このマクロ市場分析は、私(@mifsee)が米国市場への投資判断に際し、日々のマクロ環境を俯瞰的に捉えるための個人的な学習記録としてアウトプットしているものです。内容には誤りや実際の状況と異なる点を含む可能性があります。あらかじめご了承のうえ、ご覧ください。
注目の上昇銘柄(ウォッチリストから)
ウォッチリスト(2025/10/13 終値ベース)
名柄 | 終値 | 変動率 | テーマ | インサイト |
---|---|---|---|---|
CRML(クリティカル・メタルズ) | 23.28 | +55.41% | レアアース・資源 | 米政府出資検討報道とレアアース規制の追い風 |
ASPI(ASPアイソトープス) | 13.32 | +31.49% | 同位体・核医療 | 投資家イベント告知の物色 |
WWR(ウェストウォーター・リソーシズ) | 2.56 | +29.29% | クリティカルミネラル | 中国のレアアース輸出規制強化の波及 |
BITF(ビットファームズ) | 5.39 | +28.33% | ビットコイン採掘 | BTC連動の上昇と出来高増 |
BE(ブルーム・エナジー) | 109.91 | +26.52% | 燃料電池・データセンター電源 | AI電源需要観測と大型計画報道の継続 |
RGTI(リゲッティ・コンピューティング) | 54.91 | +25.02% | 量子コンピューティング | Novera2台・約$5.7M受注の余韻 |
EOSE(イオス・エナジー) | 17.05 | +23.27% | 長時間蓄電 | Unico提携報道とオプション活況 |
QBTS(ディーウェーブ・クオンタム) | 40.62 | +23.02% | 量子アニーリング | B. Riley目標引き上げと量子物色継続 |
LGO(ラルゴ) | 2.46 | +23.02% | バナジウム・蓄電素材 | 関税影響と運転計画のコーポレート更新 |
BBAI(ビッグベアAI) | 8.81 | +22.02% | AI分析・国防 | 海軍向けSMX連携報道の余韻 |
LTBR(ライトブリッジ) | 26.91 | +21.88% | 次世代核燃料 | ATM計画開示の余韻 |
FLNC(フルーエンス・エナジー) | 15.89 | +21.39% | 蓄電・グリッド | テクニカル改善とAI蓄電需要思惑 |
個人的所感
米中のレアアース外交問題(関税)を発端とした先週末の急落から一転、
ヘッドラインのトーン軟化を背景に、レアアース規制を起点とする資源テーマとAIインフラ/量子分野の実需ヘッドラインが同時進行。
CRML・WWR・米国サプライチェーン関連銘柄には政策ドリブンの資金流入が続き、
RGTI・QBTSは受注や目標引き上げを契機にモメンタムを維持。
さらに、AI電源のBE、蓄電分野のEOSE・FLNCも、データセンター需要の波及を背景に買い回りが進行。
取り上げた銘柄は一部にとどまるが、市場全体としては大きなリバウンドを示した一日。
個人的にも、先週末に一部現金化していたポジションを大きく買い戻しました。
市場インサイト
【分析日】2025/10/13
全体ムード
米中通商ヘッドラインのトーン軟化と、AI半導体・データセンター連携報道の追い風によるリスク選好回復。
米国債市場がコロンブス・デーのため祝日休場となり金利発信が限定となる中、株式主導のセンチメント改善が進行。
欧州では、エクイティのレーティング引き上げや見直し買いの流入が支えとなり、STOXX600が反発。
日本はスポーツの日で休場ながら、海外主導のフローが観測される展開。
コモディティでは、金が史上高値圏で推移し、原油は前週安値圏からの自律反発。
総じて、通商リスクの巻き戻しと生成AI関連の物色が、リスク資産のカバー買いを誘発。
エクイティ
指数 | 終値 | 前日比 | 背景 |
---|---|---|---|
ダウ | 46,067.58 | +587.98 (+1.29%) | 通商リスク後退観測と大型株の買い戻し |
S&P500 | 6,654.72 | +102.21 (+1.56%) | 大統領発言のトーン軟化とAI関連の牽引 |
ナスダック | 22,694.61 | +490.18 (+2.21%) | 半導体・メガテック主導のリバウンド |
日経225 | — | +0.00 (+0.00%) | スポーツの日で休場 |
STOXX600 | 566.63 | +2.47 (+0.44%) | レーティング引き上げと見直し買い |
債券
国 | 10年利回り | 前日比(bp) | コメント |
---|---|---|---|
米国 | — | — | 米国債市場祝日休場(コロンブス・デー) |
ドイツ | 2.73 % | -1 | インフレ減速観測の余韻 |
日本 | — | — | 祝日休場で変動観測不可 |
為替
- USD/JPY 152.45(-0.46%):通商トーン軟化のドル安気味と祝日要因の薄商い。
- EUR/USD 1.07台後半(+0.2%前後):ユーロ圏インフレ鈍化余韻とドル需給の綱引き。
- USD/CNY 7.12近辺(+0.1%前後):中間値ガイダンス下のレンジ推移。
コモディティ
品目 | 終値 | 前日比 | ドライバー |
---|---|---|---|
WTI原油 | $59.79/bbl | +1.51% | 通商リスク緩和観測と自律反発 |
Brent原油 | $63.32/bbl | +0.94% | 需給均衡観と見直し買い |
天然ガス | $3.05/MMBtu | +0.30% | 近月需給のタイト化思惑 |
金(現物) | $4,067.79/oz | +2%超 | 通商不確実性の後退局面でも高値圏維持 |
銀 | $51.70/oz | +3%超 | 金高連動とタイトな地合い |
銅 | $4.70/lb | +0.2% | 中国需給見通しと株高の支え |
クリプト
- ビットコイン $116,000前後(+1–2%):株高・AIテーマ回帰下のリスク選好。
- イーサリアム $4,250前後(+1%):イベント待ちのレンジ上限試し。
マクロイベント焦点(今後3–4営業日)
- 2025/10/15(水)米・小売売上高(9月):実質消費の弾力性とサービス偏重の検証
- 2025/10/16(木)米・住宅着工/建設許可(9月):金利感応度と在庫循環の点検
- 2025/10/16(木)ユーロ圏・HICP改定値(9月):コア鈍化度合いの再確認
- 2025/10/17(金)中国・貿易統計(9月):外需モメンタムとコモディティ需要の手掛かり
インサイトまとめ
- 通商ヘッドラインの緩和に伴うリスク選好回復も先物での段階ヘッジ維持が無難
- AI関連再点火前提のメガテック厚め・景気敏感軽めの配分が良さげ
- 欧州は金利低下期待の恩恵を狙うクオリティグロース+ディフェンシブのバスケットが妥当
- 米債休場明けの金利再価格を見据えたデュレーション中立〜やや長めが無難
- 原油は戻り売り・金は押し目買いのクロスアセット分散が良さげ
- 為替は低ボラレンジ前提のEUR段階買い・USD/JPY逆張りの短期回転が妥当
(注)日本は祝日休場。米債は祝日休場につき利回りは参考表記。為替・コモディティは引値・もしくは終盤気配に基づく近似。