このサイトは、私(@mifsee)が個人的に学びながら企業分析や銘柄分析を進め、その成果をまとめたものです。
あくまで私の個人的な分析記録であり、内容には誤りや実際と異なる情報が含まれているかもしれません。ご覧になる場合は予めご了承ください。
- はじめに
- ソーファイ・テクノロジーズ(SOFI)とは何の会社、どのような事業をしている?
- ソーファイ・テクノロジーズ(SOFI)の企業理念とビジョンは?
- ソーファイ(SOFI)の主力サービスは?
- ソーファイ(SOFI)のビジネスモデルは?どのように収益を生み出している?
- 取引市場は?
- ソーファイ(SOFI)は黒字化している?
- ソーファイ(SOFI)は何がすごい。
- ソーファイ(SOFI)のセクター、業種、属するテーマは?
- 配当は?
- ソーファイ(SOFI)の競合企業は?
- ソーファイ(SOFI)が属する業界の規模と成長性は?
- ソーファイ(SOFI)の競合との差別化要素と優位性は?
- ソーファイ(SOFI)の業績について
- ソーファイ(SOFI)の株価
- ソーファイ(SOFI)の将来生と今後の見通しは?
- ソーファイ(SOFI)の2024年のQ3決算サマリー
- ソーファイ(SOFI)の株を買える証券会社は?
- まとめ
はじめに
ソーファイ・テクノロジーズ(SOFI)は、近年、個人投資家の間で注目を集めているフィンテック企業です。
同社は学生ローン借り換えからスタートし、住宅ローン、預金口座、投資仲介サービス、クレジットカードなど、幅広い金融商品をワンストップで提供するまでに成長しました 。
ここでは、ソーファイ・テクノロジーズ(SOFI)の事業内容、競合優位性、将来の成長可能性について詳しく探っていきます。
ソーファイ・テクノロジーズ(SOFI)とは何の会社、どのような事業をしている?
ソーファイ・テクノロジーズ(SoFi Technologies, Inc.)は、2011年に設立されたアメリカのフィンテック企業。
本社はカリフォルニア州サンフランシスコに位置し、個人向けに多様なオンライン金融サービスを提供している。
当初は学生ローンの借り換えサービスから始まり、現在では個人ローン、住宅ローン、投資サービス、デジタルバンキング、クレジットカード、保険販売など、幅広い金融商品を展開している。
また、GalileoやTechnisysといったテクノロジープラットフォームを通じて、他の金融機関やフィンテック企業にもサービスを提供。
2021年6月1日にNASDAQに上場し、ティッカーシンボルは「SOFI」。代表者はアンソニー・ノート(Anthony Noto)氏で、従業員数は約4,400人。
ソーファイの企業情報は以下。
- 会社名: ソーファイ・テクノロジーズ(SoFi Technologies, Inc.)
- 設立年: 2011年
- 本社所在地: 米国カリフォルニア州サンフランシスコ
- 代表者: アンソニー・ノート(Anthony Noto)
- 公式サイト: https://www.sofi.com/
- 主な事業内容: 個人向けオンライン金融サービスの提供(学生ローン、個人ローン、住宅ローン、投資サービス、デジタルバンキング、クレジットカード、保険販売)、テクノロジープラットフォームの提供(Galileo、Technisys)
ソーファイ・テクノロジーズ(SOFI)の企業理念とビジョンは?
ソーファイ・テクノロジーズ(SoFi Technologies, Inc.)の企業理念は、「人々が経済的自立を達成し、目標を実現する手助けをすること」。
この経済的自立とは、単に裕福になることではなく、自分の資金を活用して望む生活を送ることを意味する。
同社は、メンバーが「お金を正しく管理する」ために必要な支援を提供することを目指している。
この理念のもと、ソーファイは統合されたデジタルプラットフォームを通じて、迅速で多様な金融商品と利便性を提供し、メンバーの経済的成功をサポートしている。
ソーファイ(SOFI)の主力サービスは?
ソーファイ(SoFi)の主力サービスは、大きく分けて 「個人向け金融サービス」 と 「金融プラットフォーム事業」 の2つ。
フィンテック企業として、デジタルバンキングから投資、ローン、クレジットカードまで幅広く展開している。
個人向け金融サービス
一般消費者向けに、銀行や証券会社のような役割を果たすのが特徴。
① ソーファイ・バンキング(SoFi Bank)
- 完全オンラインのデジタル銀行。
- 高金利の預金口座 を提供(2024年現在、業界平均よりも高めの金利)。
- 月額手数料なし、ATM手数料無料などの優遇措置。
② 個人向けローン(Personal Loans & Student Loans)
- 学生ローンの借り換え(リファイナンス)がソーファイの原点。
- 住宅ローンやクレジットスコアが低い人向けの個人ローンも展開。
- 低金利&柔軟な返済プランが強み。
③ クレジットカード(SoFi Credit Card)
- 利用額の2%をリワードポイントで還元。
- ポイントはローン返済や投資に回せる仕組み。
- Apple Pay、Google Payに対応。
④ 投資プラットフォーム(SoFi Invest)
- 米国株、ETF、仮想通貨に少額投資可能。
- 手数料無料の取引オプションあり。
- 「オート・インベスト」機能で、自動積立投資が可能。
金融プラットフォーム事業(BtoB)
金融機関やフィンテック企業向けに、金融インフラを提供するビジネスも展開。
① Galileo(ギャリレオ)
- 他のフィンテック企業向けの 決済処理&銀行インフラの提供。
- 例)ChimeやRobinhoodなどの人気フィンテック企業も利用。
② Technisys(テクニシス)
- デジタルバンキングのバックエンドシステム を提供。
- 企業が独自の銀行サービスを作るための基盤となる。
ソーファイは「金融のスーパーマーケット」のような存在。
個人向けには銀行・投資・ローン・クレカを統合したデジタルプラットフォームを提供し、一方で企業向けにはフィンテックインフラを支える事業を展開。
個人ユーザーだけでなく、フィンテック企業の裏側でも活躍しているのが特徴。
ソーファイ(SOFI)のビジネスモデルは?どのように収益を生み出している?
ソーファイ(SoFi)のビジネスモデルは、 「個人向け金融サービス」と「BtoB金融インフラ提供」 の2本柱で成り立っている。
主に ローン、銀行サービス、投資、クレジットカード、BtoB金融インフラ から収益を得ている。
1. 個人向け金融サービス(BtoC)
一般消費者に直接提供する金融サービスで、ソーファイのメイン事業。
① ローン事業(収益の大部分)
- 収益源: 金利差(貸付金利 ー 資金調達コスト)
- 対象: 学生ローン、個人ローン、住宅ローンなど
- 特徴: 低金利で借り換え可能、手数料が安い
- 収益化: 貸し付けたローンを証券化し、投資家に販売することで資金回収
→ ソーファイの最大の収益源。金利上昇局面では利ざやが縮小し、逆に金利低下局面では有利に働く。
② 銀行事業(SoFi Bank)
- 収益源: 預金を活用した貸し付け(伝統的な銀行モデル)
- 特徴: 高金利の預金口座を提供し、多くの資金を集める
- 収益化: 預かった預金をもとにローンを組成し、金利差で利益を得る
→ 2022年に銀行ライセンスを取得し、自己資金での貸し出しが可能に。利益率が向上。
③ クレジットカード事業(SoFi Credit Card)
- 収益源: カード利用時の手数料(加盟店からのインターチェンジフィー)、利息収入
- 特徴: ポイント還元があり、SoFiの他サービスと連携可能
- 収益化: カード利用者が発生させる手数料&リボ払いの利息収入
→ ユーザーの金融エコシステムを形成し、他のサービスへのクロスセルを促進。
④ 投資プラットフォーム(SoFi Invest)
- 収益源: 有料プランの手数料、証券貸付収益、オプション取引手数料
- 特徴: 株・ETF・仮想通貨を手数料無料で取引可能(オプション取引は手数料あり)
- 収益化: 有料プラン(月額)、スプレッド収益、証券貸付手数料
→ 手数料無料の株取引でユーザーを獲得し、オプション取引や有料プランで収益化。
BtoB金融インフラ提供
金融機関やフィンテック企業向けに、決済・銀行インフラを提供する事業。
① Galileo(ギャリレオ)
- 収益源: API利用料(月額課金・取引ごとの手数料)
- 特徴: フィンテック企業向けの決済処理&銀行システムを提供
- 収益化: 顧客(Chime, Robinhoodなど)が利用するたびに手数料が発生
→ フィンテックブームの拡大により、安定的な収益源となっている。
② Technisys(テクニシス)
- 収益源: デジタルバンキングシステムのライセンス料
- 特徴: 企業が独自の銀行サービスを構築するためのバックエンドシステム
- 収益化: 初期導入費用+継続的なライセンス課金
→ 銀行やフィンテック企業のデジタル化が進む中で需要が拡大中。
ソーファイの収益モデル
事業 | 収益源 | 特徴 |
---|---|---|
ローン事業 | 金利差+ローン証券化 | 収益の柱、金利動向に影響を受ける |
銀行事業 | 預金活用の貸し付け | 高金利預金で顧客を獲得し、融資で収益化 |
クレジットカード | 加盟店手数料+利息収入 | ポイント還元でエコシステムを形成 |
投資サービス | 有料プラン・証券貸付 | 手数料無料の株取引で顧客獲得、オプション取引で収益化 |
Galileo | API利用料・取引手数料 | フィンテック企業向けの安定収益源 |
Technisys | ソフトウェアライセンス | デジタルバンキング向けの成長事業 |
ソーファイは 個人向け金融サービスでユーザーを獲得し、ローンや投資で収益を上げる戦略。
さらに GalileoやTechnisysを活用したBtoB事業 で収益の安定化を図っている。
長期的には、デジタル銀行としての成長と、BtoB部門の拡大が鍵を握る。
取引市場は?
ソーファイ・テクノロジーズ(SoFi Technologies, Inc.)は、2021年6月1日にNASDAQ市場に上場し、ティッカーシンボルは「SOFI」
ソーファイ(SOFI)は黒字化している?
ソーファイ(SOFI)は黒字化しており、2024年には、GAAPベースで6,100万ドルの純利益を計上し、4四半期連続で黒字を達成した。
これは、同社の収益源の多様化と、テクノロジー・プラットフォーム事業の成長によるもの。
SoFiは、2024年に初めて年間利益を計上し、収益性の向上に成功しており、 今後も、コスト管理の徹底や資本効率の高い事業への投資により、収益性向上を図っていくと考えられる。
ソーファイ(SOFI)は何がすごい。
ソーファイ(SoFi)がすごい理由は 「デジタルバンク+投資+ローン+クレカを統合した、オールインワン金融サービス」を提供している点にある。
一般的なフィンテック企業は 「決済」「送金」「投資」など特定の領域に特化 するが、ソーファイは ほぼすべての金融サービスを1つのプラットフォームで完結できる。
銀行・証券・ローンを1つのアプリで完結
普通なら「銀行口座はA社、投資はB社、クレカはC社…」とバラバラになるが、ソーファイなら 1つのアプリで「預金」「投資」「ローン」「クレジットカード」「仮想通貨」まで管理 できる。
フィンテック企業の裏側も支える(BtoB事業が強い)
ソーファイは 「Galileo(ギャリレオ)」と「Technisys(テクニシス)」 というBtoB向けのフィンテック事業も展開。これは 他のフィンテック企業が自社の銀行サービスを作るためのインフラ となる。
つまり、ソーファイは 「自社で金融サービスを提供するだけでなく、他のフィンテック企業にもインフラを貸し出す」 ことで、安定的な収益を確保している。
2024年、ついに黒字化!
フィンテック企業の多くは 成長のために投資を続け、なかなか黒字化しない。しかし、ソーファイは 2024年に黒字化 を達成。
「フィンテック=赤字成長」というイメージを覆した企業 であり、これが投資家からも高く評価されている。
銀行ライセンスを取得してコストダウン
2022年に銀行ライセンスを取得し、自社で預金を集められるようになった。
従来のフィンテック企業は「銀行から資金を借りて貸し出す」ため利ざやが薄く、金利上昇時には利益が圧迫される。しかし、ソーファイは 銀行ライセンス取得により、金利環境に左右されにくい強いビジネスモデルを確立 した。
このようなソーファイのすごさは、単なるフィンテック企業ではなく 「デジタルバンク+投資+ローン+クレカ+金融インフラ」を統合した次世代の総合金融プラットフォーム を実現している点にある。
さらに、 2024年に黒字化を達成し、BtoBのインフラビジネスも持つことで収益の安定性が高い。これが、他のフィンテック企業と一線を画すソーファイの強みである。
ソーファイ(SOFI)のセクター、業種、属するテーマは?
セクター
金融(Financials):ソーファイ・テクノロジーズは金融セクターに属し、オンラインバンキング、ローン、投資プラットフォームなどのデジタル金融サービスを提供するフィンテック企業。
業種
消費者向け金融(Consumer Finance):同社は、個人向けの銀行業務、クレジットカード、ローン、投資サービスを統合的に提供し、従来の銀行に代わるデジタル金融ソリューションを展開する。
属するテーマ
デジタルバンキングとフィンテックの進化:ソーファイは、テクノロジーを活用して個人向け金融のあり方を変革し、シームレスな金融エコシステムを構築。
銀行ライセンス取得により従来の銀行業務とフィンテックの融合を加速し、オールインワンのデジタル金融サービスを提供する。
さらに、BtoB事業としてGalileoやTechnisysを通じて他のフィンテック企業の成長も支援し、金融インフラの新たなスタンダードを確立する。
配当は?
ソーファイ・テクノロジーズ(SoFi Technologies, Inc.)は配当を実施していない。
同社は、 収益を事業拡大や顧客獲得、フィンテックインフラの強化に再投資する戦略 を取っている。そのため、当面は 配当ではなく株価成長によるリターンを狙う銘柄 という位置づけ。
ソーファイ(SOFI)の競合企業は?
ソーファイ・テクノロジーズ(SOFI)の主要な競合企業は以下の通り。
- ペイパル(PYPL): 米国を拠点とするオンライン決済サービスのリーディングカンパニー。個人間送金やEC決済を中心に展開し、デジタル金融サービスの一環としてソーファイと競合。特に、Venmoを通じた個人向け決済サービスで強みを持つ。
- ブロック(SQ): 旧スクエア(Square)として知られるフィンテック企業。小規模事業者向けの決済プラットフォームSquareや、個人向けの送金・投資アプリCash Appを提供。特に、Cash App内での株式・ビットコイン取引機能が、ソーファイの投資プラットフォームと競合する。
- チャイム(非上場): 米国のデジタルバンク。手数料無料の預金口座やデビットカードを提供し、従来の銀行に代わる金融サービスを展開。ソーファイのデジタルバンク事業と直接競合。
- ロビンフッド(HOOD): 手数料無料の証券取引アプリを提供する米国のフィンテック企業。ソーファイの「SoFi Invest」と競合し、若年層の投資家向けにシンプルで使いやすい株取引・オプション取引プラットフォームを展開。
- アップスタート(UPST): AIを活用した個人向けローン審査プラットフォームを提供するフィンテック企業。信用スコアに依存しない独自のアルゴリズムを活用し、ソーファイの個人ローン事業と競合。
- アファーム(AFRM): 「今買って後で払う(BNPL)」サービスを提供するフィンテック企業。クレジットカードを介さない後払い決済を推進し、ソーファイのクレジットカード事業と競合。
- アリー・ファイナンシャル(ALLY): オンラインバンクとして自動車ローン、個人ローン、投資サービスを提供する米国の金融企業。ソーファイの銀行事業や投資プラットフォームと競合し、デジタルバンク市場で直接対立するプレイヤー。
ソーファイは デジタルバンキング、ローン、投資、クレカ、決済インフラと多角的に展開しているため、競合も分野ごとに異なる。特に、ペイパルやロビンフッド、ブロックといったフィンテック企業が主要な競争相手となる。
ソーファイ(SOFI)が属する業界の規模と成長性は?
ソーファイ・テクノロジーズが属する フィンテック業界 は、近年急速な成長を遂げており、今後もさらなる拡大が予測されている。以下は、業界の規模と成長性について。
フィンテック業界の市場規模
- 世界市場: 2024年の市場規模は約3,401億ドルと推定され、2032年までに約1兆1,520億6,000万ドルに達すると予測されている。
- 北米市場: 2024年時点で約1,237億2,000万ドルと推定され、2029年までに約2,770億9,000万ドルに達すると予測されている。
- 米国市場: 2024年の市場規模は約4兆ドルに達し、予測期間中の年平均成長率(CAGR)は11%と見込まれている。
デジタルバンキング業界の市場規模
- 北米市場: 2019年に約3,762億ドルと評価され、2027年までに約7,213億ドルに達すると予測されている。
業界の成長要因
- デジタル化の進展: アメリカでは、2022年に78%の人々がモバイルアプリやウェブサイトで銀行取引を行うなど、デジタルバンキングの利用が一般化している。
- フィンテック企業への投資増加: 米国では数多くのフィンテック新興企業が登場し、そのいくつかは伝統的な金融機関に匹敵する規模に成長している。
- 技術革新: AI、ブロックチェーン、クラウドコンピューティング、ビッグデータなどの技術がフィンテック業界の発展を支えている。
これらの要因により、ソーファイが属するフィンテック業界は今後も高い成長が期待されまている。特に、デジタルバンキングやオンライン金融サービスの需要増加が、業界全体の拡大を後押しするでしょう。
ソーファイ(SOFI)の競合との差別化要素と優位性は?
ソーファイ(SoFi)の競合との差別化要素と優位性は 「オールインワン金融プラットフォーム」「銀行ライセンス取得」「BtoB金融インフラ事業」 の3つに集約される。
競合と比較したソーファイの差別化ポイント
比較項目 | ソーファイ(SOFI) | ペイパル(PYPL) | ブロック(SQ) | ロビンフッド(HOOD) | チャイム(非上場) |
---|---|---|---|---|---|
銀行ライセンス | ✅(2022年取得) | ❌(未取得) | ✅(2021年取得) | ❌(未取得) | ❌(未取得) |
個人向けローン | ✅ | ❌ | ❌ | ❌ | ❌ |
投資プラットフォーム | ✅(株・ETF・仮想通貨) | ❌ | ✅(Cash App内でBTC取引) | ✅(株・オプション・仮想通貨) | ❌ |
クレジットカード | ✅ | ❌ | ❌ | ❌ | ❌ |
デジタルバンキング | ✅(高金利口座) | ❌ | ✅(Square Banking) | ❌ | ✅ |
BtoB金融インフラ | ✅(Galileo、Technisys) | ❌ | ❌ | ❌ | ❌ |
ソーファイの競争優位性
- オールインワン金融プラットフォーム → 銀行、投資、ローンを統合
- 銀行ライセンス取得 → 調達コスト削減、金利競争力の向上
- BtoB金融インフラ事業 → 他のフィンテック企業の成長を支え、安定収益を確保
ペイパル(決済)、ロビンフッド(投資)、チャイム(デジタルバンク)といった競合は、それぞれ特定の領域に特化しているが、ソーファイは「すべてを1つにまとめた総合金融プラットフォーム」という点で差別化されている。
この多角的なビジネスモデルにより、ソーファイは 短期的な市場環境の変動に強く、長期的な成長が期待される企業 である。
ソーファイ(SOFI)の業績について
ソーファイ(ティッカー: SOFI)の財務年度は12月31日に終了する。
四半期ごとの決算発表スケジュールは以下の通り。
- 第1四半期決算:5月上旬
- 第2四半期決算:7月下旬
- 第3四半期決算:10月下旬
- 第4四半期および通期決算:翌年1月下旬
まずは、ソーファイ(SOFI)の最低限の業績分析を行なうための、以下の4つの指標を確認していきます。
- 売上:企業の業績と成長しているかを見る指標。
- 営業キャッシュフローと営業キャッシュフローマージン:企業がサービスからどれくらい現金を生み出しているかを見る指標。マージンはその比率で15%あると優良とされる。
- 営業利益:企業が主力の事業で稼いだ利益。企業の業績を評価する指標。
- フリーキャッシュ・フロー:企業が手元に残す自由に使える現金。財務的な柔軟性や、経営の安定性を示す。
- EPS:1株当たり純利益で企業の稼ぐ力「収益力」と「成長性」を見る指標。数値が高いほど収益力が高い。
各データは、Investing.com、TradingViewより参照。
ソーファイ(SOFI)の株価
ソーファイ(SOFI)の現在のリアルタイム株価チャート(TradingView)を表示しています。
チャートには、RSI(Relative Strength Index)を表示しています。相場の過熱感の指標として参考。
※RSIが70%~80%を超えると買われ過ぎ、反対に20%~30%を割り込むと売られ過ぎの目安。
ソーファイ(SOFI)の四半期:売上推移
四半期ごとの売上予測と実績値、対前年比の推移です。
年度(四半期) | 予測 | 売上実績(発表値) | 対前年比 |
---|---|---|---|
2022:Q1 | 285.18 | 321.73 | |
2022:Q2 | 340.76 | 356.09 | |
2022:Q3 | 393.44 | 419.26 | |
2022Q4 | 425.62 | 443.42 | |
2023:Q1 | 440.57 | 460.16 | 43.03% |
2023:Q2 | 473.94 | 488.81 | 37.27% |
2023:Q3 | 511.37 | 530.72 | 26.58% |
2023:Q4 | 572.02 | 594.25 | 34.02% |
2024:Q1 | 557.73 | 580.65 | 26.18% |
2024:Q2 | 565.19 | 596.97 | 22.13% |
2024:Q3 | 631.6 | 689.45 | 29.91% |
2024:Q4 | 674.62 | 739.11 | 24.38% |
2025:Q1 | 739.99 | ||
2025:Q2 | 784.84 | ||
2025:Q3 | 838.24 | ||
2025:Q4 | 870.91 |
売上予測と実績の推移をグラフで表示しています。
ソーファイ(SOFI)の四半期:営業キャッシュフローとフリーキャッシュフロー推移
四半期ごとの営業キャッシュフロー、営業キャッシュフローマージンとフリーキャッシュフローの推移です。
年度(四半期) | 営業CF | 営業CFマージン | フリーCF |
---|---|---|---|
2022:Q1 | 38.69 | 12.03% | 13.57 |
2022:Q2 | 11 | 3.09% | -13.92 |
2022:Q3 | 84.37 | 20.12% | 58.43 |
2022Q4 | 73.56 | 16.59% | 45.8 |
2023:Q1 | 88.27 | 19.18% | 61.74 |
2023:Q2 | 154.42 | 31.59% | 126.83 |
2023:Q3 | 93.65 | 17.65% | 63.24 |
2023:Q4 | 215.52 | 36.27% | 178.88 |
2024:Q1 | 1.35 | 0.23% | -32.76 |
2024:Q2 | -2.28 | -0.38% | -41.75 |
2024:Q3 | 61.4 | 8.91% | 15.6 |
2024:Q4 | 1210 | 163.71% | 1160 |
それぞれの推移をグラフで表示しています。
ソーファイ(SOFI)の四半期:営業利益と営業利益率推移
四半期ごとの営業利益と営業利益率推移の推移です。
年度(四半期) | 営業利益 | 営業利益率 |
---|---|---|
2022:Q1 | -86.13 | -26.77% |
2022:Q2 | -68.93 | -19.36% |
2022:Q3 | -34.26 | -8.17% |
2022Q4 | 59.88 | 13.50% |
2023:Q1 | 99.5 | 21.62% |
2023:Q2 | 129.54 | 26.50% |
2023:Q3 | 199.55 | 37.60% |
2023:Q4 | 306.75 | 51.62% |
2024:Q1 | 145.97 | 25.14% |
2024:Q2 | 45.54 | 7.63% |
2024:Q3 | 107.93 | 15.65% |
2024:Q4 | 95.1 | 12.87% |
それぞれの推移をグラフで表示しています。
ソーファイ(SOFI)の四半期:EPS推移
四半期ごとのEPS予測とEPS実績値の推移です。
年度(四半期) | EPS(予測) | EPS(実績) | 差 |
---|---|---|---|
2022:Q1 | -0.14 | -0.14 | 0 |
2022:Q2 | -0.13 | -0.12 | 0.01 |
2022:Q3 | -0.11 | -0.09 | 0.02 |
2022Q4 | -0.09 | -0.05 | 0.04 |
2023:Q1 | -0.08 | -0.05 | 0.03 |
2023:Q2 | -0.07 | -0.06 | 0.01 |
2023:Q3 | -0.08 | -0.29 | -0.21 |
2023:Q4 | 0 | 0.02 | 0.02 |
2024:Q1 | 0.01 | 0.02 | 0.01 |
2024:Q2 | 0 | 0.01 | 0.01 |
2024:Q3 | 0.04 | 0.05 | 0.01 |
2024:Q4 | 0.04 | 0.29 | 0.25 |
2025:Q1 | 0.04 | ||
2025:Q2 | 0.06 | ||
2025:Q3 | 0.07 | ||
2025:Q4 | 0.08 |
それぞれの推移をグラフで表示しています。
ソーファイ(SOFI)の通期:売上推移
通期の売上予測と実績値、対前年比の推移です。
年度(通期) | 売上予測 | 売上実績(発表値) | 対前年比 |
---|---|---|---|
2020年 | 565.5 | ||
2021年 | 1010 | 1010 | 78.60% |
2022年 | 1520 | 1540 | 52.48% |
2023年 | 2060 | 2070 | 34.42% |
2024年 | 2540 | 2610 | 26.09% |
2025年 | 3220 | ||
2026年 | 3870 | ||
2027年 | 4390 |
それぞれの推移をグラフで表示しています。
ソーファイ(SOFI)の通期:営業キャッシュフロー、フリーキャッシュフロー推移
通期の営業キャッシュフロー、営業キャッシュフローマージンとフリーキャッシュフローの推移です。
年度(通期) | 営業CFフロー | 営業CFマージン | フリーCF |
---|---|---|---|
2017年 | 76.79 | 65.21 | |
2018年 | -205.60 | -219.33 | |
2019年 | -179.5 | -217.09 | |
2020年 | -1.29 | -0.23% | -1.29 |
2021年 | -41.89 | -4.15% | -94.15 |
2022年 | 207.62 | 13.48% | 103.88 |
2023年 | 551.87 | 26.66% | 430.68 |
2024年 | 1270 | 48.66% | 1110 |
それぞれの推移をグラフで表示しています。
ソーファイ(SOFI)の通期:営業利益と営業利益率推移
通期の営業利益と営業利益率推移の推移です。
年度(通期) | 営業利益 | 営業利益率 |
---|---|---|
2017年 | 368 | |
2018年 | 77.2 | |
2019年 | 39 | |
2020年 | -0.66 | -0.12% |
2021年 | -378.4 | -37.47% |
2022年 | -129.45 | -8.41% |
2023年 | 735.34 | 35.52% |
2024年 | 394.53 | 15.12% |
それぞれの推移をグラフで表示しています。
ソーファイ(SOFI)の通期:EPS推移
通期のEPS予測とEPS実績値の推移です。
年度(通期) | EPS(予測) | EPS(実績) | 差 |
---|---|---|---|
2021年 | -1.06 | -1 | 0.06 |
2022年 | -0.43 | -0.4 | 0.03 |
2023年 | -0.39 | -0.36 | 0.03 |
2024年 | 0.12 | 0.39 | 0.27 |
2025年 | 0.26 | -0.26 | |
2026年 | 0.52 | -0.52 | |
2027年 | 0.79 |
それぞれの推移をグラフで表示しています。
ソーファイ(SOFI)の将来生と今後の見通しは?
ソーファイ・テクノロジーズ(SoFi Technologies, Inc.)は、近年の業績成長と多角的な戦略により、今後もさらなる成長が期待される。
特に、「オールインワン金融プラットフォームの拡大」「BaaS(Banking as a Service)事業の成長」「AI・データ活用による競争力強化」「海外市場進出」 の4つが成長の柱となる。
業績の好調と黒字化の達成
ソーファイは、2024年通年で黒字化を達成 し、持続可能な成長フェーズへ移行。
- 2024年第4四半期:経常収益7億3,900万ドル、調整後EBITDA1億9,800万ドル(市場予想を上回る)
- 2024年通年:純利益4億9,866万ドルを計上
この黒字化により、フィンテック企業の中でも収益性の高い企業へと変貌を遂げつつある。
長期的な成長戦略
(1) 顧客基盤の拡大
- 積極的なマーケティングと新サービス投入によりユーザー数を拡大
- 銀行、投資、ローン、クレカなど、ワンストップで提供するエコシステムが強み
- クロスセル戦略(ローン利用者を投資サービスに誘導するなど)でLTV(顧客生涯価値)を向上
(2) サービスの多角化
- 学生ローン借り換えからスタートし、現在はデジタルバンキング、投資、保険、クレジットカード、仮想通貨 まで幅広く展開
- 今後も顧客のニーズに応じた新サービスを導入し、成長を加速
(3) AI・データ活用による競争力強化
- AIを活用した融資審査システムや不正防止ツールを導入
- パーソナライズされた金融サービス を提供し、顧客体験を向上
- Galileoの会話型AIエンジンを活用 し、カスタマーサポートを自動化
(4) 海外市場進出
- Galileoプラットフォームを活用し、海外フィンテック企業との提携を拡大
- メキシコの大手銀行と提携し、今後は他の地域にも進出予定
新規市場進出と事業拡大
(1) ロボアドバイザー
- BlackRockと提携したロボアドバイザープラットフォームを展開
- 投資初心者や少額投資家をターゲット に、幅広いポートフォリオを提供
(2) オルタナティブ投資
- プライベート・マーケット・ファンドへの投資機会を提供し、富裕層顧客の獲得を狙う
- Open AI、SpaceX、Epic Gamesなどの未上場企業 への投資に関心を持つ個人投資家の需要を取り込む
(3) BaaS(Banking as a Service)事業
- Galileoはすでに70以上のフィンテック企業にサービスを提供
- デジタル口座開設、直接預金、決済処理など、金融機関向けに銀行インフラを提供
- 今後のBaaS市場の拡大とともに、安定した収益源となる見込み
株主価値向上に向けた取り組み
(1) 収益成長
- 2026年以降、年間20~25%のEPS(1株当たり利益)成長を目標
- 顧客基盤の拡大、サービスの多角化、BaaS事業の成長が牽引
(2) 収益性向上
- コスト管理の徹底と資本効率の高い事業への投資
- 2024年の黒字化を維持し、利益率のさらなる向上を目指す
(3) 株主還元
- 自社株買いなどの株主還元策を今後検討
ソーファイは、「銀行+投資+ローン+クレカ」のオールインワン金融サービス を強みに、顧客基盤の拡大と事業の多角化を進めている。
今後もフィンテック業界での競争は激化するが、銀行ライセンスを持ち、BaaS事業を展開するソーファイは、他のフィンテック企業と一線を画す存在。持続的な成長が期待される。
ソーファイ(SOFI)の2024年のQ3決算サマリー
発表日:25/01/27
売上高と収益
- Q4売上高:7億3,400万ドル(前年同期比19%増)
- 通期売上高:26億7,500万ドル(前年比26%増)
- 調整後純収益:26億600万ドル(前年比26%増)
- 手数料収益:9億6,900万ドル(前年比74%増)
利益
- Q4純利益:3億3,200万ドル(前年同期比594%増)
- 通期純利益:4億9,900万ドル(前年の赤字3億700万ドルから黒字転換)
- GAAP EPS(1株当たり利益):
- Q4:$0.29
- 通期:$0.39
- 調整後EBITDA:
- Q4:1億9,800万ドル(前年同期比9%増)
- 通期:6億6,600万ドル(前年比54%増)
キャッシュフローと財務状況
- 現金および現金同等物:25億3,800万ドル
- 純金利収入(NII):
- Q4:4億7,000万ドル(前年同期比21%増)
- 通期:17億1,600万ドル(前年比36%増)
- 貸出総額:232億ドル(前年比33%増)
事業の進展
融資(Lending)
- 個人ローンの新規発行額:Q4で53億ドル(前年比63%増)
- 学生ローンの新規発行額:13億ドル(前年比71%増、2021年以降で最高)
- 住宅ローンの新規発行額:5億7,700万ドル(前年比87%増)
- ローンプラットフォーム事業:
- 2024年通期で21億ドルのパーソナルローンを販売・移転
金融サービス(Financial Services)
- 金融サービス部門の純収益:
- Q4:2億5,600万ドル(前年同期比84%増)
- 通期:8億2,100万ドル(前年比88%増)
- 総預金額:260億ドル
- 会員数:1,012万人(前年比34%増)
- 提供商品数:1,475万件(前年比32%増)
- SoFi Money:口座数510万件(前年比51%増)
- SoFi Invest:口座数250万件(前年比6%増)
テクノロジープラットフォーム(Technology Platform)
- Q4純収益:1億300万ドル(前年比6%増)
- 通期純収益:3億9,500万ドル(前年比12%増)
- 主要な契約締結:
- 米財務省(US Treasury):政府給付金支払いプラットフォーム「Direct Express」の処理パートナーに選定
- 大手ホテルブランドと共同デビットカードプログラムを2025年上半期に開始予定
2025年の見通し
- Q1売上予想:7億2,500万~7億4,500万ドル
- Q1 GAAP純利益予想:3,000万~4,000万ドル(EPS $0.03)
- 2025年通期売上予想:32億~32億7,500万ドル(前年比23~26%成長)
- 2025年通期GAAP純利益予想:2億8,500万~3億500万ドル(EPS $0.25~$0.27)
- EBITDA予想:8億4,500万~8億6,500万ドル
ソーファイは、5四半期連続の黒字を達成し、2024年通期で初のGAAPベース黒字を記録。金融サービス部門とテクノロジープラットフォームが急成長し、特に預金とローン発行額が大幅増加。2025年もさらなる利益成長と、会員数・商品数の拡大が期待される。
ソーファイ(SOFI)の株を買える証券会社は?
ソーファイ(SOFI)の株を取り扱っている主要な証券会社をリストアップしました。これらの証券会社では、外国株として直接の株取引のほか、CFD(差金決済取引)としての投資も選択できます。
取り扱い銘柄によっては購入できない場合があります。その際は、サクソバンク証券やIG証券などでCFDを利用することもあります。
人気の証券会社 | 株取引 | CFD取引 |
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SBI証券 | ◯ | ✕ |
松井証券 | ◯ | ✕ |
楽天証券 | ◯ | ✕ |
マネックス証券 | ◯ | ✕ |
三菱UFJ eスマート証券 | ◯ | ✕ |
DMM株 | ✕ | ✕ |
サクソバンク証券 | ◯ | ◯ |
IG証券 | ✕ | ◯ |
GMOクリック証券 | ✕ | ✕ |
moomoo証券 | ◯ | ✕ |
まとめ
ソーファイ(SOFI)の事業内容や独自の強み、競争優位性について詳しく掘り下げてきました。
SOFIは、高成長が期待されるフィンテック市場において、多様なサービス展開、優れたテクノロジー基盤、顧客中心の戦略 を強みに、長期的な成長ポテンシャルを持つ企業です。
また、金融銘柄であるため、今後の金利低下が追い風となり、業績のさらなる押し上げにつながる可能性もあります。
個人的にこの銘柄は、長期視点でじっくりと向き合っていきたいと思います。
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