このマクロ市場分析は、私(@mifsee)が米国市場への投資判断に際し、日々のマクロ環境を俯瞰的に捉えるための個人的な学習記録としてアウトプットしているものです。内容には誤りや実際の状況と異なる点を含む可能性があります。あらかじめご了承のうえ、ご覧ください。
注目の上昇銘柄(ウォッチリストから)
上昇銘柄ウォッチリスト(2025/11/06 終値ベース)
| 名柄 | 終値 | 変動率 | テーマ | インサイト |
|---|---|---|---|---|
| BGS(ビー&ジー・フーズ) | 4.96 | +24.62% | 食品・調味料 | Q3 EPSビート・コスト削減進展 |
| ECOR(エレクトロコア) | 5.84 | +23.21% | 迷走神経刺激・疼痛管理 | Q3売上+33%・VA/Truvaga好調 |
| ALTO(アルト・イングリーディエンツ) | 1.42 | +22.41% | バイオ燃料・工業用アルコール | Q3黒字転換・粗利改善 |
| SITM(サイタイム) | 339.81 | +21.77% | シリコンタイミング(MEMS) | Q3EPS$0.87ビート・Q4売上ガイダンス上方 |
| COHR(コヒーレント) | 159.30 | +18.32% | フォトニクス・レーザー | Q1売上$1.58B・粗利拡大 |
| PEN(ペナンブラ) | 264.61 | +17.32% | 血栓除去・医療機器 | Q3増収・通期売上ガイダンス引き上げ |
| MTSI(マコム) | 166.92 | +11.54% | RF/光通信用半導体 | Q4決算ビート・見通し堅調 |
| MKSI(エムケーエス・インスツルメンツ) | 155.25 | +10.96% | 半導体製造・真空/計測 | Q3売上$988M上限着地・EPS上振れ |
| LTRX(ラントロニクス) | 5.08 | +9.25% | IoT・エッジネットワーク | Q1非GAAP EPS$0.04ビート・ドローン需要示唆 |
| APA(エーピーエー) | 23.64 | +9.14% | 石油・ガス | Q3説明会開催・年末$3.5億コスト削減目標評価 |
| PH(パーカー・ハネフィン) | 834.15 | +7.75% | 産業機器・油空圧 | Q1過去最高売上・通期EPSガイダンス引き上げ |
下落銘柄
| 名柄 | 終値 | 変動率 | テーマ | インサイト |
|---|---|---|---|---|
| ASPN(アスペン・エアロジェルズ) | 4.11 | -44.53% | エアロゲル・EV熱管理 | Q3EPS未達・通期見通し下方修正(EV減産反映) |
| AMSC(アメリカン・スーパーコンダクター) | 36.55 | -38.49% | 電力系統・風力制御 | Q2売上$65.9Mで予想未達・評価修正 |
| AOSL(アルファ&オメガ・セミ) | 19.65 | -27.49% | パワー半導体 | 12月期売上$160M見通し・粗利22〜23%示唆で失望 |
| DUOL(デュオリンゴ) | 193.74 | -25.49% | 語学学習アプリ | Q4EBITDA見通し下振れ・投資優先方針表明 |
| CELH(セルシウス) | 45.06 | -24.80% | エナジードリンク | 流通契約解消費用$2.47億計上・利益圧迫 |
| LTBR(ライトブリッジ) | 17.99 | -22.42% | 先進核燃料 | 販管費増で赤字拡大・収益化遅延懸念 |
| ENVX(エノヴィックス) | 9.03 | -20.23% | 次世代リチウム電池 | Q3後の弱気見通し・量産立ち上げ不透明感 |
| NOVT(ノバンタ) | 107.26 | -19.04% | 医療・産業用精密機器 | 転換有価証券$5.5億発行による希薄化懸念 |
| RDW(レッドワイヤ) | 5.98 | -18.08% | 宇宙インフラ・製造 | Q3赤字拡大・EAC悪化で採算懸念 |
| DASH(ドアダッシュ) | 196.46 | -17.45% | デリバリー・ロジスティクス | EPS未達・当期EBITDAガイダンス弱含み・26年投資増額示唆 |
| MTRX(マトリックス・サービス) | 12.66 | -18.85% | エネルギー設備EPC | Q1赤字計上・リストラ費用発生 |
| LEU(セントラス・エナジー) | 277.78 | -14.72% | 濃縮ウラン・核燃料 | 売上$74.9M未達・LEU部門粗損計上 |
| SMR(ニュースケール・パワー) | 32.46 | -14.38% | 小型原子炉(SMR) | ENTRA1マイルストーン認識でG&A+$5.02億・赤字拡大懸念 |
個人的所感
地合いの悪い中、好決算銘柄は好調。
サイタイム(SITM)は強いQ3とQ4上方で高βの資金流入、フォトニクスのコヒーレント(COHR)も粗利改善でリレー。
医療機器はペナンブラ(PEN)が好決算・ガイダンス引き上げでセクターを牽引。
半導体関連ではマコム(MTSI)とエムケーエス(MKSI)がビートで連騰、装置・部材チェーンの底固め確認。中小型ではラントロニクス(LTRX)が小幅ビートとドローン需要テーマで物色。
消費ディフェンシブのビー&ジー・フーズ(BGS)はEPS上振れとコスト施策評価。
バイオ燃料のアルト(ALTO)は黒字転換で見直し買い。
エネルギーはエーピーエー(APA)がコスト削減計画を材料視。
産業のパーカー・ハネフィン(PH)は過去最高売上と通期上方で高評価。
決算下落銘柄は以下。
デュオリンゴ(DUOL)は強い実績ながらQ4ガイダンス弱含みと投資優先で失望売り。
セルシウス(CELH)は契約解消費用の一括計上で利益急減、評価修正。
アスペン(ASPN)とアメリカン・スーパーコンダクター(AMSC)は売上面の未達が重く、直近の高バリュエーション解消。
アルファ&オメガ(AOSL)は翌期ガイダンスの減速示唆で需要消化懸念。
ノバンタ(NOVT)は転換証券発行の希薄化懸念。
レッドワイヤ(RDW)はEAC悪化を伴う赤字拡大で採算不安。
エノヴィックス(ENVX)は量産・見通しの不透明感継続。
ライトブリッジ(LTBR)とニュースケール(SMR)は費用増で赤字負担が重く、核関連のテーマ性後退。
マトリックス(MTRX)は赤字とリストラ費用で慎重姿勢。
市場インサイト
【分析日】2025/11/06
全体ムード
米新規失業保険の小幅悪化とBoE据え置きのタカ派バイアスの交錯による米長期金利の小緩み×ドル高粘着の綱引き。メガテックのガイダンス耐性とディフェンシブ回帰の併走、原油の小反発と金の小戻しによるコモディティのボラ縮小示唆。パウエル発言の慎重トーン余韻と要人発言のヘッジ強化、NFP前のポジション軽量化の一日。
エクイティ
| 指数 | 終値 | 前日比 | 背景 |
|---|---|---|---|
| ダウ | 47,982.40 | +217.30 (+0.45%) | 失業保険悪化による金利小緩みと循環株見直し |
| S&P500 | 6,927.80 | +14.58 (+0.21%) | クオリティ成長の選別買いと金利レンジ |
| ナスダック | 24,185.62 | +85.12 (+0.35%) | AI関連と大型グロースの相対強さ |
| 日経225 | 49,308.60 | +198.20 (+0.40%) | 先物買い戻しと円一服 |
| STOXX600 | 578.66 | +0.81 (+0.14%) | 決算選別とエネルギー一服の拮抗 |
債券
| 国 | 10年利回り | 前日比(bp) | コメント |
|---|---|---|---|
| 米国 | 4.03 % | −1 | 失業保険悪化とイベント前の需給 |
| ドイツ | 2.59 % | −1 | 景況感一服と供給要因の均衡 |
| 日本 | 1.66 % | 0 | 政策思惑の様子見と需給安定 |
為替
- USD/JPY 151.12(−0.12%):米金利小緩みと介入警戒の拮抗。
- EUR/USD 1.1725(+0.20%):ドル一服と欧州株の底堅さ。
- USD/CNY 7.1135(−0.05%):強め仲値運用下の狭いレンジ推移。
コモディティ
| 品目 | 終値 | 前日比 | ドライバー |
|---|---|---|---|
| WTI原油 | $59.60/bbl | +0.34% | 在庫観測一服と建玉整理。 |
| Brent原油 | $63.22/bbl | +0.27% | 供給不安一服とスプレッド修正。 |
| 天然ガス | $3.12/MMBtu | −1.27% | 気温見通しと在庫修正。 |
| 金(現物) | $4,099.50/oz | +0.26% | ディスインフレ観測とドル高の相殺。 |
| 銀 | $49.20/oz | +0.20% | 金連動と工業需要テーマの持ち直し。 |
| 銅 | $4.94990/lb | +0.10% | 在庫低位とエネルギー転換関連の支え。 |
クリプト
- ビットコイン $109,850.00(+0.60%):テック地合いの支えとイベント前の軽い買い戻し。
- イーサリアム $4,050.00(+0.50%):材料限定下の相対安定とアルト循環の薄さ。
マクロイベント焦点(今後3–4営業日)
- 2025/11/08(土)米・雇用統計(NFP):景気減速と賃金モメンタムの帰趨。
- 2025/11/11(火)独・ZEW景況感:景況感持ち直しの持続度合いの点検。
- 2025/11/12(水)米・CPI:ディスインフレ進行度と利下げ経路の検証。
- 2025/11/14(金)米・ミシガン期待インフレ(速報):インフレ期待の定着度の確認。
インサイトまとめ
- 株式:クオリティ成長×メガテックの軸維持とディフェンシブ抱き合わせが無難。
- 債券:米10年は4%前後の往来継続観、デュレーションは中立やや長めが妥当。
- 為替:ドル高気味の高原の小緩み待ち、USD/JPYは151前後のレンジ回転が良さげ。
- 原油:在庫ヘッドライン一服で押し目拾いと戻り売りの短期回転が妥当。
- 貴金属:金は段階買いもボラ前提の短期回転が無難。
- クリプト:BTCは105–110kレンジの保ち合い観、ETHは軽量スタンス維持が良さげ。


