが期待されている。

核融合と核分裂の違いは?

核融合と核分裂は、ともに原子核に関する反応ですが、そのメカニズムと結果が大きく異なります。

主な違いは以下のとおり。

核融合(Nuclear Fusion)

  • 軽い原子核(通常は水素同位体)が高温・高圧の状態で合体し、より重い原子核(通常はヘリウム)を生成する。
  • 原子核が合体する過程で大量のエネルギーが放出される。
  • ほとんどの核融合反応では、放射性廃棄物が非常に少ないか、まったく生成されない。
  • 制御が失われた場合に大規模な爆発や放射能漏れが起きる可能性は低い。
  • 商業化には至っておらず、多くの技術的課題が残っている。

核分裂(Nuclear Fission)

  • 重い原子核(通常はウランやプルトニウム)が中性子の衝突によって分裂し、より軽い原子核を生成する。
  • 原子核が分裂する過程で大量のエネルギーが放出される。
  • 分裂反応によって大量の放射性廃棄物が生成されることが多い。
  • 制御が失われた場合、チェルノブイリや福島第一のような大規模な災害が起きる可能性がある。
  • すでに商業化されており、多くの国で電力供給の一部として利用されている。
核融合と核分裂の違い

出典:エネ百科(【9-4-05】核融合と核分裂)

以上のように、核融合と核分裂はエネルギー生成のメカニズム、安全性、環境への影響などで大きく異なる

核融合は理論的にはよりクリーンで安全なエネルギー源とされており、その実用化にはまだ多くの課題が残っているが、核分裂はすでに実用化されており、放射性廃棄物の処理や安全性の問題がある。

核融合と原発は違うもの?

先程示したとおり、核融合と原発(通常は核分裂を指す)は、エネルギーを生成するメカニズムが根本的に異なる。

「原発」は重い原子核、通常はウランやプルトニウム、が中性子の衝突によって分裂し、その過程で大量のエネルギーを放出する。

この反応によって生成される放射性廃棄物の処理と、制御が失われた場合の安全性が主な課題となっている。

一方で、「核融合」は軽い原子核、主に水素の同位体、が高温・高圧の状態で合体し、より重い原子核を生成する過程。

この反応によっても大量のエネルギーが放出されるが、放射性廃棄物がほとんど生成されないというメリットがある。また、制御が失われた場合に大規模な爆発や放射能漏れが起きる可能性は低いとされている。

核という言葉のイメージにより、原発を思い浮かべる傾向があるが、このように核融合と原発は全く異なり、ある意味正反対のしくみと言える。

現在、原子力発電において、小型モジュール原子炉(SMR)が注目されている。
これは従来の大型原子炉とは異なり、小型で安全性が高い設計が特徴である。

さらに、SMRは工場で製造され、現場で組み立てることが可能なため、建設コストや工期を大幅に削減できる点でも大きなメリット。
この技術は、より柔軟な設置が可能で、特に遠隔地や小規模な電力需要に対応できる点で期待されている。

関連記事:次世代クリーンエネルギー、小型モジュール原子炉(SMR) 関連銘柄(米国株・日本株)

核融合発電の原理は?そのメカニズムは?

核融合発電の原理とメカニズムは非常に複雑だが、基本的な概念は比較的シンプルである。

以下にその主要なポイントを説明します。

核融合発電の原理

  • 核融合を起こすには、非常に高い温度(数百万度以上)と高い圧力が必要。これは、軽い原子(たとえば、水素)が合体するための条件となる。
  • この高温・高圧の状態で、軽い原子が合体(融合)すると、大量のエネルギーが放出され、このエネルギーを使って電気を作り出す。

核融合発電のメカニズム

  • プラズマを生成する:高温になると、ガスはプラズマと呼ばれる状態になる。これは、電子と原子核が分かれた状態、つまり核融合反応の「場」となる。
  • 磁場で制御する:高温・高圧状態を維持するために、強い磁場を使ってプラズマを制御する必要がある。これを「磁場閾束(じばいきりゅう、Magnetic Confinement)」と呼ぶ。
  • レーザーを使うケースもある: 別の方法として、レーザーで燃料(通常は小さなペレット)にエネルギーを瞬間的に与えて、高温・高圧を作り出す方法もある。。これを「慣性閾束(かんせいいきりゅう、Inertial Confinement)」と呼ぶ。
  • 電気に変換する: 出たエネルギー(主に熱)を使って、タービンを回し、電気を作る。
  • 副産物の処理が必要:核融合反応で発生する副産物(主にヘリウム)は、核分裂反応のように長期間放射能を持つものではないが、それでも適切に処理する必要がある。

簡単に言えば、核融合は「超高温・高圧で軽い原子を合体させて、そのエネルギーを電気に変える」方法です。

この技術がうまくいけば、ほぼ無限に近いエネルギーを作ることができ、しかも環境に優しい。

核融合炉の磁気閉じ込め方法の種類と特徴は?

核融合炉の実現に向け、超高温の磁気(プラズマ)を閉じ込める磁気閉じ込め方式にはいくつかの種類がある。

以下はその方式と特徴。

トカマク型

トーラス(ドーナツ形)の容器内で磁場を用いてプラズマを閉じ込める方式で、高いプラズマ密度と温度を達成可能できるメリットがあり、研究が最も進んでいる。
しかし、仕組みは複雑で、巨大な施設が必要となり建設・運用コストが高いデメリットがある。

ヘリカル型

ヘリカル(らせん形)の磁場を用いてプラズマを閉じ込める方式で、地場の安定性が高く、小型化が比較的容易であるメリットがある。
デメリットとして、プラズマ密度と温度はトカマク型より低い傾向があり、研究はトカマク型に比べて進んでいない。

レーザー型

レーザー光線を用いて、小さな燃料ペレットに高温・高圧を与えて核融合を引き起こす方式で、磁場制御が不要で小型のリアクターで実現可能なメリットがある。
デメリットとして、高エネルギーのレーザーが必要となり、燃料供給とレーザーの精度が非常に高くなければならない。

まとめると、

  • トカマク型: 高いプラズマ条件を達成できるが、コストが高い。
  • ヘリカル型: 磁場が安定しているが、プラズマ条件が劣る。
  • レーザー型: 磁場制御が不要で小型化が可能だが、高精度な制御が必要。
核融合反応を起こす方法(主な3つの方式):出典 文部科学省「核融合研究」

核融合反応を起こす方法(主な3つの方式):出典 文部科学省「核融合研究

これらの各タイプは、用途や研究の進行度によって選ばれる。

核融合発電のメリットは?

持続可能なエネルギー燃料の供給が可能

核融合に使用される主要な燃料は重水素と三重水素であり、特に重水素は海水からも抽出できるため、ほぼ無限に近いエネルギー供給が可能となる。

温室効果ガスを排出せず環境に優しい

核融合は燃焼プロセスを必要としないため、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスを排出しない。

核融合発電で発生する副産物は主にヘリウムであり、これは無害なため長期的な放射性廃棄物の管理が不要。

24時間稼働できる

風力発電や太陽光発電などに比べ、季節や時間などの影響を受けず、原則的に24時間発電をし続けることが可能

高い安全性が見込まれる

核融合反応は高温・高圧の環境でしか維持できないため、何らかの問題が発生した場合、反応は自然に停止するため、核分裂による原子力発電のようなメルトダウンのリスクがなくなる。

高エネルギー出力が可能

核融合は非常に高いエネルギー密度を持っており、小さな量の燃料から大量のエネルギーを生成できるため、エネルギー供給が安定し、大量の電力が必要な場合でも対応が可能。

燃料の地域依存が少ない

重水素は海水からも取得できるため、特定の地域や国に依存することなく、広範な地域でエネルギー供給が可能。

核融合発電のデメリットは?

高い初期コストが見込まれる

研究開発と設備建設に非常に高い費用がかかる。

国際的な協調が必要

大規模な研究開発には多くの国々の協力が必要。

副産物の処理が必要

一部の副産物には短期間の放射能があり、それを適切に処理する必要がある。

これらのメリットとデメリットを考慮すると、核融合発電は非常に有望なエネルギー源と言える。

核融合発電の市場規模はどれくらい?

  • 核融合の世界市場は、2022年には約2,964億米ドルであり、2023年には約3,135億6,000万米ドルに成長すると予測されている。
  • 成長率(CAGR)は5.8%です。さらに、2027年には約3,951億4,000万米ドルに達するとも予測されている。
  • この市場規模には、エネルギー生成に関連する商品やサービスの価値も含まれています。
  • 2021年には、アメリカで6つの大規模な核反応炉が稼働を開始し、2030年までにはさらに2つの反応炉が稼働を開始する予定。これには政府から32億米ドルの資金提供があるとされている。
  • 2021年6月には、Zap Energyが新しいプロトタイプを開発し、エネルギー出力が消費エネルギーよりも多い状態(Q=1)を達成した。

以上の情報から、核融合発電の市場規模は拡大しており、多くの企業や国が研究開発に力を入れている。

なぜ急速に核融合の技術が発展し商業化が見えてきたのか?

  • 長年にわたる研究により、核融合を制御するための技術が進化し、多くの問題においてブレイクスルーを実現した。特に、プラズマの安定化、高温・高圧の状態の制御、材料科学の進歩などが挙げられる。
  • ITER(イーター:国際熱核融合実験炉)のような国際的なプロジェクトが進行中であり、多くの国が資金と技術を提供しており、核融合の研究が加速している。
  • 近年、政府や民間企業からの資金提供が増加。特に、クリーンエネルギーへの投資が増えているため、核融合研究にも多くの資金が流れている。
  • AIと高性能コンピューティングの進化により、核融合のシミュレーションやデータ解析が効率的に行えるようになった。
  • 地球温暖化の進行や化石燃料の枯渇により、クリーンエネルギーの需要が高まっているため、核融合の商業化に向けた動きが活発化している。

以上のように、技術的進歩、国際的な協力、資金の増加、AIとコンピューティング技術の進化、環境への配慮などが、核融合の商業化が見えてきた理由

核融合へ投資している有名投資家や企業、団体は?

核融合技術に投資している有名な投資家や企業、団体はいくつかある。

以下に主要なものを挙げます。

有名な投資家

ビル・ゲイツ(Bill Gates)

マイクロソフトの創業者であり、TerraPowerという核エネルギー企業に投資している。この企業は、核分裂だけでなく核融合にも関心を持っている。

ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)

 アマゾンの創業者であり、General Fusionというカナダの核融合企業に投資している。

ピーター・ティール(Peter Thiel)

 PayPalの共同創業者であり、パランティア・テクノロジーズの創業者でもあるピーター・ティールは、 Helion Energyというアメリカの核融合企業に投資しています。

サム・アルトマン(Sam Altman)

OpenAIの創業者で、著名な投資家であり、Y Combinator の元社長である サム・アルトマン氏は、核融合エネルギーの商業化に注力する企業である Helion Energy(ヘリオンエナジー) に 3 億 7,500 万ドルを投資している。

これはアルトマン氏がこれまでに行った単独で最大の投資であり、核融合エネルギーの可能性に対する彼の強い信念を示している。
ヘリオン は、従来の変換ステップをバイパスして電気を直接回収できる「パルス非点火核融合システム」に取り組んでいる。これは効率の面で大きな変革をもたらす可能性があり、エネルギー生産コストを大幅に削減できる可能性がある。

出典: YourStory.com

核融合発電に関連する主要な企業やプロジェクトは?

核融合発電に関連する主要な企業やプロジェクトは多数ある。

以下はいくつかの注目すべきもの。

核融合発電の主要な企業

  • TAE Technologies Inc.(非上場):アメリカに拠点を置く企業で、プラズマ物理学とエンジニアリングの研究に特化しており、商業化に向けた進展が見られる。
    多額の資金を調達しており、その中にはGoogleからの投資も含まれている。
  • Zap Energy Inc.(非上場):シアトルに本社を置くスタートアップで、Z-ピンチ技術を用いた核融合研究を行っている。
  • First Light Fusion Ltd.(非上場): イギリスの企業で、慣性閾束(Inertial Confinement)を用いた核融合技術の開発を行っている。
  • General Fusion(非上場):カナダの企業で、磁場閾束(Magnetic Confinement)と慣性閾束(Inertial Confinement)のハイブリッド方式を研究しており、多角的なアプローチが評価されている。カナダ政府やJeff Bezos(Amazon創業者)からの資金調達がある。
  • Commonwealth Fusion Systems(非上場): MITからスピンオフしたアメリカの企業で、高温超伝導磁石を用いたトカマク型の核融合炉の開発を行っている。MITとの強力な連携と、多額の資金調達が行われている。
  • Tokamak Energy Ltd.(非上場):イギリスの企業で、小型のトカマク炉を用いた核融合技術の商業化を目指しています。
  • Helion Energy(非上場):独自の核融合技術を用いてクリーンなエネルギーを提供することを目指すアメリカのスタートアップ企業。Open AIの創業者サム・アルトマンが投資している。
  • Lockheed Martin Corp(LMT).:アメリカの防衛企業で、大手でありながら、核融合研究にも力を入れている。特にコンパクトな核融合炉の開発が進められている。多角的なビジネスを展開しているため、比較的安定してる。

核融合発電の主要なプロジェクト

  • ITER(International Thermonuclear Experimental Reactor):フランスに建設中の国際共同研究プロジェクトで、商業化に向けた核融合炉のプロトタイプを開発している。
  • NIF(National Ignition Facility):アメリカのプロジェクトで、レーザーを用いた慣性閾束型の核融合研究を行っている。
  • SPARC:MITとCommonwealth Fusion Systemsが共同で進めるプロジェクトで、小型のトカマク炉を用いた核融合の商業化を目指している。
  • DEMO:ITERに続く欧州のプロジェクトで、商業運転を目指す核融合炉の設計と建設を計画している。

これらの企業とプロジェクトは、核融合発電の商業化に向けて各種の研究と開発を行っており、その進展によってはエネルギー産業に大きな影響を与える可能性がある。

日本企業で核融合発電の主要な企業は?

日本においても、核融合発電に関する研究や開発が行われている。

主要な企業としては原子力発電、エネルギーに関する企業。

  • 7011:三菱重工業(Mitsubishi Heavy Industries, Ltd.)
  • 6502:東芝(Toshiba Corporation)
  • 6502:日立(Hitachi, Ltd.)

研究機関では以下の団体が挙げられます。

  • QST(量子科学技術研究開発機構):QST(National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology)は日本の研究機関であり、核融合研究の一環としてJT-60SAというトカマク型の実験装置を運用している。

核融合発電に投資チャンスはあるか?

  • 核融合は持続可能でクリーンなエネルギー源として非常に有望といえる。成功すれば、エネルギー産業に革命をもたらす可能性がある。
  • 現在、多くのスタートアップ企業が核融合技術の商業化を目指しているため、これらの企業への早期投資は、将来的に高いリターンをもたらす可能性がある。
  • 核融合には高度な材料科学、冷却技術、磁場制御技術などの分野で活躍する企業や素材メーカーなどの関連企業への投資も有望。

核融合発電への投資のリスク

  • 核融合技術はまだ商業化されていないため、投資した企業が成功しない可能性も考えられる。
  • 核融合技術の開発には時間がかかるため、短期的なリターンは期待できない。
  • 核融合技術は多くの国で規制されており、政治的な判断によってプロジェクトが中断する可能性も考えられる。

核融合発電への投資はリスクを伴いますが、成功した場合のインパクトも非常に大きい。リスクをしっかりと評価し、自身の投資戦略に合った方法を選ぶことが重要。

核融合におけるの米国の関連銘柄は?

米国の核融合発電関連企業は、非上場のスタートアップ企業が多く、直接投資できる銘柄は多くないが、資金提供している企業や、各融合技術の進展により恩恵を受ける7つの企業が、「Nasdaq」の「7 Nuclear Fusion Stocks to Buy Before the Next Breakthrough」という記事で紹介されている。

そちらの7つの銘柄は以下。

シェブロン (CVX)

シェブロンは、石油とガスの大手企業でありながら、核融合技術の開発を支援している。特に、TAE Technologiesという核融合スタートアップに資金を提供している。

アルファベット (GOOG, GOOGL)

Googleの親会社であり、TAE Technologiesへの資金調達に参加している。また、核融合エネルギー技術のプラズマモデリングを高速化する「Optometrist algorithm」の開発にも関与している。

セノバス・エナジー (CVE)

セノバス・エナジーは、カナダの石油・ガス企業で、General Fusionというカナダの核融合エネルギー技術企業に長期的に投資している。

バブコック・インターナショナル (BCKIF)

バブコック・インターナショナルは、国際防衛企業であり、核エンジニアリングサービスにも特化している。2009年には英国原子力庁を買収し、核融合パワーの開発に関与している。

SNCラバラン (SNCAF)

SNCラバランは、カナダのエンジニアリング企業で、核施設の開発にも関与している。核融合技術が商業化された場合、その技術を統合する計画もある。

コンソリデーテッド・ウォーター (CWCO)

コンソリデーテッド・ウォーターっは、水処理ソリューションに特化しているが、核融合が商業化されれば、経済的に実行可能な海水淡水化が可能になるとされている。

オートリー・グループ (OTLY)

オートリー・グループは、スウェーデンの食品企業で、植物ベースの食品を提供している。核融合技術が進展すれば、植物ベースの食品産業全体が効率的になる可能性がある。

その他、核融合に関連のある銘柄

アルベマール (ALB)

アルベマール(Albemarle Corporation)は、リチウム生産で知られる企業であり、核融合技術においても重要なリチウム供給を担っている。
リチウムは核融合の燃料となるトリチウムの生成に必要であるため、核融合が商業化される際には需要が高まると見込まれている。

GEエアロスペース(GE)

GEエアロスペースは、核技術やエネルギー分野での長年の経験を持ち、核融合の分野にも積極的に参入している。同社はエネルギー市場全体で多角的なポジションを持ち、将来的な核融合技術の商業化に向けた開発に関与している。

ロッキード・マーチン (LMT)

ロッキード・マーティンは、核融合を含む先端技術の研究開発に積極的である。
特に「コンパクト核融合」という小型核融合装置の研究で注目されている。この技術が商業化されれば、エネルギー市場に大きな影響を与えると予想されている。

非上場だが注目すべき、米国の核融合スタートアップ企業

コモンウェルス・フュージョン・システムズ(CFS)

Commonwealth Fusion Systems(CFS)は、マサチューセッツ工科大学(MIT)からスピンオフした企業で、核融合エネルギーの商業化を目指している。2018年に設立され、その目標は、高温超伝導磁石技術を用いて2030年までに商業化可能な核融合リアクターを開発すること。

この磁石は、プラズマを安定して閉じ込めることができ、これにより核融合反応が持続可能になるとされる。

コモンウェルス・フュージョン・システムズ(CFS)は、多くのベンチャーキャピタルや企業から資金を調達しており、ビル・ゲイツの「Breakthrough Energy Ventures」や「Chevron Technology Ventures」などが含まれる。

CFSは、SPARCと呼ばれる核融合プロジェクトを進めている。このプロジェクトは、商業化に向けた最初のステップとされ、成功すれば次世代のクリーンエネルギー源となる可能性がある。

CFSは、磁石の製造やプラズマの制御技術など、多くのコンポーネントを必要とするため、多くのサプライヤーと協力し、独自のサプライチェーンを実現している。

核融合エネルギーが商業化されれば、CFSはその先駆者となる可能性がある。その成功は、クリーンエネルギーの未来を大きく変える可能性がある。

CFSの技術とビジョンは、多くの投資家や産業界から高く評価されている。

ヘリオン・エナジー

Helion Energyは、ワシントン州に本社を置く核融合エネルギー開発企業で、2009年に設立された。
同社は、独自の「磁気ターゲット核融合(Magnetic Target Fusion, MTF)」技術を採用しており、磁場とレーザーを組み合わせてプラズマを高温・高圧に保ち、核融合反応を引き起こします。

2021年11月、Helion EnergyはシリーズEラウンドで5億ドルを調達し、累計資金調達額は5億7,500万ドルに達した。
投資家には、OpenAIのサム・アルトマン、ビル・ゲイツの「Breakthrough Energy Ventures」、Y Combinator、ピーター・ティールの「Mithril Capital Management」などが含まれる。

2023年5月、Helion Energyはマイクロソフトと電力供給契約を締結し、2028年までに核融合発電所からの電力供給を開始する計画を発表している。

Helion Energyは、独自の核融合技術によって、より効率的な核融合反応を目指しており、他の核融合開発企業とは一線を画している。

パシフィック・フュージョン(Pacific Fusion)

Pacific Fusionは、カリフォルニア州フリーモントに拠点を置く核融合開発スタートアップで、2024年10月にシリーズAラウンドで9億ドルの資金調達を発表した。

同社は、慣性核融合の概念に基づいた高利得パルス磁気核融合ドライバーの構築を目指しており、施設純利得(投入エネルギーを上回る核融合エネルギー出力)の達成を目標としている。

投資家には、General Catalyst、Andrew Forrest、Breakthrough Energy Ventures、Elad Gil、Eric Schmidt、John Doerr、Ken Griffin、Lachy Groom、Leitmotif、Lightspeed、Lowercarbon Capitalなどが名を連ねています。

核融合におけるの日本の関連銘柄(日本株)は?

日本の核融合関連のベンチャー企業は、欧米企業と比べて投資が少なく、厳しい状況にある。しかし、日本の素材メーカーはこの分野で注目されている。

以下は、核融合の素材関連銘柄として注目の日本企業と銘柄コード。

INPEX【1605】

日本の石油・ガス探査企業であるInpex(インペックス)は、今年から核融合技術への進出を計画していると、日本経済新聞が報じている。

Inpexは、日本国内のスタートアップ企業、特に京都に拠点を置く京都フュージョニアリング、大阪のEX-Fusion、東京のHelical Fusionなどに投資する予定。

これは、主要な日本企業が核融合開発者に初めて投資を行うケースとなり、各企業に数億円から数百億円規模での投資を計画している。

株価(1605)チャートを見る(Yahoo!JAPAN ファイナンス)

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古河電気工業【5801】

古河電気工業は、イギリスの企業であるTokamak Energyと協力して、商業的な核融合エネルギーの進展を目指している。

古河電気工業とそのグループ企業であるSuperPower Incは、イギリスの核融合ベンチャー「Tokamak Energy」の新しい高度なプロトタイプ融合装置、ST80-HTSのために高温超伝導(HTS)ワイヤーを供給する予定。

このワイヤーは、100百万度以上の高温で燃料を閉じ込めるために必要なHTS磁石に使用される。

古河電気工業とTokamak Energyは、それぞれHTS磁石設計と超伝導ワイヤー開発の分野でリーダーと言える。

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フジクラ【5803】

Commonwealth Fusion Systems(CFS)とフジクラは密接な協力関係にある。

フジクラは、CFSがアメリカで建設中の世界初の商業的に関連する核融合マシンに対して、希土類(rare-earth)を基にした高温超伝導テープを大量生産で供給している。

このテープは、CFSが開発している高温超伝導(HTS)磁石技術に不可欠であり、強力な磁場を生成するために使用される。

フジクラは、この高温超伝導テープの生産能力を拡大しており、CFSの最高科学責任者であるBrandon Sorbom氏も、フジクラのHTSテープの性能に非常に感銘を受けていると述べている。

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東洋炭素【5310】

東洋炭素は、核融合エネルギーに関連する製品を提供している。

特に、同社はCX-2002U(C/Cコンポジット)とIG-430U(等方性黒鉛)という特別な黒鉛材料を開発している。

これらの材料は、核融合エネルギーの実用化に貢献するとされて、CX-2002Uは、プラズマとイオン/電子ビームの特別な熱除去特性を必要とする核融合炉のダイバーターに使用される材料となる。

IG-430Uは、低熱負荷にさらされるプラズマ面の最初の壁に主に使用される。

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非上場企業だが日本で注目される核融合スタートアップ企業

京都フュージョニアリング

京都フュージョニアリングは、京都大学発のスタートアップ企業として設立され、究極のエネルギーである核融合の実現に向けて、京都大学で培われた世界最先端の技術を用いている。

特に核融合反応で発生した熱を取り出す技術に強みがある。

  • 設立: 2019年10月
  • 本社所在地: 東京都千代田区大手町一丁目6番1号 大手町ビル5階
  • 代表者名: 長尾 昂
  • 社員数: 96名(2023年7月1日時点、派遣・業務委託・海外子会社含む)
  • 主たる株主: 株式会社INPEX, SMBCベンチャーキャピタル株式会社, 株式会社MOL PLUS(商船三井CVC), 京都大学イノベーションキャピタル株式会社 など

株式会社EX-Fusion

EX-Fusion Inc.は、日本で初めてレーザーを基盤とした核融合エネルギーの商業化を目指す大阪のスタートアップ企業。

この企業は、持続可能なエネルギーを提供することを目的としたレーザー駆動の核融合炉の開発に取り組んでいる。

EX-Fusionは、これまでに1.93億円を調達しており、最新の資金調達でさらに1.8億円を追加で調達した。

株式会社Helical Fusion

Helical Fusionは、日本で初めて磁場閾束法を用いた核融合エネルギーの早期実現を目指す東京のスタートアップ企業。

この企業は、ヘリカル(螺旋状)の核融合炉の開発を目指しており、シードラウンドで600万ドル(約6億円)を調達している。企業は2021年に設立され、技術は日本の国立核融合科学研究所から派生している。

核融合が実現・発展することで恩恵を受ける業界や産業は?

核融合が実現・発展は、産業の根幹となるエネルギー問題の安価な供給が実現することが予想されるため、多くの産業で恩恵を受ける可能性がある。

具体的には以下の産業が考えられる。

  • エネルギー産業:明らかに最も直接的な恩恵を受けるのはエネルギー産業であり、クリーンで効率的なエネルギー供給が可能になる。
  • 製造業:安価で安定したエネルギー供給が可能になると、製造コストが大幅に削減される可能性がある。
  • 輸送産業:電動車や電動飛行機など、エネルギー集約的な輸送手段がより効率的になる可能性がある。
  • 水処理・海水淡水化:安価なエネルギーが利用できるようになると、海水淡水化などのエネルギー集約的なプロセスが経済的になる。
  • 鉱業:エネルギーが安くなれば、鉱石の採掘と精錬が効率的に行えるようになる。
  • 農業: エネルギーを大量に必要とする温室栽培や垂直農業が効率的に行えるようになる。
  • 医療産業:高度な医療機器や研究が必要とするエネルギーが安定して供給されるため、医療の質が向上する可能性がある。
  • 研究・開発:エネルギーが安くなると、エネルギー集約的な研究がより手軽に行えるようになる。
  • 宇宙産業:長期的な宇宙探査や宇宙での生活に必要なエネルギー供給が可能になる。
  • 環境保護:クリーンなエネルギーが普及することで、環境への負荷が大幅に減少する。

核融合に関する今後の課題や懸念事項は?

核融合発電には、まだ、いくつかの課題や懸念事項が存在します。

核融合に関する技術的課題

  • 核融合を起こすためには非常に高い温度と圧力が必要で、その環境を維持する技術がまだ未熟である。
  • 核融合炉の内部材料が高温・高圧に耐えられるかどうかは、大きな課題で。
  • 磁場閾束(マグネティック・フラックス)を安定して維持する技術が必要。

核融合に関する経済的課題

  • 研究開発と建設に多額の資金が必要。

核融合に関する社会・環境的課題

  • 核融合も一定量の放射性廃棄物を生む可能性がある。
  • 核融合技術が特定の国に集中すると、エネルギー供給に関する地政学的なリスクが生じる可能性がある。

核融合に関する懸念事項

  • 核エネルギーに対する一般的な誤解や偏見が、核融合技術の社会的受容を妨げる可能性がある。
  • 国際的な協力と規制が必要だが、それが十分に行われていない場合、プロジェクトの進行が遅れる可能性がある。

以上の課題と懸念事項は、核融合発電が広く導入される前に解決すべき重要なポイントとなる。

まとめ

核融合発電は、21世紀の持続可能なエネルギー供給の鍵とされているが、その実現には多くの課題と懸念が絡む複雑なフィールドです。

技術的な挑戦、経済的な制約、社会的な受容性といった多面的な課題が存在します。

しかし、これらの課題を克服できれば、核融合は人類にとって真の「夢のエネルギー」になる可能性が高く、その商業化は投資の大きなチャンスともなり得ます。

多くの国々、特に日本を含む企業が研究開発に力を入れ、資金調達も進んでおり、日本の素材メーカーの技術は核融合の発展に深く関わっています。

このような動きは、投資家にとっても非常に注目すべき領域であり、成功すればエネルギー問題だけでなく、地球環境、さらには経済にも大きな影響を与えるでしょう。

核融合技術の進展とその投資機会について、今後も目が離せません。

 

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