このマクロ市場分析は、私(@mifsee)が米国市場への投資判断に際し、日々のマクロ環境を俯瞰的に捉えるための個人的な学習記録としてアウトプットしているものです。内容には誤りや実際の状況と異なる点を含む可能性があります。あらかじめご了承のうえ、ご覧ください。
注目の上昇銘柄(ウォッチリストから)
ウォッチリスト(2025/09/16 終値ベース)
名柄 | 終値 | 変動率 | テーマ | インサイト |
---|---|---|---|---|
FLUX(フラックス・パワー) | 3.15 | +52.17% | 産業用リチウム電池 | FY25決算公表と$500万プレファンドワラント調達 |
JMIA(ジュミア・テクノロジーズ) | 11.91 | +21.65% | アフリカEC | RBC格上げ・目標大幅引き上げ |
BBAI(ビッグベアAI) | 5.94 | +16.70% | AI分析・政府ソリューション | ナッシュビル生体認証導入報道 |
BITF(ビットファームズ) | 2.89 | +16.53% | ビットコイン採掘 | BTC11.5万ドル近辺推移連動高 |
CRNC(セレンス) | 11.36 | +10.72% | 音声認識・車載AI | 特になし、下げ止まりからのモメンタム上昇に見える |
AREC(アメリカン・リソーシズ) | 2.71 | +10.61% | クリティカルミネラル・リサイクル | 買い推奨報道と目標$6提示 |
BE(ブルーム・エナジー) | 73.29 | +9.36% | 燃料電池・データセンター電源 | モルガンS目標引き上げ・OCI電源連想 |
KTOS(クラトス・ディフェンス) | 76.35 | +7.93% | 防衛・無人機 | 米無人機輸出規制緩和報道 |
CLSK(クリーンスパーク) | 11.20 | +8.84% | ビットコイン採掘 | BTC高止まり連動 |
IONQ(イオンキュー) | 62.26 | +5.33% | 量子コンピューティング | Needham目標$80引き上げ・買い継続 |
個人的所感
AIインフラ×電力・装置の再加速相場の様子。オラクル連想の燃料電池(BE)の上昇継続、量子(IONQ)のターゲット引き上げでハイテク物色拡散。
JMIAは格上げ報道もあり、一気に12ドル近辺へ。機関投資家の買いがしっかり。
政策ドリブンの防衛も並走。米政府の無人機輸出規制緩和でKTOSに資金流入、ドローン関連へ思惑波及。
暗号資産高の恩恵も続いており、BTC約$115k維持でマイナー(BITF・CLSK)に買い、出来高増加確認。BITFはHPC関連とのテーマも含み、驚異的な上昇が続いている。
一方、材料不透明銘柄の同調高も散見。CRNCは明確材料乏しく、イベント待ちの短期モメンタム色。需給主導相場の側面。FOMCで材料出尽くしの流れの可能性も視野に。
市場インサイト
【分析日】2025/09/15
全体ムード
米株はFOMC利下げ観測を背景にS&P500とナスダックが続伸、ダウは小幅高で高値追いの一服感のなかメガテック主導の流れ継続。
欧州はSTOXX600が反発し年初来高値圏を固める展開。日本は祝日で休場、グローバルでは原油の上昇と金の高値圏維持がクロスアセットに波及する局面。
債券は米独利回りが小幅低下しイベント前のデュレーション回帰、為替はドル安・ユーロ高と円は147円台のレンジ維持。暗号資産はビットコインが小動き、イーサリアムはイベント前の軽いリスクオフの様子。
エクイティ
指数 | 終値 | 前日比 | 背景 |
---|---|---|---|
ダウ | 45,883.45 | +49.23 (+0.11%) | FOMC前で景気敏感は様子見、大型株へ資金回帰 |
S&P500 | 6,615.28 | +30.99 (+0.47%) | メガテック買いと金利低下でバリュエーション許容 |
ナスダック | 22,348.75 | +207.65 (+0.94%) | AI関連・成長株に再度資金流入 |
日経225 | 44,768.12 | +0.00 (+0.00%) | 敬老の日で休場 |
STOXX600 | 557.16 | +2.32 (+0.42%) | 金融・資本財主導の戻り |
債券
国 | 10年利回り | 前日比(bp) | コメント |
---|---|---|---|
米国 | 4.05 % | -1 | FOMC前のポジション調整で利回り小幅低下 |
ドイツ | 2.70 % | -2 | 成長鈍化観測が上値抑制 |
日本 | 1.59 % | 0 | 会合前の様子見で横ばい |
為替
- USD/JPY 147.41(-0.18%):米長期金利低下でドル軟化、レンジ下限試し。
- EUR/USD 1.1761(+0.23%):利下げ前のドル安と欧州株高でユーロ堅調。
- USD/CNY 7.1242(+0.08%):中間値運用でボラ抑制の小幅高。
コモディティ
品目 | 終値 | 前日比 | ドライバー |
---|---|---|---|
WTI原油 | $63.30/bbl | +0.97% | ロシア製油所への攻撃で供給リスク意識 |
Brent原油 | $67.44/bbl | +0.67% | 地政学リスクとドル安で下支え |
天然ガス | $3.04/MMBtu | +3.47% | 供給面のタイト化観測 |
金(現物) | $3,679.13/oz | +0.99% | FOMC利下げ観測とドル軟化 |
銀 | $42.67/oz | +1.19% | 金連れ高と工業需要期待 |
銅 | $4.71750/lb | +1.41% | 中国刺激策思惑の買い戻し |
クリプト
- ビットコイン $115,362(+0.04%):イベント前の持ち高調整で小動き。
- イーサリアム $4,523.56(-1.77%):アルト主導の調整で反落。
マクロイベント焦点(今後3–4営業日)
- 2025/09/18(木)FOMC政策金利・SEP・議長会見:初回利下げの規模とドットの傾きに焦点。
- 2025/09/18(木)英MPC(政策金利):QT方針の更新有無に注目。
- 2025/09/18–19(木–金)日銀・金融政策決定会合:金利誘導と国債買入運営の調整有無。
- 2025/09/19(金)日本・全国CPI(8月):コアの鈍化度合いと賃上げ波及の点検。
インサイトまとめ
- 株式:イベント跨ぎは質への回帰継続、米メガテック厚め・景気敏感軽めが無難。
- 債券:FOMC前後は5–10年のデュレーション小幅追加が妥当。
- 為替:EUR買い戻し優位、USD/JPYは148接近で戻り売りが良さげ。
- コモディティ:原油は地政学上昇も戻り売り優勢、金は押し目買い・段階利食いが無難。
- クリプト:BTCは押し目拾い、ETHはイベント通過まで軽めが良さげ。